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イオンスーパーセンター株式会社を企業審査|シビックランクC・64点/100点|残業5.9時間・2024年6.56%賃上げと災害対応を評価、男性育休・労災KPIとDX効果開示が課題

私たちは、企業の商品を購入したり、サービスを利用したりすることで、そこで働く人たちの未来を変えることができます。

働く人に十分な賃金を払い、休暇を確保し、安全な職場をつくり、人の負担を減らす企業の商品やサービスが選ばれれば、そうした企業により多くの売上が集まります。その結果、働く人を大切にする経営を続けやすくなります。

反対に、低賃金や長時間労働、安全上の問題を改善しない企業の商品やサービスが売れ続ければ、そうした働かせ方のままでも事業を続けることができます。

だからこの企業審査では、「私たちがお金を使うなら、どの企業を選ぶことが、そこで働く人にとってより良い社会につながるのか」という視点から企業を評価します。

なぜ企業を審査するのか?――このサイトの目的と、利用するメリット

今回審査するイオンスーパーセンター株式会社は、総合64点、シビックランクCです。

イオンスーパーセンター株式会社の特に強い点は、解散前の公開データで月平均残業5.9時間、有給休暇取得率82.6%という良好な働き方を確認でき、2024年春闘でも正社員6.56%、短時間組合員の時給7.05%という大幅な賃上げを実施していたことです。さらに、東北各地の自治体と災害時の生活物資供給協定を結び、非常用発電設備や東日本大震災後の移動販売など、地域の生活インフラとして実際に災害対応を行ってきました。

そのため、この企業が運営していた店舗を利用することは、働く人の残業を抑え、賃金を引き上げながら、平時も災害時も東北の地域住民へ食品・日用品を届ける小売事業を支えることにつながっていました。

一方で、改善点として、男性育児休業の取得実績が弱かったこと、会社単体の死亡・休業労災や度数率を公開していなかったこと、セルフレジやデジタル化などの施策が「人の作業を何時間減らしたか」まで定量化されていなかったことが残ります。

この記事では、イオンスーパーセンター株式会社の強みと課題をさらに詳しく企業審査していきます。

なお、イオンスーパーセンター株式会社は2025年3月1日にイオン東北株式会社へ吸収合併され、法人としては解散しています。登記記録は2025年3月7日に閉鎖されました。今回の64点は、旧イオンスーパーセンター株式会社について確認できる最終期までの実績を対象にした評価です。現在「イオンスーパーセンター」店舗を東北で運営している主体はイオン東北株式会社であり、今後の改善主体も同社になります。

目次

イオンスーパーセンター株式会社の企業審査結果

イオンスーパーセンター株式会社は、東北5県で「イオンスーパーセンター」を運営していた総合小売会社です。食品、衣料品、日用品、家電、医薬品など、日常生活に必要な商品をワンフロアでまとめて提供していました。

2024年10月時点では22店舗を運営していました。労働者数は岩手労働局の認定企業事例集で3,246人、Gビズインフォでは職場情報総合サイト由来の3,470人と掲載されており、時点や集計方法が異なります。

評価軸点数
Safety34/50
Innovation12/25
Protection18/25
総合点64/100
シビックランクC

評価時点:2026年10月8日

対象期間:旧イオンスーパーセンター株式会社の解散前まで

主な強み

・公開データで月平均残業5.9時間
・有給休暇取得率82.6%
・年間休日115~125日、うち20日間の長期休日制度
・2024年春闘で正社員1人平均1万6,411円、6.56%の賃上げ
・2024年春闘で短時間組合員の時給67.27円、7.05%の引き上げ
・賞与年3回、過去求人で3.8か月分の実績
・正規雇用の男女賃金比率80.7%
・パート・有期雇用の男女賃金比率99.0%
・女性管理職比率23.1%
・女性育児休業取得率100%の公開実績
・えるぼし認定、くるみん認定
・労働組合が組織され、UAゼンセン・イオングループ労組連合会に加盟していた
・自治体との災害時物資供給協定を複数地域で締結
・一部店舗で非常用発電機を整備
・東日本大震災後に被災地で移動販売を実施
・南相馬、釜石、陸前高田など被災地域へ店舗を展開し、地域の生活インフラを担った

