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株式会社北海道伊藤園を企業審査|シビックランクE・41点/100点|北海道あずき茶と災害協定を評価、最新法定開示の女性管理職0%と労災・効率化成果の非公表が課題

私たちは、企業の商品を購入したり、サービスを利用したりすることで、そこで働く人たちの未来を変えることができます。

働く人に十分な賃金を払い、休暇を確保し、安全な職場をつくり、人の負担を減らす企業の商品やサービスが選ばれれば、そうした企業により多くの売上が集まります。その結果、働く人を大切にする経営を続けやすくなります。

反対に、低賃金や長時間労働、安全上の問題を改善しない企業の商品やサービスが売れ続ければ、そうした働かせ方のままでも事業を続けることができます。

だからこの企業審査では、「私たちがお金を使うなら、どの企業を選ぶことが、そこで働く人にとってより良い社会につながるのか」という視点から企業を評価します。

なぜ企業を審査するのか?――このサイトの目的と、利用するメリット

今回審査する株式会社北海道伊藤園は、総合41点、シビックランクEです。

株式会社北海道伊藤園の特に強い点は、北海道各地に営業拠点を持ち、北海道産小豆100%の「北海道あずき茶」を社員横断プロジェクトで開発するとともに、音更町や札幌市などとの災害時物資供給の仕組みに参加していることです。そのため、この企業の商品を購入したりサービスを利用したりすれば、北海道の農産物を地域商品へつなげ、平時は道内各地へ飲料を届け、災害時には通常の在庫を住民へ回せる地域密着型の供給体制につながる可能性が高まります。

一方で、改善点として、最新の法定開示では2026年4月期の女性管理職比率が0.0%、正規雇用の男女賃金比が85.8%であり、さらに2026年5月の土倉吸収合併後については、全社平均残業、有給取得率、死亡・休業労災、労災度数率、物流・組織効率化による削減時間と賃金・休日への還元実績が公表されていないことが残ります。

この記事では、株式会社北海道伊藤園の強みと課題をさらに詳しく企業審査していきます。

株式会社北海道伊藤園の企業審査結果

北海道伊藤園は、2024年5月に伊藤園の北海道販売事業を承継して設立され、2026年5月に茶葉製品の製造・販売を担っていた株式会社土倉を吸収合併しました。現在は北海道での飲料・茶葉・食品の販売に加え、茶葉商品の製造・販売も担う地域事業会社です。

会社公式では2026年5月1日時点の従業員数は175人です。2026年4月期の法定開示は合併直前の旧体制を対象としているため、女性管理職比率や男女賃金差を現在の175人へそのまま広げず、「最新公表値だが合併前」という対象範囲を明記して評価します。

評価軸得点
Safety20/50点
Innovation9/25点
Protection12/25点
総合点41/100点
シビックランクE

主な強み

・2026年5月の土倉吸収合併で、北海道での販売に茶葉製造・販売機能を統合
・会社公式で従業員175人、伊藤園100%子会社
・北海道内に札幌圏、苫小牧、函館、旭川、帯広、北見、釧路などの拠点を配置
・北海道産小豆100%の「北海道あずき茶」を社員横断プロジェクトで開発
・「北海道とうきび茶」は北海道産原料と北海道の水を100%使用
・新卒採用では所定7時間30分、年間休日121日
・社宅、確定拠出年金、健康診断・人間ドック、育児・介護休業などを会社単体の採用情報で明示
・音更町との協定で災害救援型自販機の在庫を無償提供できる仕組みを保有
・札幌市の災害時物資供給協定先として生活物資の安定供給に参加
・会社単体で個人データのアクセス制御、不正アクセス・不正ソフトウェア対策、定期研修を明示
・北海道伊藤園の9事業所でISO14001取得率100%
・「お茶で北海道を美しく。」の売上の一部から北海道遺産保全へ80万円を寄付

主な課題

・最新法定開示の女性管理職比率0.0%
・同じく男女賃金比は全従業員54.0%、正規雇用85.8%、臨時従業員84.8%
・上記人的資本数値は2026年4月期で、土倉吸収合併後175人の最新構成はまだ公表されていない
・新卒給与に15~17時間分、現在の経理求人に18時間分の固定残業手当を含む
・全社平均残業、有給取得率、長時間労働者数が公表されていない
・対象法人単体の死亡労災、休業労災、労災度数率、営業車事故などの結果KPIが公表されていない
・物流・組織改編を進めたと会社が説明している一方、削減時間・残業減・賃金還元などの定量成果が公表されていない
・北海道内に複数拠点はあるが、拠点間の代替物流、豪雪・道路寸断時の切替時間、復旧時間が公表されていない
・サイバー対策の具体策は確認できるが、MFA適用率、EDR・SOC、RTO・RPO、復旧訓練結果は公表されていない

