私たちは、企業の商品を購入したり、サービスを利用したりすることで、そこで働く人たちの未来を変えることができます。
働く人に十分な賃金を払い、休暇を確保し、安全な職場をつくり、人の負担を減らす企業の商品やサービスが選ばれれば、そうした企業により多くの売上が集まります。その結果、働く人を大切にする経営を続けやすくなります。
反対に、低賃金や長時間労働、安全上の問題を改善しない企業の商品やサービスが売れ続ければ、そうした働かせ方のままでも事業を続けることができます。
だからこの企業審査では、「私たちがお金を使うなら、どの企業を選ぶことが、そこで働く人にとってより良い社会につながるのか」という視点から企業を評価します。
なぜ企業を審査するのか?――このサイトの目的と、利用するメリット
今回審査する株式会社ナガヤマ物流神奈川は、総合33点、シビックランクFです。
株式会社ナガヤマ物流神奈川の特に強い点は、正社員求人で月平均残業10時間・固定残業代なしを公表し、バーコードを使うデジタルピッキングでファミリーマート向けチルド商品の仕分けを支えながら増員採用を続けていることです。そのため、この企業の商品を購入したりサービスを利用したりすれば、コンビニへ必要な食品を正確に届けながら、倉庫の確認作業を技術へ移し、長時間労働を抑えた物流現場が広がる社会につながる可能性が高まります。
一方で、改善点として正社員の年間休日105日、2026年10月のパート求人下限時給1,279円が神奈川県最低賃金と同額であることに加え、対象法人単体の死亡・休業労災、度数率、BCP訓練、サイバー防御・復旧KPIが公表されていないことが残ります。
この記事では、株式会社ナガヤマ物流神奈川の強みと課題をさらに詳しく企業審査していきます。
株式会社ナガヤマ物流神奈川の企業審査結果
株式会社ナガヤマ物流神奈川は、ファミリーマート物流センターの運営管理と商品仕分けを担う物流会社です。法人番号は6012401035956、本店所在地は東京都府中市宮町1丁目40番地で、ハローワーク求人では設立2020年、資本金200万円、代表取締役は志村明彦氏、企業全体の従業員数は200人とされています。[出典1・2]
神奈川県内では横浜営業所と座間営業所の求人を確認できます。横浜営業所ではサンドイッチ、パスタ、惣菜、牛乳、デザートなどのチルド商品を扱い、バーコードを読み取るデジタルピッキングで店舗別に仕分けます。座間営業所でもファミリーマート向けチルド商品の荷受け・仕分けを行っています。[出典1・3]
2026年8月の横浜営業所正社員求人では、月給22万8,166円~36万8,000円、固定残業代なし、月平均残業10時間、賞与年3回・計2.0か月、前年度昇給は月1万~1万5,000円です。一方、年間休日は105日で、勤務時間には22時~翌7時の夜勤があります。[出典1]
2026年10月の横浜営業所パート求人は時給1,279~1,599円で、下限1,279円は2026年10月1日からの神奈川県最低賃金1,279円と同額です。契約期間は3か月、原則更新、正社員登用なし、賞与なしです。[出典4・5]
| 評価軸 | 点数 |
|---|---|
| Safety | 17/50 |
| Innovation | 12/25 |
| Protection | 4/25 |
| 総合点 | 33/100 |
| シビックランク | F |
評価時点:2026年10月8日
主な強み
・2026年8月の正社員求人で月平均残業10時間
・正社員求人は固定残業代なし
・正社員の前年度昇給実績は月1万~1万5,000円
・正社員の賞与は年3回、計2.0か月
・横浜営業所で正社員10人を増員募集
・2026年10月の横浜営業所パートでも5人を増員募集
・育児休業、介護休業、看護休暇の取得実績あり
・デジタルピッキングでバーコードを読み取り、チルド商品を仕分け
・横浜・座間の2拠点でファミリーマート向け物流センター業務を展開
・求人上の横浜営業所就業人数は2026年5~8月の130人から、10月求人では155人へ増加
主な課題
・正社員の年間休日105日
・正社員には22時~翌7時の夜勤あり
・2026年10月のパート下限時給1,279円は神奈川県最低賃金と同額
・現在のパート求人は3か月契約、原則更新、正社員登用なし、賞与なし
・2026年10月時点の横浜営業所は155人中125人がパートで、約80.6%
