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株式会社カヤノ農産を企業審査|シビックランクD・50点/100点|JGAP茶認証・大型機械による省力栽培を評価、収穫期夜勤・年休110日と労災・BCP開示が課題

私たちは、企業の商品を購入したり、サービスを利用したりすることで、そこで働く人たちの未来を変えることができます。

働く人に十分な賃金を払い、休暇を確保し、安全な職場をつくり、人の負担を減らす企業の商品やサービスが選ばれれば、そうした企業により多くの売上が集まります。その結果、働く人を大切にする経営を続けやすくなります。

反対に、低賃金や長時間労働、安全上の問題を改善しない企業の商品やサービスが売れ続ければ、そうした働かせ方のままでも事業を続けることができます。

だからこの企業審査では、「私たちがお金を使うなら、どの企業を選ぶことが、そこで働く人にとってより良い社会につながるのか」という視点から企業を評価します。

なぜ企業を審査するのか?――このサイトの目的と、利用するメリット
サイトの目的と利用するメリット

今回審査する株式会社カヤノ農産は、総合50点、シビックランクDです。

株式会社カヤノ農産の特に強い点は、JGAP茶2022の認証を取得し、大型機械を前提に約1ha単位の圃場と四方の作業道を整備し、茶園用の堆肥散布機や茶葉の箱詰め機もメーカーと協力して開発するなど、茶栽培・加工の重労働と反復作業を機械へ移してきたことです。そのため、この企業の商品を購入したりサービスを利用したりすれば、農業で働く人の身体負担を減らしながら、耕作放棄地を茶園へ再生し、国産茶葉を安定供給できる農業につながる可能性が高まります。

一方で、改善点として、2026年の正社員求人では月平均残業10時間と低い一方、年間休日110日で、収穫期の5~7月と10月頃には夜勤・休日勤務があります。また、死亡・休業労災、熱中症、機械事故などの会社単体KPI、機械化による削減時間と賃金・休日への還元、サイバー対策、災害時の代替生産・復旧時間が公表されていないことが残ります。

この記事では、株式会社カヤノ農産の強みと課題をさらに詳しく企業審査していきます。

株式会社カヤノ農産の企業審査結果

株式会社カヤノ農産は、大分県杵築市山香町で約70haの茶園を運営し、株式会社伊藤園との契約栽培によりドリンク用の荒茶を生産する農業法人です。2006年に事業を始め、2010年に初収穫、2021年に農事組合法人から株式会社へ組織変更しました。

大分県が2022年に公表した事例では、70haは当時大分県内最大の茶園でした。参入当初から大型機械での作業を想定し、1圃場を既存農家の2~5倍となる約1haとし、四方に作業道を設けています。2026年現在も70ha茶園で乗用型機械を使う正社員募集が確認できます。

評価軸得点
Safety30/50点
Innovation15/25点
Protection5/25点
総合点50/100点
シビックランクD

主な強み

・JGAP茶2022の認証を取得し、認証有効期限は2027年3月26日
・認証範囲は茶の栽培・摘採・取扱い、品目は緑茶の荒茶
・70haの大規模茶園を大型機械の使用を前提に設計
・約1ha単位の圃場と四方の作業道により機械作業をしやすくしている
・茶園用の堆肥散布機、茶葉の箱詰め機をメーカーと協力して開発
・グループ会社の木材チップを雑草抑制・土壌水分保持に再利用
・伊藤園との契約栽培により販売先を確保
・2026年の正社員求人で月平均残業10時間、36協定の特別条項なし
・正社員求人は月給20万~35万円、固定残業代なし
・前年度の昇給実績は月2,000~5万円、賞与は年2回・30万~150万円
・2026年も正社員3人、パート8人の増員募集を実施
・草取りパートでは熱中症対策としてこまめな休憩と作業服貸与を明示
・準中型免許、フォークリフトなどの資格取得支援を掲げる現行求人も確認。