主な課題

・最終期直前まで男性育休取得率の実績が低く、過去公開値では0%
・正規雇用の男女賃金比率80.7%で差が残る
・死亡労災、休業労災、労災度数率、強度率など会社単体の結果KPIが非公表
・ハラスメント相談件数、内部通報件数、是正率の会社単体開示が不足
・セルフレジ、電子化、発注支援などが従業員の作業を何時間減らしたか非公表
・自動化による時間削減が残業、休憩、賃金、休日へどう返ったか非公表
・会社単体のサイバー対策、MFA、EDR、復元試験、RTO・RPOが非公表
・災害協定や非常用発電機は確認できるが、全22店舗横断の復旧時間・供給可能量は非公表
・2025年3月に法人が解散し、現在の改善状況は承継先のイオン東北で確認する必要がある

事業内容と人間への貢献

イオンスーパーセンター株式会社は2005年11月21日に発足し、青森、岩手、秋田、宮城、福島でスーパーセンター事業を展開していました。

基本情報

項目内容
会社名イオンスーパーセンター株式会社
発足2005年11月21日
最終本社岩手県盛岡市菜園1丁目11番5号
最終代表者代表取締役社長 矢木健太郎
店舗数22店舗、2024年10月時点
主な地域青森、岩手、秋田、宮城、福島
主な事業食品・衣料・日用品・家電等の総合小売
法人の状態2025年3月1日、イオン東北へ吸収合併
登記閉鎖2025年3月7日
承継先イオン東北株式会社

主な事業内容

スーパーセンターは、スーパーマーケットとホームセンターに近い機能をワンフロアへまとめた大型小売業態です。

食品だけでなく、衣料品、化粧品、家庭用品、日用雑貨、家電、家具、医薬品、カー用品、園芸用品などを同じ店舗で購入できるため、利用者は複数の店を回る必要を減らせます。

特に郊外や地方では、大型のスーパーセンターが食品・日用品・生活資材をまとめて確保できる地域拠点になります。

事業による人間への貢献

地方では、人口減少や店舗撤退によって買い物先が減る地域があります。

スーパーセンターが地域に存在すれば、高齢者や子育て世帯が一度の移動で食品、衣料、衛生用品、薬、生活用品を購入できます。移動回数が減れば、車の運転時間や交通費、身体負担も減らせます。

災害時にはさらに重要です。自治体と生活物資供給協定を結び、停電時の非常用発電機や広い駐車場、商品在庫、物流網を活用できれば、被災した住民へ水、食品、衛生用品を届ける拠点になります。

Safety|34/50

Safetyでは、旧イオンスーパーセンターで働く人の賃金、労働時間、雇用、育児・介護、人権、労災と、店舗利用者の安全を評価しました。

特に強いのは2024年の大幅賃上げと、残業5.9時間、有給取得率82.6%です。一方、男性育休と労災結果の開示は課題です。

賃金・利益の還元|8/10

2024年春闘で、イオンスーパーセンター労働組合は正社員1人平均1万6,411円、6.56%の賃上げで妥結しました。

短時間組合員についても時給67.27円、7.05%の引き上げです。正社員だけでなくパートタイマーにも同水準の上昇率を適用した点を高く評価します。

過去の中途採用求人では賞与年3回、前年実績3.8か月分も確認できます。

一方、2023年3月~2024年2月の男女賃金比率は全労働者74.4%、正規雇用80.7%、パート・有期99.0%でした。パートではほぼ同水準ですが、正社員では約2割の差が残っています。

