MENU

株式会社JEPLANを企業審査|シビックランクC・69点/100点|PET循環技術・商用実証・GX資金を評価、労災KPI・BCP・単体労働データ開示が課題

私たちは、企業の商品を購入したり、サービスを利用したりすることで、そこで働く人たちの未来を変えることができます。

働く人に十分な賃金を払い、休暇を確保し、安全な職場をつくり、人の負担を減らす企業の商品やサービスが選ばれれば、そうした企業により多くの売上が集まります。その結果、働く人を大切にする経営を続けやすくなります。

反対に、低賃金や長時間労働、安全上の問題を改善しない企業の商品やサービスが売れ続ければ、そうした働かせ方のままでも事業を続けることができます。

だからこの企業審査では、「私たちがお金を使うなら、どの企業を選ぶことが、そこで働く人にとってより良い社会につながるのか」という視点から企業を評価します。

なぜ企業を審査するのか?――このサイトの目的と、利用するメリット

今回審査する株式会社JEPLANは、総合69点、シビックランクCです。

株式会社JEPLANの特に強い点は、使用済みPETボトルやポリエステル繊維を再びPET原料へ戻すケミカルリサイクル技術を、研究段階ではなく商用・準商用設備で実際に運用し、2026年には使用済み繊維数十トンを使った産業実証やGX推進機構からの資金調達まで進めていることです。そのため、この企業の商品やサービスが利用されれば、石油由来PETへの依存を減らし、国内で資源を繰り返し使える社会につながる可能性が高まります。

一方で、改善点としてJEPLAN単体の平均給与、残業、有給取得率、離職率、男女賃金差、労災件数、度数率などの公開情報が不足しています。北九州響灘工場は化学プラントであるため、重大事故が確認されていないことだけでは十分ではありません。災害時の代替生産、非常用電源、復旧目標時間、工場制御系を含むサイバー対策についても開示余地があります。

この記事では、株式会社JEPLANの強みと課題をさらに詳しく企業審査していきます。

目次

株式会社JEPLANの企業審査結果

評価軸得点
Safety31/50
Innovation21/25
Protection17/25
総合点69/100
シビックランクC
主な強み主な課題
PETケミカルリサイクルを商用・準商用設備で実装単体の労災件数・度数率・強度率が非公表
口コミ集計では残業16.1時間、有給消化率75.7%会社公式の全社残業・有休データは非公表
現行求人で年休122日・フルフレックス全社員の平均給与・男女賃金差・離職率が非公表
北九州で使用済み繊維数十トンの産業実証北九州工場の安全実績を年次比較できない
商用プラント10年以上の運用実績を技術ライセンスへ展開災害時に北九州と川崎を相互代替できるか不明
環境省委託LCAでCO₂削減効果を検証サイバー復旧・OTネットワーク防御の公開不足
GX推進機構・SMBCグループから資金調達非上場のため全社財務・人員KPIの継続比較が難しい
2026年10月に全国177か所で衣類回収を展開技術改善が残業・賃金・配置転換へどう還元されたか不明

事業内容と人間への貢献

株式会社JEPLANは、使用済みPETボトルやポリエステル繊維を化学的に分解・精製し、再びPET原料へ戻すケミカルリサイクル技術を中核とする企業です。

2007年1月に設立され、旧社名は日本環境設計株式会社です。2022年6月にJEPLANへ社名変更しました。本社は神奈川県川崎市川崎区扇町にあります。[出典1・2]

基本情報

項目内容
会社名株式会社JEPLAN
旧社名日本環境設計株式会社
法人番号1010001141246
設立2007年1月
本社神奈川県川崎市川崎区扇町12-2
代表者代表取締役 執行役員社長 髙尾 正樹
上場区分非上場
主な事業PETケミカルリサイクル、技術ライセンス、繊維・ボトル資源循環
自社主要拠点北九州響灘工場
主なグループ会社ペットリファインテクノロジー株式会社
主な循環ブランドBRING、HELIX等

主な事業内容

JEPLANの中心技術では、PETを化学的に分解して中間原料へ戻し、色素や金属などの不純物を取り除いたうえで再びPETへ重合します。

北九州響灘工場では、使用済み衣類や繊維くずなどからポリエステルを回収し、再生PET原料へ戻します。年間処理能力は約1,000トンで、技術ライセンスの実証にも使う準商用規模の設備です。[出典3・4]