事業内容と人間への貢献

北海道伊藤園は、北海道で伊藤園ブランドの飲料・茶葉・食品を販売し、現在は旧土倉の茶葉製造・販売機能も引き継ぐ会社です。

広い北海道では、札幌で商品を用意するだけで全道へ同じ速度で届けることはできません。各地域に営業拠点を置き、地域の小売店や法人へ商品を提案し、需要に合わせて供給を調整する仕事そのものが、日常の飲料アクセスを支えます。

基本情報

項目内容
会社名株式会社北海道伊藤園
英文名HOKKAIDO ITO EN, LTD.
法人番号1430001091738
設立2024年5月1日
本社北海道札幌市白石区菊水3条5丁目5番18号
代表者代表取締役社長 森川博行
資本金8,000万円
株主株式会社伊藤園100%
従業員数175人、2026年5月1日時点
主な事業北海道での茶葉・飲料・食品等の販売、茶葉商品の製造・販売
2026年5月の大きな変更株式会社土倉を吸収合併

主な事業内容

2024年の設立時には、伊藤園が北海道で行っていた茶葉・飲料・食品の販売事業を新設分割によって承継しました。2026年5月には、茶葉商品の製造・販売を行ってきた土倉を吸収合併し、販売と茶葉事業を同じ法人へまとめました。

会社公式の営業拠点ページでは、札幌南部、札幌東部、札幌西部、苫小牧、函館、旭川、帯広の各支店と、北見・釧路の出張所を確認できます。統合発表では10営業支店に加えて店舗営業課・営業推進課を置く計画が示されています。

主な利用者・取引先

現在の北海道伊藤園は、現在の主要取引先一覧を会社公式サイトで公表していません。

吸収合併前の土倉は、ホクレン、アークスグループ、コープさっぽろ、国分グループ、加藤産業、ツルハドラッグなどを主要販売先として掲載していました。

ただし、旧土倉の取引が合併後も同じ契約条件ですべて継続しているとは公表されていません。現在の北海道伊藤園の取引先として無条件に置き換えず、統合前の茶葉事業が持っていた流通接点の例として扱います。

事業による人間への貢献

第一の価値は、広い北海道へ継続して飲料と茶葉を届けることです。

例えば冬の大雪で道路状況が悪化したとき、札幌だけに営業機能が集中していれば、道東や道南の店舗への対応は遅れやすくなります。函館、旭川、帯広、北見、釧路などにも拠点があることで、地域の販売先と近い場所で需要や欠品を把握しやすくなります。

第二の価値は、北海道産原料を商品へつなげることです。

「北海道とうきび茶」は、北海道産のとうもろこし、玄米、黒豆、小豆、水を100%使い、北海道の工場で製造しています。500mlPETはカフェイン・カロリーゼロで、大豆を含むことも明示しています。

2026年3月発売の「北海道あずき茶」は北海道産小豆100%を使用し、北海道伊藤園の社員を中心に、マーケティング、デザイン、販売促進、各支店のメンバーが参加するプロジェクトで開発されました。社員は小豆畑や道内の焙煎工場へ足を運び、原料や焙煎強度を確認し、官能評価を重ねています。

利用者にとっては、北海道の原料を使った無糖・カフェインゼロの飲料を選べることにつながります。農産物側から見れば、小豆やとうもろこしを「北海道限定商品」として販売する需要の出口を増やす役割があります。

第三の価値は、平時の在庫を災害時の生活物資へ切り替えられることです。

音更町との協定では、道の駅おとふけや保健センターに設置する災害救援型自販機の庫内商品を無償提供でき、北海道伊藤園の営業拠点が保有する飲料水を町へ供給できる仕組みが確認できます。

例えば地震や豪雪で店舗営業が止まり、住民が水やお茶を買えない場合、自販機や営業拠点にある通常在庫を自治体の判断で生活物資へ切り替えられます。新たに救援物資が本州から届くまで待つより、地域にすでにある在庫を先に使える可能性があります。

Safety|20/50点

Safetyでは、北海道伊藤園で働く人の賃金・休息・公平性・育児・人権・安全と、現在は茶葉製造も担う会社としての商品安全を評価します。

会社単体の採用条件は比較的具体的で、休日・福利厚生も確認できます。一方、合併後法人の全社残業、有給、労災、健康結果は公表されておらず、最新法定開示では女性管理職0.0%と男女賃金差も確認されています。

