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株式会社ミツウロコグループホールディングスを企業審査|シビックランクA・84点/100点|SmartOWLとLPG約90日備蓄を評価、男女賃金差と単体労働時間開示が課題

私たちは、企業の商品を購入したり、サービスを利用したりすることで、そこで働く人たちの未来を変えることができます。

働く人に十分な賃金を払い、休暇を確保し、安全な職場をつくり、人の負担を減らす企業の商品やサービスが選ばれれば、そうした企業により多くの売上が集まります。その結果、働く人を大切にする経営を続けやすくなります。

反対に、低賃金や長時間労働、安全上の問題を改善しない企業の商品やサービスが売れ続ければ、そうした働かせ方のままでも事業を続けることができます。

だからこの企業審査では、「私たちがお金を使うなら、どの企業を選ぶことが、そこで働く人にとってより良い社会につながるのか」という視点から企業を評価します。

なぜ企業を審査するのか?――このサイトの目的と、利用するメリット

今回審査する株式会社ミツウロコグループホールディングスは、総合84点、シビックランクAです。

株式会社ミツウロコグループホールディングスの特に強い点は、SmartOWLでLPガスの検針・配送負担を実際に減らし、約90日分のLPG備蓄と24時間365日の緊急出動体制で災害時の供給継続力も高めていることです。そのため、この企業の商品を購入したりサービスを利用したりすれば、検針・配送の負担が減り、災害時にも生活に必要なエネルギーが届きやすい社会につながる可能性が高まります。

一方で、改善点として全労働者の男女賃金比率が77.2%で、持株会社単体の平均残業時間や有給休暇取得率の公開情報がない点が残ります。

この記事では、株式会社ミツウロコグループホールディングスの強みと課題をさらに詳しく企業審査していきます。

目次

株式会社ミツウロコグループホールディングスの企業審査結果

ミツウロコグループホールディングスは、持株会社単体では平均給与、女性管理職比率、育児休業で強く、グループ統括ではSmartOWLによる省力化、LPガス・電力の安定供給、BCP、サイバー対策が高い水準です。

一方、持株会社単体の労働時間・有給取得の開示、男女賃金差、DXで減らした時間を賃金や自由時間へ返した結果には改善余地があります。子会社の現場実績は、持株会社自身の直接実績と区別して評価しています。

評価軸点数
Safety39/50
Innovation23/25
Protection22/25
総合点84/100
シビックランクA

評価時点:2026年10月

主な強み

  • 2026年3月期の提出会社単体平均年間給与1,037万5,000円
  • 提出会社の女性管理職比率47.4%
  • 提出会社の男性・女性育児休業取得率100%
  • グループで2024年度の労災死亡0人、重大事故0件、交通事故0件
  • SmartOWLでLPガス容器の平均配送回数を1軒あたり年6.6回から4.6回へ削減
  • SmartOWL実証で配送業務時間約30%、走行距離約20%を削減
  • LPガスの元売・国家備蓄約90日分、軒先在庫約60日分
  • 24時間365日の緊急出動体制
  • さいたま・長野の2拠点による事務センターBCP
  • 契約社員・協力会社を含む年1回のサイバー教育と抜き打ち標的型メール訓練

主な課題

  • 持株会社単体の平均残業、有給取得率、年間総労働時間が非公表
  • 全労働者の男女賃金比率77.2%
  • パート・有期労働者の男女賃金比率38.9%
  • グループの2024年度年間平均総労働時間が1,926.5時間へ増加
  • グループの2024年度作業災害11件、休業度数率2.39
  • SmartOWLの省力化が賃金、休日、残業へどこまで還元されたか非公表
  • 2025年度の安否確認訓練は目標年2回に対して1回
  • サイバー事故件数、復旧目標時間、復旧実績の定量開示が限定的

事業内容と人間への貢献

株式会社ミツウロコグループホールディングスは、LPガスや電力を直接すべての家庭へ販売する事業会社ではなく、ミツウロコグループの経営戦略・経営管理を担う持株会社です。傘下にはエネルギー、電力、食品、物流、不動産・ウェルネス、IT・シェアードサービス、海外事業などの会社があります。[出典1・2]

