私たちは、企業の商品を購入したり、サービスを利用したりすることで、そこで働く人たちの未来を変えることができます。
働く人に十分な賃金を払い、休暇を確保し、安全な職場をつくり、人の負担を減らす企業の商品やサービスが選ばれれば、そうした企業により多くの売上が集まります。その結果、働く人を大切にする経営を続けやすくなります。
反対に、低賃金や長時間労働、安全上の問題を改善しない企業の商品やサービスが売れ続ければ、そうした働かせ方のままでも事業を続けることができます。
だからこの企業審査では、「私たちがお金を使うなら、どの企業を選ぶことが、そこで働く人にとってより良い社会につながるのか」という視点から企業を評価します。
なぜ企業を審査するのか?――このサイトの目的と、利用するメリット
今回審査する株式会社サンファミリーは、総合49点、シビックランクEです。
株式会社サンファミリーの特に強い点は、運送認可を持つ全営業所が「働きやすい職場認証制度」の一つ星認証を受け、全車両の安全設備や4温度帯の食品物流を組み合わせていることです。そのため、この企業の商品を購入したりサービスを利用したりすれば、食品物流を支える人の安全と、温度・期限管理された安定供給を両立しやすい社会につながる可能性が高まります。
一方で、改善点として、現在確認できるドライバー求人の高収入例が月60~80時間の残業を前提としており、長時間労働を実際に減らした全社成果の公開が弱いことが残ります。
この記事では、株式会社サンファミリーの強みと課題をさらに詳しく企業審査していきます。
株式会社サンファミリーの企業審査結果
| 評価項目 | 点数 |
|---|---|
| Safety | 25/50 |
| Innovation | 15/25 |
| Protection | 9/25 |
| 総合点 | 49/100 |
| シビックランク | E |
主な強みは、全営業所での「働きやすい職場認証制度」一つ星認証、全車両への安全設備、4温度帯物流、FICS・GPSなどの物流DXです。
主な課題は、長時間労働を減らした全社実績、事故・労災の全社KPI、サイバー防御、BCP・復旧時間などの公開が不足していることです。
事業内容と人間への貢献
基本情報
株式会社サンファミリーは、埼玉県三郷市に本社を置く食品物流会社です。2003年設立で、2025年11月末時点の従業員数は2,922人、車両台数は768台、2025年度の年商は198億4,900万円です。一般貨物自動車運送、貨物運送取扱、梱包・仕分け、コンビニエンスストア運営を行っています。主要取引先には日本アクセスとファミリーマートがあります。[出典1]
主な事業と人間への貢献
関東・東海10拠点、東北・信越9拠点の配送センターを持ち、大手コンビニや配送センターへ24時間365日商品を配送しています。常温・定温・チルド・冷凍を含む4温度帯の商品管理を行い、一部拠点では食品工場、スーパー、ドラッグストア向けの仕分け・配送も担います。食を日常的に届ける社会インフラとしての人間への貢献は大きい事業です。[出典1・2]
一方、物流はドライバーや倉庫作業者の長時間労働、交通事故、労災、災害・停電時の供給停止が人の生活へ直結します。そのため本審査では、配送量や売上の大きさより、そこで働く人の時間・安全・待遇と、止まりにくい物流をどこまで実現できているかを重視します。
Safety|25/50
Safetyでは、賃金、休息、雇用、福利厚生、人権、労働安全、食品物流の安全を評価します。サンファミリーは福利厚生と安全設備、教育制度に具体性があります。一方、2023年の違法な時間外労働による送検記録と、現在の求人でも月60~80時間残業を前提にした収入例が確認できるため、長時間労働を最重要課題として評価しました。
賃金・利益の還元|6/10
現在のdoda求人では、物価上昇への対応としてベースアップを実施したこと、残業代を全額支給することが示されています。三郷・三郷中央の月給例は23万2,900円以上で、入社1年目の月収例として34万9,598円、44万3,309円が掲載されています。賞与年2回、家族手当、通勤手当、資格手当、確定拠出年金・確定給付年金などもあります。[出典3・10]
