私たちは、企業の商品を購入したり、サービスを利用したりすることで、そこで働く人たちの未来を変えることができます。
働く人に十分な賃金を払い、休暇を確保し、安全な職場をつくり、人の負担を減らす企業の商品やサービスが選ばれれば、そうした企業により多くの売上が集まります。その結果、働く人を大切にする経営を続けやすくなります。
反対に、低賃金や長時間労働、安全上の問題を改善しない企業の商品やサービスが売れ続ければ、そうした働かせ方のままでも事業を続けることができます。
だからこの企業審査では、「私たちがお金を使うなら、どの企業を選ぶことが、そこで働く人にとってより良い社会につながるのか」という視点から企業を評価します。
なぜ企業を審査するのか?――このサイトの目的と、利用するメリット
https://tousikyousomirai.com/?p=3511
今回審査する株式会社丸善は、総合48点、シビックランクEです。
株式会社丸善の特に強い点は、チーかまやホモソーセージなどを常温保存できる食品として製造し、3工場でJFS-B認証取得実績を持ち、災害時には火や水を使わず食べられるローリングストック食品として活用できることです。
そのため、この企業の商品を購入すれば、平時の手軽な食品供給と、停電・断水時にも食べやすいたんぱく質食品の供給を支えることにつながる可能性が高まります。
一方で、改善点として、製造業であるにもかかわらず株式会社丸善単体の死亡・休業労災、度数率、強度率、工場別事故件数、BCP訓練結果、サイバー防御・復旧訓練の実績が公表されていません。また、機械化によって人の作業をどれだけ減らし、その成果を残業削減・休日・賃金・配置転換へどう返したかも公開情報が不足しています。
この記事では、株式会社丸善の強みと課題をさらに詳しく企業審査していきます。
株式会社丸善の企業審査結果
今回の対象は、東京都台東区上野3丁目5番9号に本社を置き、ホモソーセージ、チーかま、おでん、惣菜、PROFITなどを製造・販売する株式会社丸善です。同名の書店関連会社、広告会社、他地域の食品会社とは別法人です。
| 評価軸 | 点数 |
|---|---|
| Safety | 26/50 |
| Innovation | 13/25 |
| Protection | 9/25 |
| 総合点 | 48/100 |
| シビックランク | E |
主な強み
最大の強みは、常温保存できる食品を長年製造し、食品安全と非常時の食べやすさを両立している点です。
丸善は、ソーセージ・チーかま・おでん・もつ煮込み・鶏ささみ製品などについて、製品中心部が120℃で4分以上相当となるよう加圧加熱殺菌を行うと説明しています。一般的な食中毒細菌の中でも耐熱性が高いボツリヌス菌を想定した殺菌条件で、常温保存を可能にしています。
また、沿革では美野里工場が2002年にHACCP認定、茨城工場が2012年にHACCP認定、埼玉工場が2013年に彩の国HACCP認定を取得し、その後、埼玉工場は2019年、美野里工場は2019年、茨城工場は2020年にJFS-B規格認証を取得したことが確認できます。
さらに、ホモソーセージは火や水を使わず開封後そのまま食べられ、常温で保存できます。丸善自身もローリングストック食品として紹介しており、災害時のたんぱく質源として実用性があります。
主な課題
最大の課題は、工場で働く人の安全と省人化後の人への還元が、結果の数字として十分に公開されていないことです。
2026年6月受付のハローワーク求人では、美野里工場の月平均時間外労働は15時間、年間休日117日、昇給率2.00%、賞与5.00カ月分とされています。一方で、36協定の特別条項として、機械トラブルなど特別な事情の場合は月80時間、年720時間まで時間外労働が可能とされています。
転職会議の投稿者集計では残業32.5時間/月、有給消化率48.2%、Yahoo!しごとカタログでは平均残業25.0時間、有給休暇消化率46.3%です。