基本情報

項目内容
会社名株式会社ミツウロコグループホールディングス
英文名Mitsuuroko Group Holdings Co., Ltd.
設立1926年5月10日
持株会社移行2011年10月1日
代表者代表取締役社長 CEO 田島晃平
本社東京都中央区京橋三丁目1番1号
資本金70億77百万円
証券コード8131
2026年3月期提出会社従業員数74人
2026年3月期連結従業員数1,759人
平均年齢41.0歳
平均勤続年数8.1年
平均年間給与1,037万5,000円
2026年3月期連結売上高3,394億98百万円
2026年3月期連結営業利益123億68百万円

2026年3月期の法定開示では提出会社従業員数74人ですが、公式サイトの会社プロフィールでは別時点の従業員数がより少なく表示されています。集計時点や人員配置の違いがあるため、2026年3月期の賃金・男女比率などの評価には有価証券報告書の74人を使います。[出典1・2]

持株会社としての役割

持株会社自身がLPガスボンベを配送したり、飲料を製造したりするわけではありません。

グループ全体の資本配分、経営戦略、リスク管理、人財方針、サステナビリティ、情報セキュリティ、内部監査などを決め、子会社を統括するのが主な役割です。

そのため、本記事では平均給与、育児休業、男女賃金差などは提出会社単体の結果を優先し、SmartOWL、LPガス保安、食品品質、物流などは「持株会社が統括するグループ制度・子会社実績」として範囲を明記して評価します。

生活インフラを複数の事業で支える

グループではLPガス、都市ガス、石油製品、電力、再生可能エネルギー、飲料水、飲食、物流、住宅・不動産、ウェルネス、ITなどを展開しています。[出典1・17]

LPガスや電力は調理、給湯、空調、工場や店舗の稼働に必要です。飲料水や食品も日常生活と災害時の生活維持に関わります。

持株会社が利益を安全設備、備蓄、配送DX、再生可能エネルギー、人財へ振り向ければ、グループ会社を通じて利用者と働く人の両方へ影響します。

Safety|39/50

Safetyでは、持株会社自身の74人の賃金、休息、育児支援、公平性を中心に見ます。労働安全や商品安全は、グループ横断の制度と子会社の結果を区別しながら評価します。

平均給与、女性管理職比率、育児休業、グループ安全管理は強い一方、単体の労働時間開示と男女賃金差が課題です。

賃金・利益の還元|8/10

2026年3月期の提出会社単体の平均年間給与は1,037万5,000円です。平均年齢41.0歳、平均勤続年数8.1年、従業員74人です。[出典2・4]

平均年間給与1,037万5,000円は、従業員への利益還元を確認できる具体的な結果です。所得が高いほど、働く人は住居、教育、余暇、貯蓄へ使える選択肢を持ちやすくなります。[出典2]

一方、平均給与は2025年3月期の約1,311万円から低下し、単体従業員数は24人から74人へ増えています。人員構成が大きく変わっているため、平均値だけで既存社員全体の賃上げと判断することはできません。給与中央値、職位別賃金、ベースアップ率も公表されていません。

そのため8/10点です。

全社員の固定給を継続的に引き上げ、給与中央値、職位別賃金、ベースアップ率を公開して、広い従業員層で所得増加が確認できれば10/10点を検討できます。

労働時間・休息|6/10

グループ全体の2024年度実績では、従業員1人あたりの月平均時間外労働は15.5時間、年間平均総労働時間は1,926.5時間、有給休暇の平均取得日数は12.6日です。[出典3]

月15.5時間の時間外労働と年間12日を超える有休取得は、極端な長時間労働が常態化している状態ではありません。休息が取れれば、事故やメンタル不調の予防にもつながります。

一方、年間平均総労働時間は2023年度1,835.5時間から2024年度1,926.5時間へ増えました。また、これらはグループ値であり、持株会社74人だけの平均残業、有給取得率、年間総労働時間は公開されていません。

そのため6/10点です。

持株会社単体の残業、有給取得率、年間実労働時間、45時間超の人数を公開し、低残業と高い休暇取得を確認できれば8点、さらに有休取得率90~95%以上と低い長時間労働者比率を継続できれば10点を検討できます。

