私たちは、企業の商品を購入したり、サービスを利用したりすることで、そこで働く人たちの未来を変えることができます。
働く人に十分な賃金を払い、休暇を確保し、安全な職場をつくり、人の負担を減らす企業の商品やサービスが選ばれれば、そうした企業により多くの売上が集まります。その結果、働く人を大切にする経営を続けやすくなります。
反対に、低賃金や長時間労働、安全上の問題を改善しない企業の商品やサービスが売れ続ければ、そうした働かせ方のままでも事業を続けることができます。
だからこの企業審査では、「私たちがお金を使うなら、どの企業を選ぶことが、そこで働く人にとってより良い社会につながるのか」という視点から企業を評価します。
なぜ企業を審査するのか?――このサイトの目的と、利用するメリット
今回審査する日本パリソン株式会社は、総合70点、シビックランクBです。
日本パリソン株式会社の特に強い点は、2024年度の月平均所定外労働時間7.8時間、育児休業取得率が男女とも100%という働き方の実績に加え、2024年稼働の姫路工場で再生PETを100%使用できる設備と自動搬送を導入していることです。そのため、この企業の商品を購入したりサービスを利用したりすれば、飲料容器の資源循環を進めながら、製造現場の長時間労働や人手作業を減らす企業が残りやすい社会につながる可能性が高まります。
一方で、改善点として三交替製造職では年間休日95日の求人があり、会社単体の労災件数・度数率・強度率、工場別の事故実績、災害時の具体的な代替生産率・復旧時間が公表されていない点が残ります。
この記事では、日本パリソン株式会社の強みと課題をさらに詳しく企業審査していきます。
日本パリソン株式会社の企業審査結果
| 評価軸 | 得点 |
|---|---|
| Safety | 34/50 |
| Innovation | 21/25 |
| Protection | 15/25 |
| 総合点 | 70/100 |
| シビックランク | B |
| 主な強み | 主な課題 |
|---|---|
| 2024年度の月平均残業7.8時間、有休平均11.3日 | 三交替製造職では年間休日95日の求人あり |
| 2024年度の男女育休取得率100% | 2025年度の女性管理職比率0% |
| ISO45001・FSSC22000を東京・岩倉工場で取得 | 会社単体の労災件数・度数率・強度率が非公表 |
| 2024年度の再生PET使用率50% | 姫路工場のFSSC・ISO45001の登録状況が現行一覧で確認できない |
| 姫路工場は全ラインで再生PET100%使用に対応 | 自動化前後の必要人数・残業・事故削減量が非公表 |
| 姫路工場で最少人数運用へ工程を自動化 | 自動化後の配置転換・再教育人数は非公表 |
| 茨城・愛知・兵庫の3工場体制 | 工場間の代替生産率・RTOが非公表 |
| グループ人権方針・内部通報・情報セキュリティ体制あり | 日本パリソン単体の相談件数・サイバー復旧実績が非公表 |
事業内容と人間への貢献
日本パリソン株式会社は、PETボトルの中間製品である「プリフォーム」を専門に製造する会社です。1997年1月6日設立、資本金15億3,000万円で、石塚硝子株式会社のグループ企業です。公式サイトでは本社所在地を茨城県猿島郡境町としており、法人登記上の本店所在地は愛知県岩倉市です。2026年の採用情報では従業員232人、2025年3月期売上高114億3,900万円とされています。[出典1~4]
基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 日本パリソン株式会社 |
| 設立 | 1997年1月6日 |
| 資本金 | 15億3,000万円 |
| 代表者 | 代表取締役社長 稲本 弘希 |
| 公式上の本社所在地 | 茨城県猿島郡境町大字下小橋880番地 |
| 法人登記上の本店所在地 | 愛知県岩倉市川井町1880番地 |
| 従業員数 | 232人(2025年9月時点の採用情報) |
| 売上高 | 114億3,900万円(2025年3月期) |
| 主な事業 | PETボトル成形用プリフォームの製造・販売 |
| 主な工場 | 東京工場、岩倉工場、姫路工場 |
| 親会社 | 石塚硝子株式会社 |
主な事業内容
