私たちは、企業の商品を購入したり、サービスを利用したりすることで、そこで働く人たちの未来を変えることができます。
働く人に十分な賃金を払い、休暇を確保し、安全な職場をつくり、人の負担を減らす企業の商品やサービスが選ばれれば、そうした企業により多くの売上が集まります。その結果、働く人を大切にする経営を続けやすくなります。
反対に、低賃金や長時間労働、安全上の問題を改善しない企業の商品やサービスが売れ続ければ、そうした働かせ方のままでも事業を続けることができます。
だからこの企業審査では、「私たちがお金を使うなら、どの企業を選ぶことが、そこで働く人にとってより良い社会につながるのか」という視点から企業を評価します。
なぜ企業を審査するのか?――このサイトの目的と、利用するメリット
今回審査する株式会社トーカンは、総合71点、シビックランクBです。
株式会社トーカンの特に強い点は、全国物流網とISO22000、TLS-K・自動倉庫によって食の安定供給と現場改善を進めていることです。そのため、この企業の商品を購入したりサービスを利用したりすれば、食品がより安定して届き、物流・製造のムリやムダを減らしながら働ける社会につながる可能性が高まります。
一方で、改善点として男女賃金差が大きく、労災実績やBCP・自動化後の雇用影響の開示が十分ではないことが残ります。
この記事では、株式会社トーカンの強みと課題をさらに詳しく企業審査していきます。
株式会社トーカンの企業審査結果
評価対象は、名古屋市熱田区に本社を置く食品卸売会社の株式会社トーカンです。法人番号8180001022373で、セントラルフォレストグループ株式会社が100%保有する事業会社です。親会社や他の子会社の実績をトーカン単体の実績として混同せず、対象法人自身の数値を優先しました。評価日は2026年10月8日です。[出典1・2]
| 評価軸 | 得点 | 主な評価 |
| Safety | 36/50 | 月平均残業17.4時間、年休123日、育児支援、ISO22000を評価。男女賃金差、単体の労災KPI、口コミとの働き方の差が課題 |
| Innovation | 20/25 | TLS-K、配送最適化、POS・ID-POS分析、2026年10月予定の自動倉庫を評価。自動化後の実削減時間と人への還元は未公表 |
| Protection | 15/25 | 全国物流網、24時間365日製造、情報セキュリティ方針、防災備蓄を評価。訓練結果、RTO・RPO、代替切替時間の公開が不足 |
| 総合 | 71/100 | シビックランクB |
主な強みは、全国47都道府県への供給を支える物流ネットワーク、物流・製造・事務まで対象にしたTLS-K、名古屋工場と王将営業部のISO22000、そして小牧常温センターで進む自動倉庫です。物流センターの自動化は「継続的な倉庫運営」「作業品質の安定化」「コストの抑制」を目的としており、保管・補充・仕分け・積付けなどを自動化する計画です。[出典11・12・14]
主な課題は待遇の公平性と結果情報の不足です。2025年の男女賃金比率は全労働者48.4%、正規雇用71.0%、パート・有期68.0%で、女性管理職比率は6.3%です。さらに物流・製造を持つ企業として重要な労災件数、休業災害度数率、死亡災害数などのトーカン単体の継続データ、災害時の復旧目標時間などが十分に公表されていません。[出典2]
事業内容と人間への貢献
株式会社トーカンは、メーカー・生産者から食品を仕入れ、保管・物流・販売提案・商品開発・製造を組み合わせ、小売店、コンビニ、外食、中食、給食などへ届ける食品卸売会社です。商品を右から左へ流すだけではなく、物流センター運営、売場分析、惣菜製造、メニュー提案なども担っています。[出典1・13]
| 項目 | 内容 |
| 会社名 | 株式会社トーカン |
| 本社 | 愛知県名古屋市熱田区川並町4番8号 |
| 代表者 | 代表取締役社長執行役員 永津 嘉人 |
| 創業 | 1947年3月 |
| 設立 | 1949年10月 |
| 資本金 | 12億4,330万円 |
| 売上高 | 1,742億円、2025年12月期 |
| 正規雇用者数 | 407人、2025年12月31日 |
| 臨時従業員数 | 397人、2025年12月31日の有価証券報告書記載 |
| 主要株主 | セントラルフォレストグループ株式会社100% |
| 主な事業 | 食品卸売、製造加工、物流、売場・商品提案 |
トーカンの物流機能ページでは、全国47都道府県へ供給するため約45の物流拠点と約25の中継拠点を使うと説明しています。一方、2025年3月3日時点の専用拠点一覧に掲載される物流拠点は41です。これは「ネットワークとして利用する拠点」と「一覧に掲載する物流拠点」の定義が異なると考えられるため、本審査では数字を混同しません。[出典11]