雇用の安定・待遇の公平性|4/5

2026年3月末の提出会社では、労働者に占める女性比率48.0%、管理的地位にある女性比率47.4%です。男性・女性がほぼ同じ比率で管理職へ進んでいる点は強みです。[出典2]

一方、男女賃金比率は全労働者77.2%、正規雇用91.5%、パート・有期労働者38.9%です。[出典2]

この数字だけで、同じ仕事をする男女に異なる賃金を払っているとは判断できません。職位、勤務時間、雇用区分などの構成差が影響する可能性があります。

それでも、非正規区分を中心に結果として大きな差が残っているため4/5点です。

職務、職位、勤続年数、勤務時間を調整した男女賃金差を公開し、正規・非正規とも差が小さいことを確認できれば5/5点を検討できます。

福利厚生・育児・介護|5/5

2026年3月期の提出会社単体では、男性の育児休業取得率100%、女性も100%です。[出典2]

グループでは育児休職、短時間勤務、介護休職、帯同休職などを整備し、育児と仕事の両立を支えています。制度があるだけでなく、対象会社単体で男女とも100%という結果まで確認できます。

育児の負担を一方の性に集中させず、男女とも仕事を中断して家庭へ時間を使える状態は、働き続けやすさに直結します。

そのため5/5点です。

今後は介護休業の取得・復帰実績も単体で公開すると、育児以外の両立支援もさらに確認しやすくなります。

人権・ハラスメント・労使関係|4/5

ミツウロコグループは人権・ハラスメント研修を継続し、内部通報制度を整備しています。2026年1月には、海外子会社まで対象とするグループ規程へ改め、外部法律事務所、人事、内部監査室を通報窓口とし、処分の公平性を審議するエシックス&コンプライアンス審議会を設けました。[出典11・12]

問題を直属上司だけに相談せず、社外窓口や内部監査へ直接伝えられることは、ハラスメントや不正を訴える人の保護につながります。

一方、持株会社単体の相談件数、認定件数、是正内容、再発率は毎年比較できる形で十分に公開されていません。

そのため4/5点です。

相談件数、認定件数、是正措置、再発率を対象会社単体で継続公開し、相談後の改善まで確認できれば5/5点を検討できます。

労働安全・健康|8/10

グループ全社で労働安全衛生マネジメントシステムを活用し、リスクアセスメント、共通ガイドライン、職場ごとのPDCAを運用しています。[出典7]

2024年度のグループ実績は、労災による死亡0人、重大事故0件、作業災害11件、交通事故0件、休業度数率2.39、強度率0.038です。定期健康診断受診率は100%です。[出典3・7]

死亡や重大事故を防ぎながら事故件数を数値で公開することは、危険な作業を放置しないための土台になります。

一方、作業災害11件は残っています。また、持株会社単体と、LPガス配送・食品製造など各事業会社の事故内訳は十分に分離されていません。

そのため8/10点です。

作業災害をさらに減らし、事業会社別の度数率・強度率、事故原因、再発防止後の推移まで公開し、低い事故率を複数年継続できれば10/10点を検討できます。

商品・サービスの安全|4/5

エネルギー事業では「保安なくして販売なし」を掲げ、27か所の充填所、77か所の小売店舗、専属コールセンター、SmartOWLによる保安情報収集を組み合わせています。LPガスの法定点検は資格者が行い、法定期限より前倒しする管理も実施しています。[出典8]

電力では発電所に24時間交替制で従業員が常駐し、遠隔監視も行っています。フーズではHACCPチーム、ロットごとの微生物・官能検査、外部公的機関による検査を実施しています。[出典8]

利用者がガス漏れや食品事故に遭う可能性を減らす具体的な管理があります。

一方、実際の販売・製造主体は子会社であり、持株会社自身の商品事故実績として一括評価はできません。また、グループ全体の重大な商品事故・回収件数を毎年横断比較できる統一KPIは限定的です。

そのため4/5点です。

グループ横断で重大製品事故、回収、ガス事故、品質不具合を毎年公開し、低い事故水準を継続できれば5/5点を検討できます。

従業員・元従業員の口コミ

転職会議では対象会社の口コミは4件だけで、投稿者集計は残業20時間/月、有給消化率40%です。[出典15、情報ランクB]