プリフォームは、PETボトルになる前の試験管のような形状の中間製品です。日本パリソンはプリフォームを製造し、飲料メーカー側の工場でブロー成形して最終的なPETボトルへ加工する「SELF BLOW SYSTEM」を展開しています。完成した空ボトルを長距離輸送するよりプリフォームの方が体積が小さいため、輸送回数・保管スペース・物流負荷を減らしやすくなります。[出典1・5]
東京工場、岩倉工場、姫路工場には高速自動化設備があり、R&Dセンターではボトル形状、軽量化、強度、ガス透過性、PET樹脂などを評価しています。テクニカル・サポートセンターでは顧客工場のブロー機立ち上げ、オーバーホール、メンテナンス、トラブル対応も行っています。[出典5]
主な利用企業・取引先
2026年の採用情報では、主要取引先としてコカ・コーラ ボトラーズジャパン、アサヒ飲料、サントリー、キリンなどが掲載されています。[出典4]
つまり、日本パリソンのプリフォームは清涼飲料メーカーのPETボトルへ加工され、最終的に消費者が日常的に購入する水、お茶、炭酸飲料などの容器になります。
事業による人間への貢献
PETボトルは、飲料を衛生的に密封し、遠隔地へ運び、開封まで品質を保つために使われます。日本パリソンは食品容器メーカーとして、この安全な流通を支える中間製品を供給しています。
さらに、使用済みPETボトルから再生した原料を再びプリフォームへ戻す「ボトルtoボトル」を進めています。2024年度には原料に占めるリサイクルPET樹脂の使用率が37%から50%へ上昇し、使用量は2015年度比25.8倍となりました。[出典6]
例えば、同じ量のPETボトルを使い続ける場合でも、石油由来原料だけを使うより、回収済みボトルを再び原料として使う割合が高まれば、新規石油資源への依存と廃棄物を減らしやすくなります。
Safety|34/50
Safetyでは、工場・技術・管理部門で働く人の賃金、休息、雇用、福利厚生、人権、安全と、食品容器としてのプリフォームの安全性を評価します。
平均残業、有休、育休の公開は比較的良好で、ISO45001・FSSC22000も取得しています。一方、三交替製造職の休日数、女性管理職0%、会社単体の労災KPI非公表が満点を妨げています。
賃金・利益の還元|6/10
2027年新卒採用では、大学卒23万円、大学院卒24万円で、固定残業制度はありません。昇給は年1回、賞与は年2回です。[出典7]
2026年の製造職求人では、基本給19万5,000円~25万円に交替勤務手当1万5,000円を加えた月給21万~26万5,000円、賞与は前年度実績4カ月分です。経理職では月給23万~31万円、想定年収368万~500万円が示されています。[出典8・9]
固定残業代に頼らず、賞与4カ月実績と各種手当を確認できるため6/10点です。
一方、全社員の平均給与、給与中央値、既存社員のベースアップ率は公表されていません。全社員の賃上げ率と平均・中央値を毎年公開し、物価上昇を上回る実質賃金改善を確認できれば8/10点以上を検討できます。
労働時間・休息|6/10
2024年度の月平均所定外労働時間は7.8時間、平均有給休暇取得日数は11.3日です。2023年度も残業7.5時間、有休10.2日であり、2年連続で低い残業水準を確認できます。[出典10・11]
新卒総合職の年間休日は124日、事務系求人では122日です。[出典7・9]
一方、製造の三交替勤務では年間休日95日という2026年求人があります。夜勤、中番、早番を4日ずつ繰り返す勤務で、年間総労働時間は1,882時間と説明されています。休日数は少ないものの、1日の実働時間を短く組み合わせる勤務設計です。[出典8・12]
全社平均残業が低い点は強みですが、製造現場の休日日数に課題があるため6/10点です。
三交替職でも年間休日110日以上を確保し、全社有給取得率80%以上を公開できれば8/10点を検討できます。
雇用の安定・待遇の公平性|3/5
2022~2024年度の新卒採用では確認できる範囲で離職者0人、男女別採用は各年度で男性・女性が同数です。2026年も新卒・中途採用を継続しています。[出典10・13]
2024年度の育児休業対象者は男性1人、女性1人で、両者とも取得しており取得率100%です。[出典10]
一方、2025年度の「役員及び管理的地位にある者に占める女性の割合」は4人中0人、0%です。[出典10]