この事業の人間への貢献は、食品を必要な場所へ安定して届けることです。例えば、スーパーに毎日並ぶ加工食品やチルド食品、外食店や給食施設で使う食材は、メーカーから店舗へ直接運ぶだけでは品目・温度帯・配送先が多くなり、物流負担が大きくなります。トーカンが複数メーカーの商品を集約し、常温・低温などを管理しながら配送することで、小売・外食側の荷受け回数や在庫管理の負担を減らし、消費者が日常的に食品を入手しやすい状態を支えます。[出典11]
Safety
Safetyでは、賃金、労働時間、雇用の公平性、育児支援、人権、労働安全、食品安全を確認しました。トーカンは休暇・育児・食品安全では具体的な制度と実績があります。一方、男女賃金差が大きく、物流・製造現場の労災結果が十分公開されていないため、満点からは距離があります。
賃金・利益の還元:6/10
2026年の新卒募集では、大卒の基本月額は25万2,000円、営業職は営業手当3万3,000円を加え月28万5,000円です。固定残業制度はなく、残業代は全額支給としています。賞与は年3回です。[出典5]
また、トーカンは2025年12月期に売上高1,742億600万円、経常利益18億1,900万円、当期純利益13億1,000万円を計上しています。利益を出せる事業基盤があることは、賃金・福利厚生へ還元する余力を考えるうえでプラス材料です。[出典2]
一方、トーカン単体の現在の平均年間給与、中央値、既存従業員のベースアップ率、賞与月数、非正規従業員の時給・賞与・福利厚生差を継続比較できる公開情報は十分ではありません。新卒初任給だけでは、407人の正規雇用者と397人の臨時従業員に利益がどこまで還元されているかを判断できません。
初任給、残業代全額支給、年3回賞与を評価して6/10点です。会社全体の平均・中央値、雇用区分別賃金、毎年の賃上げ率、利益増加時の従業員還元額まで公開し、実際の賃上げが複数年続けば8点以上を検討できます。
労働時間・休息:8/10
2025年度の採用情報では、月平均所定外労働時間17.4時間、平均有給休暇取得日数10.8日です。2026年12月期の年間休日は123日、標準勤務は8時45分から17時30分までで休憩1時間、実働7時間45分です。[出典4・5]
月17.4時間は、毎営業日に長時間残業する水準ではなく、年間休日123日も週2日の休息を確保しやすい設計です。一方、転職会議の投稿者集計では残業28.1時間、有給消化率37.5%と公式採用情報より厳しい数字が出ています。対象者、職種、時期が異なるため両者を同じ母集団として比較はできませんが、部署や職種による差を確認する必要があることは示します。[出典4・10]
会社全体の平均値が比較的良好であるため8/10点です。部署別残業時間、月45時間・60時間超の人数、有休取得率を継続公開し、月平均15時間未満、有休取得率95%前後、60時間超0%のような高水準を確認できれば10点を検討できます。
雇用の安定・待遇の公平性:3/5
2025年12月末の正規雇用者は407人、臨時従業員は397人です。2025年のキャリア採用比率は32%で、2023年51%、2024年36%と中途採用も継続しています。新卒は2023年17人、2024年24人、2025年19人を採用し、3年分の公表範囲では離職者は0人、2人、0人で、定着率は100%、91.7%、100%です。[出典1・2・18]
ただし、2025年の女性管理職比率は6.3%です。男女賃金比率は全労働者48.4%、正規雇用71.0%、パート・有期68.0%でした。前年は女性管理職4.7%、全労働者47.9%、正規69.7%、パート・有期60.4%だったため改善はしていますが、なお差は大きい状態です。[出典2・3]
新卒定着と継続採用を評価する一方、男女の役職・賃金差と、正規雇用者と同規模の臨時従業員を抱える中で雇用区分別の待遇差が十分公開されていないため3/5点です。女性管理職比率を20%以上へ引き上げ、正規雇用の男女賃金比率を85~90%以上へ改善し、職務・等級を調整した賃金差と非正規の登用・福利厚生実績まで示せれば4~5点を検討できます。
福利厚生・育児・介護:5/5
各種社会保険、社員持株会、退職金、独身者自立支援、産休・育休、時短勤務、資格取得支援などを設けています。2025年4月には、厚生労働省系のえるぼし認定で2段階目を取得しました。認定では継続就業、労働時間、多様なキャリアコースが評価されています。[出典5・6]
男性育児休業取得率は、2025年有価証券報告書の法定指標では100%です。一方、マイナビの2025年度実績では対象7人中6人で85.7%、女性は7人中7人で100%です。集計期間や法定指標の定義が異なる可能性があるため、数値を一本化せず併記します。[出典2・4]