・会社全体の平均年収、賃金中央値、ベースアップ率が公表されていない
・男女賃金比率、女性管理職比率、正規・非正規の昇格率が公表されていない
・労働組合なし
・ハラスメント相談、内部通報、是正件数の公開情報がない
・死亡労災、休業労災、度数率、強度率、フォークリフト事故、腰痛、低温環境による健康影響などのKPIが公表されていない
・デジタルピッキング導入前後の作業時間、歩行距離、仕分け誤り、必要人数、残業削減量が公表されていない
・対象法人単体のBCP、災害訓練、非常用電源、代替拠点切替時間が公表されていない
・MFA、EDR、SOC、バックアップ、RTO・RPOなどサイバー・システム復旧情報が公表されていない
・災害時の市民向け物資供給協定や実供給実績が公表されていない
事業内容と人間への貢献
株式会社ナガヤマ物流神奈川は、ファミリーマート向け物流センターでチルド食品などを荷受けし、商品を店舗別に仕分け、コンビニへ配送できる状態に整える会社です。店舗そのものを運営するのではなく、店舗の裏側で商品が欠品せず届くための物流工程を担っています。[出典1・3]
基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社ナガヤマ物流神奈川 |
| 法人番号 | 6012401035956 |
| 設立 | 2020年、求人票記載 |
| 代表者 | 代表取締役 志村明彦 |
| 資本金 | 200万円 |
| 本店所在地 | 東京都府中市宮町1丁目40番地 |
| 企業全体従業員数 | 200人、2026年求人 |
| 主な拠点 | 横浜営業所、座間営業所 |
| 主な事業 | ファミリーマート物流センター運営管理、商品仕分け |
法人番号は2019年11月18日に指定され、ハローワーク求人では設立年を2020年としています。登記上の法人番号指定時期と求人票の設立年表記は異なるため、そのまま区別して掲載します。[出典2]
主な事業内容
横浜営業所の正社員求人では、サンドイッチ、パスタ、惣菜、飲料などのチルド商品を、商品のバーコードをスキャンするデジタルピッキングで仕分ける仕事が示されています。座間営業所では惣菜、パスタ、サンドイッチ、牛乳パック、デザートなどを荷受け・仕分けします。[出典1・3]
物流センターでは、商品が入荷した後、店舗ごとに必要数量を分け、配送便へつなげる必要があります。ここで誤った店舗へ商品を振り分ければ、必要な店舗では欠品し、別の店舗では余剰が発生します。デジタルピッキングでバーコードと指示を照合することは、紙や記憶だけに頼る仕分けより確認を標準化しやすくします。
主な利用企業・取引先
ハローワーク求人では、株式会社ナガヤマ物流神奈川は「大手コンビニチェーンのファミリーマートより直接契約で業務委託され」物流センターを運営していると説明されています。[出典3]
したがって、この会社の直接の顧客はファミリーマート側で、最終的には各店舗と、その店舗で食品や飲料を購入する利用者へ物流サービスの成果が届きます。
事業による人間への貢献
コンビニでは、サンドイッチ、惣菜、牛乳、デザートなど消費期限の短い商品を、必要な店舗へ短時間で繰り返し補充する必要があります。ナガヤマ物流神奈川が荷受けと店舗別仕分けを担うことで、店舗スタッフがメーカーごとに商品を取りに行ったり、自店分を物流拠点で探したりする必要がありません。
例えば夕方に弁当や牛乳が売れて棚が少なくなった場合、物流センターが店舗別の発注数量に沿って正しく仕分けていれば、次の配送で必要な商品を補充できます。利用者は複数の店を回って在庫を探す時間を減らせます。
また、デジタルピッキングが仕分け確認を支えれば、倉庫で働く人は商品番号や店舗別数量をすべて記憶して照合する負担を減らせます。ただし、実際に何時間・何歩・何件の誤仕分けが減ったかは公表されていないため、その効果はInnovationで限定的に評価します。
Safety|17/50
Safetyでは、冷蔵物流センターで働く正社員・パートが十分な賃金と休息を得られるか、夜勤や荷役を安全に行えるか、チルド商品を適切に扱えるかを評価します。正社員求人の月平均残業10時間、固定残業代なし、月1万~1万5,000円の昇給、育児・介護・看護休暇の取得実績は強みです。一方、年間休日105日、最低賃金と同額のパート下限時給、パート比率の高さ、労災・ハラスメント結果の非公表が点数を抑えています。[出典1・3~5]