主な課題

・正社員の年間休日は110日
・収穫期の5~7月、10月頃に21時~翌5時の夜勤がある
・通常休日に勤務した場合、閑散期など別の月へ休日を振り替える運用がある
・対象法人単体の死亡災害、休業災害、度数率、機械事故、熱中症、農薬曝露などの年次KPIが公表されていない
・パートは時給1,200~1,400円で、昇給・賞与・正社員登用制度がない
・男女賃金差、女性管理職比率、離職率、雇用形態別の待遇差が公表されていない
・大型機械や共同開発設備で、何時間・何kg・何人分の作業が減ったか公表されていない
・機械化で浮いた時間・利益を休日・賃金・教育へどれだけ返したか公表されていない
・茶園と加工施設が杵築市山香町周辺へ集中し、別地域の代替加工拠点が公表されていない
・対象法人単体のMFA、EDR、バックアップ、サイバー訓練などが公表されていない
・災害時の復旧時間、代替加工能力、危機時の市民支援実績が公表されていない。

事業内容と人間への貢献

カヤノ農産は、飲料メーカーが使う茶葉を、茶園の造成、栽培、摘採、荒茶加工まで一体で生産する会社です。

一般消費者がカヤノ農産の社名で商品を直接購入する機会は多くありませんが、同社が伊藤園へ納める荒茶は飲料用茶葉として全国へ流通します。企業審査では、商品名の知名度ではなく、その原料を作る現場で人の負担を減らし、安全に継続生産できているかを評価します。

基本情報

項目内容
会社名株式会社カヤノ農産
法人番号1320005005234
設立2006年9月11日
株式会社化2021年7月31日
本社・工場大分県杵築市山香町大字久木野尾字西カヤノ原1753番地48
代表者代表取締役 中村一郎
資本金1,000万円
主な事業茶栽培・荒茶加工
主な販売関係株式会社伊藤園との契約栽培
茶園面積約70ha
JGAP登録番号440000038
JGAP認証JGAP茶2022
JGAP有効期限2027年3月26日

会社公式には従業員9人・パート21人という過去の数値が残っています。一方、近年の求人・企業データでは人数構成が変化しているため、旧公式値を現在人数として固定せず、時点を分けて扱います。

主な事業内容

茶園では茶樹の育成、施肥、除草、摘採、運搬などを行います。現在の採用情報では乗用型機械で茶葉を管理・収穫し、刈り取った茶葉を加工し、機械のメンテナンスも行う仕事として募集されています。

大分県の事例では、参入時から大型機械を使うため、1区画を約1haと大きく取り、圃場の四方に作業道を配置しました。小さな区画を何度も旋回したり、狭い道へ機械を出し入れしたりするより、大型機械を連続して動かしやすい構造です。

また、茶園用の堆肥散布機と茶葉の箱詰め機をメーカーと協力して開発しています。人が堆肥を小分けして散布する作業や、加工後の茶葉を箱へ詰める反復作業を設備へ移せる可能性があります。

主な利用企業・取引先

主要な取引関係として株式会社伊藤園との契約栽培が確認できます。

2006年に大分県、伊藤園、杵築市、臼杵市の4者で100haの茶園整備を進める茶産地育成協定が締結され、カヤノ農産はこの事業の生産法人として設立されました。2010年5月の初収穫以降、伊藤園へ荒茶を納品しています。

大分県の2022年公表資料では、販売先が大手飲料メーカーへの全量販売であることが事業の特徴として説明されています。

事業による人間への貢献

カヤノ農産の第一の人間貢献は、耕作放棄地だった土地を大規模茶園へ再生し、機械を使って国内茶葉を安定生産していることです。

取得当時の土地は桑畑が荒廃して山林状態となり、伐採や石礫除去が必要でした。建設会社グループの重機と造成ノウハウを使って農地へ戻し、現在は約70haの茶園として利用しています。

第二の価値は、農業の重労働を機械へ移しやすい農地そのものを設計したことです。

例えば、収穫機や散布機が入りにくい小区画では、人が歩いて資材を運ぶ、狭い場所で何度も機械を切り返すといった作業が増えます。約1haの圃場と四方の作業道があれば、大型機械を使う時間を増やし、人の運搬・反復作業を減らしやすくなります。

第三の価値は、伊藤園との長期契約によって、作った茶葉の販売先を確保していることです。市場価格だけに毎年左右される農業より、需要を見込んで設備・人材へ投資しやすくなり、地域で茶生産を続ける基盤になります。

Safety|30/50点

Safetyでは、茶園・加工施設で働く人の賃金、休息、雇用、福利厚生、人権、機械・農薬・暑熱の安全と、荒茶の食品安全を評価します。

2026年の求人では月平均残業10時間、固定残業代なし、昇給・賞与、熱中症対策を確認できます。さらにJGAP茶2022の現行認証により、食品安全だけでなく労働安全、人権・労務管理を第三者審査の対象にしています。