確認できる口コミは2011~2012年頃の勤務経験が中心です。ワークライフバランスの投稿には「休みでも顧客からの電話が入るため しっかり休めなく」という記述があります。[出典15、情報ランクB]

ただし、10年以上前の勤務経験であり、現在の持株会社は人員構成や事業体制が大きく変わっています。この古い口コミを現在のSafety点へ強く反映していません。

OpenWork、Indeed、エンゲージ会社の評判も確認しましたが、現在の持株会社74人の労働実態を具体的に判断できる新しい口コミ本文は十分に確認できませんでした。Indeedで表示される求人の多くはミツウロコヴェッセルなど別法人なので、持株会社の労働条件としては扱っていません。[出典16、情報ランクB]

SNS・匿名掲示板の確認結果

X、5ちゃんねる、爆サイについて、会社名と残業、退職、パワハラ、人員削減、SmartOWL、労災などを組み合わせて検索しました。

持株会社の現在の直接雇用者であることを具体的に確認でき、今回の点数を変更できる内容は確認できませんでした。子会社や販売店に関する投稿を持株会社の事実として混ぜていません。

Innovation|23/25

Innovationでは、人が担っていた検針、配送、需給調整などの仕事を技術でどれだけ減らし、その成果を人へ返しているかを確認します。ミツウロコグループはSmartOWLで配送回数・作業時間・走行距離まで実測しており、この軸は非常に強い一方、削減した時間や利益が賃金・休日へどう返ったかは改善余地があります。

作業負担・危険の削減|10/10

SmartOWLは、従来人が行っていたLPガスの検針と容器配送を自動化・省力化する仕組みです。LPガスメーターの情報を遠隔で収集し、残量に応じて配送時期やルートを最適化します。[出典6]

グループ企業では、導入前後1年間を比較して、容器配送先1軒あたりの平均配送回数が年6.6回から4.6回へ減りました。1軒につき年間約2回、約30%の配送を減らした計算です。別の実証では配送業務時間約30%、走行距離約20%の削減も確認されています。[出典6]

例えば従来は残量が十分でも定期的に訪問していた家庭について、残量データから交換が必要な時期を判断できれば、トラックで往復し、重いLPガス容器を積み下ろす回数そのものを減らせます。運転時間、重量物取扱い、燃料消費を同時に減らす具体的な効果です。

複数の実測値で、従来の人の仕事がどれだけ減ったかまで確認でき、サービスとして他のLPガス事業者にも展開しているため10/10点です。

今後、腰痛、交通事故、1人あたり重量物取扱回数なども導入前後で公開すると、身体的な安全改善までさらに明確になります。

商品・サービスの改善|5/5

SmartOWLは自社グループ内の仕組みで終わらず、2021年10月からLPガス事業者向けの配送効率化ソリューションとして提供され、4つの特許を活用しています。[出典6]

電力分野では次世代電力統合システムIPoCC、デマンドレスポンス、系統用蓄電池などを継続的に展開しています。2026年6月には連結子会社ミツウロコグリーンエネルギーが北海道北広島市で系統用蓄電池第3・4号案件の運用を開始しました。[出典13]

配送の無駄を減らし、再生可能エネルギーの変動を蓄電池などで補えるようにすることは、利用者にとって供給の安定とエネルギー利用の効率化につながります。実証から商用サービス、追加投資まで継続しているため5/5点です。

改善成果の人間への還元|3/5

SmartOWLによって配送回数、配送業務時間、走行距離が実際に減ったことは確認できます。人が使う時間と身体負担を減らす成果自体は明確です。[出典6]

一方、その削減時間が配送担当者の残業を何時間減らしたか、年間休日や有給取得を何日増やしたか、賃金をどれだけ上げたか、何人を別の仕事へ配置転換したかという結果は公表されていません。

グループ平均の月間時間外労働は2024年度15.5時間ですが、SmartOWL導入部署だけの導入前後比較ではありません。[出典3]

技術によって人の作業そのものを減らした成果まで確認できるため3/5点です。導入部署について残業、休日、賃金、配置転換を同じ時系列で公開し、複数の改善が継続して確認できれば4~5点を検討できます。

研究開発・現場改善の継続|5/5

SmartOWLは実証だけで終わらず、4つの特許を取得し、自動検針から配送効率化サービスへ展開しました。現在もグループ内外へ提供されています。[出典6]