賃金・利益の還元|4/10
2026年8月の横浜営業所正社員求人では、月給22万8,166円~36万8,000円、固定残業代なしです。内訳は基本給8万~12万1,000円、職務手当9万3,166~18万2,000円、評価/固定手当2万~3万円、安全作業固定手当3万5,000円で、前年度の昇給実績は月1万~1万5,000円、賞与は年3回・計2.0か月です。[出典1]
固定残業代がなく、実際の時間外労働に応じて残業代を支払う条件は、長時間労働を給与に埋め込まない点で評価できます。月1万円以上の昇給実績が求人票にあることも、既存社員の賃金上昇を確認できる材料です。
一方、2026年10月の横浜営業所パート求人は時給1,279~1,599円です。神奈川県最低賃金は同年10月1日に1,225円から54円引き上げられ、1,279円になりました。求人下限は法定最低額と同額であり、下限層について法定水準を超える自主的な賃金プレミアムは確認できません。[出典4・5]
会社全体の平均年収、賃金中央値、正社員・パート別の賃上げ率も公表されていません。そのため4/10点です。パート下限を最低賃金より10%以上高い水準へ引き上げ、正社員・パート双方の基本給・時給中央値と実質賃金上昇を毎年公開できれば6~8/10点を検討できます。
労働時間・休息|4/10
2026年8月の正社員求人では、月平均時間外労働は10時間で、36協定の特別条項は「なし」とされています。勤務は8時~17時、14時~23時、22時~翌7時の交替制で、週休2日制です。[出典1]
月平均残業10時間は物流・倉庫職として比較的抑えられた水準です。一方、年間休日は105日で、単純平均すると月約8.75日の休日です。夜勤を含む交替勤務では、日数だけでなく睡眠リズムを回復する時間も重要になります。
2026年10月のパート求人も月平均残業10時間ですが、「納期の逼迫期など」を理由とする36協定の特別条項があります。公開求人からは具体的な上限時間を確認できないため、上限を推測しません。[出典4]
正社員の残業10時間は評価しますが、年間休日105日が大きな弱点のため4/10点です。年間休日120日以上、有給取得率80%以上、会社全体の平均残業10時間以下、月45時間超の従業員を極少数または0にし、夜勤者の勤務間休息も公開できれば6~8/10点を検討できます。
雇用の安定・待遇の公平性|2/5
2026年8月の正社員求人は雇用期間の定めがなく、横浜営業所で10人を増員募集しています。2026年10月のパート求人も5人の増員です。[出典1・4]
求人票上の横浜営業所人数は、2026年5~8月時点の130人から、10月求人では155人となっています。集計時点や在籍区分が完全に同一とは限らないため単純な純増とは断定しませんが、少なくとも増員求人が続いています。
一方、10月求人では155人のうちパート125人で約80.6%を占めます。パートは3か月契約の原則更新で、当該求人には正社員登用制度がありません。会社全体の正規・非正規比率、雇止め件数、登用人数、男女賃金比率、女性管理職比率は公表されていません。[出典4]
正社員の増員と継続雇用を評価しつつ、現場のパート依存と登用経路の弱さから2/5点です。正社員登用制度を設け、パートからの登用実績、契約更新率、男女・雇用形態別の賃金差を毎年公開できれば3~4/5点を検討できます。
福利厚生・育児・介護|4/5
ハローワークの会社情報では、育児休業、介護休業、看護休暇の取得実績がすべて「あり」です。正社員求人では社会保険、退職金制度、再雇用制度も確認できます。[出典1・3]
制度が存在するだけでなく、育児・介護・看護の三つで実際の取得実績があることは、家庭事情が生じたときに仕事を辞めず休める可能性を高めます。
一方、男女別の育休取得率、平均取得日数、介護休業取得者数、復職率は公表されていません。そのため4/5点です。男女とも高い育休取得率と復職率、介護・看護休暇の利用人数・日数を毎年公開できれば5/5点を検討できます。
人権・ハラスメント・労使関係|0/5
ハローワーク求人では労働組合は「なし」です。労働組合がないこと自体を違反や問題とは扱いません。
一方、対象会社単体のハラスメント相談窓口、内部通報制度、相談件数、認定件数、是正措置、外国籍従業員への支援、従業員代表との協議実績について公開情報がありません。求人では外国籍応募者に日本語の読み書きを求めていますが、雇用後の相談・支援制度までは公表されていません。[出典3・4]