グループ会社のペットリファインテクノロジー株式会社は川崎市で年間約2万2,000トン規模のPETケミカルリサイクルプラントを運営しています。JEPLAN本体とは別法人であるため、本記事では両社の実績を区別します。[出典5]

主な利用企業・協業先

JEPLANの技術は、飲料メーカー、繊維会社、自治体、金融機関、海外技術企業などと組み合わせて使われています。

2026年3月にはJEPLAN、三井住友フィナンシャルグループ、アサヒ飲料がケミカルリサイクル拡大の覚書を締結しました。4月にはスウェーデンのSyreと繊維to繊維の戦略提携を行い、Axens・IFPENとは北九州響灘工場で使用済み繊維数十トンを処理する実証を行いました。[出典10~12]

事業による人間への貢献

PETボトルやポリエステル衣料は便利ですが、石油由来原料を新たに作り、使用後に焼却する流れが続けば、資源とエネルギーを繰り返し消費します。

JEPLANの技術は、使用済みPETを国内に存在する「原料」として再利用できる点に大きな意味があります。

環境省がデロイトトーマツコンサルティングへ委託したLCA調査では、JEPLANのケミカルリサイクルについて石油由来PETを新たに製造する場合と比べCO₂削減効果が確認されています。JEPLANは現在の電力構成等を反映した算定で、北九州響灘工場の繊維用途では約49%のCO₂排出削減効果を公表しています。[出典6・7]

国内で使用済みPETを再び原料へ戻せれば、廃棄物とCO₂だけでなく、海外から輸入する石油資源への依存を弱める方向にも働きます。

Safety|31/50

Safetyでは、JEPLANで働く人の給与、休息、雇用、福利厚生、人権、化学プラントの安全と、再生PET原料・技術の安全性を評価します。

現行求人では年休122日・フルフレックスなど良い条件があります。口コミ集計でも残業・有休は極端に悪くありません。一方、化学プラントを持つ企業として最も重要な労災・事故KPIをJEPLAN単体で追えない点が大きな課題です。

賃金・利益の還元|6/10

2026年10月時点の北九州響灘工場のプロセスエンジニア求人では、月給32万~70万円、年1回の昇給、通勤手当、遠隔地転居者向け入社一時金制度が掲載されています。[出典16]

2025年頃の生産技術・生産管理職の口コミでは、一定の昇給があるという評価も確認できます。[出典18]

一方、JEPLAN単体の平均年収、賃金中央値、全社員の賃上げ率、賞与実績を会社公式情報から確認できません。

専門職求人だけを全社員の待遇として扱うことはできないため6/10点です。

全社員の平均給与、中央値、ベースアップ率を年次公開し、物価上昇を上回る賃上げを継続できれば8~10点を検討できます。

労働時間・休息|6/10

現行求人では、フルフレックス、コアタイムなし、標準労働時間8時間、年間休日122日、完全週休2日制、夏季休暇3日、年末年始休暇などが確認できます。[出典16]

転職会議の投稿者集計では残業16.1時間/月、有給消化率75.7%です。23件の投稿者データであり、全社員の正式統計ではありませんが、極端な長時間労働を示す数字ではありません。[出典18]

2025年頃の生産技術・生産管理職からも、フレックスを利用しやすいという口コミがあります。

一方、JEPLAN自身は全社員の平均残業、有給取得率、45時間超残業者割合、北九州工場の交替勤務実績を公表していません。

制度と口コミを評価して6/10点です。会社単体で残業20時間以下、有給取得率80%以上を継続公開できれば8点以上を検討できます。

雇用の安定・待遇の公平性|3/5

2026年現在も北九州の技術職、総務部長など複数ポジションの正社員採用を続けています。GX推進機構やSMBCグループから成長資金を調達し、新規プラントの事業化も進めています。[出典12・13・16]

一方、単体従業員数、離職率、平均勤続年数、女性管理職比率、男女賃金差、正規・非正規比率を継続比較できる公式資料がありません。

事業拡大と採用継続を評価して3/5点です。

福利厚生・育児・介護|4/5

現行求人では、確定拠出年金、資格取得支援、社会保険、産前産後休暇、育児休暇などを確認できます。[出典16・17]

過去の女性社員口コミでは、産休・育休を利用しやすく、子どもの小学校修了まで時短勤務できたという内容もあります。

一方、2025年頃の口コミでは「確定拠出年金と交通費以外に大きな補助は感じない」という投稿があり、2022年頃には福利厚生の公平性へ不満を示す投稿もあります。[出典18]

