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マルゼンフーズベトナム株式会社を企業審査|シビックランクG・0点/100点|果汁原料の現地加工実績はあるが、操業停止・解散手続きと労働・安全情報不足が課題

私たちは、企業の商品を購入したり、サービスを利用したりすることで、そこで働く人たちの未来を変えることができます。

働く人に十分な賃金を払い、休暇を確保し、安全な職場をつくり、人の負担を減らす企業の商品やサービスが選ばれれば、そうした企業により多くの売上が集まります。その結果、働く人を大切にする経営を続けやすくなります。

反対に、低賃金や長時間労働、安全上の問題を改善しない企業の商品やサービスが売れ続ければ、そうした働かせ方のままでも事業を続けることができます。

だからこの企業審査では、「私たちがお金を使うなら、どの企業を選ぶことが、そこで働く人にとってより良い社会につながるのか」という視点から企業を評価します。

なぜ企業を審査するのか?――このサイトの目的と、利用するメリット

今回審査するマルゼンフーズベトナム株式会社は、総合0点、シビックランクGです。

マルゼンフーズベトナム株式会社の特に強い点は、操業していた時期にベトナムで果実・飲料原料を現地加工し、搾汁などの付加価値工程を産地側へ置いていたことです。そのため、この企業の商品を購入したりサービスを利用したりできる状態が再び整えば、原料産地に近い場所で食品加工の仕事を生み、加工済み原料を日本などの市場へ届ける社会につながる可能性が高まります。

一方で、改善点として、現在は工場の操業停止、解散決定、税務番号終了手続きを示す情報があり、現在の賃金・休日・労災・食品安全・BCP・雇用処理を評価するための情報がほぼ公開されていないことが残ります。

この記事では、マルゼンフーズベトナム株式会社の強みと課題をさらに詳しく企業審査していきます。

目次

マルゼンフーズベトナム株式会社の企業審査結果

今回の評価で最も重要なのは、現在の事業状態です。

丸善食品工業株式会社の現行会社概要では、マルゼンフーズベトナム株式会社は現在も関連会社として掲載されています。一方、2025年に公表されたミーフック3工業団地の環境許可関連資料では、同社は「Ngừng hoạt động=操業停止」と記載されています。さらに、ベトナムの企業・税務情報を再掲するデータベースでは、2024年12月2日に事業継続の必要がなくなったことを理由とする解散決定が記録され、2026年6月更新情報では税務番号終了手続き完了とされています。[出典1・2・3・4]

一部の企業登録情報では現在も「活動中」と表示されているため、法人登記上の最終状態には公開情報の食い違いがあります。ただし、生産拠点そのものについては行政系環境資料が明確に操業停止と記録しています。そのため本記事では、2026年現在も通常の食品製造会社として操業しているとは扱いません。

評価軸点数
Safety0 / 50
Innovation0 / 25
Protection0 / 25
総合0 / 100
シビックランクG

0点は、重大事故や違法行為を多数確認したという意味ではありません。

現在の操業実態を確認できず、現在の従業員、賃金、労働時間、安全、食品品質、設備改善、供給継続などを評価するための対象会社単体情報がないため、現行基準では各項目を加点できません。

主な強み

・2013年にベトナムのミーフック3工業団地へ進出
・食品原料、果実・野菜加工、非アルコール飲料などを扱う法人として設立
・過去の第三者企業資料では搾汁能力20トン/日と掲載
・2013年の投資認可時には1億米ドル超の大型食品・飲料プロジェクトとして報道
・工場は約12.9ヘクタール規模で計画
・現地で原料を加工し、加工済み食品原料を海外市場へつなぐ役割を持っていた
・2024年時点の第三者企業データでは従業員28人とされている

主な課題

・2025年のミーフック3工業団地環境資料で工場が「操業停止」と明記
・2024年12月2日に解散決定と債務処理案が記録されている
・2026年更新の税務情報では活動停止・税務番号終了手続き完了とされている
・一方で親会社の現行会社概要では関連会社として掲載が続き、別の企業登録情報では「活動中」と表示されており、法人の最終状態が分かりにくい
・解散時の在籍人数、退職、解雇、転籍、退職補償、未払い賃金の有無が公表されていない
・現在または解散直前の平均給与、残業、休日、有給、男女待遇、福利厚生が公表されていない
・死亡労災、休業労災、火災、度数率、強度率などの安全結果が公表されていない
・ベトナム工場単体のHACCP、ISO 22000、FSSC 22000、検査結果、回収実績などが公表されていない
・自動化・設備改善の内容と、それによる人の負担削減や雇用への影響が公表されていない
・工場停止後、どの工場・企業へ生産や調達を切り替えたのか、切替期間と供給影響が公表されていない
・BCP、防災訓練、非常用電源、サイバー防御、復旧時間の公開情報がない