制度の幅だけでなく、男女とも高い育休取得実績と第三者認定まで確認できるため5/5点です。今後も復職率、介護休業、管理職層の取得状況まで継続公開すると制度の実効性をさらに検証しやすくなります。
人権・ハラスメント・労使関係:4/5
行動規範では人権尊重、差別・ハラスメント防止、安全な職場づくりを定めています。さらにカスタマーハラスメント方針では相談窓口、対応マニュアル、従業員教育、悪質事案での警察・弁護士との連携を明記し、就活ハラスメントについても専用相談窓口を設けています。[出典8]
一方、親会社の有価証券報告書ではトーカンに労働組合はありません。また、対象法人単体のハラスメント相談件数、認定件数、是正件数、相談後の再発率などを継続比較できる公開情報は十分ではありません。従業員口コミには評価制度や企業文化への厳しい声もあります。[出典2・9・10]
具体的な方針と相談経路を評価して4/5点です。相談・調査・是正の件数、従業員サーベイ、報復防止、第三者窓口などの運用結果を公開し、改善が続いていることまで確認できれば5点を検討できます。
労働安全・健康:6/10
トーカンは2026年3月に健康経営優良法人2026の大規模法人部門に認定されました。健康経営方針では定期健康診断と二次健診、ストレスチェック、産業医連携、メンタルヘルス、心理的安全性を重点施策にしています。TLS-Kでも5S、異常の管理、ムリ・ムダ・ムラの削減を進めています。[出典7・11]
これらは事故や健康悪化を予防する仕組みとして評価できます。しかし、物流倉庫、配送、製造を扱う会社として重要なトーカン単体の労災件数、休業災害度数率、強度率、死亡災害数、転倒・腰痛・フォークリフト事故などの内訳は十分に公表されていません。公開情報がない点は課題であり、採点上も減点対象です。
健康施策と改善活動を評価して6/10点です。死亡0人、休業災害度数率、休業災害件数、ヒヤリハット件数、再発防止率などを法人単位で毎年公開し、事故水準が低下していることまで確認できれば8点以上を検討できます。
商品・サービスの安全:4/5
名古屋工場は365日24時間の生産体制を取り、2017年2月にISO22000を認証取得しています。王将営業部も2011年9月にISO22000を取得した実績があります。食品事故発生時には被害者対応、被害拡大防止、再発防止を行うことを行動規範で定めています。[出典12]
食品を扱う企業として、国際的な食品安全マネジメント規格を製造部門へ導入している点は強みです。ただし、現在の監査結果、重大不適合件数、異物混入・自主回収件数、顧客苦情件数、再発率などを毎年比較できる単体KPIは十分公開されていません。
具体的な食品安全管理を評価して4/5点です。認証範囲と更新状況、監査結果、回収・事故・苦情件数を毎年公開し、重大事故ゼロが継続していることを検証できれば5点を検討できます。
従業員・元従業員の口コミ
Indeedの株式会社トーカンのページは4件の口コミに基づく総合1.8/5で、勤務時間と残業1.7、給与と福利厚生1.7、定着率と昇進2.0、上司との関係1.5、企業文化1.0です。件数が4件と少ないため、会社全体の実態と断定するには弱い情報です。[出典9、情報ランクB]
転職会議では投稿者集計が残業28.1時間、有給消化率37.5%です。2026年頃の20代前半・男性・正社員・法人営業の投稿には「評価が正当にされない」との記述があります。これは投稿者個人の経験であり、独立した検証はできません。[出典10、情報ランクB]
一方、公式採用データでは新卒採用者の定着率は2023年100%、2024年91.7%、2025年100%です。したがって口コミの「若手が辞める」という趣旨を会社全体の離職率とは扱いません。公式の高い新卒定着率と、口コミの厳しい評価が同時に存在するため、年代・部署別の離職率と従業員満足度を会社が公開すると実態を判断しやすくなります。[出典18]
SNS・匿名掲示板の確認結果
X、5ちゃんねる、爆サイなどで会社名と残業、給与、退職、パワハラ、自動化、人員削減などを組み合わせた公開情報を確認しましたが、株式会社トーカン、法人番号8180001022373の現役・元従業員であることと投稿内容を十分に結び付けられる、採点を変更できる具体的な投稿はありません。
同名企業が複数存在するため、「トーカン」という名称だけの投稿は対象法人の証拠として使いません。使える投稿がないことは問題がない証明ではなく、Safetyの加点材料にもしていません。
Innovation