現在の求人と口コミ集計には差があるため、会社全体・工場別・職種別の実残業、有給取得率、長時間労働者割合を毎年公開し、改善が続いているかを確認できる状態にする必要があります。
事業内容と人間への貢献
株式会社丸善は、魚肉ソーセージ、チーズかまぼこ、レトルト惣菜、鶏ささみプロテイン食品などを製造しています。
「調理しなくても食べられる」「常温で保管できる」「たんぱく質を摂れる」という特徴は、忙しい人、調理設備を使いにくい人、災害時の生活者に具体的な利便性を提供します。
基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社丸善 |
| 本社 | 東京都台東区上野3丁目5番9号 |
| 設立 | 1956年4月2日 |
| 創業 | 1945年 |
| 資本金 | 1億円 |
| 代表取締役 | 原 壮太 |
| 従業員数 | 公式サイト350人 |
| 主な事業 | 食品の製造・販売 |
| 主な商品 | ホモソーセージ、チーかま、おでん、もつ煮込、PROFITなど |
| 主な工場 | 美野里工場、茨城工場、埼玉工場 |
常温保存食品で調理・保管の負担を減らす
丸善の商品は、加圧加熱殺菌によって常温保存できるものが中心です。
冷蔵庫を使わず保管でき、開封後そのまま食べられる商品が増えれば、家庭では調理時間を短縮できます。災害時には停電で冷蔵庫や電子レンジが使えない状況でも食べられる可能性があります。
特に魚肉ソーセージや鶏ささみバーは、炭水化物中心になりやすい非常食へたんぱく質を追加する役割を持ちます。
健康・スポーツ向け食品を開発する
PROFITささみプロテインは、鶏ささみの高たんぱく・低脂質という特性を、常温保存できるバー型食品へ変えた商品です。2014年の発売後も味や機能の改良、フレーバー展開を続けています。
自分で鶏ささみを調理する手間、持ち運び時の保冷管理を減らし、運動後などに手軽にたんぱく質を摂れるようにした点は、人の生活上の負担を減らす商品改善です。
Safety|26/50
Safetyでは、工場・本社・営業所で働く人が適切な賃金と休息を得られるか、製造現場で重大事故を防げているか、利用者が安全に食品を食べられるかを評価します。
丸善は賞与5カ月、寮・企業年金などの制度、JFS-B認証実績、レトルト殺菌では加点できます。一方、労災結果、長時間労働者割合、公平性、人権・ハラスメント対応の開示不足が点数を抑えています。
賃金・利益の還元|6/10
2026年6月受付の美野里工場求人では月給19万2,000~28万円、昇給率2.00%、賞与は年2回・計5.00カ月分、皆勤手当月5,000円、食事手当日100円、住宅手当、家族手当が記載されています。
新卒採用では2024年4月実績として、営業系22万4,000円、その他20万7,100円、昇給2.00%、賞与5.0カ月分とされています。
賞与水準が高く、住宅・家族手当もある点は働く人への還元として評価できます。
一方、会社全体の平均基本給、平均年収、2025年・2026年の賃上げ率、パートを含む雇用区分別賃金、物価上昇を上回る実質賃金の推移は公表されていません。
そのため6/10点です。
全社の平均賃上げ率を毎年公開し、実質賃金が複数年改善していることを確認できれば8/10点を検討できます。
労働時間・休息|6/10
2026年の美野里工場求人では月平均残業15時間、年間休日117日、土日祝を基本とする週休2日制、有給休暇は入社6カ月後10日とされています。育児休業、介護休業、看護休暇の取得実績もあります。
一方、36協定の特別条項では、機械トラブルなど特別な事情の場合に月80時間、年720時間まで時間外労働が可能とされています。繁忙期には17時~翌2時の遅番勤務があることも明記されています。