賃金を上げる方向性と、法定外労働の対価を別途支払う仕組みは、人が生活を維持するうえで評価できます。一方、月収44万円台の例は80時間、34万円台の例は60時間の残業代を含んでいます。高い月収の相当部分を長い労働時間で作る構造が残っているため、利益を「基本給や短時間で得られる所得」として十分還元しているとは評価しにくい状態です。会社全体の平均賃金、賃上げ率、賃金中央値、男女賃金差も公表されていません。
8/10に上げるには、月60~80時間の残業を前提にしなくても現在と同等以上の生活水準を維持できる基本給・職務給へ移し、全社の賃上げ率、平均・中央値、男女賃金差を継続公開することが必要です。
労働時間・休息|2/10
ここが最大の課題です。dodaの会社求人ページでは、入社1年目の月収例として残業80時間と60時間が現在も表示されています。別のドライバー求人でも、60時間・80時間の残業を含む月収例が確認できます。[出典10・11]
厚生労働省の現行ルールでは、自動車運転者は特別条項付き36協定を結ぶ場合、時間外労働は年960時間が上限です。また改善基準告示では、1か月の拘束時間は原則284時間、休息期間は継続11時間を与えるよう努めることを基本とし、9時間を下回らないことが求められています。したがって、求人に80時間と書かれていることだけで現在の法令違反とは断定できません。しかし、人の疲労、睡眠、家族時間、事故リスクを考えれば、恒常的な収入モデルとして60~80時間を示す状態は高く評価できません。[出典15]
さらにYahoo!しごとカタログの投稿集計は平均残業61.4時間、有給休暇消化率37.1%、転職会議の投稿集計は残業59.8時間、有給消化率44.6%です。いずれも自己申告口コミで実測全社値ではありませんが、別々のサイトで約60時間という値が出ており、求人の60~80時間例とも方向が一致しています。[出典12・14]
公式サイトは「完全週休2日制」を掲げる一方、最近のdodaドライバー求人は年間休日105日+有休5日取得で実質110日と記載しています。職種・拠点ごとの条件差を含め、全社平均残業、45時間超の社員比率、年間休日、有休取得率、勤務間インターバル達成率を公開する必要があります。[出典3・11]
4/10に上げる最低条件は、全社平均残業を40時間以下へ下げ、60~80時間を恒常的な収入例から外し、月45時間超の割合と休息期間の遵守状況を公開することです。6/10を目指すなら、平均30時間以下、年間休日115日以上、勤務終了後11時間休息の高い達成率を継続して示す必要があります。
雇用の安定・待遇の公平性|3/5
会社は2,922人を雇用し、2025年11月には浦安営業所を閉鎖する一方で戸田営業所を開設しています。2026年の会社発表では、5年以上在籍する従業員が約60%、10年以上が約30%とされています。新拠点や新規業務の求人も続いており、公開情報からは大規模な人員削減を示す材料は確認できません。[出典1・5・10]
一定の雇用基盤と長期在籍者の存在は評価できます。ただし、正社員・非正規の構成、離職率、職種別の定着率、正社員転換数、男女・雇用形態別の賃金差は公表されていません。営業所の閉鎖時に雇用をどの程度維持・配置転換したかも公開情報がありません。
4/5に上げるには、離職率、正社員転換、雇用形態別の賃金差、拠点閉鎖時の雇用維持実績を数値で公開し、待遇差の縮小を確認できることが必要です。
福利厚生・育児・介護|4/5
社会保険、雇用保険、労災保険、厚生年金、確定拠出年金、確定給付年金に加え、年次有給休暇、慶事休暇、産前・産後休暇、育児休暇、介護休暇、子の看護休暇があります。定期健康診断、特定業務従事者健康診断、ストレスチェック、産業医面談、熱中症対策、入学祝い金なども用意されています。2026年には99人の従業員に対し104人の子どもを対象として入学祝い金を贈っています。[出典3・5]
制度の幅は広く、人が病気、出産、育児、介護など人生上の事情を抱えても働き続けやすくする仕組みとして評価できます。一方、育休取得率、男性育休取得率、介護休暇利用者数、有休取得率など、制度を実際に使えているかを示す全社実績は十分公開されていません。
5/5には、男女別育休取得率、復職率、介護休暇利用、平均有休取得日数などを継続公開し、現場職でも利用が定着していることを確認できる必要があります。
人権・ハラスメント・労使関係|2/5
SDGsページでは、コンプライアンス・ハラスメントの内部通報窓口を設置し、性別に関係なく活躍できる職場づくり、外国籍人材の採用、長時間労働削減を掲げています。[出典9]