採用機会と定着は良好ですが、意思決定層の男女構成に偏りがあるため3/5点です。女性管理職比率を10%以上へ高め、男女賃金差も公開できれば4/5点以上を検討できます。
福利厚生・育児・介護|5/5
社会保険、育児・介護休業、確定拠出年金、退職金、単身寮、再雇用、LTD傷病休業補償、資格取得支援、住宅手当、家族手当、社員食堂・食事補助などを整備しています。[出典9・14]
会社が認定した資格・研修費用は全額会社負担で、2024年度は男女とも育休取得率100%です。[出典10・14]
制度の幅と実際の育休取得実績を確認できるため5/5点です。
人権・ハラスメント・労使関係|4/5
石塚硝子グループは2024年にグループ人権方針を公表し、日本パリソンもグループ会社として対象です。内部通報制度では匿名通報が可能で、通報者への不利益な処遇を禁止しています。[出典15・16]
日本パリソン自身も全社員向けコンプライアンス研修、各種ハラスメント研修を採用情報で明示しています。[出典14]
人権方針、通報制度、研修の三つを確認できるため4/5点です。
一方、日本パリソン単体の相談件数、ハラスメント認定件数、是正件数は公表されていません。会社単体の運用結果まで公開できれば5/5点を検討できます。
労働安全・健康|6/10
東京工場と岩倉工場はISO45001を取得しており、採用ページでも労働安全衛生マネジメントシステムの教育を行っています。[出典14・17]
ISO45001は、危険源の特定、リスク低減、継続改善を第三者認証の枠組みで運用するため、製造現場の安全管理体制として具体性があります。
一方、日本パリソン単体の死亡災害、休業災害、労災件数、度数率、強度率、設備事故件数は公表されていません。新設の姫路工場も、現行の石塚硝子グループ認証一覧ではISO45001の対象として表示されていません。
安全管理の仕組みは強いものの、結果指標を外部から比較できないため6/10点です。死亡0、休業災害件数、度数率を毎年公開し低水準を継続できれば8/10点を検討できます。
商品・サービスの安全|4/5
東京・岩倉工場ではFSSC22000、ISO9001を取得しています。石塚硝子グループでは日本パリソンを含む全社品質委員会を四半期ごとに開き、品質クレームの傾向、原因、是正策を共有しています。[出典17・18]
R&Dセンターではボトル強度、ガス透過性、PET樹脂を分析し、テクニカル・サポートセンターでは顧客工場の成形条件まで支援しています。[出典5]
食品容器の品質管理と第三者認証を評価して4/5点です。
一方、2024年稼働の姫路工場については、現行のグループ認証一覧でFSSC22000・ISO45001の登録を確認できません。姫路工場を含む全製造拠点で同等の食品安全認証を確認できれば5/5点を検討できます。
従業員・元従業員の口コミ
転職会議の投稿者集計では、残業16.3時間/月、有給消化率67.5%です。公式の2024年度平均残業7.8時間とは差がありますが、口コミは回答者10件の集計であり全社員統計ではありません。[出典19]
2022年頃の20代後半男性・正社員・セールスエンジニアの投稿では、「交代勤務の場合、残業はほとんどない為、会社のスケジュール通りの休みが取れる。」とされています。一方、同じ投稿では「工務課については休日出勤、呼び出し出勤が多く」と記載されています。[出典19]
拠点・職種によって時間外負担に差がある可能性があるため、全社平均だけでなく職種別・工場別の残業と休日出勤を公開すると実態を判断しやすくなります。
SNS・匿名掲示板の確認結果
X、5ちゃんねる、爆サイを社名と「残業」「退職」「事故」「夜勤」「人員削減」などの語で個別に検索しました。
今回、対象会社の現社員・元社員であること、勤務時期、職種まで確認でき、採点を変更できる具体的な投稿本文は使用していません。
Innovation|21/25
Innovationでは、プリフォーム製造や輸送で人が行っていた反復作業・重量物搬送・長時間作業をどこまで機械へ移し、その成果を人と利用者へ返しているかを評価します。
高速自動化設備、姫路工場の最少人数運用、再生PETのFtoP、SELF BLOW SYSTEMなど、技術導入の具体性は高いです。一方、自動化前後の人員・事故・残業を定量比較する情報は不足しています。
作業負担・危険の削減|8/10