現在の公式制度を優先しつつ、利用実績の公開不足を考慮して4/5点です。

人権・ハラスメント・労使関係|3/5

JEPLANのプライバシーポリシーでは、従業員を含む個人情報管理について責任者、規程、報告体制、研修、入退室管理、アクセス制御などを明記しています。[出典19]

一方、JEPLAN単体の人権方針、ハラスメント相談件数、内部通報件数、ハラスメント研修率、是正実績は十分に公開されていません。

過去の口コミには評価制度やマネジメントへの不満もありますが、一人の元社員の経験を現在の会社全体へ一般化しません。

基本的な管理体制と情報不足を踏まえ3/5点です。

労働安全・健康|4/10

北九州響灘工場では解重合、精製、重合などを行う化学プラント設備を使用します。一般的なオフィス企業より、化学物質、熱、機械、配管、圧力設備、火災などへの安全管理が重要な事業です。

グループ会社PRTの採用情報では、安全衛生委員会、安全パトロール、防災・避難訓練、排水・排ガス管理などの具体的な安全管理業務が確認できます。

一方、JEPLAN単体について死亡災害、休業災害、労災件数、度数率、強度率、設備事故件数を年次比較できる資料は確認できません。

重大事故を今回の調査で確認していないことと、安全性が高いことは同じではありません。

化学プラント企業として結果指標の公開が不足するため4/10点です。

商品・サービスの安全|5/5

JEPLANグループの再生PETは、使用済みPETを化学的に分解・精製し、不純物を取り除いたうえで再重合します。

グループ会社PRTが製造する再生原料HELIXは飲料用PETボトルにも採用され、2026年にはキリン「ホームタップ」の1L PETボトルへ利用範囲が広がりました。[出典8]

JEPLANの技術は環境省資料でも商用ケミカルリサイクル事例として扱われており、10年以上の商用プラント運転実績を技術ライセンスへ展開しています。[出典4・7]

品質要求の高いPET用途へ再利用できる実装実績を評価し5/5点です。

従業員・元従業員の口コミ

転職会議では23件の口コミがあり、残業16.1時間/月、有給消化率75.7%と集計されています。[出典18]

2025年頃の30代前半・生産技術・生産管理職では、フレックスや休日を評価する一方、福利厚生は確定拠出年金と交通費が中心という投稿があります。

2022年頃の法人営業職では、当時の評価制度の不透明さや福利厚生の公平性に不満を示す投稿もあります。

古い口コミを現在の事実として固定せず、時期・部署による差を踏まえ補助情報として扱います。

SNS・匿名掲示板の確認結果

X、5ちゃんねる等について社名と「残業」「安全」「事故」「退職」「パワハラ」「北九州」などを組み合わせて確認しました。

今回、従業員・元従業員であること、勤務時期、職種を十分に確認でき、転職会議以上に採点を変更できる投稿は使用していません。

Innovation|21/25

InnovationはJEPLANの最大の強みです。

独自技術と呼んでいるだけでなく、商用プラント、準商用設備、環境省による調査、海外技術会社とのライセンス展開、2026年の繊維to繊維産業実証まで進んでいます。

作業負担・危険の削減|8/10

PETケミカルリサイクルは、解重合、脱色・精製、再重合などをプラント設備で連続的に処理します。

人が手作業で大量のPETを分解・洗浄・精製する仕組みではなく、化学設備・自動制御を使って大量処理するプロセスです。

さらに技術ライセンスでは、商用プラントで10年以上蓄積した運転情報をもとに、Axens・IFPENと世界展開できるプロセスへ標準化しています。[出典4]

大量の廃PET処理を機械・プラントへ移している点を評価し8/10点です。

一方、設備改善によってオペレーターの作業時間、危険作業、必要人数、事故件数が何%減ったかは公開されていません。

商品・サービスの改善|5/5

2026年4月、JEPLAN、Axens、IFPENは北九州響灘工場で、ヨーロッパから回収した使用済みポリエステル繊維数十トンを原料に、数十トン規模の再生モノマーを製造する産業実証に成功しました。[出典11]

さらにSyreとの戦略提携、アサヒ飲料とのPET循環拡大、技術ライセンスの世界展開を進めています。[出典9・10]

PETボトルだけでなく繊維や非食品PETまで循環対象を広げているため5/5点です。

改善成果の人間への還元|3/5

現行求人ではフルフレックス、年間休日122日、入社時から有給付与などを確認できます。口コミ集計の残業も月16.1時間です。[出典16・18]