一方、年間休日110日、収穫期夜勤、労災結果KPIの非公表、パートと正社員の待遇差が点数を抑えています。

賃金・利益の還元|6/10点

2026年9月受付の正社員求人では月給20万~35万円です。固定残業代はなく、職務手当2万~6万円を含みます。前年度の昇給実績は月2,000~5万円、賞与は年2回、合計30万~150万円です。

別の現行求人では月給26万~35万7,225円を掲げ、資格取得費用を会社が負担するとしています。求人経路や職務条件によって提示額に差があるため、採点ではハローワーク由来の20万~35万円を基準にします。

固定残業代を使わず、残業・深夜勤務は別途支給する点は、実際に働いた時間を基本給と分けて確認しやすくします。昇給・賞与実績も確認できるため6/10点です。

一方、全社員の平均年収、賃金中央値、基本給のベースアップ率、正社員とパートの年間所得差、利益のうち賃金へどれだけ還元したかは公表されていません。

8/10点を検討するには、職種・雇用形態別の賃金中央値と毎年の基本給引き上げ率を公開し、物価上昇を上回る実質賃金改善を広い従業員層で確認する必要があります。

労働時間・休息|6/10点

2026年9月受付の正社員求人では、通常勤務は8時~17時、月平均残業10時間、36協定の特別条項なしです。

月10時間なら、月20日勤務で単純平均すると1日約30分の時間外労働です。長時間残業に依存する通常運用ではない点を評価できます。

一方、年間休日は110日です。茶葉の収穫期となる5~7月と10月頃には21時~翌5時の夜勤があり、土日など通常の休日に勤務した場合、閑散期など別の月へ振替休日を取る運用があります。

農業には労働基準法の労働時間・休憩・休日に関する規定の適用が除外される部分があります。法的に可能かどうかだけでなく、繁忙期に十分に睡眠・休息を取れるかを企業独自に管理することが重要です。JGAPも労働条件管理を審査項目にしています。

通常残業10時間と特別条項なしを評価して6/10点です。8/10点を検討するには、年間休日120日以上、夜勤回数、連続勤務日数、勤務間インターバル、有給取得率を公開し、収穫期でも十分な休息を確保する必要があります。

雇用の安定・待遇の公平性|3/5点

2026年9月の求人では正社員3人、パート8人を増員募集しています。正社員は期間の定めがなく、パートも無期雇用ですが、雇用条件には差があります。

現在も事業拡大に合わせて採用を続けているため、少なくとも大規模な雇用縮小を進めている状態ではありません。

一方、草取りパートは時給1,200円、草刈り機を使う場合1,400円で、昇給・賞与・正社員登用制度はありません。仕事内容・責任が異なるため正社員と単純比較はできませんが、雇用形態によるキャリア機会には差があります。

また、男女賃金差、女性管理職比率、離職率、パートから正社員への転換実績は公表されていません。

増員採用と無期雇用を評価して3/5点です。男女・雇用形態別の賃金、離職率、登用実績を公開し、パートにも希望に応じた正社員転換経路が確認できれば4/5点以上を検討できます。

福利厚生・育児・介護|2/5点

正社員求人では雇用保険、労災保険、健康保険、厚生年金、通勤手当、勤続10年以上の退職金制度を確認できます。定年65歳、再雇用・勤務延長は70歳までです。

資格取得支援を掲げる現行求人もあり、準中型免許、フォークリフト、危険物乙種、小型移動式クレーンなど、農業・加工現場で使う資格取得を会社負担で支援するとしています。資格を取得できれば、従業員が特定の単純作業だけでなく、機械操作や設備管理へ仕事の幅を広げやすくなります。

一方、育児・介護制度の利用実績を判断できる会社単体データは不足しています。パート求人では労災保険のみで、退職金もありません。

基本的な制度と資格支援を評価して2/5点です。男女別育児休業取得率、復職率、介護休業利用実績を作り、パートを含めた福利厚生の範囲を広げれば3~4/5点を検討できます。

人権・ハラスメント・労使関係|3/5点

カヤノ農産は2027年3月26日まで有効なJGAP茶2022認証を取得しています。

JGAP農産は食品安全、労働安全、環境保全に加え、人権福祉を対象とする第三者認証です。2022基準では労務管理責任者を置き、労働条件、人権尊重、労働安全を管理する仕組みを求めています。