賃金・利益の還元|4/10点

2025年5月実績の新卒採用では、大学院卒23万9,000円、大学卒23万円、短大・専門卒21万8,000円です。大学院卒には17時間分2万5,000円、大学卒・短大等には15時間分2万1,000円の固定残業手当が含まれ、超過分は追加支給されます。賞与は年2回、昇給制度もあります。

2026年9月掲載の経理職求人では、予定年収420万~510万円、所定労働7時間30分、18時間分の固定残業手当が示されています。

官報決算を収録するデータベースでは、合併直前の2026年4月期純利益は1億9,967万6,000円で、前期9,987万5,000円から約2倍になっています。

利益が伸びている一方、既存社員のベースアップ額・率、平均年間給与、中央値、賞与平均月数、利益増加分のうち従業員へ還元した割合は公表されていません。

4/10点とした理由は、求人時の給与・手当は具体的で、賞与・昇給制度も確認できる一方、会社全体の実際の賃金改善を継続比較できないためです。

全社員の基本給・平均年収・中央値、ベースアップ額と率を毎年公表し、物価上昇を上回る実質賃金改善が確認できれば6~8/10点を検討できます。

労働時間・休息|6/10点

採用情報では勤務時間は8時30分~17時、休憩60分で、所定労働時間は7時間30分です。年間休日は2025年度121日で、週休2日、祝日、年末年始、年次有給、特別休暇、メモリアル休暇、産前産後、育児、介護休暇が示されています。

2026年9月の経理職求人では残業平均月20時間前後とされています。

月20時間なら、20勤務日で単純換算すると1日約1時間です。年間休日121日は休日数として一定の水準を確保しています。

一方、この20時間は経理職の求人値であり、営業職、物流関連業務、合併で加わった茶葉製造部門を含む全社平均ではありません。全社平均残業、有給取得率、45時間超・60時間超の人数、休日出勤、製造部門の夜勤・交替勤務実績は公表されていません。

そのため6/10点です。

合併後の全社平均残業を月15時間以下、有給取得率80%以上で継続し、営業・製造・管理部門別の実績も公開できれば8/10点を検討できます。

雇用の安定・待遇の公平性|2/5点

2026年4月期の法定開示では、北海道伊藤園の女性管理職比率は0.0%です。男女賃金比は全従業員54.0%、正規雇用85.8%、臨時従業員84.8%でした。男性育児休業取得率は「-」で、公表義務の対象ではないため記載省略とされています。

前年の正規雇用男女賃金比80.5%から85.8%へ改善した点は前向きです。一方、管理職に女性が一人もいない状態は、意思決定層への登用結果として明確な課題です。

この数値は2026年4月30日までの合併前体制です。2026年5月に土倉を吸収した後の175人について、女性管理職比率、男女賃金差、正規・非正規構成、離職率はまだ公表されていません。現在の統合後会社が同じ0.0%だとは断定しません。

そのため2/5点です。

合併後の女性管理職比率を10%以上、正規雇用の男女賃金比を90%以上へ改善し、職種・等級・勤続年数による差の内訳まで公開できれば4/5点を検討できます。

福利厚生・育児・介護|3/5点

北海道伊藤園自身の採用情報で、北海道内の社宅、社会保険、従業員持株会、グループ保険、財形貯蓄、確定拠出年金、健康診断・人間ドック、育児休業、介護休業、保養所・法人会員施設利用補助、レクリエーション補助などを確認できます。

例えば育児や介護で家計負担が増える時期に社宅・保険・休業制度を利用できれば、退職だけに頼らず働き続ける選択肢を持ちやすくなります。

一方、合併後法人の男女別育休取得率、平均取得日数、復職率、介護休業利用者数、健康診断受診率は公表されていません。

制度を対象会社自身が明示しているため3/5点です。男女別の利用率と復職・定着実績まで公開し、高い利用を確認できれば4~5/5点を検討できます。

人権・ハラスメント・労使関係|2/5点

伊藤園グループ人権方針は、パート、契約、派遣を含むグループで働く全従業員を対象とし、差別・ハラスメントの禁止、公正な労働条件、結社の自由・団体交渉権、苦情処理と救済を明記しています。北海道伊藤園も適用対象です。

北海道伊藤園の採用ページでも「採用活動におけるハラスメント防止」を掲げています。

一方、北海道伊藤園単体の労働組合加入率、労使協議回数、ハラスメント相談件数、認定件数、内部通報件数、是正・救済実績は公表されていません。

方針の適用は確認できますが、対象会社で制度がどの程度利用され、問題が改善されたかを判断できないため2/5点です。

単体の相談・通報・是正件数と労使対話実績を毎年公開し、重大な人権問題の再発が低いことを確認できれば3~4/5点を検討できます。

労働安全・健康|0/10点

北海道伊藤園は営業拠点を持ち、現在は茶葉製造機能も抱えています。営業車の運転、商品の運搬、倉庫作業、製造設備など、交通事故・転倒・重量物・機械災害を考える必要がある会社です。