そのため8/10点です。

既存社員の賃金中央値、職位別男女賃金、ベースアップ額を毎年公開し、正社員の男女賃金比率を90%以上へ近づけられれば10/10点を検討できます。

労働時間・休息|8/10

女性活躍推進企業データベース由来の公開情報では、月平均残業5.9時間、有給休暇取得率82.6%です。

過去の採用情報では年間休日115~125日で、そのうち20日間を長期休日として取得できました。20日を1回、10日を2回、5日を4回など、店舗の繁閑と本人希望に合わせて分割できる制度です。

小売業は土日祝や年末年始も営業するため、暦通りの休みを取りにくい一方、長期休日制度があることで連続した休息を確保できます。

転職会議の投稿者集計でも残業16.8時間、有給消化率60.5%で、小売業として極端な長時間労働を示す数字ではありません。ただし口コミでは、人手不足で急な残業を依頼されるという声もあります。

公式公開値を優先し8/10点です。

店舗別残業、月45時間超の従業員比率、有給平均取得日数まで公開できれば10/10点を検討できます。

雇用の安定・待遇の公平性|4/5

岩手労働局の認定企業事例集では労働者3,246人、そのうち女性2,319人とされています。Gビズインフォでは時点の異なる職場情報総合サイト由来で3,470人、男性920人、女性2,550人です。

最終期のイオン有価証券報告書では女性管理職比率23.1%でした。

時間給社員でも登用試験を通じて日給月給社員となり、主任・課長等の管理職へ進める制度があり、勤務地限定から総合職へ転換する仕組みも整備していました。

一方、正規雇用の男女賃金比率は80.7%で差が残ります。

そのため4/5点です。職位別の男女比、昇進率、雇用区分別の賃金差まで公開できれば5/5点を検討できます。

福利厚生・育児・介護|3/5

産休、育児休業、介護休業、看護休暇、短時間勤務制度、社宅、退職金年金、従業員買物割引などを確認できます。

女性育児休業取得率は100%の公開実績があります。くるみん認定も受けています。

一方、過去の公開データでは男性育児休業取得率が0%でした。最終期の親会社有価証券報告書では男性育休率の記載が省略されており、解散直前までにどこまで改善したかを確認できません。

そのため3/5点です。

男性育休取得率を80%以上へ引き上げ、男女の復職率、介護休業・看護休暇の利用実績を公開できれば4~5/5点を検討できます。

人権・ハラスメント・労使関係|4/5

イオンスーパーセンター労働組合が組織され、イオングループ労働組合連合会、UAゼンセンに加盟していました。

2024年春闘で大幅賃上げを実現したことからも、労組が実際に賃金交渉を行う機能を持っていたことが確認できます。

えるぼし3つ星、くるみん認定も受け、女性活躍や子育て支援制度を整備していました。

一方、会社単体のハラスメント相談件数、内部通報件数、調査・是正件数は公表されていません。

そのため4/5点です。相談件数と是正結果を匿名化して年次公開できれば5/5点を検討できます。

労働安全・健康|3/10

イオングループでは健康経営宣言、事業所単位のリスクアセスメント、安全衛生委員会、ヒヤリハット収集、労災教育などを実施しています。

イオンスーパーセンターも健康経営優良法人の認定実績があり、グループ安全衛生方針の対象でした。

一方、旧イオンスーパーセンター単体について、死亡労災、休業労災、軽微労災、労災度数率、強度率、転倒・切創・腰痛などの年次結果KPIを確認できません。

小売店舗では品出し、重量物、脚立、バックヤード、調理、駐車場など事故リスクがあるため、結果を公開していない点は大きな課題です。

そのため3/10点です。

死亡0、休業労災件数、度数率などを毎年公開し、安全対策で事故が減っていることを確認できれば6~8/10点を検討できます。

商品・サービスの安全|4/5

店舗は食品、医薬品、家電、家具など幅広い商品を扱うため、品質事故や回収への迅速な対応が必要です。

2024年にはトップバリュの軽量フレームキャリーケースについて、部品不具合により指を怪我するおそれがあるとして回収が行われ、イオンスーパーセンターでは23点が対象となりました。問題商品の製造・企画主体はイオントップバリュ側であり、イオンスーパーセンター単独の製品設計事故とは扱いませんが、販売事業者として回収対応の対象でした。