人権・救済制度の運用実績を外部から確認できないため0/5点です。独立した相談窓口を設け、相談件数、認定件数、是正措置、再発防止を匿名化して毎年公開できれば1~3/5点を検討できます。
労働安全・健康|0/10
横浜営業所の求人はチルド庫内作業であり、商品を持って動く反復作業、低温環境、夜勤を伴います。物流センターではこのほか、台車や荷役設備との接触、転倒、腰痛なども管理対象になります。[出典1・4]
しかし、株式会社ナガヤマ物流神奈川単体の死亡労災、休業労災、労働災害度数率、強度率、転倒、腰痛、低温環境による体調不良、フォークリフトや台車関連事故、ヒヤリハット件数について公開情報がありません。
重大事故や行政処分も追加検索しましたが、対象法人へ明確に帰属する近年の重大案件は特定していません。これは事故が発生していないことの証明ではありません。
物流現場で重要な結果KPIが公表されていないため0/10点です。死亡災害0、休業災害件数、度数率、強度率、事故類型を毎年公開し、死亡0と低い事故率、改善傾向を確認できれば4/10点以上を検討できます。
商品・サービスの安全|3/5
対象会社はファミリーマート向けのチルド商品を扱います。牛乳、デザート、惣菜、サンドイッチなどは温度や配送タイミングの管理が品質に影響します。バーコードを使うデジタルピッキングは、対象商品と店舗別指示を機械的に照合しやすくするため、誤仕分け防止と追跡性の向上に役立ちます。[出典1・3]
一方、対象会社単体の誤仕分け率、温度逸脱件数、食品事故、納品遅延率、商品破損率、品質監査結果は公表されていません。
対象会社に直接帰属する重大な商品事故を今回の公開調査で特定していないことと、デジタル確認工程を評価して3/5点です。誤仕分け率、温度逸脱、品質クレーム、事故件数を毎年公開し、重大事故0と低いエラー率を継続できれば4~5/5点を検討できます。
従業員・元従業員の口コミ
Indeedなどでは「株式会社ナガヤマ物流」の口コミページに、横浜・物流センター関連の投稿が掲載されています。しかし、株式会社ナガヤマ物流神奈川は法人番号6012401035956の別法人で、公開ページ上では投稿者の雇用主がどちらの法人かを十分に分離できません。
そのため、関連会社側の口コミを株式会社ナガヤマ物流神奈川の労働実態として採点には使用しません。これは企業が口コミを非公開にしているという意味ではなく、公開口コミから対象法人への帰属を確定できないという情報上の制約です。
対象法人名、就業拠点、雇用形態、在籍時期まで明示された口コミが蓄積されれば、残業、休憩、人間関係、夜勤負担などを求人票と照合できます。
SNS・匿名掲示板の確認結果
X、5ちゃんねる、爆サイについて、「株式会社ナガヤマ物流神奈川」「ナガヤマ物流神奈川」「横浜営業所」「座間営業所」と、残業、給料、退職、パワハラ、事故、夜勤、人員削減などを組み合わせて検索しました。
対象法人との雇用関係、投稿時期、拠点・職種まで本文から確認でき、採点根拠として使用できる投稿は今回の公開検索では得られませんでした。関連会社や類似名称の投稿を対象会社へ転用していません。
有用な匿名投稿が見つからないことを、問題がないことの証明には使いません。
Innovation|12/25
Innovationでは、デジタルピッキングが紙や記憶に頼る仕分け確認をどこまで機械へ移し、人の確認負担・誤仕分け・残業を減らしているかを評価します。バーコードを使った仕分けは対象会社自身の求人で確認できますが、導入前後の削減時間や事故・誤配削減率は公表されていません。[出典1]
作業負担・危険の削減|4/10
横浜営業所では、商品のバーコードを読み取るデジタルピッキングでファミリーマート向けチルド商品を仕分けています。[出典1]
紙のリストを見ながら商品番号・店舗・数量を一つずつ照合する工程をデジタル指示へ移せば、作業者が情報を記憶して探す負担や確認漏れを減らしやすくなります。
一方、導入前後で1人あたりの仕分け時間、歩行距離、商品を持つ回数、必要人数、誤仕分け率、残業、腰痛・事故が何%減ったかは公表されていません。そのため4/10点です。作業時間・歩行距離・誤仕分け・残業・事故を導入前後で測定し、20%以上の負担削減などを確認できれば6~8/10点を検討できます。
商品・サービスの改善|4/5