しかし、2026年5月の統合後法人について、死亡労災、休業労災、労災件数、度数率、強度率、営業車事故、製造設備事故、重大ヒヤリハット、健康診断受診率、ストレスチェック受検率の会社単体実績は公表されていません。

伊藤園グループ全体では安全・健康データが公表されていますが、親会社・他子会社を含む結果を北海道伊藤園単体の実績へ置き換えません。

公開情報がない点は課題です。採点上も減点対象です。

0/10点は「重大事故が多い」と確認した評価ではありません。十分な調査後も、現在の法人について安全結果を判断するための重要KPIが公表されていないためです。

北海道伊藤園単体で死亡・重篤災害0、休業災害件数、度数率、営業車事故、製造部門事故を年度別に公開し、事故率が低下していることを確認できれば4~6/10点を検討できます。

商品・サービスの安全|3/5点

北海道伊藤園の現在の商品ページは「自然・健康・安全・良いデザイン・おいしい」を製品開発コンセプトに掲げています。北海道とうきび茶500mlでは原材料・栄養成分・大豆アレルギーを具体的に表示しています。

吸収前の土倉はFSSC 22000認証取得を公式サイトで公表していました。

ただし、2026年5月に土倉が消滅し北海道伊藤園へ吸収された後、FSSC 22000の認証主体・認証範囲・有効期限が現在の法人へどのように引き継がれたかを明確に確認できる現行資料は不足しています。旧法人の認証を現在の北海道伊藤園の認証として自動的に加点しません。

今回の重大問題調査では、北海道伊藤園を主体とする直近の大規模商品回収・行政処分を示す公表事例は確認していません。一方、重大回収件数や製品事故件数を会社単体で毎年公表しているわけではありません。

表示とグループ品質基盤を評価して3/5点です。現在の製造拠点の食品安全認証範囲、重大不具合・回収件数、監査結果を会社単体で公開し、重大事故0を継続できれば4~5/5点を検討できます。

従業員・元従業員の口コミ

Indeed、OpenWork、転職会議、エンゲージ会社の評判について、北海道伊藤園単体の勤務経験を確認できる現在の投稿を調べました。

2024年設立、2026年5月に土倉を吸収したばかりの法人であり、現在の北海道伊藤園について、投稿者の勤務時期・職種と本文を確認でき、採点を変更できるだけの具体的な従業員口コミは確認できませんでした。

旧土倉については過去の口コミが存在しますが、法人が異なり、古い投稿も含まれます。合併後の北海道伊藤園の現在の労働条件を示す根拠には使用していません。

現在の口コミが少ないこと自体は減点していません。会社公式・求人・法定開示で確認できる事実を優先して採点しています。

SNS・匿名掲示板の確認結果

X、5ちゃんねる、爆サイについて、会社名と「残業」「給与」「退職」「事故」「パワハラ」「人員削減」などを組み合わせて確認しました。

対象法人の現社員・元社員であること、勤務時期、職種、拠点まで確認でき、今回の採点を変更できる具体的な投稿は確認できませんでした。

会社名と無関係な「土倉」という人名や、伊藤園本体・他子会社の投稿は北海道伊藤園の根拠には使っていません。

Innovation|9/25点

Innovationでは、新商品を作ったことだけでなく、物流・組織改編によって人の作業がどれだけ減り、その成果を賃金・休暇・安全へ返したかを評価します。

北海道伊藤園は地域商品開発では具体的な成果があります。一方、会社が「抜本的な物流及び組織改編」「徹底した業務効率化」を行ったと説明しているのに対し、削減時間・危険作業・人員配置・残業への効果が数値で公表されていません。

作業負担・危険の削減|2/10点

社長メッセージでは、2024年の設立後に「抜本的な物流及び組織改編」を実行し、「徹底した業務効率化」を図ったと説明しています。2026年の土倉統合についても、営業体制の最適化により生産性を一層高める方針が示されています。

例えば同じ店舗への配送をまとめたり、事務処理を統合できれば、営業担当者の移動、伝票処理、重複業務を減らす可能性があります。

しかし、何の作業をどの仕組みに置き換え、配送距離が何km減ったのか、事務時間が何時間減ったのか、重量物作業や危険作業が何件減ったのかは公表されていません。

具体的な改革の存在は確認できるため2/10点です。人が行っていた作業と導入施策を対応させ、削減時間・走行距離・重量物取扱量・事故件数まで公開できれば4~6/10点を検討できます。