2023年には一部医薬品のセルフメディケーション税制対象マークがレシートに印字されない問題もあり、修正とレシート再発行対応を行っています。これは税制表示の問題で、商品自体の安全事故ではありません。

今回の調査で、旧イオンスーパーセンター単体に直接結び付く大規模食中毒や重大な製品安全行政処分は確認できませんでした。

そのため4/5点です。回収件数、食品事故、店舗内事故を年次公開できれば5/5点を検討できます。

従業員・元従業員の口コミ

転職会議では164件の口コミが掲載され、投稿者集計の残業時間は月16.8時間、有給消化率60.5%です。

Yahoo!しごとカタログでは、パート社員から有給を使って10日程度の連続休暇を取れたという投稿があります。

一方、同じ口コミ群には「人員不足で急な残業を依頼されることが多かった」という声もあります。

口コミは店舗、人員配置、時期による差が大きいため、会社公式の残業5.9時間・有給82.6%と併せて判断しました。

SNS・匿名掲示板の確認結果

X、5ちゃんねる、爆サイについて、会社名と「残業」「給料」「パワハラ」「退職」「人手不足」「事故」などを組み合わせて確認しました。

対象法人の社員・元社員であること、勤務時期・店舗を具体的に確認でき、今回の採点を変更できる投稿本文は確認できませんでした。

SNS・匿名掲示板に有用情報が見つからないことは、問題がない証明ではありません。

Innovation|12/25

Innovationでは、売場・レジ・発注・品出しなど、人が行う反復作業をどれだけ減らしたかを重視します。

旧イオンスーパーセンターではイオングループのデジタル施策を利用していましたが、対象会社単体で削減時間まで示した公開情報は不足しています。

作業負担・危険の削減|3/10

イオングループではセルフレジ、電子棚札、AI発注、モバイル端末などを使った店舗業務の効率化を進めています。

旧イオンスーパーセンターの店舗でもレジ・店舗運営のデジタル化は進んでいましたが、対象会社単体で「レジ作業を何時間削減したか」「発注作業を何時間減らしたか」という結果を確認できません。