つまり「人権を大切にする」と会社が自己宣言しているだけではなく、現行認証の範囲で農場管理が第三者審査を受けています。

一方、対象法人単体のハラスメント相談窓口、内部通報件数、相談・是正件数、労使協議の実績は公表されていません。

現行JGAP認証を評価して3/5点です。匿名相談・通報経路と、相談・是正結果を毎年公開し、重大な人権問題が低水準であることを確認できれば4~5/5点を検討できます。

労働安全・健康|6/10点

茶園では乗用型摘採機、草刈り機、軽トラック、施肥・散布機などを使います。加工施設では茶葉を処理する機械を扱い、収穫期には夜勤もあります。

JGAP茶2022は労働安全を認証対象とし、農場の労働安全責任者、事故を防ぐルール、機械・暑熱などのリスク管理を求めています。現行認証があることは、労働安全を仕組みとして運用している第三者確認になります。

2026年の草取り求人でも、熱中症対策としてこまめに休憩を取り、作業服を貸与すると明記しています。乗用機械を多用する圃場設計も、人が徒歩で広大な茶園を作業する量を減らす方向です。

一方、対象会社単体の死亡災害、休業災害、度数率、熱中症、農薬曝露、草刈り機・摘採機事故、腰痛などの結果KPIは公表されていません。

第三者認証と具体的な暑熱対策・機械化を評価して6/10点です。死亡・重篤災害0、休業災害、熱中症、機械事故を毎年公開し、低い事故率を複数年継続できれば8/10点を検討できます。

商品・サービスの安全|4/5点

日本GAP協会の公開検索では、カヤノ農産は登録番号440000038、JGAP茶2022、認証範囲は「栽培・摘採・取扱い」、品目は「緑茶(荒茶)」、有効期限は2027年3月26日です。

JGAP農産は食品安全を主要な審査対象とし、農薬、肥料、水、衛生、商品管理などを含む農場管理を確認します。カヤノ農産は消費者が直接飲む完成飲料ではなく原料の荒茶を生産するため、この段階で農薬・異物・衛生リスクを管理することは、その後の飲料製造で問題原料が混入する危険を減らします。

伊藤園との契約栽培を2010年の初出荷から継続していることも、長期的な原料供給関係の材料です。

一方、会社単体の残留農薬検査結果、品質苦情、ロット回収、トレーサビリティ訓練結果を年度別に公表している情報は不足しています。

現行の第三者認証を高く評価して4/5点です。検査不適合率、重大品質事故・回収0などの結果まで毎年公開できれば5/5点を検討できます。

従業員・元従業員の口コミ

Indeed、転職会議、OpenWork、エンゲージ会社の評判を対象法人名で確認しました。

検索では「株式会社カヤノ」という別法人の口コミが表示されましたが、株式会社カヤノ農産とは法人・所在地・事業が異なるため採点には使用していません。例えば転職会議の「株式会社カヤノ」は新潟県新潟市の専門商社で、今回の対象会社ではありません。

株式会社カヤノ農産の現社員・元社員と確認でき、勤務時期・職種・拠点まで確認できる独立した口コミ本文は、今回の公開検索では得られていません。

独立口コミが見つからないこと自体は減点していません。現在の働き方は、2026年の求人、第三者認証、公的資料を優先して評価しています。

SNS・匿名掲示板の確認結果

X、5ちゃんねる、爆サイについて、株式会社カヤノ農産と「残業」「給料」「休日」「退職」「パワハラ」「事故」「夜勤」「省人化」「人員削減」などを組み合わせて確認しました。

対象法人の現社員・元社員であること、勤務時期、職種・拠点まで確認でき、採点根拠として利用できる本文付き投稿は確認できませんでした。

別法人の「株式会社カヤノ」や一般的な農業・伊藤園関連の投稿は、カヤノ農産の根拠には使用していません。

Innovation|15/25点

Innovationでは、広大な茶園で人が行う摘採、運搬、散布、箱詰めなどを機械へ移し、その成果が人の時間・身体負担・雇用・待遇へ返っているかを評価します。

カヤノ農産は農地の形そのものを大型機械向けに設計し、既製品を使うだけでなく、メーカーと省力機械を共同開発している点が強みです。一方、何時間・何kg・何人分を減らしたかという効果測定と、その成果の人への還元が不足しています。