口コミ集計では、転職会議が残業32.5時間/月・有給消化率48.2%、Yahoo!しごとカタログが残業25.0時間/月・有給消化率46.3%です。
現在の公的求人では残業15時間まで下がっている点を評価する一方、会社全体の残業と有休取得率が継続的に改善したことを確認できる公開データはありません。
そのため6/10点です。
会社全体で平均残業15時間以下、有給取得率70%以上を複数年公開できれば8/10点を検討できます。
雇用の安定・待遇の公平性|2/5
2026年の公的求人では正社員採用、雇用期間の定めなし、60歳定年・65歳まで再雇用、職務給制度を確認できます。
一方、男女賃金比率、女性管理職比率、正社員とパートの賃金差、非正規から正社員への転換率、障害者雇用などの会社単体の最新指標は十分に公表されていません。
待遇の公平性を外部から検証できる情報が不足しているため2/5点です。
男女賃金差、雇用区分別賃金、女性管理職比率、正社員登用率を毎年公開し、格差縮小を確認できれば3~4点を検討できます。
福利厚生・育児・介護|4/5
2026年の求人では、社会保険、財形、確定給付年金、退職金制度、単身用・世帯用住宅、住宅手当、家族手当、育児休業、介護休業、看護休暇の取得実績が確認できます。
新卒採用でも寮費5,000円の寮、企業年金、財形貯蓄、各種研修が案内されています。
住居負担を抑えられる寮や企業年金は、従業員の可処分所得と将来の生活安定に役立ちます。
一方、育児休業取得率、男性育休取得率、介護休業利用者数、短時間勤務利用者数などの成果指標は公開されていません。
制度は広いものの利用実績の開示が限定的なため4/5点です。
人権・ハラスメント・労使関係|2/5
2026年のハローワーク求人では労働組合は「なし」とされています。
転職会議には、在籍時から時間が経過した2018年頃の投稿として、残業の多さ、人間関係、パワハラに近い扱いを受けたという内容があります。Yahoo!しごとカタログにも、2015年頃の営業職から配属先によってパワハラ気質の上司がいるという投稿があります。
これらは古い口コミであり、現在の会社全体の状態を断定する根拠にはしません。
一方、現在のハラスメント相談件数、内部通報件数、是正件数、再発防止結果、第三者相談窓口の有無を確認できる公開情報がありません。
古い指摘がある一方、現在の改善状況を外部から確認しにくいため2/5点です。
相談・通報件数と是正結果を匿名化して毎年公開し、重大事案が減少していることを確認できれば3点以上を検討できます。
労働安全・健康|2/10
食品工場では、原材料の荷受け、練り合わせ、充填、レトルト殺菌、包装、箱詰め、機械の調整整備などを行います。
熱、重量物、回転機械、搬送設備などを扱うため、労災防止は重要です。
しかし、株式会社丸善単体の死亡労災、休業労災、挟まれ・巻き込まれ、やけど、転倒、腰痛、度数率、強度率を確認できる最新公開情報がありません。
公開情報がない点は課題です。採点上も減点対象です。
重大事故がないことを前提に加点することはできないため2/10点です。
死亡事故0、休業災害件数、度数率・強度率、主要事故類型、再発防止策を毎年公開し、低い事故率を複数年維持できれば6~8点を検討できます。
商品・サービスの安全|4/5
丸善は、レトルト殺菌について製品中心部120℃・4分以上相当の加圧加熱処理を行うと説明しています。
さらに、3工場でHACCP認定からJFS-B規格認証へ進んだ履歴を公開しています。
2024年3月の紅麹原料問題では、自社商品には問題となった小林製薬の紅麹原料を使用しておらず、一部商品に使う紅麹色素についても該当原料を使っていないことを確認したと公表しました。
今回の調査では、直近に株式会社丸善を対象とした大規模な行政処分や重大な食品回収を確認していません。
一方、現在の全工場におけるJFS-B認証の更新状況、食品事故件数、異物混入件数、回収件数、重大苦情件数を年次で比較できる公開情報は不足しています。