そのため3/10点です。

承継先では、店舗ごとのレジ作業、値札交換、発注、品出し時間を導入前後で測定し、年間削減時間を公開してほしいです。

商品・サービスの改善|4/5

スーパーセンター業態は食品から衣料、日用品、家電までをワンフロアでまとめて提供し、地方の買い物移動を減らすサービスです。

地域農家の商品を集める「じもの」売場の拡大や、地域ニーズに合わせた店舗改装も進めていました。

2024年には22店舗すべてでフードドライブを実施し、未使用食品を地域のフードバンク団体へ寄付する取り組みも拡大しました。

日常の買い物機能と地域課題への対応を評価して4/5点です。

改善成果の人間への還元|2/5

残業5.9時間、有給取得率82.6%という働き方は良好です。

しかし、その良好な数字がセルフレジやデジタル化によって実現したのか、作業削減によって浮いた時間を休憩や休日へ振り替えたのかという因果は公開されていません。

そのため2/5点です。

DX導入前後の残業、休憩、作業時間を同じ店舗で比較できれば4点以上を検討できます。

研究開発・現場改善の継続|3/5

店舗改装、地場商品拡大、フードドライブ、デジタル施策など、複数年にわたり売場と地域サービスの改善を続けていました。

一方、対象会社単体で共通のDX KPIや作業削減KPIを継続公開していません。

そのため3/5点です。改善施策を同じ指標で年次比較できれば4~5/5点を検討できます。

自動化・AI導入後の雇用状況

旧イオンスーパーセンターについて、セルフレジやデジタル化を理由とした大規模希望退職、採用停止、一斉契約終了を裏づける公開情報は確認できませんでした。

2025年3月の法人解散は、DXによる人員削減ではなく、イオン東北への経営統合です。

統合後の店舗はイオン東北が運営を継続しており、事業自体が廃止されたわけではありません。

今後は承継先で、旧イオンスーパーセンター出身社員の配置転換、退職、採用、店舗人員の変化を追う必要があります。

Protection|18/25

Protectionでは、地震、津波、停電、物流寸断が起きても店舗を維持し、地域へ生活物資を届けられるかを評価しました。

自治体協定、非常用発電設備、東日本大震災後の移動販売という実績があり、旧会社の強い分野です。

災害への備え・訓練|4/5

宮城県ではイオングループとしてイオンスーパーセンター株式会社を含む災害時支援協力協定が締結されていました。

鏡石町、南相馬市、由利本荘市、十和田市などでも、生活必需物資供給や防災訓練に関する協定を確認できます。

水沢桜屋敷店では停電時に、管理拠点や食品バックヤードの冷蔵・冷凍設備へ一定時間電力を供給する非常用発電機を整備していました。

計画だけでなく自治体と協定を結び、設備も整備しているため4/5点です。

一方、全22店舗の訓練実施率、安否確認時間、非常電源稼働時間は横断的に公開されていません。

生産・物流・調達の代替|3/5

22店舗を東北5県に分散し、イオングループの調達・物流網を利用していました。

一つの地域で物流が止まっても、グループの別拠点や他地域から商品を動かせる余地があります。

一方、配送センターが停止した場合の代替ルート、重要商品の在庫日数、切替時間は対象会社単体では公開されていません。

そのため3/5点です。

サイバー防衛・情報保護|2/5

イオングループには共通の情報セキュリティ管理や教育があります。

一方、旧イオンスーパーセンター単体について、MFA、EDR、SOC、バックアップ分離、標的型メール訓練、重大インシデント件数、復元試験結果を確認できません。

そのため2/5点です。

小売ではPOS、発注、在庫、決済が止まれば営業継続へ直結するため、技術対策と復旧試験の公開が必要です。

供給継続・復旧能力|4/5

東日本大震災後、イオンスーパーセンターは営業休止中だったサンデー大船渡店の駐車場を活用し、移動販売を開始しました。

通常店舗が使えなくても車両と別施設を使って商品を届けることは、実際の代替供給能力を示す事例です。

また、震災後には南相馬、釜石、陸前高田などで店舗を展開し、被災地域の生活インフラを支えてきました。

そのため4/5点です。

一方、全社共通の目標復旧時間や、店舗停止後何時間で代替販売へ切り替えるかは公開されていません。

危機時の市民への対応|5/5

自治体との協定では、災害時に食品や日用品など生活必需物資を供給することが定められていました。

東日本大震災後には実際に移動販売を行い、被災地の買い物手段を補完しています。

つまり「協定がある」だけでなく、実災害で代替販売を実行した実績があります。

そのため5/5点です。

良いニュース・最近の前向きな動き

旧法人の解散直前までに確認できる前向きな動きは、賃上げ、低残業、フードドライブ、防災対応です。

2024年 正社員6.56%・パート時給7.05%の賃上げ

2024年春闘では、正社員1人平均1万6,411円、6.56%の賃上げ、短時間組合員は時給67.27円、7.05%の引き上げで妥結しました。