各工場では高速自動化された設備でプリフォームを製造しています。2024年稼働の姫路工場では、プリフォーム製造から製品出荷までを最少人数で運用するため工程の自動化を進めています。完成したプリフォームのコンテナは自動搬送ロボットで移動します。[出典5・6]
人が大量のプリフォーム入りコンテナを繰り返し搬送する作業をロボットへ移せるため、重量物搬送と単純反復作業を減らす効果があります。
一方、自動化前後で必要人数、搬送回数、作業時間、腰痛・労災が何%減ったかは公表されていません。そのため8/10点です。
これらを同一ラインで定量比較できれば10/10点を検討できます。
商品・サービスの改善|5/5
2024年4月に稼働した姫路工場では、すべての製造ラインでリサイクルPET樹脂を100%使用できる設備を導入しています。[出典6]
さらに、隣接する遠東石塚グリーンペットから再生PETフレークを受け取り、中間のレジン化工程を省いて直接プリフォームを作るFtoPシステムを進めています。中間工程と輸送を減らせるため、エネルギーとCO₂を抑えやすくなります。[出典20]
2024年度の再生PET使用率は50%まで上昇しており、実際の原料構成にも技術改善が反映されています。[出典6]
商品と製造方法の改善が具体的に実装されているため5/5点です。
改善成果の人間への還元|3/5
2024年度の平均残業は7.8時間で、平均有休取得日数は11.3日です。姫路工場の自動化後も、従業員数は2025年2月の公式227人から同年9月の採用情報232人へ増えており、2026年も製造・設備保全・品質保証などの採用を続けています。[出典1・4・10・21]
自動化を理由とする大規模希望退職や一斉解雇は公表されていません。
一方、姫路工場の自動化によって具体的に何人分の作業を減らし、その時間を休息、教育、賃金へどう返したかは公表されていません。
人員維持と低残業を評価して3/5点です。導入前後の配置人数、残業、事故、教育時間を公開し、人への還元との因果を示せれば4~5点を検討できます。
研究開発・現場改善の継続|5/5
1998年にPET R&Dセンターを設置し、現在も新容器設計、軽量化、強度解析、PET樹脂評価、ブロー成形技術支援を継続しています。[出典1・5]
2024年には姫路工場を新設し、再生PET100%対応設備、FtoP、自動搬送、PPA太陽光発電など新しい生産技術をまとめて導入しました。[出典6・20・22]
長期のR&Dと現場設備更新が継続しているため5/5点です。
自動化・AI導入後の雇用状況
2024年稼働の姫路工場では「最少人数」で製造から出荷まで運用するため自動化が進められています。[出典20]
その後も会社は2026年に製造、設備保全、品質保証、経理など複数職種で正社員を募集しています。求人には「設備投資を強化しラインを増設」「売上も好調」とする説明があります。[出典21]
従業員数も2025年2月の227人から2025年9月採用情報の232人へ増えており、少なくとも公開情報上、自動化後に会社全体の人員が急減した状況は見られません。[出典1・4]
一方、姫路工場の自動化前後の現場人数、契約更新、配置転換、再訓練人数は公表されていません。自動化後の雇用維持をより強く評価するには、拠点別の人員推移まで公開する必要があります。
Protection|15/25
Protectionでは、地震・火災・設備故障・原料不足・サイバー攻撃などが起きた場合でも、飲料容器の供給を続けられるかを評価します。
茨城・愛知・兵庫の3工場へ分散し、親会社グループにはリスク管理・情報セキュリティの共通体制があります。一方、日本パリソン単体のBCP訓練結果、工場間代替率、RTOは公表されていません。
災害への備え・訓練|3/5
石塚硝子グループでは社長を委員長とするリスク管理委員会を3カ月に1回開催し、連結子会社社長も参加してグループ内のリスクを共有しています。緊急事案には随時開催する仕組みです。[出典15]
日本パリソンは主要グループ会社としてこの統制・リスク管理の対象です。
例えば地震や火災で一工場の設備が停止した場合、親会社と子会社の経営層が同じリスク管理体制で状況を共有できれば、生産振替や顧客対応の意思決定を早めやすくなります。
一方、日本パリソン単体の実地BCP訓練頻度、避難時間、非常用電源、訓練後の改善内容は公表されていないため3/5点です。
生産・物流・調達の代替|4/5
日本パリソンは茨城県の東京工場、愛知県の岩倉工場、兵庫県の姫路工場という3地域に生産拠点を持っています。[出典1]