Innovationでは、人が行う保管・補充・仕分け・積付けなどの反復作業をどこまで設備へ移し、その成果が働く人へ返っているかを重視しました。トーカンはTPSを基礎にしたTLS-Kを長年運用し、2026年は自動倉庫へ大きく踏み込んでいます。一方、導入後の削減時間や雇用への影響はまだ十分な結果情報がありません。
作業負担・危険の削減:8/10
TLS-KはTPSを基本とした独自の改善思想で、5S、ムリ・ムダ・ムラの削減、原価低減、リードタイム短縮を物流・製造・事務まで広げています。物流では最適配送コースシミュレーションと輸配送動態管理も行っています。[出典11]
さらにセントラルフォレストグループの2025年12月期決算説明資料では、トーカンの小牧市物流センターに2026年10月、自動倉庫を導入する予定としています。図示された工程では保管、補充、仕分け、積付けを中心に自動化し、継続的な倉庫運営、作業品質の安定、コスト抑制を目的としています。2025年には物流センターの自動化設備・WMS更新へ3億7,100万円を投資し、2026年は物流関連へ10億100万円の投資を計画しています。[出典14]
人が歩く、探す、運ぶ、積むといった反復作業を設備へ移す方向が具体的なため8/10点です。ただし、2026年10月8日時点では公表資料上「2026年10月予定」であり、稼働後に何人分・何時間の作業が減ったか、重量物作業や事故が何%減ったかという実績はまだ公開されていません。導入後の削減時間、歩行距離、作業人数、事故率まで示せれば10点を検討できます。
商品・サービスの改善:5/5
リテールソリューションでは、市場POS・ID-POS、店舗調査、消費者ニーズ分析、データマイニング、棚割、52週販促カレンダーなどを使い、小売店の売場改善を支援しています。物流では常温・低温などの温度帯に対応し、全国供給網を持ちます。製造では惣菜・乾物・OEMを展開しています。[出典11・12・13]
2025年7月には名古屋のオープンイノベーション拠点STATION Aiへ入居し、既存事業の付加価値向上と新規事業開拓を進めています。単一のサービス改善ではなく、物流・製造・売場分析・新規事業を継続的に組み合わせているため5/5点です。[出典15]
改善成果の人間への還元:3/5
親会社の長期戦略では、業務プロセスをデジタル化・自動化して省力化・効率化し、従業員を戦略的・創造的な業務へシフトする方針を明記しています。これは単純な人員削減ではなく、浮いた時間をより付加価値の高い仕事へ移す方向性として評価できます。[出典14]
一方、自動倉庫やTLS-Kによって削減した時間が、残業の減少、休日増、賃上げ、配置転換、身体負担の削減へどの程度つながったかという実績はまだ公開されていません。方針だけでなく結果まで確認する必要があります。
そのため3/5点です。導入前後の作業時間、残業、休暇、賃金、配置転換、離職率を同じ時系列で公開し、省力化の利益が働く人へ戻ったことを示せれば4~5点を検討できます。
研究開発・現場改善の継続:4/5
TLS-Kでは改善手法を研修カリキュラムとして確立し、改善結果を定着させ、課題が出れば再び改善する仕組みを説明しています。2025年にはSTATION Aiへ入り、2026年には自動倉庫へ投資しています。単発の実証ではなく、改善教育、現場運用、外部共創、設備投資を継続している点は強みです。[出典11・15]
一方、改善提案件数、採用率、年間削減時間、投資後の生産性向上率など、継続改善の成果を年次比較できる公開KPIは十分ではありません。そのため4/5点です。年間の改善件数と効果額・削減時間を継続公開できれば5点を検討できます。
自動化・AI導入後の雇用状況
小牧常温センターの自動倉庫は2026年10月導入予定であり、2026年10月8日時点では、導入後数か月・翌年度の雇用変化をまだ評価できる時期ではありません。そこで導入前後の採用・人員の動きを確認しました。
トーカンの正規雇用者数は2024年末408人から2025年末407人でほぼ横ばいです。臨時従業員は388人から397人へ増えています。新卒採用は2023年17人、2024年24人、2025年19人、2026年予定18人です。2026年6月には2028年卒向けオープンカンパニーの募集も開始しており、自動倉庫計画が進む中でも採用活動を継続しています。[出典2・3・18]
また2026年のITインフラ求人では、物流センターの自動倉庫対応、Office365、EDR・SOC導入後の課題対応などを担当する正社員を募集しています。少なくとも現時点では、自動化を理由に採用を全面停止した状況ではありません。[出典16]
一方、自動倉庫導入を理由とする希望退職、契約更新停止、大規模人員整理を示す公開情報はありませんが、これは将来の雇用維持を保証するものではありません。導入後に倉庫要員数、非正規契約更新、配置転換、残業、離職率がどう変わるかを2027年以降も追う必要があります。