電力分野でもIPoCC、デマンドレスポンス、EV充電、系統用蓄電池など、需給調整と再生可能エネルギーの活用を継続しています。[出典13・18]

複数年にわたり実証、商用化、改良、追加投資を続けているため5/5点です。

自動化・AI導入後の雇用状況

SmartOWLは検針や配送の人手不足を補うための自動化です。会社自身も「労働力不足の補完」を目的として説明しています。[出典6]

連結従業員数は2021年の1,534人から2026年3月末の1,759人へ増えており、SmartOWL導入後にグループ全体の雇用が一方向に急減した形ではありません。[出典2・4]

ただし、M&A、事業再編、子会社増減なども従業員数へ影響するため、この人数推移だけでSmartOWLが雇用を守ったとは判断しません。

公開資料、求人、口コミ、X、5ちゃんねる、爆サイを確認した範囲では、SmartOWLを理由とする大規模な希望退職、人員整理、契約終了を裏付ける情報はありませんでした。

今後は、配送担当者の人数、採用数、配置転換、退職、委託先人数を導入前後で継続公開すると、省人化が雇用へ与えた影響をより正確に評価できます。

Protection|22/25

Protectionはミツウロコグループホールディングスの最大の強みです。

LPガス備蓄、複数調達先、24時間365日の緊急対応、2拠点BCP、サイバー訓練を持ち、生活インフラを止めにくくする具体策があります。一方、2025年度の安否確認訓練は自社目標を下回り、危機時の市民支援実績もグループ横断での定量開示には改善余地があります。

災害への備え・訓練|4/5

グループはBCPと災害対応マニュアルを策定し、LPガスでは24時間365日の緊急出動体制を構築しています。風水害対策では容器流出防止、防災ネット、ハザードマップ確認なども実施しています。[出典9]

安否確認訓練は全社員を対象に年2回を目標とし、2023年度と2024年度は2回実施しました。ところが2025年度は1回で、目標未達です。[出典4]

訓練を繰り返せば、地震発生時に「誰が無事か」「どの拠点が動けるか」を早く判断できます。

制度と複数年の訓練実績は高く評価できますが、直近年度で目標を達成していないため4/5点です。

年2回以上の訓練を再び継続し、回答率、確認完了時間、改善事項まで公開できれば5/5点を検討できます。

生産・物流・調達の代替|5/5

LPガスは輸入元売会社と年間契約を結び、地政学リスクへ備えて元売備蓄・国家備蓄で約90日分、消費者宅の軒先在庫で約60日分を確保しています。石油製品も複数の元売会社と契約し、灯油輸入も行っています。[出典5]

電力では自社電源、他社電源、複数の調達方法を組み合わせています。物流も東北、関東、中部、関西など地域ごとに体制を持っています。[出典5]

一つの仕入先や一つの設備が止まっても生活エネルギーを供給し続けるための分散が具体化されています。

調達先、在庫、地域、電源を複数化しているため5/5点です。

サイバー防衛・情報保護|4/5

ミツウロコグループは、持株会社各部門とグループ会社が一体となる情報セキュリティ推進体制を持っています。技術的な侵入防止へ予算・人員を配置し、契約社員・協力会社を含む役職員へ年1回のeラーニングと抜き打ち標的型攻撃メール訓練を行っています。[出典10]

グループ会社にも共通のセキュリティポリシーと一定基準以上のセキュリティツール・運用を求めています。

サイバー攻撃で受発注、電力、顧客情報、物流が止まる可能性を減らす仕組みとして評価できます。

一方、重大インシデント件数、標的型メール訓練の失敗率、重要システムのRTO・RPO、実際の復旧時間は十分公開されていません。

そのため4/5点です。

サイバー事故件数と復旧実績、RTO・RPO、訓練結果を公開し、低い事故水準と迅速な復旧を確認できれば5/5点を検討できます。

供給継続・復旧能力|5/5

LPガスの備蓄・分散調達に加え、シェアードサービス部門のミツウロコ事務センターは、埼玉県さいたま市と長野県長野市の2拠点体制です。さいたま側の業務継続が困難になった場合はBCPプログラムを発動し、あらかじめ定めた非常時業務へ切り替える仕組みがあります。[出典9・10]