窓口の存在は最低限の基盤です。しかし、相談件数、是正件数、再発防止内容、相談者保護、外部相談窓口の有無、女性管理職比率、男女賃金差、労働組合や労使協議の実績は公表されていません。制度があることと、問題が起きた際に実際に人を守れていることは分けて評価する必要があります。
3/5に上げるには、匿名性の高い外部窓口、相談・是正件数の集計、報復防止策、管理職研修の受講率などを公開することが必要です。
労働安全・健康|4/10
新人ドライバーには2日間の研修と14日~1か月の同乗研修があります。全車両にドライブレコーダー、衝突軽減ブレーキ、デジタルタコグラフを搭載し、24時間運行管理者が常駐、GPSと無線で支援しています。2026年には4~6月の事故防止キャンペーン、飲料・塩タブレット、ネッククーラー、スポットクーラー、冷感スプレーなどの熱中症対策も行いました。[出典4・5]
また2026年の表彰では、5年間無事故のドライバー266人、年間交通事故0件の秋田・静岡営業所が公表されています。個人単位・拠点単位で安全成果があることは評価できます。[出典5]
一方、過去には運行管理上の重大な問題があります。2017年には児玉営業所で、死亡事故の通知を端緒とした監査の結果、運転者への指導監督違反で文書警告を受けた記録があります。2016年にも同営業所で、乗務時間、健康状態把握、点呼記録、指導監督、初任運転者の適性診断、管理者講習、社会保険など9件の違反により60日車の使用停止処分が記録されています。古い事案であり、現在と同一の運用状態だと断定はできませんが、安全管理の評価では無視できません。[出典17]
現在についても、全社の死亡災害数、重大労災数、休業災害度数率、交通事故率、走行100万km当たり事故数などは公表されていません。安全キャンペーンの「目標」だけでなく、「結果」を全社数値で示す必要があります。
6/10に上げるには、死亡・重大労災0を複数年継続し、休業災害度数率、交通事故率、営業所別の改善結果を毎年公開することが必要です。
商品・サービスの安全|4/5
センター運営から配送までを自社で行い、4温度帯で商品を管理しています。食材センターではFICSシステムによる在庫管理と賞味期限管理、配送ではデジタルタコグラフ、GPS動態管理、無線連絡を利用しています。24時間365日の食品物流として、温度・期限・配送状況を管理する仕組みは具体的です。[出典1・2]
これは消費者が適切に管理された食品を受け取りやすくする人間貢献です。一方、温度逸脱件数、誤配送率、破損率、重大品質事故、回収への関与件数などの定量実績は公表されていません。
5/5には、温度逸脱・誤配送・重大品質事故などのKPIを継続公開し、重大事故が低水準であることを確認できる必要があります。
従業員・元従業員の口コミ
Indeedでは47件の口コミに基づく総合評価が3.1で、給与・福利厚生3.6、勤務時間と残業3.0です。2026年の投稿には、事務職でチーム運営のため休みの融通が利くという声や、戸田のピッキング作業で重い荷物はあるが周囲に質問しやすいという声があります。教育や人間関係を肯定する直近投稿も確認できます。[出典13]
一方、Yahoo!しごとカタログでは投稿集計の平均残業61.4時間、有給消化37.1%、転職会議では残業59.8時間、有給消化44.6%です。口コミは部署・時期・投稿者による偏りがあり、会社全体の実測値ではありません。ただし、二つの独立した口コミ集計が約60時間の残業を示し、求人の60~80時間の残業例とも重なるため、長時間労働の懸念を補助する情報として扱います。[出典12・14]
口コミは情報ランクBとして扱い、公式・公的情報を上書きする材料にはしていません。
SNS・匿名掲示板の確認結果
X、5ちゃんねる、爆サイについて、「株式会社サンファミリー」に三郷、物流、ドライバーなどを組み合わせて別工程で検索しました。今回の公開検索では、対象法人と職場を確実に特定でき、本文まで確認できる有用な従業員投稿は見つかりませんでした。
会社自身はTikTok、Instagram、YouTube等で営業所や業務の様子を発信していますが、これは会社発信なので情報ランクAであり、匿名の従業員評価とは分けて扱います。SNS・匿名掲示板で有用情報が見つからなかったこと自体は減点していません。
Innovation|15/25