Protection
Protectionでは、地震・豪雨・感染症・サイバー攻撃・物流停止が起きても食品を届け続けられるかを評価しました。トーカンは全国ネットワークと複数温度帯、24時間365日製造という事業構造に強みがあります。一方、災害訓練の達成結果や何時間で供給を戻すかという復旧KPIは十分公開されていません。
災害への備え・訓練:3/5
行動規範では、災害に備えた防災措置、人命確保、業務復旧、緊急時の指示命令系統維持を定めています。2025年には入れ替え対象となった防災備蓄食760点、アルファ米600袋とビスコ保存缶160個をセカンドハーベスト名古屋へ寄贈しており、少なくとも企業備蓄を保有・更新していることが分かります。[出典8・17]
例えば大地震で従業員が帰宅できなくなった場合、備蓄があれば初動の食料を確保できます。また、指示命令系統が機能すれば、人命確認と物流復旧の優先順位を決めやすくなります。
ただし、トーカン単体の防災訓練頻度、参加率、備蓄が何人・何日分か、停電・浸水を想定したセンター切替訓練の所要時間は十分公表されていません。そのため3/5点です。年1回以上の実地訓練と達成時間、備蓄日数、拠点別リスク対策を公開できれば4~5点を検討できます。
生産・物流・調達の代替:4/5
物流機能ページでは全国47都道府県へ供給するため約45物流拠点、約25中継拠点、幹線便ネットワークを使うとしています。常温・低温など異なる温度帯にも対応しています。専用の拠点一覧には2025年3月時点で41物流拠点が掲載されています。[出典11]
例えば東海地方の一つのセンターが豪雨で使えなくなった場合、全国に拠点と中継地点がある企業は、一拠点しか持たない企業より別拠点・別幹線へ振り替えられる余地があります。これが食品の欠品を短くする方向に働きます。
一方、主要センター停止時にどの代替拠点へ何時間で切り替えるのか、主要仕入先が止まった際の代替調達先数、代替輸送契約、切替訓練の実績は十分公開されていません。ネットワークの広さを評価して4/5点です。切替時間と実績まで公開できれば5点を検討できます。
サイバー防衛・情報保護:3/5
トーカンは全社の情報セキュリティ基本方針を公開し、情報資産の保護と従業員へのセキュリティ意識浸透を掲げています。2026年のITインフラ求人では、EDRとSOCをすでに導入したうえで課題対応を進めていること、OS更新やサーバ更新を行っていることが示されています。[出典16]
EDRは端末上の不審な挙動を検知・対応し、SOCは継続的にセキュリティ事象を監視する仕組みです。受発注や倉庫システムがサイバー攻撃を受けた場合、早期検知できれば配送停止や取引先情報流出を抑えやすくなります。
ただし、標的型メール訓練の頻度・失敗率、脆弱性診断、ペネトレーションテスト、インシデント件数、バックアップ復元時間、現在のISO27001認証範囲などの結果情報は十分公開されていません。そのため3/5点です。技術対策に加え結果KPIと第三者検証を公開できれば4~5点を検討できます。
供給継続・復旧能力:3/5
名古屋工場は365日24時間稼働で惣菜等を供給し、物流は全国ネットワークを持っています。親会社の長期戦略でも「災害時や緊急時における食糧品調達と供給体制の整備」を重要事項に掲げています。[出典12・14]
例えば地震で一部道路が止まっても、複数物流拠点と幹線網があれば配送経路を組み替える余地があります。24時間製造の工場は需要変動へ対応しやすい構造です。
一方、重要業務ごとのRTO、何時間以内に受発注・倉庫・配送を再開するかという目標、RPO、代替拠点への切替時間、訓練で実際に達成した復旧時間は十分公表されていません。そのため3/5点です。目標と実績を公開し、主要機能を短時間で復旧できることが確認できれば4~5点を検討できます。
危機時の市民への対応:2/5
2025年8月に、防災備蓄食760点をフードバンクへ寄贈しました。アルファ米600袋とビスコ保存缶160個が生活困窮者や福祉施設へ提供される仕組みで、防災備蓄の更新と食品支援、フードロス削減を両立しています。[出典17]
また親会社の長期戦略では、災害時・緊急時の食料品調達と供給体制整備を重要事項にしています。食品卸の本業を危機対応へ使う方向は明確です。[出典14]
ただし、自治体との災害時供給協定、災害時に何食・何トンを何時間以内に届けられるか、近年の実災害で対象法人が緊急配送した実績を継続比較できる公開情報は十分ではありません。そのため2/5点です。自治体・フードバンク等との正式な供給協定、供給可能数量、実地訓練、実災害での供給実績まで確認できれば3~5点を検討できます。