事業内容と人間への貢献

マルゼンフーズベトナム株式会社は、丸善食品工業株式会社のベトナム関連会社として2013年に設立されました。親会社の会社沿革にも「2013年 マルゼンフーズベトナム株式会社 設立」と記録されています。[出典1]

基本情報

項目内容
会社名マルゼンフーズベトナム株式会社
英文名MARUZEN FOODS VIETNAM CO., LTD
ベトナム税コード3702175140
設立2013年
所在地ミーフック3工業団地、ベトナム・旧ビンズン省ベンカット
親会社丸善食品工業株式会社
主な登録事業果実・野菜加工、食品原料、非アルコール飲料、ボトル飲料等
過去の加工能力搾汁約20トン/日との第三者資料あり
2024年従業員数28人との第三者企業データあり
現在の状態工場操業停止。解散・税務終了を示す資料あり

2013年の投資認可時には、1億米ドルを超える投資計画として報じられ、約13ヘクタールの敷地で食品原料、ボトル果汁、飲料などを製造する計画でした。[出典5]

主な事業内容

登録事業には、果実・野菜の加工・保存、食品・飲料原料の製造加工、非アルコール飲料・ミネラルウォーターの製造が含まれます。[出典3]

第三者企業資料では「食品素材の加工」、搾汁能力20トン/日と掲載されています。過去の日系企業資料では、アセロラなどの果汁原料加工拠点として紹介されていました。[出典6]

果実は収穫後から品質変化が始まるため、産地に近い場所で搾汁・加工できれば、果実そのものを遠距離輸送してから加工するより、収穫後の処理を早く行いやすくなります。

主な利用企業・取引先

親会社である丸善食品工業は、飲料・食品原料・OEM製造を幅広く行い、多数の食品・飲料企業と取引しています。ただし、どの顧客へマルゼンフーズベトナムの原料が供給されていたかを対象法人単体で確認できる公開情報は限られています。

親会社の取引先を、そのままベトナム法人の直接取引先として扱いません。

事業による人間への貢献

操業していた時期の人間への貢献は、ベトナム側へ食品加工工程を置き、果実などを現地で食品原料へ変えて海外市場へつないだことです。

例えば果実農家が収穫した原料を生果のまま遠距離輸送するだけでは、加工による付加価値は別の地域へ移ります。産地に近い場所に搾汁・加工工場があれば、原料調達だけでなく、選別、加工、品質管理、設備保全、物流などの仕事も現地に生まれます。

一方、現在は工場が操業停止しているため、過去の貢献を2026年現在の企業活動として加点することはできません。

Safety|0 / 50

Safetyでは、現在働いている人が十分な賃金と休息を得ているか、解散・操業停止時に従業員が適切に扱われたか、工場で重大事故が起きていないか、食品原料を安全に製造しているかを評価します。

現在の工場操業が確認できず、解散前後の従業員処遇や安全結果もほとんど公表されていないため、全項目0点です。

賃金・利益の還元|0 / 10

対象会社単体について、現在または解散直前の基本給、平均給与、給与中央値、賞与、賃上げ率、最低賃金との比較、解散時の未払い賃金・退職補償に関する公開情報がありません。

2024年時点の従業員数を28人とする第三者企業データはありますが、その28人へ最後まで賃金が支払われたか、退職時にどのような補償があったかは公表されていません。[出典7]

公開情報がない点は課題です。採点上も減点対象です。

現在は0/10点です。清算時の賃金精算、退職補償、未払い0、在籍者全員の処遇を法人または親会社が公開し、事業を再開する場合は賃金水準と賃上げ実績まで継続公開できれば4点以上を検討できます。