そのため4/5点です。
従業員・元従業員の口コミ
転職会議では、株式会社丸善について40件の口コミが掲載され、投稿者集計で残業32.5時間/月、有給消化率48.2%です。
Yahoo!しごとカタログでは27件の口コミが掲載され、平均年収509万円、有給休暇消化率46.3%、平均残業時間25.0時間という集計です。
2018年頃の営業職口コミには、残業が多かったことや人間関係への不満、パワハラに近い扱いを受けたという投稿があります。
一方、これらには古い投稿も多く含まれます。2026年の美野里工場求人では月平均残業15時間となっており、現在の一部職場では過去より短くなっている可能性があります。
会社全体で改善したかを判断するには、現在の全社残業、有給取得率、離職率を会社自身が公表する必要があります。
SNS・匿名掲示板の確認結果
X、5ちゃんねる等で、「株式会社丸善」「チーかま」「ホモソーセージ」と「残業」「パワハラ」「労災」「工場」「情報漏えい」などを組み合わせて検索しました。
今回、勤務時期・雇用形態・拠点を特定でき、採点を追加変更できるだけの投稿本文は確保していません。
そのため、働き方については本文まで確認できた転職会議・Yahoo!しごとカタログと、公的求人情報を補助的に使用しています。
Innovation|13/25
Innovationでは、食品製造の機械化によって重量物・反復作業・危険作業をどれだけ人から機械へ移し、その成果を働く人や利用者へ返しているかを評価します。
丸善は商品開発力では強みがあります。一方、製造設備の省人化効果や、機械化後に残業・必要人数・事故がどれだけ減ったかという結果は十分に公表されていません。
作業負担・危険の削減|2/10
2026年の製造求人では、練り合わせ、充填、レトルト殺菌、包装・箱詰め、機械のオペレーション・調整整備など、複数工程で機械を使用することが分かります。
機械化されているため、すべてを人手だけで処理する製造より負担を減らしている可能性があります。
しかし、「以前は何kgを何回持っていたのか」「何人で行っていた工程を何人にできたのか」「歩行距離や腰痛がどれだけ減ったのか」「機械導入後に労災が何件減ったのか」といった導入前後の結果は公表されていません。
設備が存在するだけでは高得点にできないため2/10点です。
具体的な自動化工程と、作業時間50%削減、重量物運搬の回数削減、事故減少などを公開できれば4~6点を検討できます。
商品・サービスの改善|5/5
丸善はホモソーセージ、チーかまという長期商品だけでなく、2014年にPROFITささみプロテインを開発し、その後も味や機能の改良を続けています。
鶏ささみを自分で調理すると発生する下処理、加熱、保冷管理の負担を、常温保存可能なバー型食品へ変えたことは、利用者の具体的な不便を解消する商品開発です。
チーかまやソーセージでも常温保存・開封後そのまま食べられる特性を維持しており、商品改善が生活の利便性へ直接つながっています。
継続した商品開発と、人の負担を減らす具体的な商品価値を確認できるため5/5点です。
改善成果の人間への還元|1/5
商品改良による利用者側の利便性は確認できます。
一方、製造設備や工程改善で浮いた時間・利益を、従業員の賃上げ、休日増加、残業削減、安全設備、人員余力へどの程度還元したかは公開されていません。
2026年求人では昇給2%、賞与5カ月、残業15時間という情報がありますが、これが省人化や設備投資の成果によるものかは確認できません。
因果関係を確認できないため1/5点です。
自動化前後の残業、休日、賃金、事故、人員配置を公開し、改善成果が人へ返ったことを確認できれば3~4点を検討できます。
研究開発・現場改善の継続|5/5
公式の組織図には開発本部、開発部、東京研究所、品質保証室を置いています。
PROFITは2014年の発売後もリニューアルとフレーバー展開を続けています。