チルド物流では、商品を正しい店舗へ正しい数量で短時間に振り分ける必要があります。バーコードで商品と仕分け指示を照合できれば、紙だけの確認より作業を標準化しやすく、店舗側の欠品・誤納品を減らす土台になります。[出典1・3]
また、横浜と座間の2拠点でファミリーマート向け商品を扱っており、首都圏店舗への供給を支えています。
そのため4/5点です。一方、誤仕分け率、店舗からのクレーム率、納品遅延率、欠品率などの結果が公表されていません。これらを導入前後で公開し、改善を継続できれば5/5点を検討できます。
改善成果の人間への還元|2/5
2026年8月の正社員求人では月平均残業10時間、固定残業代なし、前年度昇給月1万~1万5,000円を確認できます。また、デジタルピッキングを使用する横浜営業所で正社員10人を増員募集しています。[出典1]
2026年10月のパート求人でも5人増員募集があり、求人票上の就業場所人数は130人から155人へ増えています。集計時点や雇用区分が同一とは限らないため、デジタルピッキングが雇用増を生んだとは断定しません。[出典1・4]
自動化と同時に低い残業時間・増員採用が確認できる点は評価しますが、デジタルピッキングによって残業が何時間減り、賃金や休日がどれだけ増えたかという因果は公表されていません。そのため2/5点です。
導入前後の残業、必要人数、賃金、年間休日、配置転換を同じ拠点で追跡し、作業削減が賃金上昇や休日増へつながったことを示せれば3~4/5点を検討できます。
研究開発・現場改善の継続|2/5
現在の求人でデジタルピッキングを実運用していることは確認できます。単なる導入計画ではなく、現場で使われている技術です。[出典1]
一方、いつ導入したか、何回システムを更新したか、投資額、対象工程の拡大、物流センターごとの生産性改善などを複数年追える対象会社単体の公開情報は不足しています。
実運用を評価して2/5点です。毎年の改善テーマ、設備投資、作業時間・誤仕分け削減などの成果を継続公開できれば3~5/5点を検討できます。
自動化・AI導入後の雇用状況
デジタルピッキングが現場作業を変えるため、導入後の雇用も確認しました。
2026年8月、横浜営業所ではデジタルピッキングを使う正社員を10人増員募集しています。2026年10月のパート求人も5人増員です。求人票上の横浜営業所人数は2026年5~8月の130人から10月求人の155人へ増えています。[出典1・4]
一方、対象会社単体について、自動化を理由にした希望退職、大規模人員整理、契約打切り、採用停止を示す公表情報は今回の調査で特定していません。ただし、パート求人は3か月更新で正社員登用なしのため、契約更新率や勤務時間の縮小が起きていないかは公開情報から追えません。
今後は、デジタルピッキング導入前後の正社員・パート人数、契約更新率、配置転換、退職、採用人数を拠点別に公開すれば、省人化が雇用を削ったのか、作業負担を減らしながら雇用を維持・拡大したのかを検証できます。
Protection|4/25
Protectionでは、地震・豪雨・停電・システム障害が起きてもコンビニ向けチルド商品を仕分け・供給し続けられるかを評価します。横浜と座間の2拠点があることは一定の分散になりますが、相互代替、災害訓練、非常用電源、サイバー防御、復旧時間の対象会社単体情報がほぼ公表されていません。[出典1・3]
災害への備え・訓練|0/5
株式会社ナガヤマ物流神奈川単体のBCP、地震・停電訓練、安否確認訓練、非常用電源、燃料・非常食備蓄について公開情報がありません。
チルド物流では停電すると冷蔵環境と仕分けシステムの両方が影響を受けます。例えば地震で停電した場合、庫内温度をどこまで維持できるか、従業員の安全を確認しながら何時間で作業を再開できるかが重要です。
こうした情報が公表されていない点は課題です。採点上も減点対象です。そのため0/5点です。年1回以上の停止訓練、安否確認完了時間、非常用電源の稼働時間を公開できれば2~3/5点を検討できます。
生産・物流・調達の代替|2/5
対象会社には横浜営業所と座間営業所があり、複数拠点でファミリーマート向けチルド物流を担っています。[出典1・3]
例えば横浜営業所の一部設備が止まった場合、別拠点があること自体は単一拠点より代替の可能性を持たせます。
一方、横浜と座間が同じ商品・店舗を相互に代替できるのか、何店舗分を引き受けられるのか、切替に何時間かかるのかは公表されていません。そのため2/5点です。主要商品・配送地域ごとに代替拠点、余力、切替手順を定め、24時間以内に代替仕分けを始められることを訓練で示せれば3~5/5点を検討できます。