労働時間・休息|0 / 10

対象会社単体の平均残業、交替勤務、年間休日、有給取得率、休憩時間、長時間労働者数などの公開情報がありません。

食品工場では原料入荷や製造計画によって繁忙が生じる可能性がありますが、実際に何時間働いていたのかを判断できません。

公開情報がない点は課題です。採点上も減点対象です。

現在は0/10点です。解散前の労働時間実績を公開し、再操業する場合は月平均残業20時間未満、有給取得率70%以上、年間休日120日以上などを継続確認できれば4~6点を検討できます。

雇用の安定・待遇の公平性|0 / 5

2024年時点で従業員28人とする第三者データがあります。[出典7]

しかし、2024年12月には解散決定が記録され、2025年の工業団地資料では操業停止とされています。[出典2・4]

その28人が退職したのか、解雇されたのか、親会社・関連会社へ転籍したのか、何人が補償を受けたのかは公表されていません。男女別・雇用形態別の待遇も公開されていません。

公開情報がない点は課題です。採点上も減点対象です。

現在は0/5点です。解散時の在籍人数、退職・転籍・解雇人数、補償、男女・雇用形態別の処遇を公開し、未払い・不当な待遇差がないことを確認できれば2~3点を検討できます。

福利厚生・育児・介護|0 / 5

対象会社単体の健康保険、出産・育児休業、介護休業、住宅・通勤・食事支援、退職金、休業補償などの制度と利用実績は公表されていません。

親会社の日本国内制度をベトナム法人へ適用されたものとして扱うこともできません。

公開情報がない点は課題です。採点上も減点対象です。

現在は0/5点です。対象法人の制度内容と利用実績、解散時の社会保険・退職関連手続きを公開できれば2点以上を検討できます。

人権・ハラスメント・労使関係|0 / 5

対象会社単体の労働組合、従業員代表制度、ハラスメント相談窓口、苦情処理、人権研修、労使協議、解散時の従業員説明・協議について公開情報がありません。

海外子会社では、現地従業員が日本人管理職へ意見を伝えられる仕組みや、解散・人員整理の際に十分な説明・協議を行ったかが重要です。

公開情報がない点は課題です。採点上も減点対象です。

現在は0/5点です。相談窓口、労使協議、解散時の説明・同意手続きと結果を公開できれば2~3点を検討できます。

労働安全・健康|0 / 10

食品加工工場では、搾汁・充填・ボイラー・搬送・洗浄薬剤・フォークリフトなどの設備や作業が存在する可能性があります。

一方、対象会社単体の死亡労災、休業災害、度数率、強度率、火災、挟まれ、切創、フォークリフト事故、熱中症、健康診断結果は公表されていません。

重大事故を確認したという意味ではありません。安全結果を判断するための対象会社単体情報が公開されていません。

公開情報がない点は課題です。採点上も減点対象です。

現在は0/10点です。操業期間中の死亡0、休業災害、度数率、火災・設備事故を公開し、解散時まで安全に操業終了したことを示せれば4点以上を検討できます。

商品・サービスの安全|0 / 5

親会社の丸善食品工業では、本社工場、須坂工場、富士小山工場でFSSC22000・ISO22000、HACCPに基づく管理、微生物・官能・アレルゲン検査、月1回のトレースバック訓練などが確認できます。

しかし、それらは日本国内の親会社・国内工場の実績です。マルゼンフーズベトナムの工場が同じ認証範囲に入っていたことを示す現行資料は公表されていません。

ベトナム工場単体のHACCP、ISO 22000、FSSC 22000、原料検査、微生物検査、異物混入、商品回収、顧客監査などの公開情報がありません。

公開情報がない点は課題です。採点上も減点対象です。

現在は0/5点です。操業時の認証・検査記録、重大回収0、顧客監査結果などを公開できれば3~4点を検討できます。

従業員・元従業員の口コミ

VietnamWorks、CareerBuilder、TopCVなどのベトナム求人・就職媒体、日本側の転職口コミ媒体、Google上の事業所情報などを確認しました。

公開検索範囲では、マルゼンフーズベトナムの社員・元社員と確認でき、給与、残業、人間関係、安全、解散時の処遇を具体的に評価できる口コミ本文は確保できませんでした。

Google上では事業所に4.2という評価表示と5件程度のレビューがありますが、投稿者が従業員なのか取引先・訪問者なのかを区別できないため、労働環境の採点には使いません。