食品安全でも、工場ごとにHACCP認定からJFS-B認証へ進めてきた履歴があります。
2023年には美野里工場へ420枚、140kWの自家消費型太陽光発電設備を導入し、年間16万3,000kWh、工場使用電力量の6.3%、年間約74tのCO2削減を計画しています。
研究開発、品質管理、生産設備、環境改善を長期間継続しているため5/5点です。
自動化・AI導入後の雇用状況
製造工程では機械オペレーションが行われていますが、今回の調査では、特定のロボット・AI・大規模省人設備について、導入前後の人員数まで追える公開事例は確認できませんでした。
公式サイトは従業員350人、2026年のハローワーク求人は企業全体320人としています。数字の時点・集計範囲が異なる可能性があるため、単純に30人減ったとは判断できません。
また、2026年も食品製造職を正社員で募集しており、求人上は採用を継続しています。
自動化を理由とする大規模な希望退職・整理解雇を示す公開情報は今回確認していません。
一方、自動化前後の従業員数、採用数、契約更新、配置転換、退職率が公開されていないため、雇用維持まで高く評価することはできません。
Protection|9/25
Protectionでは、地震、停電、物流停止、感染症、サイバー攻撃が起きても食品を供給できるかを評価します。
丸善は3つの工場と常温保存食品を持つため、平時から一部の供給分散と家庭備蓄に強みがあります。一方、工場間の代替生産計画、BCP訓練、復旧時間、サイバー対策の公開が弱く、企業自身の危機対応力を高く評価するだけの結果情報が不足しています。
災害への備え・訓練|0/5
株式会社丸善単体のBCP策定状況、地震・停電・断水を想定した訓練回数、安否確認完了時間、非常用電源の稼働時間、工場避難訓練の結果を確認できる公開情報がありません。
例えば大地震で美野里工場が停電した場合、何時間以内に生産判断を行い、従業員をどう避難させ、別工場へ何を切り替えるかが外部から分からない状態です。
公開情報がない点は課題です。採点上も減点対象です。
そのため0/5点です。
年1回以上のBCP実地訓練、安否確認率100%、非常用電源の稼働時間、訓練で判明した改善点を公表できれば2~3点を検討できます。
生産・物流・調達の代替|3/5
丸善は美野里工場、茨城工場、埼玉工場の3工場を持ち、組織図にも3工場が生産本部の下に配置されています。
一つの工場しかない企業より、生産拠点が分散していることは災害時の全停止リスクを下げます。
ただし、同じ商品を複数工場で製造できるか、原料調達先を代替できるか、工場停止時に何日で別工場へ移管できるかは公表されていません。
そのため3/5点です。
主要商品の二重生産体制、代替原料、代替物流ルート、切替時間を公表し、実地訓練で切替を確認できれば4~5点を検討できます。
サイバー防衛・情報保護|0/5
株式会社丸善単体について、MFA、EDR、SOC、標的型メール訓練、ランサムウェア対応、ネットワーク分離、重大サイバー事故件数、バックアップ復元テストなどを確認できる公開情報がありません。
食品工場でも受発注・在庫・生産管理・物流がシステム停止すれば出荷に影響します。
公開情報がない点は課題です。採点上も減点対象です。
そのため0/5点です。
MFA・EDRの適用範囲、年次教育、標的型メール訓練、重大事故件数、復元演習結果を公開できれば2~4点を検討できます。
供給継続・復旧能力|2/5
3工場を持つこと、常温保存商品を多く扱うことは、供給継続上の基礎的な強みです。
常温品は停電時でも冷蔵設備に依存しにくく、流通側でも品質を保ちやすいという利点があります。
一方、生産ライン停止からの目標復旧時間、原材料不足時の代替調達、物流停止時の代替輸送、在庫日数などの公開情報がありません。
そのため2/5点です。
主要商品の安全在庫日数、工場別RTO、代替輸送手段、実際の復旧訓練結果を公開できれば3~4点を検討できます。