LPガスは個別点検・個別復旧が可能な分散型エネルギーであり、24時間365日の緊急出動体制もあります。

「仕入れを持つ」「拠点を複数持つ」だけでなく、拠点停止時に別拠点へ切り替える設計まで確認できるため5/5点です。

今後、主要機能ごとの実測復旧時間も公開されれば、さらに外部から検証しやすくなります。

危機時の市民への対応|4/5

2025年7月、連結子会社ミツウロコビバレッジは山梨県鳴沢村と災害時の飲料水等供給協定を締結しました。災害発生時に村から要請があれば、飲料水、ウォーターサーバー、調達可能な物資を提供する体制です。[出典14]

グループのLPガスも災害時に個別復旧しやすく、24時間365日の緊急対応を行います。

自治体との正式な協定まであることは、市民が水やエネルギーを確保する力を高めます。

一方、グループ全体について、直近の大規模災害で何人へ何本の水、何件のLPガス、何時間で支援したかという統一した実績開示は限定的です。

そのため4/5点です。

複数の自治体との協定に加え、実災害での供給量、支援人数、初動時間を継続公開できれば5/5点を検討できます。

良いニュース・最近の前向きな動き

最近のミツウロコグループでは、再生可能エネルギーを安定して使うための蓄電池投資、災害時の飲料水供給、内部通報制度の強化が進んでいます。

グループのサービスが利用されれば、平時の便利さだけでなく、電力網の安定、被災地支援、不正を訴えやすい組織づくりへ資本を回す事業を支えることにつながります。

2026年6月 北海道北広島市で系統用蓄電池第3・4号を運用開始(Innovation・Protection)

連結子会社ミツウロコグリーンエネルギーは、2026年6月1日から北海道北広島市で系統用蓄電池第3・4号案件の運用を開始しました。経済産業省・資源エネルギー庁の補助事業にも採択されています。[出典13]

太陽光や風力は発電量が変動するため、余った電気を蓄え、不足する時間帯に放出する設備は電力網の安定に役立ちます。

子会社の設備なので持株会社単体の直接成果とは分けていますが、グループの資本配分が生活インフラの強靭化へ向かっている最近の例です。

2026年1月 エシックス&コンプライアンス審議会を新設(Safety)

2026年1月、グループの懲戒判断の公平性・透明性を高めるため、エシックス&コンプライアンス審議会を新設しました。内部通報規程も海外子会社まで対象とするグループ規程へ改めています。[出典11・12]

人事だけで処分を決めるのではなく、事案の性質に応じた審議を行うことは、通報者だけでなく通報された側の適正手続にも関係します。

2025年7月 鳴沢村と災害時の飲料水供給協定を締結(Protection)

連結子会社ミツウロコビバレッジは山梨県鳴沢村と災害時の飲料水等供給協定を締結しました。[出典14]

地震や豪雨で水道や物流が止まった場合、自治体の要請に応じて飲料水やウォーターサーバーを提供できる体制を事前に決めています。

悪いニュース・問題となった動き

現在の大きな課題は、重大な企業不祥事よりも、働き方と危機対応の「結果の透明性」です。

持株会社単体の賃金は高く、グループには強いBCPがありますが、男女賃金差、単体の労働時間、2025年度の訓練目標未達、作業災害が残っています。

2026年3月期 全労働者の男女賃金比率77.2%(Safety)

2026年3月期の提出会社では、女性管理職比率47.4%、男女とも育休100%まで進んでいる一方、男女賃金比率は全労働者77.2%です。正規雇用では91.5%ですが、パート・有期では38.9%です。[出典2]

管理職登用がほぼ男女均衡している会社だからこそ、雇用区分や勤務時間を含めて、なぜ非正規区分で大きな差が出るのかを分解して公開してほしいところです。

2025年度 安否確認訓練が目標2回に対して1回(Protection)

グループは全社員対象の安否確認訓練を年2回行うことを目標としています。

2023年度と2024年度は2回実施しましたが、2025年度は1回でした。[出典4]

BCPは文書があるだけでは機能しません。大規模地震の直後に人員と拠点の状態を確認できるよう、直近年度でも目標どおり訓練を行う必要があります。

2024年度 作業災害11件、年間総労働時間1,926.5時間(Safety)