同じプリフォーム事業を複数地域で運営しているため、一地域の災害や設備トラブルに対して単一工場だけの会社より代替余地があります。
さらに姫路工場は遠東石塚グリーンペットのリサイクルPET工場と隣接し、再生原料を短距離で調達できます。[出典20]
一方、各品種を他工場で何%代替できるか、金型・原料の切替に何日かかるかは公表されていません。そのため4/5点です。
サイバー防衛・情報保護|3/5
石塚硝子グループは情報セキュリティ規定を策定し、物理的・技術的・人的な安全管理措置をグループ全体で実施しています。テレワークでは監視ソフトを導入し情報漏えい対策を強化しています。[出典15]
日本パリソン自身も個人情報の不正アクセス、漏えい、滅失を予防する社内規定と安全対策を公表しています。[出典23]
一方、MFA、EDR、工場制御ネットワーク分離、オフラインバックアップ、サイバー訓練、復旧時間などの具体的な公開情報はありません。
基本体制を評価して3/5点です。
供給継続・復旧能力|4/5
3工場の地域分散に加え、姫路工場は2024年に新設された最新設備であり、東京・岩倉とは異なる新たな生産能力を追加しています。[出典1・6]
PETボトル用プリフォームは飲料メーカーの充填前工程で不可欠です。例えば一工場が止まってプリフォーム供給が途絶えると、飲料メーカーは中身を生産できてもボトルへ充填できません。複数工場を持つことは飲料供給網全体の停止リスクを下げます。
一方、工場停止後の目標復旧時間、主要顧客ごとのバックアップ工場、在庫日数、代替輸送の実績は公表されていません。そのため4/5点です。
危機時の市民への対応|1/5
日本パリソンの製品は、災害時にも必要となる飲料水・清涼飲料の容器供給を支える基盤です。
一方、日本パリソン自身が自治体と災害時物資供給協定を締結した実績や、被災地へ容器・飲料を直接供給した実績の公開情報はありません。
平時の供給インフラとしての重要性はありますが、市民へ直接作動する危機対応制度が確認できないため1/5点です。
良いニュース・最近の前向きな動き
最近の前向きな動きでは、姫路工場を中心に資源循環、自動化、再生可能エネルギーを同時に進めています。日本パリソンのプリフォーム需要が増えることで、再生PETの利用量を増やしながら、人が担っていた搬送や反復工程を自動設備へ移す投資を支えることにつながります。
2024年度 再生PET使用率が50%へ上昇(Innovation)
日本パリソンの原料に占めるリサイクルPET樹脂使用率は、2023年度37%から2024年度50%へ上昇しました。使用量は2015年度比25.8倍です。[出典6]
原料の半分まで再生材へ切り替わったことで、同じ数量のプリフォームを生産する場合でも新規石油由来PETの使用割合を半分程度まで下げられる構成になっています。
2024年4月 姫路工場が稼働(Innovation・Protection)
姫路工場は2024年4月に稼働し、すべての製造ラインでリサイクルPET樹脂100%のプリフォームを製造できる設備を導入しました。製造から出荷までの自動化も進めています。[出典6・20]
東京・岩倉に加えて西日本にも生産拠点が増えたことで、一地域の災害や設備停止に対する供給余力も高まりました。
2024年 姫路工場でPPA太陽光発電を導入(Innovation)
姫路工場ではPPA方式の太陽光発電を導入し、年間1,175MWhを発電する計画です。工場消費電力の約5%に相当し、年間539t-CO₂の削減を見込んでいます。[出典22]
プリフォーム製造に必要な電力の一部を自家消費型再生可能エネルギーへ置き換えることで、容器1本あたりの電力由来CO₂を下げる方向に働きます。
悪いニュース・問題となった動き
今回の調査では、2024~2026年に日本パリソンを原因とする大規模リコール、死亡事故、重大な行政処分、重大サイバー被害の公開事例は確認していません。
一方、Safetyでは三交替製造職の年間休日と労災結果の非公表、雇用の公平性では女性管理職0%が課題です。改善されなければ、技術や環境性能が高くても製造現場で働く人の休息・安全・キャリアの偏りが残ります。
2026年 三交替製造職で年間休日95日(Safety)
2026年の製造職求人では、三交替勤務の年間休日が95日です。年間総労働時間は1,882時間で、一勤務あたりを短くする勤務設計ではありますが、暦上の休日数は日勤職より大きく少なくなっています。[出典8・12]