サイバー防衛・情報保護|0/5
デジタルピッキングや受発注はシステムへ依存しますが、対象会社単体の情報セキュリティ方針、MFA、EDR、SOC、ネットワーク分離、オフラインバックアップ、脆弱性診断、標的型メール訓練、重大インシデント件数について公開情報がありません。
システムが止まると、商品が倉庫にあっても店舗別の仕分け指示を確認できず、出荷が遅れる可能性があります。
重要なサイバー防御情報が公表されていない点は課題です。採点上も減点対象です。そのため0/5点です。主要対策の導入状況と年1回以上の復旧演習を対象会社単体で公表できれば2~3/5点を検討できます。
供給継続・復旧能力|1/5
ファミリーマートとの直接契約で物流センターを継続運営し、横浜・座間の複数拠点を持つことは平時の供給基盤です。[出典3]
一方、停電・設備故障・通信断時の手作業切替、目標復旧時間RTO、目標復旧時点RPO、代替拠点への切替時間、実地訓練の復旧時間は公表されていません。
供給網そのものが存在する点を最低限評価して1/5点です。重要機能ごとにRTO・RPOを設定し、年1回以上の停止訓練で24時間以内の仕分け・出荷再開を実証できれば2~4/5点を検討できます。
危機時の市民への対応|1/5
対象会社が日常的に扱うサンドイッチ、惣菜、牛乳、飲料等は、災害時にも市民が必要とする商品です。物流センターを維持すること自体は地域の食料供給に関係します。[出典1・3]
一方、自治体との災害時物資供給協定、避難所への緊急配送計画、直近災害での供給本数・食数、支援車両数など、株式会社ナガヤマ物流神奈川単体の公開実績はありません。
公開情報がない点は課題です。採点上も減点対象です。そのため1/5点です。自治体・コンビニ本部との緊急供給手順を具体化し、実災害・訓練で供給量と初動時間を公表できれば3~5/5点を検討できます。
良いニュース・最近の前向きな動き
最近の前向きな動きでは、低い求人上の残業時間、正社員の昇給・賞与、デジタルピッキングを使いながら増員採用を続けている点を評価します。こうした条件が会社全体に定着すれば、コンビニ物流を支えながら、倉庫で働く人の長時間労働を抑える方向につながります。
2026年8月 正社員10人を増員、月平均残業10時間(Safety)
2026年8月の横浜営業所正社員求人は、募集理由を増員として10人を募集しています。月平均残業は10時間、固定残業代なし、36協定の特別条項もなしです。[出典1]
物流業界では長時間労働が課題になりやすいため、求人上10時間に抑えられていることは働く人が仕事以外に使える時間を確保するうえで重要です。
2026年 月1万~1万5,000円の昇給実績、賞与年3回(Safety)
同じ正社員求人では、前年度の昇給実績が月1万~1万5,000円、賞与が年3回・計2.0か月です。[出典1]
月1万円の昇給が1年間続けば額面で年12万円、1万5,000円なら年18万円の月例賃金増に相当します。固定残業代ではなく通常の給与構成で昇給している点は、生活費上昇への対応として評価できます。
2026年 デジタルピッキングを運用しながら増員採用を継続(Innovation)
横浜営業所ではバーコードを使うデジタルピッキングを実運用し、8月に正社員10人、10月にパート5人を増員募集しています。[出典1・4]
自動化・デジタル化と同時に採用を続けていることから、現時点の公開情報では技術導入が単純な大規模人員削減として現れていません。今後、配置転換や契約更新まで公開されれば、人への還元をさらに評価できます。
悪いニュース・問題となった動き
問題となった動きでは、年間休日105日、最低賃金と同額のパート下限時給、パート中心の現場構成、労災・BCP等の結果非公表を重視します。残業10時間という強みがあっても、休日日数と賃金下限、安全・復旧情報が弱ければ、働く人が安心して長く働ける物流現場とは評価しにくくなります。
2026年 正社員の年間休日105日(Safety)
2026年8月の横浜営業所正社員求人では、週休2日制ですが年間休日は105日です。[出典1]
年間120日の企業と比べれば15日少なく、1年で約2週間分の自由時間の差になります。夜勤を含む交替勤務なので、休日を増やすことは睡眠リズムと身体疲労の回復にもつながります。