商品・サービスの改善|4/5点

2026年3月発売の「北海道あずき茶」は、北海道伊藤園社員を中心に、マーケティング、デザイン、販売促進、各支店のメンバーが参加する横断型プロジェクトとして2024年に始まりました。

社員が小豆畑と道内焙煎工場を訪問し、原料特性と焙煎強度を確認し、官能評価を行っています。北海道産小豆100%、北海道焙煎、北海道限定販売とし、カフェインゼロ・カロリーゼロの商品にしました。

伊藤園によれば、あずき茶リーフ市場は2020年から2025年の5年間で約17倍に拡大しています。既に需要が伸びるカテゴリーで、北海道の産地と商品を直接結びつけたことは、地域会社として具体的な商品改善です。

一方、発売後の購入者満足度、リピート率、廃棄率、原料生産者への所得効果までは公表されていません。

そのため4/5点です。消費者評価と農業者への還元まで定量化できれば5/5点を検討できます。

改善成果の人間への還元|0/5点

北海道伊藤園は物流・組織改編と営業体制の最適化による生産性向上を掲げています。

しかし、改革後に一人当たり残業が何時間減ったか、有給取得が何日増えたか、賃金が何円上がったか、削減した業務時間を教育や商品開発へ何時間振り向けたかは公表されていません。

2026年4月期の純利益は前期比で約2倍になっていますが、利益増を従業員へどの程度還元したかも公表されていません。

公開情報がない点は課題です。採点上も減点対象です。

0/5点は「社員へ還元していない」と断定したものではなく、効率化の成果と人への還元を結びつける会社単体データが公表されていないためです。

物流・組織改編による削減人時、全社残業、有休、基本給、配置転換・再教育を導入前後で公開し、働く人へ実際に利益が戻ったことを確認できれば2~4/5点を検討できます。

研究開発・現場改善の継続|3/5点

「北海道あずき茶」の開発は2024年に開始し、2026年の商品化まで複数部門・支店が参加しています。北海道とうきび茶という既存地域商品に続いて、北海道産原料を使う商品開発を継続していることも確認できます。

2026年5月には土倉の茶葉製造・商品知見も統合しました。販売現場と茶葉事業が同じ法人になったことで、地域ニーズを商品側へ返す余地は広がりました。

一方、年間の社員提案件数、採用件数、開発参加人数、改善活動による成果、研究開発費は会社単体で公表されていません。

継続した商品改善を確認できるため3/5点です。毎年の現場提案・採用・商品化・労働改善の結果まで公開できれば4~5/5点を検討できます。

自動化・AI導入後の雇用状況

北海道伊藤園単体で、AIやロボットが具体的な人の作業を置き換えた事例は現在の公開情報から特定できません。

会社は物流・組織改編、業務効率化、生産性向上を説明していますが、それがAI・自動化によるものなのか、組織統合・配送再編・事務統合によるものなのかは公表されていません。

2026年5月の土倉吸収後、会社公式の従業員数は175人で、2026年10月時点でも経理などの正社員採用を行っています。大規模希望退職やAIを理由とする解雇を会社が公表した事実は今回確認していません。

一方、改革後の配置転換人数、再訓練、採用抑制、契約更新、退職者数を効率化施策と対応させた情報は公表されていません。

今後AI・自動化を導入する場合は、人員削減の有無だけでなく、削減した作業を残業・休日・賃金・教育へどう返したかまで追跡する必要があります。

Protection|12/25点

Protectionでは、北海道特有の地震、豪雪、吹雪、道路寸断、停電、システム障害などが起きても飲料・茶葉を届けられるかを評価します。

複数地域の営業拠点、自治体との災害供給協定、会社単体の個人情報安全管理は強みです。一方、北海道伊藤園単体の訓練結果、代替物流、復旧時間はほとんど公表されていません。