危機時の市民への対応|4/5
丸善は、ホモソーセージをローリングストック食品として紹介しています。火や水を使わず、そのまま食べられ、常温保存できるため、地震や豪雨で停電・断水した場合でもたんぱく質を摂りやすい食品です。
例えば避難所や自宅避難で調理設備が使えない場合、開封するだけで食べられる魚肉ソーセージは、湯を必要とするカップ麺や冷蔵食品より扱いやすい場面があります。
商品自体の防災適性は高いため4/5点です。
満点としない理由は、自治体との災害供給協定、実際の被災地への供給数量、何人へ何日分を届けたかといった具体的な災害支援実績を確認できる公開情報がないためです。
良いニュース・最近の前向きな動き
丸善の良い動きとしては、現在も正社員採用を続けながら賞与5カ月・昇給2%という条件を示していること、食品安全を長期的に積み上げてきたこと、常温保存食品を防災へ活用する情報発信を行っていることが挙げられます。
こうした取り組みが広がれば、働く人の生活安定と、災害時にも食べやすい食品の供給を同時に支えることにつながります。
2026年|製造職で賞与5カ月・月平均残業15時間の求人を公開(Safety)
2026年6月受付の美野里工場求人では、昇給率2%、賞与5カ月、月平均残業15時間、年間休日117日とされています。
食品製造では繁忙期や生産トラブルで勤務時間が伸びやすいため、通常時の平均残業15時間は、転職口コミの25~32.5時間より低い水準です。
この水準が工場全体・会社全体へ広がり、有休取得も改善すれば、働く人が家庭や休息へ使える時間を増やせます。
2024年|紅麹原料について迅速に使用状況を公表(Safety)
2024年3月29日、社会問題となった紅麹原料について、問題となった小林製薬の原料を自社商品で使用していないこと、一部商品の紅麹色素にも該当原料を使用していないことを公表しました。
食品不安が広がる局面で、自社商品の使用状況を明確にすることは、利用者が食べてよいか判断する時間を短縮します。
2023年|美野里工場へ自家消費型太陽光発電を導入(Innovation)
美野里工場では2023年3月から420枚・140kWの太陽光発電設備を稼働し、年間16万3,000kWh、工場使用電力量の6.3%、年間約74tのCO2削減を計画しています。
工場の全電力を賄う規模ではありませんが、製造時の環境負荷を具体的な数字で下げる設備投資として評価できます。
悪いニュース・問題となった動き
今回の調査では、株式会社丸善単体について直近の重大な行政処分や大規模食品事故を確認していません。
一方で、労働時間の上限設定、過去口コミのハラスメント指摘、労災・BCP・サイバーの結果非公表は、働く人と利用者にとって重要な課題です。改善されなければ、事故や長時間労働が起きても外部から早期に把握しにくい状態が残ります。
2026年|36協定特別条項で月80時間・年720時間まで可能(Safety)
2026年の美野里工場求人では、通常の月平均残業は15時間ですが、機械トラブルなど特別な事情では月80時間、年720時間まで時間外労働を可能とする特別条項が記載されています。
特別条項があること自体は違法ではありませんが、80時間は健康リスクが高まる水準です。
実際に何人が特別条項を適用され、年間何回発生したかを公表し、0件または極めて少数へ抑える必要があります。
過去口コミ|残業・人間関係・パワハラに近い扱いの指摘(Safety)
転職会議には2018年頃、Yahoo!しごとカタログには2015年頃の営業職から、残業の多さやパワハラ気質の上司に関する投稿があります。
いずれも古い投稿なので、現在も同じ状態だとは断定できません。
だからこそ、現在のハラスメント相談件数、是正件数、再発率、研修実施率を会社が公開し、過去から改善したことを確認できる状態にする必要があります。
2026年時点|労災・BCP・サイバー結果の公開が不足(Safety・Protection)