作業負担・危険の削減|6/10点

大分県の公表資料では、参入当初から大型機械での作業を想定し、1圃場を約1ha、既存農家の2~5倍の規模にし、圃場の四方に作業道を整備しています。

また、茶園用の堆肥散布機と茶葉の箱詰め機をメーカーと協力して開発し、省力化・効率化を進めています。

圃場を機械に合わせて設計すれば、人が広い茶園を歩いて作業する時間、資材を持って移動する回数、狭い区画で機械を何度も切り返す時間を減らしやすくなります。箱詰め機は、加工後の茶葉を人が反復して詰める作業を設備へ移せます。

一方、導入前後で1ha当たり何時間減ったか、堆肥・茶葉を人が何kg扱わなくなったか、必要人数、腰痛、機械事故、収穫期残業がどれだけ減ったかは公表されていません。

具体的な機械化と共同開発を評価して6/10点です。人時・重量・歩行距離・事故件数の導入前後を測定し、大きな削減を確認できれば8~10/10点を検討できます。

商品・サービスの改善|4/5点

カヤノ農産は、耕作放棄地を茶園へ変えるだけでなく、生育が良くない圃場では土地に適した品種への改植を進めています。

また、大分県の資料では静岡・鹿児島の茶園へ社員が出向き、栽培・加工ノウハウを学んだことが確認できます。加工能力についても、2013年に新しい農産物処理加工施設を完成させ、栽培から荒茶加工までを一体化しました。

圃場、品種、機械、加工を継続的に見直すことで、伊藤園が飲料原料として使える品質と量を安定させやすくなります。

一方、荒茶の不良率、品質評価、加工歩留まり、顧客クレーム、収量の直近推移は公表されていません。

継続的な栽培・加工改善を評価して4/5点です。品質不適合率や収量・歩留まりの改善を現在値で公開できれば5/5点を検討できます。

改善成果の人間への還元|1/5点

機械化による省力化は明確ですが、その成果が働く人の生活へどう返ったかはほとんど公表されていません。

2026年の正社員求人では月平均残業10時間と低く、同時に正社員3人・パート8人を増員募集しています。機械化後も人を採用している点は、「機械化したので雇用を全面停止した」状態ではありません。

しかし、過去の同じ職種が何時間残業していたか、機械導入で夜勤人数が減ったか、休日が増えたか、基本給・賞与へ利益を何円返したかは公表されていません。

機械化と現在の低残業の因果を確認できないため1/5点です。

3/5点を検討するには、導入前後の作業時間、残業、必要人数、夜勤、配置転換、賃金を同じ範囲で公開し、浮いた時間・利益が自由時間や給与へ実際に返っていることを示す必要があります。

研究開発・現場改善の継続|4/5点

カヤノ農産は参入時の茶園造成から、大型機械向け圃場、木材チップによる雑草抑制、加工施設、品種の改植、堆肥散布機、箱詰め機まで改善を続けています。

特に省力機械をメーカーと協力して開発していることは、市販設備を導入するだけでなく、現場の困りごとを新しい道具へ変えている例です。

また、現在も70ha茶園で乗用型機械を使った栽培・収穫・加工の求人を出しており、機械化した運営は現在の事業にも継続しています。

一方、2023~2026年の新規設備投資、改善提案件数、共同開発の新規成果をまとめた継続的な公開情報は不足しています。

長期的な改善履歴を評価して4/5点です。直近年度の改善テーマ、投資額、削減時間、品質効果を毎年公開できれば5/5点を検討できます。

自動化・AI導入後の雇用状況

カヤノ農産では、大型収穫機、堆肥散布機、茶葉箱詰め機などの機械化が確認できます。

2026年9月の求人では、正社員の茶園育成・管理作業員を3人、草取りパートを8人増員募集しています。別の現行求人でも、乗用型機械の操作、茶葉加工、機械メンテナンスを担う正社員を募集しています。

現在の求人状況を見る限り、機械化後に採用を全面停止している状態ではありません。

一方、機械導入前の従業員数、導入時の配置転換、機械化後の退職者数、短期・パート雇用の変化、採用抑制の有無を同じ条件で追えるデータは公表されていません。

今後は「機械が何人分の作業を代替したか」だけでなく、その人が品質管理、機械保全、栽培管理などへ移ったのか、雇用契約が終了したのかまで公開すると、人間への還元をより正確に評価できます。