日勤の事務職は122日、新卒総合職は124日であり、職種間の休息設計に大きな差があります。
2025年度 女性管理職比率0%(Safety)
2025年度の管理的地位にある4人のうち女性は0人です。[出典10]
新卒採用は男女同数、育休取得率も男女100%である一方、管理職への登用段階では女性がいません。採用・育児制度だけでなく、昇格機会まで公平にすることが次の課題です。
2026年現在 労災KPIが非公表(Safety)
東京・岩倉工場はISO45001を取得していますが、日本パリソン単体の死亡災害、休業災害、度数率、強度率は公表されていません。
公開情報がない点は課題です。採点上も減点対象です。
総合評価と、これから改善してほしいこと
現在70点・シビックランクBです。次のAランクは80点からなので、あと10点必要です。
日本パリソンは、低い平均残業、男女育休100%、食品安全・労働安全の認証、再生PET50%、姫路工場の自動化という強みがあります。一方、Aへ上がるには、製造職の休息改善、労災結果の公開、自動化成果の人への還元、BCPの定量化を複数同時に進める必要があります。
三交替製造職の休息を改善する(Safety)
現在の「労働時間・休息」は6/10点です。
平均残業7.8時間は良好ですが、三交替製造職の年間休日95日は日勤職の122~124日より大幅に少ない状態です。
年間総労働時間を増やさず、シフト編成や人員配置を見直して三交替職の年間休日を110日以上へ増やし、全社有給取得率80%以上を継続できれば6→8/10点を検討できます。
現在6/10点
改善後8/10点
加点+2点
総合70→72点
ランクBのままです。
参考企業は東洋製罐株式会社です。Google Drive上の現行審査では、豊橋工場の交替勤務求人で年間休日128日、有休平均14.8日を確認しています。労働時間・休息は6/10点ですが、日本パリソンが交替勤務休日を増やす際の具体的な比較対象になります。
労災件数・度数率を会社単体で公開する(Safety)
現在の「労働安全・健康」は6/10点です。
ISO45001という管理体制はありますが、事故結果を判断できません。
死亡0、休業災害件数、度数率、強度率、設備事故件数を日本パリソン単体で毎年公開し、重大事故0と低い度数率を継続できれば6→8/10点を検討できます。
現在6/10点
改善後8/10点
加点+2点
総合70→72点
ランクBのままです。
参考企業は東洋製罐株式会社です。現行審査では死亡0、度数率0.16、強度率0まで単体で公開しており、「労働安全・健康」8/10点です。
自動化の成果を働く人へ定量還元する(Innovation)
現在の「改善成果の人間への還元」は3/5点です。
姫路工場では最少人数運用を目指して自動搬送・自動化を進めていますが、人の作業時間が何時間減ったか、危険作業が何回減ったか、浮いた時間を教育・休息へ何時間使ったかは公表されていません。
導入前後で配置人数、搬送作業時間、残業、事故、教育時間を公開し、残業・危険作業削減と雇用維持を確認できれば3→5/5点を検討できます。
現在3/5点
改善後5/5点
加点+2点
総合70→72点
ランクBのままです。
参考企業はキリンビバレッジ株式会社です。当サイトの現行比較では、最大約25kgの原料を扱う重筋作業をロボットへ移し、年間約2,300時間の業務負荷削減を公表しています。日本パリソンも「自動化した」だけでなく「人の作業が何時間減ったか」を示す必要があります。
工場間BCPを定量化する(Protection)
現在の「災害への備え・訓練」は3/5点、「供給継続・復旧能力」は4/5点です。
3工場を持つ強みを生かし、東京工場停止時に岩倉・姫路でどの品種を何%代替できるか、切替まで何時間・何日かかるか、非常用電源でどれだけ生産できるかを実地訓練して公開してください。
「災害への備え・訓練」を3→5点、「供給継続・復旧能力」を4→5点まで改善できれば合計+3点です。
現在合計7/10点
改善後10/10点
加点+3点
総合70→73点
ランクBのままです。
参考企業は東洋製罐株式会社です。13工場を分散配置し、2025年度には工場火災を想定したBCP訓練を実施しており、現行審査では「災害への備え・訓練」5/5点です。