Innovationでは、新技術や業務改善が「会社の効率」だけで終わらず、現場の危険や負担を減らし、その成果を人へ返しているかを評価します。サンファミリーは物流管理システム、安全装備、EV実証などの改善は積極的ですが、改善後に人の残業・必要人数・身体負担が何%減ったかという成果公開が弱いため15点としました。
作業負担・危険の削減|6/10
全車両のドライブレコーダー、衝突軽減ブレーキ、デジタルタコグラフ、バックモニター、GPS・無線による運行管理は、事故の予防とトラブル時の支援に直結します。倉庫ではフォークリフト等を使う業務もあり、三郷中央営業所ではバッテリー交換式小型EVトラックの実証で、バッテリー交換を無人・自動化し約3分で完了させる仕組みも試しています。[出典2・4・7]
危険回避と待ち時間短縮につながる技術は評価できます。一方、導入前後で積み降ろし時間、腰痛・転倒、事故、残業、必要人数がどれだけ減ったかは公表されていません。
8/10には、重量物作業時間、荷役時間、事故率、身体負担、残業時間について導入前後の定量値を示し、人の負担が実際に減ったことを確認できる必要があります。
商品・サービスの改善|4/5
FICSによる在庫・賞味期限管理、GPS動態管理、2室2温度帯EVトラック、4温度帯物流、バッテリー交換式EVの実証など、品質・追跡性・環境負荷を改善する取り組みがあります。[出典2・7]
これらは食品を適切な状態で届けること、配送の状況を把握すること、充電待ちを短くすることにつながります。一方、誤配率、欠品率、温度逸脱率、定時配送率などの改善幅は公開されていません。
5/5には、サービス品質KPIの改善結果を継続的に公開することが必要です。
改善成果の人間への還元|1/5
改善技術の導入は多いものの、その成果が「働く時間の短縮」「人員に余裕を持たせる」「賃金を上げる」「休暇を増やす」といった形で人へ返った定量的な公開情報はほとんどありません。
特に現在の求人で月60~80時間の残業を含む収入例が残っているため、物流DXや車両技術の生産性向上を、労働時間削減へ十分還元できているとは評価できません。[出典10]
3/5に上げるには、DX導入前後で残業時間や拘束時間を削減し、その削減量と賃金維持・向上をセットで公開することが必要です。
研究開発・現場改善の継続|4/5
デジタルタコグラフ、GPS、FICS、EV・FCEV、2室2温度帯車両、バッテリー交換式EV実証、安全キャンペーンなど、複数年にわたり設備・運用改善を続けています。[出典2・5・7]
単発の導入ではなく複数領域で改善が続いている点を評価します。一方、R&D投資額、改善提案件数、効果検証の共通KPIなどは公表されていません。
5/5には、毎年の改善テーマと投資、導入件数、成果指標を一貫して公開することが必要です。
自動化・AI導入後の雇用状況
確認できた自動化の具体例は、三郷中央営業所で実証した無人のバッテリー交換設備や、FICS・GPSなどのデジタルシステムです。AIによる大規模な人員代替や、自動化を理由とした人員削減を示す公開情報は確認できません。[出典2・7]
むしろ2025年には戸田営業所を開設し、2026年も複数拠点・新規業務で採用を続けています。ただし、技術導入前後の人員数、配置転換数、残業削減量は公表されていないため、「自動化の成果を雇用維持や労働時間短縮へ返した」とまでは判断できません。[出典1・10]
Protection|9/25
Protectionでは、地震・火災・停電・サイバー攻撃などが起きたとき、食品物流をどこまで守り、早く復旧できるかを評価します。サンファミリーは複数拠点、消防訓練、ドライバー防災セットなど基礎的な備えがありますが、全社BCP、代替輸送能力、システム復旧時間、サイバー訓練の公開が弱く9点です。
災害への備え・訓練|3/5
2025年には本社・三郷営業所で、ボイラー室火災を想定した初期消火、館内・消防署への連絡、避難、消火器訓練を実施しました。2023年にも三郷・日野で消防訓練を実施し、ドライバーには長期保存おにぎり、パン、水、携帯トイレを含む非常用防災セットを配布しています。[出典6・7]
訓練と現場備蓄があることは評価できます。一方、地震・豪雨・大規模停電を含む全社BCP訓練の頻度、参加率、改善結果、非常電源・燃料の継続可能時間は公表されていません。
4/5には、全拠点を対象に年1回以上のBCP訓練を行い、安否確認時間、代替拠点切替時間、備蓄日数などを公開することが必要です。