2026年10月 パート下限時給が神奈川県最低賃金と同額(Safety)
2026年10月1日から神奈川県最低賃金は1,279円へ引き上げられました。同日受付の横浜営業所パート求人は時給1,279~1,599円で、下限が最低賃金と同額です。[出典4・5]
前年の最低賃金1,225円から54円上がり、求人の昇給実績も1時間54円以上となっています。下限層では法定最低賃金の引き上げ分と同額であり、最低賃金を上回る独自の賃金余力を示す水準ではありません。
2026年 横浜営業所のパート比率が約80.6%(Safety)
10月求人では横浜営業所155人のうち125人がパートです。約80.6%に相当します。[出典4]
パート求人は3か月契約の原則更新で、正社員登用なし、賞与なしです。柔軟な短時間勤務を希望する人には選択肢になりますが、正社員を希望する人が現場経験から登用される経路は当該求人ではありません。
2026年 労災・BCP・サイバー復旧KPIを公表せず(Safety・Protection)
対象会社単体の死亡・休業労災、度数率、BCP訓練、非常用電源、サイバー防御、RTO・RPO、実測復旧時間は公表されていません。
冷蔵物流とデジタル仕分けは、身体安全・電力・ITの三つが止まらないことが重要です。結果指標を公開しなければ、低い残業時間以外の安全性・復旧力を利用者や働く人が比較できません。
総合評価と、これから改善してほしいこと
株式会社ナガヤマ物流神奈川は現在33点・シビックランクFです。次のEランクは40点からなので、あと7点必要です。月平均残業10時間、固定残業代なし、デジタルピッキング、増員採用は評価できます。一方、次のランクへ上がるためには、年間休日を増やし、労災結果を公開し、災害・システム停止からの復旧時間を実証することが優先課題です。
年間休日120日以上へ増やし、低残業を会社全体で維持する|労働時間・休息 4→6点
現在の「労働時間・休息」は4/10点です。横浜営業所の正社員求人では月平均残業10時間と良好ですが、年間休日は105日で、22時~翌7時の夜勤もあります。パート求人には納期逼迫時の特別条項があります。[出典1・4]
企業が実行する改善行動は、正社員の年間休日を120日以上へ増やし、会社全体・拠点別の月平均残業を10時間以下、有給取得率80%以上、月45時間超の従業員を極少数または0にすることです。夜勤者については勤務間インターバルも公開します。
これらを複数年確認できれば4/10点から6/10点へ、+2点を検討できます。総合33点から35点となり、Fランクのままです。
参考企業は株式会社ロジスネクストです。Google Drive上の最新版審査では総合63点・C、「労働時間・休息」8/10点です。2024年度の平均残業9.18時間、年間休日128日、有給取得率80%、平均取得17.6日を公開しています。物流・倉庫関連企業でも、低残業だけでなく休日と有給まで同時に結果で示せることが参考になります。
労災KPIを公開し、低温倉庫・荷役の安全を結果で示す|労働安全・健康 0→4点
現在の「労働安全・健康」は0/10点です。チルド庫内、夜勤、反復仕分けという作業条件は確認できますが、死亡災害、休業災害、度数率、強度率、転倒、腰痛、荷役事故、低温環境による健康影響などの結果が公表されていません。
企業が実行する改善行動は、横浜・座間の拠点別に死亡災害、休業災害、度数率、強度率、転倒、腰痛、台車・フォークリフト関連事故、低温環境による体調不良を毎年公開し、事故原因と再発防止策まで示すことです。
死亡災害0を維持し、休業災害件数と度数率を公開して低水準または改善傾向を確認できれば0/10点から4/10点へ、+4点を検討できます。上の労働時間改善と合わせると33+2+4=39点となり、Eまであと1点です。
参考企業はキリンビバレッジ株式会社です。Google Drive上の最新版審査では総合74点・B、「労働安全・健康」8/10点です。2024年の労災死亡0人、休業災害度数率0.58、安全方針適用100%を法人単位で公開しています。事故が少ないと推測させるのではなく、死亡・頻度を数値で示す方法が参考になります。
物流・IT停止時の復旧時間を訓練で測る|供給継続・復旧能力 1→2点
現在の「供給継続・復旧能力」は1/5点です。横浜・座間の2拠点はありますが、相互代替が可能か、デジタルピッキングや受発注が止まった場合に手作業へ切り替えられるか、何時間で仕分け・出荷を再開できるかは公表されていません。