災害への備え・訓練|2/5点

伊藤園グループはリスク管理・BCPを運用し、北海道伊藤園もグループ会社として方針の対象になります。

また音更町や札幌市との協定により、災害時に飲料・生活物資を供給する役割が明確になっています。

例えば冬の暴風雪で物流が止まった場合、自治体と供給手順を事前に決めていれば、「誰へ連絡し、どの在庫を使うか」を災害発生後にゼロから決める時間を短縮できます。

一方、北海道伊藤園単体で地震・豪雪・停電を想定した訓練を年間何回行い、何人が参加し、安否確認や物資供給開始まで何分かかったかは公表されていません。

そのため2/5点です。会社単体の訓練頻度、参加率、供給開始時間を公開し、目標時間内に動けることを実証できれば3~5/5点を検討できます。

生産・物流・調達の代替|2/5点

会社は札幌圏だけでなく、苫小牧、函館、旭川、帯広、北見、釧路などへ営業拠点を分散しています。

例えば札幌周辺が大雪で動きにくくなった場合、道東・道北にも拠点があることは現地顧客との連絡・供給調整を維持しやすくします。

一方、どの支店がどの支店をバックアップするか、代替倉庫、複数運送会社、冬季の迂回ルート、何日分の安全在庫を持つかは公表されていません。旧土倉の製造機能を統合したことも、伊藤園飲料全体を北海道内で代替製造できることを意味しません。

そのため2/5点です。

主要地域ごとの代替拠点、代替輸送、在庫日数、切替時間を公開し、実地訓練で機能を確認できれば3~5/5点を検討できます。

サイバー防衛・情報保護|3/5点

北海道伊藤園自身のプライバシーポリシーでは、個人データの責任者と取扱範囲を明確化し、定期的な従業者研修、アクセス制御、不正アクセス・不正ソフトウェアから情報システムを保護する仕組みを導入すると明記しています。

さらに2026年7月制定の伊藤園グループセキュリティ基本方針は、グループ全社で情報資産の機密性・完全性・可用性を守り、インシデント対応・復旧、サプライチェーン対策、教育・訓練を行う方針です。

方針だけでなく、北海道伊藤園単体の技術的・人的安全管理措置まで明記されているため3/5点です。

一方、MFA適用率、EDR導入率、SOC監視、分離バックアップ、重大サイバー事故件数、RTO・RPO、復旧テスト時間は公表されていません。

これらの実装率と復旧訓練結果を公開し、重大事故0を継続できれば4~5/5点を検討できます。

供給継続・復旧能力|2/5点

複数営業拠点とグループBCPは供給継続の土台になります。

しかし、北海道伊藤園の受注・物流・製造・ECが停止した場合に、何時間で再開するかというRTO、どの程度のデータ損失まで許容するかというRPO、手作業での代替受注率、非常用電源時間は公表されていません。

例えば停電で受注システムが止まった場合、紙や電話で何割の注文を受けられるのか、別拠点で在庫を確認できるのかが分からなければ、実際の復旧力を評価できません。

公開情報が不足しているため2/5点です。

主要業務のRTO・RPOと、過去の障害・災害時の実測復旧時間を公開できれば3~5/5点を検討できます。

危機時の市民への対応|3/5点

音更町との協定では、災害救援型自販機の庫内在庫を無償提供し、北海道伊藤園の営業拠点が持つ飲料を町へ提供できる仕組みがあります。

札幌市の2026年版災害時物資供給マニュアルにも、北海道伊藤園は「災害時における消費生活の安定及び応急生活物資の供給等に関する相互協定」の協定先として掲載されています。生活物資の供給と価格高騰防止などを担う枠組みです。

例えば地震後にスーパーの水が売り切れた場合、自治体からの要請で企業在庫を生活物資として動かす経路が事前に存在することは、市民が水分を得るまでの時間を短くする可能性があります。

一方、2024~2026年に北海道伊藤園が実際に協定を発動し、何本を何時間以内に届けたかという会社単体の実績は公表されていません。

制度と具体的供給内容を評価して3/5点です。実災害での供給数量・到着時間・対象地域を公表できれば4~5/5点を検討できます。

良いニュース・最近の前向きな動き

最近の前向きな動きでは、北海道の原料を使う商品開発、土倉との統合、地域環境への売上還元を評価します。これらは、北海道伊藤園の商品を選ぶことが、地域の農産物需要、道内の商品企画、地域保全活動を支える経路になることを示しています。

2026年3月 「北海道あずき茶」を発売

北海道伊藤園の社員を中心とするプロジェクトが、北海道産小豆100%の「北海道あずき茶」を企画・開発し、2026年3月23日に発売しました。

開発には本社部門だけでなく各支店のメンバーも参加し、小豆畑・焙煎工場の確認、官能評価まで行っています。

北海道産原料を使うだけでなく、地域で働く社員が商品企画へ関わっているため、「北海道の市場を知る人が北海道向け商品を作る」という地域会社の利点が具体化しています。

2026年5月 土倉を吸収合併

北海道伊藤園は2026年5月1日、茶葉商品の製造・販売を担っていた土倉と経営統合し、北海道伊藤園を存続会社とする新体制を開始しました。

販売会社と茶葉会社が別法人だった状態から、販売現場の情報と茶葉商品の製造・企画機能を同じ法人へまとめています。

うまく機能すれば、北海道の店舗で得た顧客の声を商品改善へ返す距離を短くできます。ただし、開発日数、在庫、業務時間、物流費が何%改善したかは公表されていないため、Innovationでは成果を過大評価していません。