物価が上昇する中、正社員だけでなくパートにも7%前後の引き上げを行ったことは、人への還元として大きな強みです。

2024年 全22店舗でフードドライブ

2024年10月、全22店舗でフードドライブを実施し、集まった未使用食品を地域のフードバンクへ寄付しました。

スーパーの店舗網を使い、家庭で余る食品を生活困窮者支援へ回すことは、地域の食品ロスと生活支援を同時に進める取り組みです。

東日本大震災後の移動販売

2011年4月、被災地復興の一助として大船渡で移動販売を開始しました。

店舗建物が使えない状況でも、車両と代替場所を使って商品を届ける行動は、Protectionで高く評価できる実績です。

悪いニュース・問題となった動き

旧イオンスーパーセンター単体で、解散直前に大規模な食品表示違反や重大死亡事故として確認できる事案は、今回の調査では特定できませんでした。

一方、働く人の安全結果と男性育休については改善余地があります。

男性育休の取得実績が弱い

女性育休取得率100%に対し、過去の公開データでは男性育休取得率0%でした。

男性も育休を取れる状態にしなければ、出産後の家事・育児負担が女性側へ偏りやすくなります。

現在は承継先のイオン東北で制度改善を追う必要があります。

労災結果が見えない

安全衛生制度や健康経営の仕組みはありますが、旧イオンスーパーセンター単体の労災件数や度数率が公開されていません。

スーパーの現場では転倒、切創、腰痛、重量物、調理設備などのリスクがあるため、「制度がある」だけでなく「事故が何件だったか」を公開してほしいところです。

2025年3月に法人解散

2025年3月1日、イオンスーパーセンター株式会社はイオン東北株式会社へ吸収合併されました。

これは不祥事による解散ではなく、東北エリアの調達、物流、IT、人材など経営基盤を一体化し、地域単位で競争力を高める再編です。

現在「イオンスーパーセンター」の店舗を利用することは、旧会社ではなくイオン東北の売上を支えることになります。

総合評価と、これから改善してほしいこと

イオンスーパーセンター株式会社は64点・シビックランクCです。次のBランクは70点からなので、あと6点必要です。

低残業、大幅賃上げ、有給取得、防災対応は高い評価につながりました。

一方、男性育休、労災結果、DXによる削減時間、サイバー復旧能力を結果で示せていないことが課題です。

旧法人はすでに解散しているため、以下の改善は承継先であるイオン東北株式会社が旧イオンスーパーセンター店舗・従業員を含めて実施することを想定します。

男性育休を大幅に改善してほしい|福利厚生・育児・介護 3→4/5

現在は3/5点です。

女性育休は100%の実績がある一方、旧会社の過去公開値では男性0%でした。

男性も育児休業を取得できるよう、対象者への個別案内、管理職評価への反映、育休中の代替要員確保を進め、取得率80%以上を安定して維持してほしいです。

これが確認できれば3→4/5点、+1点を検討できます。

参考企業はイオンリテール株式会社です。2025年度の親会社有価証券報告書で男性育休取得率98.8%を確認でき、同じイオングループでも高水準を実現しています。

労災KPIを公開し事故を減らしてほしい|労働安全・健康 3→5/10

現在は3/10点です。

旧会社では死亡、休業、軽微労災、度数率を確認できません。

承継先では旧スーパーセンター店舗を含め、死亡、休業、転倒、切創、腰痛、調理事故などを毎年公開し、度数率を継続的に下げてほしいです。

これが確認できれば3→5/10点、+2点を検討できます。

参考企業の株式会社セブン‐イレブン・ジャパンは、当サイト既存審査で死亡災害0、労災度数率0.78、強度率0.01を公開し、「労働安全・健康」8/10点としています。事故の有無を数字で示す点が参考になります。

DXを「何時間減ったか」で示してほしい|作業負担・危険の削減 3→5/10

現在は3/10点です。

セルフレジやデジタル化を進めても、旧会社では作業削減時間を確認できませんでした。

レジ、発注、値札交換、棚卸し、品出しについて、導入前後の作業時間を測定し、店舗当たり・全社合計で年間何時間削減したかを公開してほしいです。

これが確認できれば3→5/10点、+2点を検討できます。

参考企業はウイングアーク1st株式会社です。当サイト現行審査では81点・Aで、導入先の月815時間削減など、デジタル化による作業時間削減を具体的に公開しています。

サイバー復旧能力を公開してほしい|サイバー防衛・情報保護 2→3/5

現在は2/5点です。

小売ではPOS、在庫、発注、決済が停止すると店舗営業に直接影響します。

MFA、EDR、ネットワーク分離、バックアップ、標的型メール訓練、復元試験を対象店舗まで実施し、主要システムを何時間で復旧できるかを公開してほしいです。

これが確認できれば2→3/5点、+1点を検討できます。

参考企業はウイングアーク1st株式会社です。ISO27001やISMAP登録など第三者が情報管理を確認できる仕組みがあり、自社宣言だけでなく外部検証を持つ点が参考になります。