最新のグループ事故データでは、死亡0、重大事故0、交通事故0である一方、作業災害11件、休業度数率2.39、強度率0.038です。[出典3・7]

また、従業員1人あたり年間平均総労働時間は2023年度1,835.5時間から2024年度1,926.5時間へ増えました。[出典3]

重大事故を防げている点は強みですが、労災と労働時間の両方をさらに下げる余地があります。

総合評価と、これから改善してほしいこと

株式会社ミツウロコグループホールディングスは84点、シビックランクAです。次のSランクは90点からなので、あと6点必要です。

SmartOWLで人の配送負担を実測で減らし、LPガス備蓄や24時間365日の緊急体制で生活インフラを守る力は非常に強い会社です。Sランクへ進むために重要なのは、技術で生まれた余裕を働く人の自由時間や所得へ返した結果を示し、持株会社単体の働き方とグループの労災をさらに改善することです。

持株会社単体の労働時間と有休取得を公開・改善してほしい(Safety)

現在の「労働時間・休息」は6/10点です。

グループでは2024年度の月平均残業15.5時間、有給平均取得12.6日を確認できますが、持株会社74人単体の平均残業、有給取得率、年間実労働時間、長時間労働者比率は公表されていません。対象会社自身の休息を外部から判断できないことが現在の弱点です。[出典2・3]

持株会社単体で月平均残業15時間以下、有給取得率80%以上、月60時間超の長時間労働者を極めて低い水準に抑え、その結果を継続公開できれば6→8点を検討できます。

加点は+2点で、総合84→86点。Aランクのままです。社員が仕事以外に使える時間が増え、疲労やメンタル不調のリスクも下げやすくなります。

参考企業は株式会社三井住友銀行です。Google Drive上の現行審査では、有給取得率95.5%、平均取得19.1日、月平均法定外労働13.3時間、月60時間超比率0%を公開し、「労働時間・休息」10/10点、総合81点・Aです。[参考企業出典19]

SmartOWLで生まれた余裕を賃金・休日へ返した結果を示してほしい(Innovation)

現在の「改善成果の人間への還元」は3/5点です。

SmartOWLでは1軒あたり配送回数6.6回から4.6回、配送業務時間約30%削減、走行距離約20%削減まで確認できます。しかし、その削減時間が残業、休日、賃金、配置転換へどう返ったかは公表されていません。[出典6]

SmartOWL導入部署について、導入前後の1人あたり残業、年間休日、有給取得、給与、必要人数、配置転換人数を同じ時系列で公開し、残業削減・休日増・賃上げ・危険作業削減の複数が継続して確認できれば3→5点を検討できます。

加点は+2点で、総合84→86点です。配送や検針を担う人が、省人化によって仕事を失うのではなく、重い作業や長時間労働から離れ、より安全で価値の高い仕事へ移れる状態を確認できます。

参考企業はキリンビバレッジ株式会社です。Google Drive上の現行審査では、最大約25kgの茶葉原料を扱う工程をロボット化し、物流自動化の実証で生産性42%向上と人員の別業務への再配置を確認でき、「改善成果の人間への還元」4/5点、総合74点・Bです。[参考企業出典20]

作業災害をさらに減らし、低い休業度数率を継続してほしい(Safety)

現在の「労働安全・健康」は8/10点です。

2024年度は死亡0人、重大事故0件、交通事故0件である一方、作業災害11件、休業度数率2.39、強度率0.038でした。死亡・重大事故を防いでいることは強みですが、作業災害自体は残っています。[出典3・7]

事業会社別に事故原因と再発防止策を公開し、作業災害をさらに減らして、死亡・重大事故0を維持しながら休業度数率を0に近い低水準で複数年継続できれば8→10点を検討できます。

加点は+2点で、総合84→86点です。LPガス配送や設備作業を担う人がけがで休業する可能性を減らし、利用者への供給停止リスクも下げられます。

参考企業は株式会社セブン&アイ・ホールディングスです。Google Drive上の現行審査では、持株会社単体の労働災害度数率・強度率が2020~2024年度の5年連続で0.00であり、「労働安全・健康」10/10点、総合81点・Aです。[参考企業出典21]