2026年3月 北海道遺産保全へ80万円を寄付

北海道遺産協議会は、北海道伊藤園から「お茶で北海道を美しく。」キャンペーンの売上の一部として80万円の寄付を受けたと公表しています。

2025年度の助成では、静内二十間道路桜並木の植樹、霧多布湿原の野鳥保全、三笠市の野外博物館階段補修に使われました。

商品購入額の一部が地域の自然・景観保全へ流れる仕組みが金額まで確認できるため、地域貢献を抽象的な宣伝ではなく具体的に確認できます。

悪いニュース・問題となった動き

現在の問題は、重大事故や行政処分が多く確認されたことより、合併後の働き方・安全・効率化の結果が外から見えにくいことです。改善されない場合、女性が管理職へ上がれない構造や、営業・製造現場の事故、効率化による人員負担が存在しても、市民は商品購入先を比較できません。

最新法定開示で女性管理職0.0%

2026年4月期の北海道伊藤園では女性管理職比率0.0%、男女賃金比は全従業員54.0%、正規雇用85.8%、臨時84.8%でした。

全従業員54.0%という数字は雇用形態・役職・勤務時間などの構成差の影響を受けるため、「同じ仕事の女性へ男性の54%しか払っていない」とは意味しません。

一方、女性管理職0.0%は上位職への登用結果として明確です。合併後の新しい会社で女性が管理職へ登用されるのか、次回開示で確認する必要があります。

合併後の労災結果が公表されていない

2026年5月から北海道伊藤園は茶葉製造機能も持つ会社になりました。

営業車、物流、製造設備を扱う現在の会社について、死亡・休業労災、事故件数、度数率、製造設備事故、営業車事故の会社単体KPIは公表されていません。

今回の重大問題調査で、対象法人を主体とする直近の死亡労災・重大行政処分・大規模商品回収を示す公表事例は確認していません。しかし「公表事例を見つけなかった」ことと「事故0を会社が結果として開示している」ことは異なります。

公開情報がない点は課題です。採点上も減点対象です。

「業務効率化」の人への効果が公表されていない

会社は、設立後に物流・組織改編と徹底した業務効率化を行い、一定の事業成果を出したと説明しています。

一方、効率化後に残業が何時間減ったか、有給取得が増えたか、配送距離・事務時間・必要人員がどう変わったか、賃金へ何円返したかは公表されていません。

効率化が「人を楽にした」のか、「同じ人数へ仕事を増やした」のか、「人員を減らした」のかを判断するには、人間側の結果が必要です。

総合評価と、これから改善してほしいこと

現在41点・シビックランクEです。

次のDランクは50点からなので、あと9点必要です。

北海道伊藤園は、北海道限定商品の開発、複数営業拠点、災害協定という地域会社らしい強みを持っています。一方、点数を最も下げているのは、働く人のSafetyと、効率化成果を人へ返した結果の開示不足です。

Dへ上がるためには、商品や地域イベントを増やすことより、合併後175人の会社として、安全結果と効率化後の働き方を定量化することが優先です。

合併後の労災KPIを公開し、安全実績を改善する|労働安全・健康 0→6点

現在の「労働安全・健康」は0/10点です。

茶葉製造機能を取り込んだ現在の法人について、死亡・休業災害、度数率、強度率、営業車事故、製造設備事故の単体結果が公表されていません。

会社が実行すべきことは、営業、物流、製造を含む全事業所で事故を共通集計し、死亡・重篤災害0、休業災害件数、度数率、事故原因別件数を毎年公開することです。営業車についても人身事故・物損事故を分け、製造部門では挟まれ・巻き込まれ、転倒、切創などを原因別に公開する必要があります。

死亡・重篤災害0を継続し、労災度数率が低下し、重大事故への具体的な再発防止を確認できれば0→6点を検討できます。

+6点で総合41→47点です。

参考企業は旭化成株式会社です。当サイトの最新企業審査では、2025年度の死亡災害0、国内グループ休業度数率0.29を公表し、後遺症災害2件という課題も開示していることから「労働安全・健康」を8/10点と評価しています。