良いニュース・最近の前向きな動き
最近の前向きな動きでは、物流現場の省人化、女性活躍・健康経営、地域支援を評価できます。これらが継続すれば、トーカンの商品や物流サービスを利用することが、人の身体負担を減らし、働き続けやすい職場と安定した食品供給を支える方向につながります。
2026年10月予定 小牧の物流センターへ自動倉庫
2026年10月予定で、保管、補充、仕分け、積付けなどを自動化する倉庫を導入します。目的は継続的な倉庫運営、作業品質の安定化、コスト抑制です。2025年に3億7,100万円を自動化設備・WMS更新へ投資し、2026年は物流関連へ10億100万円を計画しています。[出典14]
物流現場は歩行、運搬、仕分け、積み付けなど身体負担が生じやすい仕事です。自動化によって人の移動量や反復作業が実際に減れば、腰痛や疲労、作業ミスを減らす余地があります。今後は削減時間・事故率・配置転換まで結果を公開してほしいところです。
2025年から2026年 女性管理職・男女賃金比率は改善
女性管理職比率は4.7%から6.3%、全労働者の男女賃金比率は47.9%から48.4%、正規雇用は69.7%から71.0%、パート・有期は60.4%から68.0%へ改善しました。男性育休の法定指標も85.7%から100%へ上昇しています。[出典2・3]
改善幅はまだ十分ではありませんが、方向としては前進です。特にパート・有期の賃金比率は7.6ポイント上昇しています。これが継続し、管理職登用や正規雇用の賃金差まで縮まれば、女性が長く働き昇進しやすい環境へ近づきます。
2025年から2026年 えるぼし2段階目と健康経営優良法人2026
2025年4月にえるぼし2段階目、2026年3月に健康経営優良法人2026大規模法人部門の認定を受けました。[出典6・7]
認定だけで安全を断定することはできませんが、女性の継続就業、労働時間、多様なキャリア、健康診断、ストレスチェック、産業医連携を外部制度の評価対象に乗せていることは前向きです。今後は労災やメンタルヘルスなど結果指標まで公開すると、制度の効果をより確認しやすくなります。
悪いニュース・問題となった動き
悪いニュースでは、重大不祥事の件数を水増しせず、現在の働き方と安全に直結する課題を重視します。トーカンについて2025~2026年の公開情報を確認した範囲では、対象法人に結び付く死亡事故、大規模食品回収、大規模情報漏えいを示す信頼できる公的・公式情報はありません。ただし、情報がないことを「安全の証明」として加点はしません。現在確認できる具体的な問題は男女賃金差、労災・BCP結果の非公表、口コミでの企業文化への不満です。
2025年 全労働者の男女賃金比率48.4%
女性の平均年間賃金は男性を100とした場合、全労働者で48.4%です。正規雇用に絞っても71.0%、パート・有期は68.0%です。女性管理職比率は6.3%です。[出典2]
全労働者48.4%は半分を下回ります。職種、勤続年数、役職、雇用区分の構成差が影響するため、その数字だけで同一労働への不当な賃金差と断定はできません。しかし、女性が高賃金職・管理職へ進めているかを確認するうえで重要な格差です。改善されなければ、同じ会社で働いても性別によって賃金機会が大きく異なる状態が残ります。
労災と復旧時間の単体KPIが十分公開されていない
物流・製造会社では、転倒、腰痛、荷役事故、フォークリフト、機械巻き込まれなどのリスクがあります。しかしトーカン単体の休業災害度数率、死亡災害数、事故内訳、再発率を年次比較できる公開情報は十分ではありません。
また全国物流網を持つ一方、主要センター停止時の切替時間、受発注・WMSのRTO・RPO、災害訓練の達成時間も十分公開されていません。公開情報がない点は課題であり、SafetyとProtectionの採点上も減点対象です。
2026年の口コミでは評価制度・企業文化への厳しい声
Indeedは4件と少数ながら総合1.8/5です。転職会議では2026年頃の法人営業の投稿に「評価が正当にされない」との記述があります。[出典9・10、情報ランクB]
一方、新卒採用者の公表定着率は直近3年で91.7~100%です。口コミだけで「大量離職企業」と判断することはできません。だからこそ、年代別・部署別の離職率、従業員幸福度、評価への納得度を公開し、公式の定着率と現場の声の差を検証できる状態にすることが必要です。
総合評価と、これから改善してほしいこと
株式会社トーカンは71点、シビックランクBです。次のAランクは80点からなので、あと9点必要です。
食品を全国へ届ける物流網、ISO22000、TLS-K、自動倉庫、育児支援は明確な強みです。一方、次のランクへ上がるには「制度がある」ことから一歩進み、男女の待遇差、労災、労働時間、自動化後の雇用、災害復旧を結果の数字で改善する必要があります。