製造業でありながら、死亡・休業労災、度数率・強度率、重大設備事故の単体実績が公表されていません。
BCP訓練、工場間の切替訓練、サイバー教育、復元訓練、重大情報事故件数についても公開情報がありません。
公開情報がない点は課題です。採点上も減点対象です。
総合評価と、これから改善してほしいこと
株式会社丸善は現在48点・シビックランクEです。
次のDランクは50点からなので、あと2点必要です。
最短では労働安全の結果を公開して2点上げればDへ到達できます。ただし、企業として本当に人間への貢献を高めるには、労災だけでなく、省人化後の人への還元とBCP・サイバー対策も同時に改善することが重要です。
労災結果を公開し、重大事故0を継続してほしい|労働安全・健康:2→4/10
現在の「労働安全・健康」は2/10点です。
製造現場ではレトルト設備、充填設備、包装設備などを扱うため、死亡事故、挟まれ・巻き込まれ、やけど、転倒の結果公開が重要です。
株式会社丸善が、
・死亡労災件数
・休業4日以上の労災件数
・挟まれ・巻き込まれ件数
・やけど件数
・度数率・強度率
・再発防止策
を工場別・全社で毎年公開し、死亡事故0、重大事故0を継続できれば2→4/10点を検討できます。
+2点となり、48点+2点=50点でシビックランクDへ上がります。
参考企業はKDDI株式会社です。当サイトの現行審査では、対象会社単体で労災件数、死亡事故、重篤工事事故、度数率、強度率まで公開しているため「労働安全・健康」8/10点としています。
残業・有休を全社で公開し、通常時だけでなく繁忙期も改善してほしい|労働時間・休息:6→8/10
現在の「労働時間・休息」は6/10点です。
2026年求人の月平均残業15時間は良い一方、転職口コミでは25~32.5時間、特別条項は月80時間まで可能です。
株式会社丸善が、
・会社全体の平均残業15時間以下
・有給取得率70%以上
・月45時間超の従業員割合
・特別条項適用人数
・月80時間到達者0人
を毎年公表し、複数年維持できれば6→8/10点を検討できます。
+2点で総合50点となりDへ上がります。
参考企業として、当サイトで審査した東京アート株式会社は月平均残業6.9時間、有休取得率75.2%を公開し、「労働時間・休息」8/10点としています。
機械化の成果を従業員へ返してほしい|改善成果の人間への還元:1→3/5
現在の「改善成果の人間への還元」は1/5点です。
製造工程には機械が入っていますが、その成果が人へどう返ったかが見えません。
設備導入前後で、
・1商品あたりの人作業時間
・重量物運搬回数
・必要人数
・残業時間
・労災件数
・配置転換人数
・賃金
・年間休日
を公開し、必要人数が減っても解雇ではなく配置転換・労働時間短縮へつなげたことを確認できれば1→3/5点を検討できます。
+2点で総合50点です。
参考企業はキリングループロジスティクス株式会社です。当サイトの現行審査では、業務改善・多能工化を背景に年間所定労働時間を1,920時間から1,896時間へ24時間短縮したことを確認しており、人への還元を評価しています。
BCP・サイバー復旧訓練を公開してほしい|Protection:9→13/25
現在のProtectionは9/25点です。
3工場を持ち、常温食品を製造する強みを、実際の危機対応力へつなげる必要があります。
株式会社丸善が、
・年1回以上の地震・停電BCP訓練
・主要商品を別工場へ切り替える訓練
・非常用電源の稼働時間
・主要原料の代替調達先
・MFA、EDR等のサイバー防御
・標的型メール訓練
・バックアップ復元訓練
・工場・受発注システムの目標復旧時間
を公開し、実際に目標時間内に復旧できれば、災害0→1、代替3→4、サイバー0→2へ上げ、合計+4点を検討できます。
48点+4点=52点となり、Dランクへ上がります。