生産・物流・調達の代替|3/5
関東・東海10拠点、東北・信越9拠点という広域ネットワークを持ち、センター間輸送や幹線輸送も行っています。拠点が分散していることは、単一拠点障害に対する代替の土台になります。[出典2]
ただし、特定センター停止時にどの拠点が何時間以内に代替するのか、代替車両・ドライバー・燃料をどれだけ確保しているのか、主要荷主との代替ルートがどこまで事前合意されているかは公表されていません。
4/5には、主要拠点停止を想定した代替輸送訓練と、切替時間・代替可能量を公開することが必要です。
サイバー防衛・情報保護|1/5
プライバシーポリシーでは、個人情報への不正アクセス、紛失、破壊、改ざん、漏えいを防ぐ管理体制、事務所への部外者立入制限、役職員への教育、管理責任者の設置を公表しています。[出典8]
一方、物流システム停止に直結するMFA、多要素認証、EDR、SOC・CSIRT、ネットワーク分離、オフラインバックアップ、標的型メール訓練、第三者侵入テスト、復旧演習、重大インシデント件数などの具体的な公開情報はありません。
2/5以上へ上げるには、最低でもMFA・EDR・バックアップ・定期教育を実装し、その適用範囲を公開することが必要です。3/5には、年1回以上の復旧演習や標的型メール訓練、第三者検証まで確認できることが望まれます。
供給継続・復旧能力|2/5
24時間365日の運行管理、19拠点のネットワーク、GPS・無線、非常用防災セットは、トラブル時の初動を支える要素です。またバッテリー交換式EVの実証では、災害時にトラック自体を電源として使うことも想定して検証するとしています。[出典2・7]
しかし、FICSや配車システムが停止した場合の手作業代替、バックアップ拠点、目標復旧時間、非常電源の稼働時間、復旧訓練の結果は公表されていません。
3/5に上げるには、重要業務ごとのRTO・RPO、システム停止時の手作業手順、代替拠点切替訓練を公開することが必要です。
危機時の市民への対応|0/5
食品物流会社として災害時に大きな社会的役割を持つ企業ですが、今回確認した対象法人の公開情報では、自治体との災害時物資輸送協定、避難所への緊急供給協定、市民向けの直接支援体制を確認できませんでした。
社員向けの防災セットや社内消防訓練は重要ですが、市民への危機対応とは分けて評価します。
1/5以上に上げるには、自治体や公共機関との災害物流協定を結び、対象地域・物資・発動条件を公開することが必要です。
良いニュース・最近の前向きな動き
最近の前向きな動きでは、制度を導入した事実だけでなく、働く人の安全・健康・安定へどうつながるかを見ます。サンファミリーでは2026年に、全営業所の職場認証、安全表彰、熱中症対策など、人を守る方向の施策が続いています。
2026年4月|運送認可を持つ全営業所が一つ星認証|Safety
2026年4月、運送認可を持つ本社ほか18拠点すべてが「働きやすい職場認証制度」の一つ星認証を受けたと会社が公表しました。この制度は法令遵守、労働時間・休日、心身の健康、安心・安定などを第三者が確認する制度で、全拠点が基本水準を満たしたことは前向きです。[出典5・18]
一方、一つ星は基本的な取組水準です。認証取得だけで、平均残業や有休取得が十分低いことまでは証明しません。実績値の公開と上位認証への改善が次の課題です。
2026年|5年間無事故266人、2営業所が年間交通事故0|Safety
2026年の社内表彰では、5年間無事故のドライバー266人が表彰され、秋田営業所と静岡営業所は年間交通事故0件だったと公表されました。事故を起こさない運転を継続した人を評価する仕組みは、安全文化を維持するうえで意味があります。[出典5]
ただし、会社全体の交通事故件数、重大事故率、走行距離当たり事故率がないため、全社水準の改善幅は判断できません。
2026年|熱中症対策を拡充|Safety
飲料・塩タブレット、ネッククーラー、スポットクーラーに加え、2026年7月には60~90分程度の冷却効果を想定した冷感スプレーも導入しました。暑熱環境で働く倉庫・配送スタッフの健康を直接守る施策です。[出典5]
今後は、熱中症発生件数、休業件数、暑さ指数に応じた作業中断基準などの結果指標まで公開できると評価をさらに高められます。
悪いニュース・問題となった動き