しかし、ケミカルリサイクル設備の改善や自動化によって残業が何時間減ったか、交替勤務人数がどれだけ減ったか、安全性がどこまで改善したか、利益が賃金へどの程度還元されたかは公開されていません。

良好な働き方を示す材料はあるものの技術改善との因果を確認できないため3/5点です。

研究開発・現場改善の継続|5/5

2020年からAxens・IFPENと技術共同開発を進め、2023年には北九州でRewind PETのデモンストレーションを開始しました。

2026年には使用済み繊維数十トンを使う産業実証まで規模を拡大しています。[出典11]

技術を自社内に閉じず、ライセンスとして世界へ展開する仕組みも構築しています。

研究、実証、商用運転、ライセンスという段階を継続して進めているため5/5点です。

自動化・AI導入後の雇用状況

化学プラントは自動制御を前提とする設備産業ですが、JEPLANは2026年も北九州のプロセスエンジニア、管理部門などの正社員採用を行っています。[出典16・17]

自動化を理由とする大規模な希望退職・一斉解雇を示す公開情報は今回確認していません。

一方、設備拡張後に職種別人数、オペレーター人数、配置転換、再教育がどう変化したかは公開されていません。

Protection|17/25

Protectionでは、災害や国際情勢で資源供給が不安定になった場合でもPET原料を確保できるか、プラント停止やサイバー攻撃が起きても事業を続けられるかを評価します。

JEPLANは「国内にある使用済みPETを原料へ戻す」という事業そのものが資源安全保障へ貢献します。一方、工場単位のBCP、相互代替、RTOなどの公開は十分ではありません。

災害への備え・訓練|3/5

北九州と川崎に異なるPETケミカルリサイクル設備があり、グループとして複数拠点を持ちます。

一方、JEPLAN本体について大地震、火災、停電、化学事故を想定したBCP訓練回数、非常用電源、備蓄、復旧演習結果は十分に公表されていません。

化学プラント企業として基本的な安全・防災管理は行っていると考えられますが、外部から結果を比較できないため3/5点です。

生産・物流・調達の代替|4/5

北九州では繊維向け、グループ会社PRTの川崎工場ではボトル向けのPETケミカルリサイクル設備を運転しています。

さらにJEPLANは自社で工場を増やすだけでなく、Axens・IFPENを通じて技術をライセンスする戦略を取っています。特定の1工場だけへ技術そのものが依存しない構造は強みです。[出典4]

一方、川崎工場停止時に北九州が同じ製品を代替できるわけではなく、逆も同様です。山口県で計画する新拠点もまだ安定操業実績には含めません。

そのため4/5点です。

サイバー防衛・情報保護|3/5

JEPLANグループのプライバシーポリシーでは、個人情報について責任者、報告体制、従業員研修、入退出管理、アクセス制御を実施するとしています。[出典19]

基本的な人的・物理的・技術的対策を確認できるため3/5点です。

一方、工場制御系ネットワークの分離、EDR、SOC、MFA、オフラインバックアップ、CSIRT、サイバー復旧訓練、復旧目標時間は公開されていません。

供給継続・復旧能力|4/5

PRTの川崎商用プラントは、10年以上の商用運転経験を持つ技術を用い、2021年の再稼働後も運転を続けています。

2026年9月には、再稼働のため2021年に発行した4億円のグリーンファンド社債を契約どおり全額償還しました。[出典13]

また、2026年3月にはSMBCグループ、8月にはGX推進機構から資金を調達しており、PET循環事業を長期的に拡大する資金基盤も強化しています。[出典9・12]

一方、設備停止後のRTO、平均復旧時間、代替処理能力を公開していないため4/5点です。

危機時の市民への対応|3/5

JEPLANの事業は災害時の飲料配布など直接的な市民支援ではありません。

一方、資源の多くを海外へ依存する日本で、使用済みPETを国内原料として循環できる構造は、国際物流・原油価格・資源供給が不安定になった場合の耐性を高める方向に働きます。

2026年8月のGX推進機構からの資金調達でも、国内資源循環と経済安全保障の重要性が背景として示されています。[出典12]

さらに自治体・企業と回収スキームを構築し、地域で出たPETを再び原料へつなげています。

直接的な災害支援ではないため満点にはせず3/5点です。

良いニュース・最近の前向きな動き

2026年は、JEPLANにとって技術・資金・回収網の三つが同時に拡大した年です。研究段階の期待ではなく、実際の繊維廃棄物、資金、ブランド、商用設備を使った展開が進んでいます。