SNS・匿名掲示板の確認結果

Facebook、LinkedIn、X、5ちゃんねる、爆サイ等について、日本語、英語、ベトナム語の社名と「salary」「worker」「lương」「tai nạn」「事故」「残業」「退職」「解散」などを組み合わせて確認しました。

対象法人の現社員・元社員と特定でき、勤務時期・職種・本文まで確認できる有用な投稿は公開検索範囲では確保できませんでした。

そのため、SNS・匿名掲示板による追加加点・減点は行っていません。

Innovation|0 / 25

Innovationでは、操業時にどの作業を機械化し、人の歩行・重量物・危険作業・反復作業をどの程度減らしたのか、その成果が賃金・休日・雇用へ返ったのかを評価します。

過去に搾汁能力20トン/日とする第三者情報はありますが、生産設備の具体的な自動化内容と人への効果を対象会社単体で確認できないため、全項目0点です。

作業負担・危険の削減|0 / 10

搾汁能力20トン/日という情報から、工業的な食品加工設備を持っていたことは分かります。[出典6]

しかし、従来人が何をしていたのか、搾汁・洗浄・選別・搬送・充填のどこを機械が代替したのか、持上げ重量、歩行距離、作業時間、必要人数、事故がどう変わったのかは公表されていません。

設備があったことだけでは、人の負担削減を採点できません。

現在は0/10点です。設備工程と導入前後の作業負担・事故・必要人数を公開できれば4点以上を検討できます。

商品・サービスの改善|0 / 5

現地で果実を搾汁・加工し、食品・飲料原料へ変える事業を行っていたことは確認できます。

一方、対象会社単体で、歩留まり改善、鮮度向上、品質不良減少、容器改善、検査精度向上、新商品開発などの継続的な成果は公表されていません。

現在は操業も停止しているため、現行サービス改善として加点できません。

0/5点です。再稼働・事業移管後に、品質・歩留まり・加工時間などの改善を定量公開できれば2~4点を検討できます。

改善成果の人間への還元|0 / 5

設備による省力化があったとしても、それによって残業、休日、賃金、事故、雇用がどう変わったかは公表されていません。

さらに操業停止・解散の局面で、設備効率化や事業整理によって従業員がどう扱われたのかも公開されていません。

現在は0/5点です。自動化導入後の残業・事故・賃金・配置転換と、解散時の雇用処理を公開できれば2~3点を検討できます。

研究開発・現場改善の継続|0 / 5

過去には大型投資計画で食品・飲料加工工場を整備しました。

しかし、対象会社単体の設備更新、研究開発、改善提案、品質改善、処理能力向上などを複数年度で追える公開情報はありません。2025年には工場自体が操業停止と記録されています。

現在は0/5点です。再稼働または事業移管先で継続的な設備改善と成果を公表できれば2点以上を検討できます。

自動化・AI導入後の雇用状況

搾汁能力20トン/日の工業設備を持っていたことは確認できますが、どの工程が自動化されていたか、導入前後で雇用人数がどう変わったかは公表されていません。

2024年時点では従業員28人とする第三者データがあります。その後、2024年12月の解散決定、2025年の操業停止を経て、28人が退職、解雇、転籍、再配置のどれになったのかは公表されていません。[出典2・4・7]

自動化による人員削減と事業停止による人員減少を結びつける根拠もありません。

現在確認できるのは、工場停止前の従業員数を示す第三者情報がある一方、その後の雇用処理が公開されていないということです。

Protection|0 / 25

Protectionでは、洪水、火災、停電、原料不作、感染症、サイバー障害などが起きても、生産を継続・代替し、市民や顧客への供給を維持できるかを評価します。

今回、実際に工場が操業停止したにもかかわらず、供給をどこへ移したのか、何日で切り替えたのか、従業員・取引先へどう対応したのかが公表されていません。全項目0点です。