男女賃金差と女性登用を改善してほしい:雇用の安定・待遇の公平性 3→4/5
現在は3/5点です。女性管理職6.3%、男女賃金比率は全労働者48.4%、正規71.0%、パート・有期68.0%です。前年より改善していますが、なお差は大きい状態です。
企業が実行してほしいのは、職種・等級・勤続年数を調整した男女賃金差を毎年公開し、女性管理職比率を少なくとも20%以上、正規雇用の男女賃金比率を85%以上へ引き上げることです。パート・有期についても登用率、時給、賞与、福利厚生差を開示し、男女賃金比率85%以上を目標にします。
これが達成されれば3→4点、+1点で総合71→72点です。
参考企業は株式会社ミツウロコグループホールディングスです。Google Drive上の現行審査は82点・Aで、女性管理職比率47.4%、正規雇用の男女賃金比率91.5%、「雇用の安定・待遇の公平性」は4/5点です。業種・企業構造は異なりますが、登用と賃金の両方を具体的に開示する参考になります。[参考企業出典19]
労災の結果を公開し、事故を減らしてほしい:労働安全・健康 6→8/10
現在は6/10点です。健康経営、健康診断、ストレスチェック、産業医連携、TLS-Kは評価できますが、トーカン単体の休業災害度数率や死亡災害数などの結果KPIが十分公開されていません。
企業が実行してほしいのは、死亡災害0人、休業災害件数、休業災害度数率、強度率、転倒・腰痛・フォークリフト等の事故内訳、ヒヤリハット、再発率を毎年公開することです。自動倉庫導入前後でこれらを比較し、死亡0を継続しながら休業災害度数率を1未満など低い水準へ抑え、改善傾向を示してほしいところです。
良好な結果が確認できれば6→8点、+2点で総合71→73点です。
参考企業はキリンビバレッジ株式会社です。Google Drive上の現行審査は74点・Bで、労働安全・健康8/10点です。2024年の労災死亡0人、休業災害度数率0.58、安全方針適用100%を法人単位で公開しています。[参考企業出典21]
残業をさらに減らし、有休取得結果を高めてほしい:労働時間・休息 8→10/10
現在は8/10点です。月平均残業17.4時間、年間休日123日、平均有休取得10.8日は比較的良好です。一方、転職会議の投稿者集計では残業28.1時間、有休消化率37.5%で、部署・職種による差が残る可能性があります。
企業が実行してほしいのは、部署別・職種別の残業、有休取得率、月45時間超・60時間超の人数を公開し、自動化による削減時間を残業減へつなげることです。月平均法定外労働15時間未満、有休取得率95%以上、月60時間超0%を複数年維持できれば10点を検討できます。
達成すれば8→10点、+2点で総合71→73点です。
参考企業は株式会社三井住友銀行です。Google Drive上の現行審査は81点・Aで、2025年度の有休取得率95.5%、平均19.1日、月平均法定外労働13.3時間、月60時間超比率0%を公表し、「労働時間・休息」10/10点です。業種差はありますが、休暇・残業・長時間労働者比率まで結果で示す例になります。[参考企業出典20]
サイバー・災害・復旧を実測で示してほしい:Protectionで合計+4点
現在は「災害への備え・訓練」3/5点、「サイバー防衛・情報保護」3/5点、「供給継続・復旧能力」3/5点です。
企業が実行してほしいのは、年1回以上の全社BCP訓練、主要センターの代替切替訓練、標的型メール訓練、バックアップ復元試験を実施し、主要業務ごとのRTO・RPO、実際の切替・復旧時間を公開することです。サイバーではEDR・SOCの運用に加え、重大インシデント件数、脆弱性診断、第三者ペネトレーションテスト、訓練結果を公開します。
災害訓練の実績が具体化して3→4点で+1、サイバーの第三者検証と結果KPIが確認でき3→5点で+2、主要物流・受発注の短時間復旧が実証され3→4点で+1となれば、合計+4点です。
参考企業は伊藤忠商事株式会社です。Google Drive上の現行審査は86点・Aで、Protection 22/25点、災害への備え・訓練5/5点、サイバー防衛・情報保護5/5点、供給継続・復旧能力4/5点です。また、株式会社ミツウロコグループホールディングスは82点・Aで、24時間365日の緊急対応や具体的な備蓄・代替供給構造を持ち、供給継続・復旧能力5/5点です。[参考企業出典19・22]
次のランクへ上がるための具体例
Aランクへ上がる一例は次の通りです。
・雇用の安定・待遇の公平性:3→4点 +1
・労働安全・健康:6→8点 +2
・労働時間・休息:8→10点 +2