2026年10月 全国177か所で衣類回収キャンペーンを実施(Innovation)

2026年10月1日から31日まで、JEPLANのBRINGは6社8ブランドと連携し、全国177か所で不要になった衣類等を回収する「フクーポンキャンペーン2026」を実施しています。[出典20]

回収した衣類の行き先をリユース・リサイクルへつなぎ、技術だけでなく「原料を集める仕組み」も広げています。

2026年9月 PRTがグリーンファンド社債4億円を全額償還(Protection)

グループ会社PRTは、2021年に川崎プラント再稼働のため発行した4億円の劣後特約付社債を2026年9月14日に全額償還しました。[出典13]

商用設備を再稼働させ、環境金融による資金を契約どおり返済したことは、循環技術が実証だけで終了せず事業運営へ移った一つの材料です。

2026年8月 GX推進機構から資金調達(Innovation・Protection)

GX推進機構を引受先とする第三者割当増資を実施しました。[出典12]

資金はPETケミカルリサイクルプロセスの高度化、廃PET原料の活用拡大、再生PETの安定供給体制強化などへ使う方針です。

2026年4月 使用済み繊維数十トンの産業実証に成功(Innovation)

Axens・IFPENと共同で、ヨーロッパから回収した使用済みポリエステル繊維数十トンを北九州の準商用設備へ投入し、数十トン規模の再生モノマーを製造しました。[出典11]

研究室レベルではなく、商用条件を想定できる規模まで技術を進めた点は高く評価できます。

2026年3月 アサヒ飲料・SMBCグループと循環利用拡大へ(Innovation)

JEPLAN、SMBCグループ、アサヒ飲料の3社はPETケミカルリサイクル拡大へ向けた覚書を締結しました。[出典9]

飲料メーカー、金融機関、循環技術企業が連携することで、技術だけでは成立しない回収・製造・販売・資金を一つの仕組みとして広げようとしています。

悪いニュース・問題となった動き

今回の調査では、2026年にJEPLAN本体で重大な死亡労災、大規模な化学事故、重大な情報漏えいが発生したという公開情報は確認していません。

一方、企業審査で問題となるのは「悪いニュースが見つからないこと」よりも、安全と労働の結果を外部から確認できないことです。

2026年現在 化学プラントなのに単体の労災KPIが不足(Safety)

北九州響灘工場では化学反応・精製・重合設備を扱いますが、JEPLAN単体の死亡、休業災害、度数率、強度率、設備事故を年次比較できません。

事故がないのであれば「死亡0・休業0・度数率○○」と公開すれば、安全性をさらに高く評価できます。

2026年現在 全社労働KPIの公式公開が不足(Safety)

口コミ集計では残業16.1時間、有給消化率75.7%と比較的良好ですが、会社公式の全社員データではありません。[出典18]

平均残業、有給取得率、離職率、男女賃金差などをJEPLAN自身が継続公開する必要があります。

2026年現在 プラント停止時の代替と復旧時間が不明(Protection)

北九州と川崎は異なる用途のPETを主に扱い、相互に完全代替できるとする公開資料はありません。

新しい山口県拠点も計画・準備段階であり、現在のバックアップ能力として先取りしません。

工場停止時の代替先、非常用電源、原料在庫、RTOを公開することが今後の課題です。

総合評価と、これから改善してほしいこと

現在69点・シビックランクCです。次のBランクは70点からなので、あと1点です。

JEPLANはInnovationだけを見ればAランク相当の強みがあります。

一方、現在の企業審査では「環境技術が優れている」という理由だけで総合評価を引き上げません。

PETを循環させる技術と同じ程度に、そのプラントで働く人の安全、休息、雇用と、有事でも操業を継続できる仕組みを数値で示す必要があります。

北九州工場の労災KPIを公開してほしい(Safety)

現在の「労働安全・健康」は4/10点です。

死亡者、休業災害件数、度数率、強度率、設備事故件数を毎年公開し、重大事故0と低い事故率を確認できれば4→6/10点を検討できます。

現在4/10点
改善後6/10点
加点+2点
総合69→71点
ランクC→B

となります。

化学プラント企業では、安全設備を持っていること以上に、その結果として人がけがをしていないかを示すことが重要です。

自動化後の人への還元を数値化してほしい(Innovation)