災害への備え・訓練|0 / 5

対象会社単体のBCP、防災訓練、火災訓練、洪水対策、非常用電源、備蓄、避難訓練の公開情報がありません。

ミーフック3工業団地の食品工場として操業していた以上、火災や豪雨・停電への備えは重要ですが、実施内容を外部から評価できません。

公開情報がない点は課題です。採点上も減点対象です。

現在は0/5点です。防災訓練、非常電源、洪水対策、避難結果を公開できれば2~3点を検討できます。

生産・物流・調達の代替|0 / 5

丸善食品工業グループには日本国内に複数の食品・飲料工場があります。

しかし、ベトナム工場停止後に、どの原料をどの工場・外部企業へ移したのか、ベトナム産原料の加工をどこで継続したのか、切替に何日かかったのかは公表されていません。

親会社が複数工場を持つだけで、ベトナム法人の供給を実際に代替した証拠にはなりません。

公開情報がない点は課題です。採点上も減点対象です。

現在は0/5点です。停止時の代替先、切替時間、供給維持率を公開できれば2~4点を検討できます。

サイバー防衛・情報保護|0 / 5

対象会社単体の情報セキュリティ方針、MFA、EDR、バックアップ、ネットワーク分離、工場OTセキュリティ、脆弱性診断、サイバー訓練について公開情報がありません。

公開情報がない点は課題です。採点上も減点対象です。

現在は0/5点です。基本方針と端末・ネットワーク・バックアップ対策、訓練実績を公開できれば2~3点を検討できます。

供給継続・復旧能力|0 / 5

今回は「もし工場が止まったら」という仮定ではなく、実際に工場が操業停止しています。

それにもかかわらず、復旧を目指したのか、廃止を決めたのか、代替工場へ移したのか、顧客への供給量がどう変わったのかについて、親会社または対象法人から詳細な説明は公表されていません。

2024年12月には事業継続の必要がなくなったことを理由とする解散決定が記録されています。[出典4]

供給継続・復旧能力を評価する実績が公開されていないため0/5点です。停止から代替供給までの日数、供給維持率、顧客影響を公開できれば3点以上を検討できます。

危機時の市民への対応|0 / 5

対象法人による洪水・感染症・地域災害時の食品・飲料支援、地域住民への物資供給、避難場所提供などの公開実績は確認できません。

公開情報がない点は課題です。採点上も減点対象です。

現在は0/5点です。地域との災害協定や実際の緊急供給実績を公開できれば2~4点を検討できます。

良いニュース・最近の前向きな動き

直近の対象会社について、現在の採点を引き上げられる新しい賃上げ、安全改善、食品安全認証、設備投資、災害対応などは確認できません。

一方、過去の事業には、ベトナムへ食品加工設備を置き、現地原料を食品・飲料原料へ変えて海外市場につなぐ役割がありました。現在は操業停止しているため、過去の大型投資を現行点へ加えていません。

過去には1億米ドル超の食品・飲料加工拠点を計画

2013年の投資認可時には、1億米ドルを超える大型食品・飲料プロジェクトとして報じられました。工場は約13ヘクタール規模で、飲料原料、ボトル果汁、加工食品などを生産する計画でした。[出典5]

大規模な現地加工拠点を置けば、農産物をそのまま輸出するだけではなく、加工工程と設備管理の仕事をベトナム側へ置けます。

ただし、2025年には操業停止が行政系資料に記載されているため、現在のInnovationや雇用として加点していません。

親会社の現行サイトでは関連会社として掲載が続く

丸善食品工業の現行会社概要では、マルゼンフーズベトナム株式会社は現在も関連会社一覧に掲載されています。[出典1]

完全な清算後も表示が残っているのか、法人手続き上は何らかの状態が継続しているのか、公開情報からは整理されていません。

この表示が残っているから操業中と判断することはできませんが、親会社が最終状態を説明すれば、取引先・従業員・消費者にとって状況が分かりやすくなります。

悪いニュース・問題となった動き

今回の審査では、事故や行政処分より、工場の操業停止・解散と、その後の従業員・供給・安全情報が十分説明されていないことが最大の問題です。

工場閉鎖では、商品を買う人だけでなく、従業員、原料生産者、物流会社、取引先にも影響します。事業停止の理由だけでなく、誰がどう補償され、供給をどこへ移したのかまで説明されなければ、市民は企業の終了時の責任を評価できません。

2024年12月 解散決定と債務処理案

ベトナムの企業登録情報を再掲する法務情報サイトでは、2024年12月2日に「事業継続の必要がなくなった」ことを理由とする解散決定と債務処理案が記録されています。[出典4]