悪いニュースでは、過去の問題を現在の状態と混同せず、何が起き、その後の改善をどこまで確認できるかを見ます。サンファミリーでは過去に労働時間と運行管理の公的な問題記録があり、現在も長時間労働を懸念させる求人表示が残っています。
2023年|36協定の延長時間を超える違法な時間外労働で送検|Safety
厚生労働省の当時の公表記録では、株式会社サンファミリーについて、労働者3人に36協定の延長時間を超える違法な時間外労働を行わせたとして、2023年3月に送検された事案が記録されています。[出典16]
違法な長時間労働は、睡眠不足、健康障害、家族時間の減少、交通事故リスクに直結します。現在は全営業所の職場認証など改善の材料もありますが、この事案後に全社平均残業が何時間まで下がったのかは公表されていません。
2026年確認|求人でも月60~80時間残業の収入例|Safety
現在確認できるdodaの会社求人ページでは、月60時間または80時間の残業代を含む月収例が掲載されています。これは直ちに現在の法令違反を意味しませんが、2023年の送検後も「長く働くほど収入が高くなる」見せ方が残っていることは重要です。[出典10・15]
改善の中心は、残業代を正しく払うことから一段進み、残業自体を減らしても所得が下がらない賃金設計へ移ることです。
2016年・2017年|児玉営業所で運行管理上の処分・警告|Safety
国土交通省の旧公表記録を保存した資料では、児玉営業所について2016年に9件の違反で輸送施設の使用停止60日車、2017年に運転者への指導監督違反で文書警告が記録されています。いずれも死亡事故の通知を端緒とした監査でした。[出典17]
古い事案で、現在まで同じ問題が継続しているとは断定できません。むしろ現在は全車安全設備、研修、無事故表彰など改善策が見えます。だからこそ、現在の全社事故率・重大事故件数を公開し、過去からどれだけ改善したかを数値で示すことが重要です。
総合評価と、これから改善してほしいこと
株式会社サンファミリーの総合点は49点、シビックランクEです。次のDランクは50点からなので、あと1点です。
強みは、食品物流という社会インフラを19拠点・24時間365日で支え、全車両の安全装備、4温度帯管理、FICS、GPS、EV・FCEV、福利厚生、消防訓練など、現場を支える具体策が多いことです。
一方、最大の弱点は「取り組みは多いが、人に返った成果の全社数値が少ない」ことです。特に残業時間、労災・交通事故率、サイバー防御、復旧時間は、企業規模と社会インフラ性を考えると、もう一段高い透明性が必要です。
残業依存の収入モデルを改める|労働時間・休息 2→6/10
現在は求人で月60~80時間の残業を含む収入例があり、口コミ集計も約60時間です。まず、全社・職種別の平均残業、45時間超の比率、年960時間への接近者数、勤務間インターバル達成率を公開する必要があります。[出典10・12・14・15]
具体的には、全社平均残業を月30時間以下、年間休日115日以上、勤務終了後11時間休息の達成率95%以上を目標とし、60~80時間の残業を恒常的な収入例から外します。同時に基本給・職務給を引き上げ、残業を減らしても年収が下がらない設計にします。
当サイトで審査したキリングループロジスティクス株式会社は、年間所定労働時間を1,920時間から1,896時間へ24時間削減し、現在の求人でも年間休日121日を確認でき、「労働時間・休息」は6/10です。サンファミリーも同水準まで改善できれば2→6点、+4点を検討できます。
この改善だけでも総合49→53点となり、シビックランクDに上がります。
事故・労災の結果を全社KPIで公開する|労働安全・健康 4→6/10
安全設備やキャンペーンは充実していますが、現在の全社死亡災害、重大労災、休業災害度数率、交通事故率が公開されていません。安全施策の評価を上げるには「何をしたか」から「事故が何件まで減ったか」へ進む必要があります。
死亡・重大労災0、休業災害度数率、交通事故件数、走行100万km当たり事故率を営業所別・全社で毎年公開し、重大事故0を複数年継続することを目標にします。
当サイトで審査したアスクル株式会社は、2025年5月期の単体で死亡0、重度0、軽度2、労働災害度数率0.00を公開しており、「労働安全・健康」は8/10です。サンファミリーがまず全社KPIを公開し、重大事故0を継続できれば4→6点、+2点を検討できます。