次のBランクへ上がるための具体例

現在64点・Cで、Bは70点からです。あと6点必要です。

・男性育休取得率80%以上を実現する。「福利厚生・育児・介護」3→4/5、+1点。

・死亡・休業・軽微労災と度数率を公開し、事故率を低下させる。「労働安全・健康」3→5/10、+2点。

・レジ、発注、棚卸し等のDXによる年間作業削減時間を公開する。「作業負担・危険の削減」3→5/10、+2点。

・MFA、EDR、バックアップ復元訓練とシステム復旧時間を公開する。「サイバー防衛・情報保護」2→3/5、+1点。

64点+1点+2点+2点+1点=70点となり、シビックランクBに到達します。

旧イオンスーパーセンターには、低残業、大幅賃上げ、長期休暇、防災という強い土台がありました。今後、承継先のイオン東北が「事故は何件減ったか」「DXで何時間減ったか」「男性育休が何%になったか」「システムを何時間で復旧できるか」まで公開できれば、地域の生活インフラとしてさらに高く評価できます。

出典一覧

No.出典情報ランク
1Gビズインフォ「イオンスーパーセンター株式会社(閉鎖)」S
2イオン東北・イオンスーパーセンター「経営統合について」2024年10月15日A
3イオン株式会社 有価証券報告書 2025年2月期S
4岩手労働局「県内認定企業好事例集 イオンスーパーセンター株式会社」S
5女性活躍推進企業データベース由来職場情報S
6UAゼンセン・連合 2024春闘回答速報S
7イオンスーパーセンター過去採用情報・エン転職A
8転職会議「イオンスーパーセンター 社員口コミ」B
9Yahoo!しごとカタログ「イオンスーパーセンター 社員口コミ」B
10イオン株式会社「健康経営・労働安全衛生」A
11消費者庁リコール情報「トップバリュ軽量フレームキャリーケース」S
12イオンスーパーセンター「セルフメディケーション税制対象商品のレシート表示の誤り」A
13イオンスーパーセンター「フードドライブを22店舗で実施」2024年9月26日A
14宮城県「災害時における支援協力に関する協定」S
15南相馬市「災害時における生活必需物資等の供給協力に関する協定」S
16鏡石町地域防災計画S
17由利本荘市地域防災計画S
18イオン株式会社「イオンスーパーセンターが移動販売を開始」2011年4月19日A
19イオン株式会社「ダイ満足リレー イオンスーパーセンター株式会社」A
20Google Drive上の当サイト既存企業審査「イオン東北株式会社」「株式会社セブン‐イレブン・ジャパン」「ウイングアーク1st株式会社」比較用内部資料

シビックランクの基準

シビックランク点数
S90~100点
A80~89点
B70~79点
C60~69点
D50~59点
E40~49点
F20~39点
G0~19点

イオンスーパーセンター株式会社は64点のため、今回の評価はシビックランクCです。

情報ランクの基準

情報ランク基準
S公的機関、裁判所、規制当局、独立した第三者機関の調査・監査・検証・認証など、内容そのものに独立した裏づけがある情報
A企業公式資料、採用情報、公式声明・SNS、または氏名・役職・立場が確認できる記名取材や公表発言など、発信主体を確認できる公表情報
B従業員・元従業員の口コミ、一般SNS、匿名掲示板など、発信者の身元や対象企業との関係を独立に確認しにくい情報

情報ランクは企業そのものの良し悪しではなく、個々の情報の出どころと検証状態を示します。Sは独立した裏づけがある情報として最上位です。AとBは単純な上下関係ではなく、残業、休暇、ハラスメント、配置転換などの実態ではBの従業員情報が公式資料を補う場合があります。

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