単なる一時休業ではなく、事業終了へ進んだことを示す重要な情報です。

一方、従業員への退職補償、未払い賃金の有無、取引先債務、原料生産者への影響について詳細な公開情報はありません。

2025年 工業団地の環境資料で「操業停止」

ベトナムの環境行政サイトに掲載されたミーフック3工業団地の環境許可関連資料では、マルゼンフーズベトナムは「食品・ボトル飲料製造」の企業として掲載され、稼働状況は「Ngừng hoạt động=操業停止」と記録されています。[出典2]

企業情報サイトの推測ではなく、工業団地の環境管理資料で操業停止が記録されているため、今回の審査では現在の工場稼働状況を判断する重要な根拠としました。

2026年 税務終了情報と「活動中」表示が併存

2026年6月更新の税務情報では、対象法人は「活動停止・税務番号終了手続き完了」とされています。[出典3]

一方、別の企業登録情報では2026年時点でも「活動中」と表示され、同じページ内に2024年12月の解散決定も記録されています。親会社サイトでも現在も関連会社として掲載されています。[出典1・4]

このため、法人登記上の最終状態には公開情報の不整合があります。

少なくとも工場操業については2025年行政系資料で停止が確認できるため、本記事では現在稼働中の製造会社として評価していません。

総合評価と、これから改善してほしいこと

マルゼンフーズベトナム株式会社は0点、シビックランクGです。次のFランクは20点からなので、あと20点です。

この会社の場合、通常操業中の企業のように「残業を少し減らせば次ランクへ上がる」という状態ではありません。まず、再稼働するのか、完全に清算するのか、他社・他工場へ事業移管したのかを明確にし、従業員・安全・供給の最終結果を公開することが必要です。

解散・雇用処理と賃金精算を公開する|賃金・利益の還元 0 → 4点、雇用の安定・待遇の公平性 0 → 3点

現在は2024年時点で従業員28人とする第三者情報がある一方、その後の退職、解雇、転籍、補償、未払い賃金の有無が公表されていません。「賃金・利益の還元」は0/10点、「雇用の安定・待遇の公平性」は0/5点です。

企業が実行する改善行動は、操業停止時の在籍人数、退職者数、解雇者数、関連会社への転籍人数、賃金精算、退職補償、社会保険・税務手続き、男女・雇用形態別の処遇を親会社または対象法人が一覧で公開することです。

未払い賃金0、法定補償の全対象者への完了、本人希望を踏まえた転籍・再就職支援の実績まで確認できれば、賃金を4/10点、雇用の安定・待遇の公平性を3/5点まで再評価できます。

改善すれば+7点で総合7点、シビックランクGです。

参考企業として、イオン九州株式会社は当サイトDrive最新版審査で総合73点・Bです。正社員の月例賃金6.42%増、短時間組合員の時給8.14%増、月平均残業7.9時間、有給取得率82.1%など、対象法人自身の働く人の結果を数値公開しています。事業継続企業と清算法人では状況が異なりますが、「従業員が最終的にどの条件で扱われたかを法人単位で数値化する」という情報公開の粒度が参考になります。[参考企業出典8]

操業期間中の労災・食品安全結果を公開する|労働安全・健康 0 → 4点、商品・サービスの安全 0 → 3点

現在は対象法人単体の死亡労災、休業災害、火災、度数率、食品安全認証、微生物検査、異物混入、回収件数が公表されていません。「労働安全・健康」は0/10点、「商品・サービスの安全」は0/5点です。

企業が実行する改善行動は、操業開始から停止までの死亡災害、休業災害、設備事故、火災、食品回収、重大品質事故、HACCP・ISO・FSSC等の認証履歴、顧客監査、製品検査を公開することです。

死亡災害0、重大火災0、低い休業災害率、重大食品回収0を確認し、食品安全管理を第三者認証または顧客監査で検証できれば、労働安全を4/10点、商品安全を3/5点まで再評価できます。

改善すれば+7点で総合7点です。上の雇用・賃金改善と合わせれば14点となります。

参考企業として、親会社の丸善食品工業株式会社は当サイトDrive最新版審査で総合45点・E、商品・サービスの安全5/5点です。本社工場、須坂工場、富士小山工場でFSSC22000 Version 6・ISO22000:2018を維持し、HACCPに基づく管理、微生物・官能・アレルゲン検査、月1回のトレースバック訓練を行っています。ベトナム法人にも同じ水準の管理実績があったなら、その対象範囲を証明することが参考になります。[参考企業出典9]