参考企業は株式会社ミツウロコグループホールディングスです。当サイトの現行審査では、契約社員・協力会社を含むセキュリティ教育や抜き打ち標的型メール訓練を確認し、「サイバー防衛・情報保護」4/5点としています。
次のランクへ上がるための具体例
株式会社丸善は現在48点・Eで、Dランクは50点からです。あと2点必要です。
最も優先度が高い改善は、工場で働く人の安全結果を公開することです。
・労働安全・健康:2/10
死亡・休業労災、度数率、強度率を毎年公開し、重大事故0を継続
→4/10、+2点
これだけでも、
48点+2点=50点
となり、シビックランクDへ到達します。
さらに、平均残業15時間以下・有休70%以上の全社実績、省人化後の雇用・労働時間への還元、BCP・サイバー復旧訓練を公開すれば、50点台後半からCランクも視野に入ります。
丸善は「常温で安全に食べられる食品」という、人の生活と災害時の備えに直結する強みを持っています。次に必要なのは、その食品を作る人の安全と、止まらず届ける仕組みを同じ水準で数字として示すことです。
最終評価は、
Safety:26/50
Innovation:13/25
Protection:9/25
総合:48/100
シビックランク:E
とします。
出典一覧
1.株式会社丸善「会社概要・株式会社丸善とは」【情報ランクA】
2.Gビズインフォ「株式会社丸善 法人情報」【情報ランクS】
3.株式会社丸善「会社概要・事業所情報」【情報ランクA】
4.株式会社丸善「なぜ常温保存ができるの?」【情報ランクA】
5.株式会社丸善「沿革」HACCP・JFS-B認証取得履歴【情報ランクA】
6.株式会社丸善「ローリングストックを始めよう」【情報ランクA】
7.厚生労働省 ハローワークインターネットサービス「株式会社丸善 美野里工場 求人票」2026年6月18日受付【情報ランクS】
8.転職会議「株式会社丸善の評判・社員口コミ」【情報ランクB】
9.Yahoo!しごとカタログ「株式会社丸善の評判・クチコミ」【情報ランクB】
10.株式会社丸善「PROFIT開発ストーリー」【情報ランクA】
11.株式会社丸善「新卒採用について」【情報ランクA】
12.転職会議「株式会社丸善 残業・人間関係等の口コミ」【情報ランクB】
13.Yahoo!しごとカタログ「株式会社丸善 職場の雰囲気等の口コミ」【情報ランクB】
14.株式会社丸善「紅麹原料に関するお知らせ」2024年3月29日【情報ランクA】
15.株式会社丸善「会社組織図」【情報ランクA】
16.株式会社丸善「SDGsの取り組み(再生可能エネルギー)」【情報ランクA】
17.シビックギルド「KDDI株式会社を企業審査」【比較資料】
18.シビックギルド「東京アート株式会社を企業審査」【比較資料】
19.シビックギルド「キリングループロジスティクス株式会社を企業審査」【比較資料】
20.シビックギルド「株式会社ミツウロコグループホールディングスを企業審査」【比較資料】
シビックランクの基準
| ランク | 総合点 |
|---|---|
| S | 90~100点 |
| A | 80~89点 |
| B | 70~79点 |
| C | 60~69点 |
| D | 50~59点 |
| E | 40~49点 |
| F | 20~39点 |
| G | 0~19点 |
株式会社丸善は48点のため、シビックランクEです。
情報ランクの基準
| 情報ランク | 基準 |
|---|---|
| S | 行政、公的機関、裁判所、規制当局、独立第三者機関の調査・監査・検証・認証など、内容そのものに独立した裏づけがある情報 |
| A | 企業公式資料、採用情報、公式声明・SNS、氏名・役職・立場が確認できる記名取材や公表発言など、発信主体を確認できる情報 |
| B | 従業員・元従業員口コミ、一般SNS、匿名掲示板など、発信者の身元や対象企業との関係を独立に確認しにくい情報 |