Sランクへ上がるための具体例

現在84点・Aで、Sランクは90点からです。あと6点必要です。

例えば、次の3つをすべて実現すれば90点へ届きます。

  • 持株会社単体の残業・有休を公開し、月平均残業15時間以下・有給取得率80%以上を継続する。労働時間・休息6→8点で+2点。
  • SmartOWL導入部署で残業削減、休日増、賃上げ、配置転換など複数の人への還元を継続して確認できる状態にする。改善成果の人間への還元3→5点で+2点。
  • 作業災害をさらに減らし、死亡・重大事故0と低い休業度数率を複数年継続する。労働安全・健康8→10点で+2点。

合計は84+2+2+2=90点となり、シビックランクSです。

参考になるのは、労働時間では三井住友銀行、技術成果の人への還元ではキリンビバレッジ、労災ではセブン&アイ・ホールディングスです。点数だけをまねるのではなく、それぞれが公開している有休・残業、配置転換、度数率などの結果を、ミツウロコ自身の対象部署・対象法人で確認できるようにする必要があります。

つまりSランクへ上がるには、SmartOWLやBCPという強い仕組みに加え、「持株会社で実際に休めている」「自動化の利益が人へ返っている」「現場でけががさらに減っている」という3つの結果を数字で示すことが必要です。

出典一覧

1.株式会社ミツウロコグループホールディングス「会社概要・事業領域」【情報ランクA】
2.金融庁EDINET「株式会社ミツウロコグループホールディングス 第117期有価証券報告書(2026年3月期)」【情報ランクS】
3.株式会社ミツウロコグループホールディングス「ESGデータ」【情報ランクA】
4.株式会社ミツウロコグループホールディングス「社会 Social」【情報ランクA】
5.株式会社ミツウロコグループホールディングス「エネルギー・電力の安定供給」【情報ランクA】
6.株式会社ミツウロコグループホールディングス「SmartOWLによるLPガス業務の効率化」および「SUSTAINABILITY REPORT 2021」【情報ランクA】
7.株式会社ミツウロコグループホールディングス「産業保健・労働安全衛生」【情報ランクA】
8.株式会社ミツウロコグループホールディングス「お客様の安全確保・品質管理」【情報ランクA】
9.株式会社ミツウロコグループホールディングス「防災対策・水セキュリティ」【情報ランクA】
10.株式会社ミツウロコグループホールディングス「サイバーセキュリティ」【情報ランクA】
11.株式会社ミツウロコグループホールディングス「リスクマネジメント」【情報ランクA】
12.株式会社ミツウロコグループホールディングス「コンプライアンス」【情報ランクA】
13.株式会社ミツウロコグループホールディングス「系統用蓄電池第3・4号案件(北海道北広島市)運用開始」【情報ランクA】
14.株式会社ミツウロコグループホールディングス「山梨県鳴沢村との災害時における飲料水等の供給に関する協定」【情報ランクA】
15.転職会議「株式会社ミツウロコグループホールディングス」【情報ランクB】
16.OpenWork・Indeed・エンゲージ会社の評判による対象法人検索【情報ランクB】
17.株式会社ミツウロコグループホールディングス「個人投資家の皆さま・6つの事業領域」【情報ランクA】
18.株式会社ミツウロコグループホールディングス「電力・新事業に関する取り組み」【情報ランクA】
19.Google Drive現行審査「株式会社三井住友銀行|81点・A」【比較用】
20.Google Drive現行審査「キリンビバレッジ株式会社|74点・B」【比較用】
21.Google Drive現行審査「株式会社セブン&アイ・ホールディングス|81点・A」【比較用】

シビックランクの基準

シビックランク点数
S90~100
A80~89
B70~79
C60~69
D50~59
E40~49
F20~39
G0~19

情報ランクの基準

情報ランク基準
S公的機関、裁判所、規制当局、独立した第三者による調査・監査・認証など、内容そのものに独立した裏づけがある情報
A企業公式資料、採用情報、公式声明・公式SNS、氏名・役職・立場を確認できる公表情報
B従業員・元従業員の口コミ、一般SNS、匿名掲示板など、発信者と対象企業との関係を独立に確認しにくい情報
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