次のランクへ上がるための具体例
Aランクへ上がるには、現在70点から10点必要です。
具体的には、三交替職の年間休日を110日以上へ増やして「労働時間・休息」6→8点で+2点、労災KPIを公開し低水準を維持して「労働安全・健康」6→8点で+2点、自動化による作業削減を定量公開して「改善成果の人間への還元」3→5点で+2点、BCP訓練と工場間代替率を公開してProtectionで+3点、女性管理職を4人中少なくとも1人以上へ増やし男女賃金差を公開して「雇用の安定・待遇の公平性」3→4点で+1点とします。
70+2+2+2+3+1=80点となり、シビックランクAです。
つまり、日本パリソンが次のランクへ上がるには、姫路工場の最新設備をさらに増やすことより、すでにある自動化・3工場体制・安全管理を「休日日数が増えた」「事故が少ない」「女性が管理職へ登用された」「工場停止後も何時間で供給を再開できる」という人と有事の結果へ結びつけて公開することが重要です。
出典一覧
1.日本パリソン株式会社「会社情報」【情報ランクA】
2.Gビズインフォ「日本パリソン株式会社」【情報ランクS】
3.日本パリソン株式会社「メッセージ」【情報ランクA】
4.マイナビ2027/2028「日本パリソン株式会社 会社概要」【情報ランクB】
5.日本パリソン株式会社「技術・開発」【情報ランクA】
6.石塚硝子株式会社「サステナビリティレポート2025/日本パリソンのリサイクルPET使用実績」【情報ランクA】
7.マイナビ2027「日本パリソン株式会社 採用後の待遇」【情報ランクB】
8.厚生労働省ハローワーク「日本パリソン株式会社 プリフォーム製造スタッフ」2026年【情報ランクS】
9.doda「日本パリソン株式会社 経理担当・製造担当求人」2026年【情報ランクB】
10.マイナビ2027「日本パリソン株式会社 働き方データ」【情報ランクB】
11.リクナビ「日本パリソン株式会社 就労実態等の職場情報」【情報ランクB】
12.パソナキャリア「日本パリソン株式会社 製造職求人」2026年【情報ランクB】
13.リクナビ「日本パリソン株式会社 新卒採用・離職者数」【情報ランクB】
14.日本パリソン株式会社「教育・研修・福利厚生」【情報ランクA】
15.石塚硝子株式会社「ガバナンス/人権・リスクマネジメント・情報セキュリティ」【情報ランクA】
16.石塚硝子株式会社「サステナビリティレポート2025/内部通報制度」【情報ランクA】
17.石塚硝子株式会社「ISOマネジメント 認証登録一覧」【情報ランクS】
18.石塚硝子株式会社「お客様との関わり/品質管理体制」【情報ランクA】
19.転職会議「日本パリソン株式会社の社員口コミ」【情報ランクB】
20.石塚硝子株式会社「サステナビリティレポート2025/姫路工場 FtoP・自動化」【情報ランクA】
21.doda・マイナビ転職等「日本パリソン株式会社 2026年中途採用」【情報ランクB】
22.石塚硝子株式会社「日本パリソン姫路工場への太陽光発電導入」【情報ランクA】
23.日本パリソン株式会社「個人情報の安全管理措置」【情報ランクA】
シビックランクの基準
| シビックランク | 点数 |
|---|---|
| S | 90~100点 |
| A | 80~89点 |
| B | 70~79点 |
| C | 60~69点 |
| D | 50~59点 |
| E | 40~49点 |
| F | 20~39点 |
| G | 0~19点 |
日本パリソン株式会社は70点のため、今回のシビックランクはBです。
情報ランクの基準
| 情報ランク | 基準 |
|---|---|
| S | 公的機関、裁判所、規制当局、独立した第三者機関の調査・監査・検証・認証など、内容そのものに独立した裏づけがある情報 |
| A | 企業公式資料、採用情報、公式声明・SNS、氏名・役職・立場を確認できる記名取材や公表発言など、発信主体を確認できる公表情報 |
| B | 従業員・元従業員の口コミ、一般SNS、匿名掲示板など、発信者の身元や対象企業との関係を独立に確認しにくい情報 |
Sは第三者による裏づけがある情報として最も強く扱います。AとBは情報の性質が異なり、働き方の実態確認ではBが有用な場合もあります。口コミは時期・職種・拠点・件数を確認し、公式・公的情報と照合して使用します。
Drive正本も同じ70点版に同期済みです。