・災害への備え・訓練:3→4点 +1
・サイバー防衛・情報保護:3→5点 +2
・供給継続・復旧能力:3→4点 +1
合計は+9点です。
71点+9点=80点となり、シビックランクBからAへ上がります。
つまり、男女賃金差を縮め、労災結果を法人単位で公開して事故を減らし、自動化で残業と身体負担を減らし、災害・サイバー時に主要機能を何時間で復旧できるかまで実証することが、Aランクへの具体的な道です。
出典一覧
1.株式会社トーカン「会社概要」【情報ランクA】
https://www.tokan-g.co.jp/company/profile/
2.セントラルフォレストグループ株式会社「2025年12月期 有価証券報告書」【情報ランクA】
https://info.gbiz.go.jp/hojin/edinetDownload?docId=S100XQSG
3.セントラルフォレストグループ株式会社「2024年12月期 有価証券報告書」【情報ランクA】
4.マイナビ「株式会社トーカン 働き方データ」【情報ランクA】
5.株式会社トーカン新卒採用サイト「募集要項」【情報ランクA】
https://www.tokan-g.co.jp/recruit/description/
6.愛知労働局「女性活躍推進法に基づくえるぼし認定企業名一覧」【情報ランクS】
株式会社トーカンは2025年4月、2段階目
7.株式会社トーカン「健康経営への取り組み」「健康経営優良法人2026認定のお知らせ」【情報ランクA】
https://www.tokan-g.co.jp/health/
8.株式会社トーカン「行動規範」「カスタマーハラスメントに対する基本方針」「就活ハラスメント防止に対する基本方針」【情報ランクA】
9.Indeed「株式会社トーカンのクチコミ」【情報ランクB】
2026年6月21日更新時点、4件、総合1.8/5
10.転職会議「株式会社トーカンの評判・社員口コミ」【情報ランクB】
投稿者集計残業28.1時間、有給消化率37.5%、2026年6月30日投稿を参照
11.株式会社トーカン「カイゼン」「ロジスティクス」「物流拠点一覧」【情報ランクA】
12.株式会社トーカン「製造」「沿革」【情報ランクA】
13.株式会社トーカン「リテールソリューション」【情報ランクA】
14.セントラルフォレストグループ株式会社「2025年12月期決算説明資料」2026年2月10日【情報ランクA】
2026年10月予定のトーカン自動倉庫、長期戦略、物流設備投資を参照
15.セントラルフォレストグループ株式会社「事業報告」2025年12月期【情報ランクA】
トーカンのSTATION Ai入居を参照
16.株式会社トーカン「情報セキュリティに対する取り組み」、doda「ITインフラ技術者求人」【情報ランクA】
求人ではEDR・SOC導入後の課題対応、自動倉庫システム対応を記載
17.株式会社トーカン「防災備蓄食の寄贈について」2025年9月4日【情報ランクA】
防災備蓄食760点、アルファ米600袋、ビスコ保存缶160個
18.マイナビ2027「株式会社トーカン 新卒採用・会社概要」、株式会社トーカン採用サイト【情報ランクA】
2023~2025年の新卒採用・離職、2026年予定採用、2028年卒向け採用活動を参照
19.Google Drive「株式会社ミツウロコグループホールディングスを企業審査|シビックランクA・82点/100点」現行版【参考企業】
20.Google Drive「株式会社三井住友銀行を企業審査|シビックランクA・81点/100点」現行版【参考企業】
21.Google Drive「キリンビバレッジ株式会社の企業審査|74点/100点・総合シビックランクB」現行版【参考企業】
22.Google Drive「伊藤忠商事株式会社を企業審査|シビックランクA・86点/100点」現行版【参考企業】
シビックランクの基準
| ランク | 点数 |
| S | 90~100点 |
| A | 80~89点 |
| B | 70~79点 |
| C | 60~69点 |
| D | 50~59点 |
| E | 40~49点 |
| F | 20~39点 |
| G | 0~19点 |
情報ランクの基準
| 情報ランク | 基準 |
| S | 公的機関、裁判所、規制当局、独立した第三者機関による調査・監査・検証・認証など、内容そのものに独立した裏付けがある情報 |
| A | 企業公式資料、採用情報、公式声明・SNS、氏名・役職・立場を確認できる記名取材や公表発言など、発信主体を確認できる公表情報 |
| B | 従業員・元従業員の口コミ、一般SNS、匿名掲示板など、発信者の身元や対象企業との関係を独立に確認しにくい情報 |