企業が実行する改善行動は、横浜・座間それぞれについて地震、停電、通信断、ピッキングシステム停止を想定した年1回以上の訓練を行い、重要システムにRTO・RPOを設定することです。少なくとも24時間以内に代替仕分け・出荷を再開できる目標を設定し、実測結果を公開します。
これを実証できれば1/5点から2/5点へ、+1点を検討できます。労働時間+2点、労働安全+4点と合わせると33+2+4+1=40点となり、シビックランクEへ上がります。
参考企業はキリングループロジスティクス株式会社です。Google Drive上の最新版審査では総合65点・C、Protectionは18/25点です。トラック・鉄道・内航海運を平時から併用し、鉄道障害時のバックアップ輸送協定を持つほか、海老名物流センターの自動設備は有事に人手作業へ切り替えられる設計で、「生産・物流・調達の代替」5/5点、「供給継続・復旧能力」4/5点です。
次のランクへ上がるための具体例
現在は33点・Fで、Eは40点からです。あと7点必要です。
・年間休日を105日から120日以上へ増やし、会社全体の月平均残業10時間以下、有給取得率80%以上、月45時間超の従業員を極少数または0にする。「労働時間・休息」4→6点、+2点。
・死亡災害、休業災害、度数率、強度率、転倒、腰痛、荷役事故、低温環境での健康影響を拠点別に毎年公開し、死亡0と低い事故率・改善傾向を示す。「労働安全・健康」0→4点、+4点。
・横浜・座間で停電・通信断・デジタルピッキング停止を想定した訓練を行い、RTO・RPOを設定し、24時間以内に代替仕分け・出荷を再開した実測値を公開する。「供給継続・復旧能力」1→2点、+1点。
33点+2点+4点+1点=40点となり、シビックランクEへ到達します。
つまり、株式会社ナガヤマ物流神奈川が次のランクへ上がるためには、残業10時間という現在の強みを維持しながら休日を増やし、物流現場の事故が少ないことを数値で示し、災害やIT障害でも24時間以内に商品仕分けを再開できることを訓練で実証することが重要です。
出典一覧
1.厚生労働省 ハローワークインターネットサービス「株式会社ナガヤマ物流神奈川 チルド商品の仕分け作業(ファミマ商品)/正社員」求人番号13200-14534861、2026年8月1日受付
2.国税庁法人番号公表サイト由来「株式会社ナガヤマ物流神奈川」法人番号6012401035956
3.厚生労働省 ハローワークインターネットサービス「株式会社ナガヤマ物流神奈川 チルド商品仕分け作業(ファミマ商品)/座間営業所」求人番号13200-14536161、2026年8月1日受付
4.ハローワーク求人情報「株式会社ナガヤマ物流神奈川 倉庫内作業(仕分け作業等/横浜営業所)」求人番号13200-16902861、2026年10月1日受付
5.神奈川労働局「令和8年度 神奈川県最低賃金」2026年10月1日発効、時間額1,279円
6.Indeed「株式会社ナガヤマ物流神奈川 求人ページ」および関連会社口コミページ
7.Google Drive最新版「株式会社ロジスネクスト(旧・三菱ロジスネクスト株式会社)の企業審査|総合63点・シビックランクC」
8.Google Drive最新版「キリンビバレッジ株式会社の企業審査|74点/100点・総合シビックランクB」
9.Google Drive最新版「キリングループロジスティクス株式会社の企業審査|総合65点・シビックランクC」
シビックランクの基準
| ランク | 点数 |
|---|---|
| S | 90~100点 |
| A | 80~89点 |
| B | 70~79点 |
| C | 60~69点 |
| D | 50~59点 |
| E | 40~49点 |
| F | 20~39点 |
| G | 0~19点 |
情報ランクの基準
| 情報ランク | 基準 |
|---|---|
| S | 公的機関、裁判所、規制当局、独立した第三者機関の調査・監査・検証・認証など、内容そのものに独立した裏づけがある情報 |
| A | 企業公式資料、採用情報、公式声明・SNS、または氏名・役職・立場が確認できる記名取材や公表発言 |
| B | 従業員・元従業員の口コミ、一般SNS、匿名掲示板など、発信者の身元や対象企業との関係を独立に確認しにくい情報 |