現在の「改善成果の人間への還元」は3/5点です。

ケミカルリサイクル設備の効率化・自動化によって、作業時間、交替勤務、危険作業、残業がどれだけ減ったかは公開されていません。

主要工程について導入前後の配置人数、残業、危険作業時間、事故、賃金を比較し、残業・危険作業の削減と雇用維持を確認できれば3→4/5点を検討できます。

加点+1点で69→70点となり、シビックランクBへ上がります。

BCPとサイバー復旧を実地訓練で公開してほしい(Protection)

現在の「災害への備え・訓練」は3/5点、「サイバー防衛・情報保護」は3/5点です。

北九州工場で火災・停電・システム停止を想定した訓練を行い、非常用電源の稼働時間、重要設備の復旧目標、バックアップからの復元時間を公開できれば、それぞれ4点を検討できます。

合計+2点で69→71点・Bです。

次のランクへ上がるための具体例

改善項目現在点改善後加点達成条件
改善成果の人間への還元3/54/5+1自動化前後の残業・危険作業・事故・配置転換を定量公開

69点+1点=70点となり、シビックランクBへ上がります。

さらに労災KPIを公開して「労働安全・健康」を4→6点へ改善できれば71点です。

つまり、JEPLANに次に必要なのは、さらに新しいリサイクル技術を発表することではありません。すでに高いInnovationを持っているため、そこで働く人について「事故が少ない」「残業が少ない」「技術改善の利益が人へ返っている」という結果を数字で示すことが、総合ランクを上げる最短ルートです。

出典一覧

1.株式会社JEPLAN「会社概要」【情報ランクA】
2.株式会社JEPLAN「沿革」【情報ランクA】
3.株式会社JEPLAN「北九州響灘工場」【情報ランクA】
4.株式会社JEPLAN「技術ライセンス事業/Rewind PET」【情報ランクA】
5.ペットリファインテクノロジー株式会社「会社概要」【情報ランクA】
6.株式会社JEPLAN「サステナビリティ/LCA」【情報ランクA】
7.環境省「国内における循環型ケミカルリサイクルの取組状況」【情報ランクS】
8.株式会社JEPLAN「HELIX キリンホームタップ1L PETボトルへ採用」2026年4月17日【情報ランクA】
9.株式会社JEPLAN「JEPLAN、SMBCグループ、アサヒ飲料の3社によるケミカルリサイクル推進に関する覚書」2026年3月25日【情報ランクA】
10.株式会社JEPLAN「JEPLANとSyre、繊維to繊維リサイクルに向けた戦略的提携」2026年4月2日【情報ランクA】
11.株式会社JEPLAN「JEPLAN、Axens、IFPEN、繊維to繊維リサイクルを商用規模で実証」2026年4月22日【情報ランクA】
12.株式会社JEPLAN「GX推進機構から資金調達」2026年8月24日【情報ランクA】
13.株式会社JEPLAN「ペットリファインテクノロジー、グリーンファンド社債を全額償還」2026年9月14日【情報ランクA】
14.経済産業省「GX戦略地域制度の有望地域」2026年【情報ランクS】
15.Gビズインフォ「株式会社JEPLAN」【情報ランクS】
16.株式会社JEPLAN 採用情報「プロセスエンジニア」【情報ランクA】
17.株式会社JEPLAN 採用情報「総務部長」等【情報ランクA】
18.転職会議「株式会社JEPLANの社員口コミ」【情報ランクB】
19.株式会社JEPLAN「プライバシーポリシー」【情報ランクA】
20.株式会社JEPLAN「フクーポンキャンペーン2026」2026年10月1日【情報ランクA】

シビックランクの基準

シビックランク点数
S90~100点
A80~89点
B70~79点
C60~69点
D50~59点
E40~49点
F20~39点
G0~19点

株式会社JEPLANは69点のため、今回のシビックランクはCです。

情報ランクの基準

情報ランク基準
S公的機関、裁判所、規制当局、独立した第三者機関の調査・監査・検証・認証など、内容そのものに独立した裏づけがある情報
A企業公式資料、採用情報、公式声明・SNS、氏名・役職・立場を確認できる記名取材や公表発言など、発信主体を確認できる公表情報
B従業員・元従業員の口コミ、一般SNS、匿名掲示板など、発信者の身元や対象企業との関係を独立に確認しにくい情報

Sは第三者による裏づけがある情報として最も強く扱います。AとBは情報の性質が異なり、働き方の実態確認ではBが有用な場合もあります。口コミは時期・職種・拠点・件数を確認し、公式・公的情報と照合して使用します。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次