北海道伊藤園が同じ点を取る必要はありません。まず自社の事故結果を見えるようにし、事故率を継続的に下げることが0点から抜ける第一条件です。

物流・組織効率化の成果を残業・休暇・賃金へ返す|改善成果の人間への還元 0→3点

現在の「改善成果の人間への還元」は0/5点です。

会社は物流・組織改編と生産性向上を説明していますが、削減時間と働く人への還元が公表されていません。

会社が実行すべきことは、改革前後で、一人当たりの事務・移動時間、全社残業、有給取得率、配送距離、配置転換人数、教育時間、基本給を比較することです。

例えば、物流・事務時間を社員1人当たり月10時間以上削減し、その結果として全社平均残業を月15時間以下へ下げ、有給取得率80%以上を実現し、削減による利益の一部を基本給・賞与へ還元したことを公表できれば0→3点を検討できます。

+3点で総合41→44点です。この改善だけではDに届きませんが、上の労働安全改善と同時に実現すれば41+6+3=50点となり、Dへ到達します。

参考企業は旭化成株式会社です。当サイトの最新企業審査では生成AIで月2,157時間、書類監査で年間1,820時間を削減し、同時期に総実労働時間減少、有給取得率84.6%、平均年間給与の増加が確認できたため「改善成果の人間への還元」を4/5点としています。

北海道伊藤園でも「効率化した」という説明から一歩進み、「何時間減り、その時間と利益を誰へどう返したか」を示せれば評価を上げられます。

次のDランクへ上がるための具体例

改善項目企業が実行する内容達成条件現在点→改善後加点
労働安全・健康合併後法人で死亡・休業災害、度数率、営業車・製造事故を毎年公開し、安全対策を実行死亡・重篤災害0、事故率低下を確認0→6+6
改善成果の人間への還元物流・組織改編の削減時間、残業、有休、配置転換、賃金を導入前後で公開全社残業15時間以下、有休80%以上、賃金・教育への還元を確認0→3+3
合計41→50+9

この二つを同時に実現できれば、41点から50点となりシビックランクDへ上がります。

北海道伊藤園に必要なのは、地域商品をさらに増やすことだけではありません。現在進めている地域密着と効率化が、そこで働く175人の安全、自由時間、賃金へ実際に戻っていることを数字で示すことが、次のランクへ進む最短ルートです。

出典一覧

1.株式会社北海道伊藤園「会社概要」
2.株式会社伊藤園「北海道で事業展開するグループ会社2社の経営統合に関するお知らせ」2025年11月7日
3.Gビズインフォ「株式会社北海道伊藤園」
4.株式会社北海道伊藤園「採用情報」
5.株式会社伊藤園 2026年4月期有価証券報告書「連結子会社の女性管理職比率・男女賃金差」
6.株式会社北海道伊藤園「営業拠点」
7.doda「株式会社北海道伊藤園 経理求人」2026年9月掲載
8.株式会社伊藤園「北海道限定『北海道あずき茶』を3月23日に新発売」2026年3月9日
9.株式会社北海道伊藤園「北海道とうきび茶」「商品情報」
10.官報決算データベース「株式会社北海道伊藤園」
11.株式会社伊藤園「伊藤園グループ人権方針」
12.株式会社北海道伊藤園「プライバシーポリシー」
13.株式会社北海道伊藤園「グループ経営理念・トップメッセージ」
14.音更町「災害時における飲料水提供の協力に関する協定」
15.札幌市「災害時物資供給マニュアル」2026年版
16.株式会社伊藤園「伊藤園グループセキュリティ基本方針」2026年7月
17.旧株式会社土倉「会社案内」FSSC 22000・主要販売先
18.北海道遺産協議会「株式会社北海道伊藤園『お茶で北海道を美しく。』キャンペーンによる寄付目録・感謝状贈呈式」2026年3月27日
19.株式会社伊藤園「サステナビリティデータ」北海道伊藤園ISO14001取得状況
20.Google Drive内「旭化成株式会社」最新企業審査、シビックランクA・84点/100点

シビックランクの基準

シビックランク点数
S90~100点
A80~89点
B70~79点
C60~69点
D50~59点
E40~49点
F20~39点
G0~19点

株式会社北海道伊藤園は41点のため、今回のシビックランクはEです。

情報ランクの基準

情報ランク基準
S公的機関、裁判所、規制当局、独立した第三者機関による調査・監査・検証・認証など、内容そのものに独立した裏づけがある情報
A企業公式資料、採用情報、公式声明・SNS、氏名・役職・立場を確認できる公表情報
B従業員・元従業員の口コミ、一般SNS、匿名掲示板など、発信者との関係を独立に確認しにくい情報

法定開示、自治体資料、GビズインフォなどはS相当の情報として重視します。北海道伊藤園・伊藤園の公式資料と採用情報はA、従業員口コミ・一般SNS・匿名掲示板はBとして扱い、法人・年度・職種・拠点を区別して使用します。

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