操業停止後の代替生産・供給を公開する|生産・物流・調達の代替 0 → 3点、供給継続・復旧能力 0 → 3点

現在は工場が実際に停止していますが、停止後にどこへ生産を移したのか、顧客への供給量を維持できたのか、切替に何日かかったのかが公表されていません。「生産・物流・調達の代替」と「供給継続・復旧能力」はともに0/5点です。

企業が実行する改善行動は、主要原料・製品ごとに、停止前の生産量、移管先、移管開始日、供給再開日、欠品期間、供給維持率を公開することです。事業を完全終了した場合も、取引先へいつ通知し、誰が供給を引き継いだのかを示します。

主要品目の90%以上を別拠点・委託先へ移管し、30日以内に供給を正常化した実績などを確認できれば、生産代替3/5点、供給継続3/5点まで再評価できます。

改善すれば+6点で総合6点です。雇用・賃金+7点、安全+7点と合わせれば20点となります。

参考企業として、株式会社ストリックスコンサルティングは当サイトDrive最新版審査で総合62点・C、供給継続・復旧能力5/5点です。2017年の九州北部豪雨で物流拠点が大きな被害を受けながら、翌々日に通常出荷体制へ戻した実績を公表しています。マルゼンフーズベトナムでも「停止後に何日でどこへ供給を切り替えたか」を同じように外部検証できることが重要です。[参考企業出典10]

次のランクへ上がるための具体例

現在0点・Gで、Fは20点からなので20点必要です。

まず、操業停止時の28人前後の従業員について、在籍、退職、解雇、転籍、未払い賃金、退職補償を公開し、未払い0・補償完了を示します。「賃金・利益の還元」を0点から4点、「雇用の安定・待遇の公平性」を0点から3点へ上げ、+7点です。

次に、操業期間中の死亡・休業労災、火災、食品回収、HACCP・ISO・FSSC認証、検査結果を公開し、重大事故・重大食品事故が低いことを証明します。「労働安全・健康」を0点から4点、「商品・サービスの安全」を0点から3点へ上げ、+7点です。

最後に、工場停止後の生産移管先、切替日、欠品期間、供給維持率を公開し、主要品目の供給を別拠点へ引き継いだことを示します。「生産・物流・調達の代替」を0点から3点、「供給継続・復旧能力」を0点から3点へ上げ、+6点です。

0点+7点+7点+6点=20点となり、シビックランクFに到達します。

つまり、マルゼンフーズベトナムが次のランクへ上がるためには、過去の大型投資を宣伝することではなく、工場を閉じたときに働いていた人をどう扱い、安全面で何が起き、取引先への供給をどこへ移したのかを対象会社・親会社が具体的な人数・金額・日数で公開することが必要です。

出典一覧

[出典1]丸善食品工業株式会社「会社概要・丸善の歴史」
[出典2]ベトナム環境行政サイト「ミーフック3工業団地 環境許可関連資料」2025年
[出典3]MaSoThue「CÔNG TY TNHH MARUZEN FOODS VIỆT NAM」2026年6月更新
[出典4]Thư Viện Pháp Luật「CÔNG TY TNHH MARUZEN FOODS VIỆT NAM」企業登録情報
[出典5]VietnamNet / Saigon Times系報道「Maruzen Foods pours US$100 mil. in Binh Duong」2013年
[出典6]Bluebook Vietnam「MARUZEN FOODS VIETNAM CO., LTD.」
[出典7]EMIS「Maruzen Foods Vietnam Co., Ltd」2026年更新・2024年従業員28人
[参考企業出典8]当サイトDrive現行審査「イオン九州株式会社|73点・B」
[参考企業出典9]当サイトDrive現行審査「丸善食品工業株式会社|45点・E」
[参考企業出典10]当サイトDrive現行審査「株式会社ストリックスコンサルティング|62点・C」

シビックランクの基準

ランク点数
S90~100
A80~89
B70~79
C60~69
D50~59
E40~49
F20~39
G0~19

情報ランクの基準

情報ランク主な情報源
S公的機関、裁判所、規制当局、独立した第三者機関の調査・監査・検証・認証
A企業公式資料、採用情報、公式声明・SNS、記名取材・公表発言
B従業員・元従業員の口コミ、一般SNS、匿名掲示板

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