サイバー防御と復旧訓練を具体化する|サイバー防衛・情報保護 1→3/5
個人情報保護の基本方針はありますが、MFA、EDR、バックアップ、標的型メール訓練、復旧演習などの公開情報がありません。FICS、GPS、配車・運行管理などを使う物流会社では、サイバー障害が食品供給停止へつながり得ます。[出典8]
全社端末と重要アカウントへのMFA・EDR、ネットワーク分離、オフラインまたは改ざん耐性バックアップを導入し、年2回の標的型メール訓練、年1回以上の第三者サイバー演習と復旧訓練を実施します。さらにFICS・配車・運行管理ごとの目標復旧時間を定めます。
当サイトで審査した伊藤忠商事株式会社は、ITCCERTによる監視、標的型メール訓練年2回、第三者サイバー攻撃演習年1回以上を確認でき、「サイバー防衛・情報保護」は5/5です。サンファミリーがまず基本的な技術対策と復旧訓練を公開できれば1→3点、+2点を検討できます。
次のランクへ上がるための具体例
3項目をすべて実現した場合、総合49→57点となり、Dランクを安定して維持できる水準になります。Cランクは60点からなので、さらに3点必要です。
その次は、BCPの代替輸送時間、物流システムのRTO・RPO、自治体との災害物流協定などを公開し、Protectionを底上げすることが現実的な道筋です。
出典一覧
1.株式会社サンファミリー「会社概要」[情報ランクA]
2.株式会社サンファミリー「会社案内」「業務内容」[情報ランクA]
3.株式会社サンファミリー「働きやすい環境づくり」[情報ランクA]
4.株式会社サンファミリー「新人ドライバー研修」[情報ランクA]
5.株式会社サンファミリー「お知らせ」2026年掲載分[情報ランクA]
6.株式会社サンファミリー「2025年5月 三郷営業所・本社 合同消防訓練」[情報ランクA]
7.株式会社サンファミリー「2023年のお知らせ」防災セット・消防訓練・バッテリー交換式EV実証等[情報ランクA]
8.株式会社サンファミリー「プライバシーポリシー」「個人情報の取扱い」[情報ランクA]
9.株式会社サンファミリー「SDGs」[情報ランクA]
10.doda「株式会社サンファミリー 求人・中途採用情報」[情報ランクA]
11.doda「株式会社サンファミリー ルート配送ドライバー求人」[情報ランクA]
12.Yahoo!しごとカタログ「株式会社サンファミリーの評判・クチコミ」[情報ランクB]
13.Indeed「株式会社サンファミリーの社員クチコミ・評判」[情報ランクB]
14.転職会議「株式会社サンファミリー」残業・有給等の投稿集計[情報ランクB]
15.厚生労働省「トラック運転者の改善基準告示」「建設業・ドライバー・医師等の時間外労働の上限規制」[情報ランクS]
16.厚生労働省「労働基準関係法令違反に係る公表事案」2023年当時の公表記録[情報ランクS]
17.国土交通省「ネガティブ情報等検索サイト」旧公表記録、および旧公表内容の保存資料[公的原資料部分S・保存資料B]
18.運転者職場環境良好度認証制度 公式資料「制度の基本的な考え方・認証項目」[情報ランクS]
19.当サイト「キリングループロジスティクス株式会社の企業審査」[比較用]
20.当サイト「アスクル株式会社の企業審査」[比較用]
21.当サイト「伊藤忠商事株式会社の企業審査」[比較用]
シビックランクの基準
| ランク | 点数 |
|---|---|
| S | 90~100点 |
| A | 80~89点 |
| B | 70~79点 |
| C | 60~69点 |
| D | 50~59点 |
| E | 40~49点 |
| F | 20~39点 |
| G | 0~19点 |
情報ランクの基準
| 情報ランク | 基準 |
|---|---|
| S | 公的機関、裁判所、規制当局、独立した第三者機関の調査・監査・検証・認証など、内容そのものに独立した裏づけがある情報。裏づけの対象範囲に限って評価します。 |
| A | 企業公式サイト、公式リリース、法定・統合報告、公式求人、実名・出典が明確なインタビューなど、発信主体が明確な一次情報。企業自身の説明であるため、第三者検証とは区別します。 |
| B | 従業員口コミ、SNS、匿名掲示板、二次資料、保存アーカイブなど。現場感や過去記録の補助として使いますが、単独で重大な断定や大幅加点・減点の根拠にはしません。 |