Protection|5/25点

Protectionでは、台風、豪雨、地震、停電、干ばつ、加工設備故障、サイバー障害などが起きても、茶園と加工を継続・復旧できるかを評価します。

現行JGAP認証では災害等に備えた経営継続の対策・計画も農場管理項目に含まれます。一方、カヤノ農産自身のBCP内容、実地訓練、代替加工先、復旧時間、サイバー対策、市民支援実績はほぼ公表されていません。

災害への備え・訓練|2/5点

JGAP2022の農場管理基準には、災害等に備えて農場経営を維持・継続するための対策や計画を立てる管理点があります。BCP、災害時の役割分担、保険・共済などが例示されています。

カヤノ農産は現在JGAP茶2022認証を取得しているため、災害を含む農場経営管理を第三者審査の対象にしている点を評価できます。

例えば台風で茶園の一部が被災した場合、事前に責任者、連絡先、保険、復旧の優先順位を決めていれば、被災後にゼロから対応を決めるより早く作業を再開しやすくなります。

一方、会社がどの災害を想定し、年間何回訓練し、設備復旧や社員安否確認に何時間かかったかは公表されていません。

そのため2/5点です。具体的なBCPと訓練回数、訓練結果、改善内容を公開できれば3~4/5点を検討できます。

生産・物流・調達の代替|1/5点

茶園は約70haあり複数の圃場から構成されていますが、所在地は杵築市山香町周辺へ集中しています。加工施設も会社公式では同地域の本社・工場が中心です。

一部の圃場に病害や局地的被害が起きた場合、70haすべてが同時に失われるとは限りません。しかし広域災害や加工施設の長期停止では、同じ地域へ集中していることが弱点になります。

別地域の荒茶加工委託先、代替工場、複数物流会社、農薬・肥料・燃料の代替調達先、何日分の在庫を持つかは公表されていません。

一部圃場の分散性を考慮して1/5点です。別地域の代替加工先と輸送ルートを決め、設備停止時にも一定割合を出荷できることを実証できれば3/5点以上を検討できます。

サイバー防衛・情報保護|0/5点

現在の正社員業務には管理データのパソコン入力が含まれ、取引・人事・栽培記録などの情報システムを扱います。

しかし、カヤノ農産単体の情報セキュリティ方針、MFA、EDR、端末管理、バックアップ、ランサムウェア対策、従業員教育、重大情報事故件数について公開情報がありません。

公開情報がない点は課題です。採点上も減点対象です。

0/5点は、サイバー事故が多いと確認した評価ではありません。重要な防御・復旧状況を外部から判断できないためです。

MFA・EDR・分離バックアップなどの対策と訓練を実装し、重大インシデント0と復旧テスト結果を公開できれば2~4/5点を検討できます。

供給継続・復旧能力|2/5点

現行JGAP認証と長期の農場経営は、継続のための管理基盤があることを示します。加工施設を持ち、伊藤園との契約栽培を長年続けているため、平時の供給は継続してきました。

一方、加工機械が故障した場合の予備設備、非常用電源、別工場への振替、目標復旧時間、実際に災害から復旧した時間などは公表されていません。

例えば収穫期に加工設備が止まると、生葉は長期間保存できないため、復旧が遅れるほど商品化できる茶葉を失う可能性があります。茶栽培では畑だけでなく、収穫直後の加工継続力が重要です。

JGAPの継続管理と長期運営実績を評価して2/5点です。非常電源、予備設備、代替加工契約を整備し、24~48時間など具体的な復旧目標と訓練結果を示せれば3~4/5点を検討できます。

危機時の市民への対応|0/5点

カヤノ農産は荒茶原料を生産する会社であり、災害時に飲料水や食品を住民へ直接供給する事業者とは役割が異なります。

今回の調査では、杵築市などとの災害物資供給協定、避難所への物資提供、地域住民へ茶・水・施設を提供した実災害対応について、対象会社単体の公開実績は確認できませんでした。

公開情報がないため0/5点です。

例えば災害時にグループ会社の重機を道路・農地復旧へ提供する協定、地域への飲料・備蓄品提供、避難場所提供などを自治体と具体化し、実地訓練または実災害で機能したことを確認できれば2~4/5点を検討できます。

良いニュース・最近の前向きな動き

直近で評価できるのは、JGAP認証が現在も有効であることと、2026年に正社員・パート双方を増員していることです。カヤノ農産の茶葉を使う商品が選ばれることは、第三者基準で農場管理を続けながら、機械化された大規模茶園を地域で維持する需要を支えることにつながります。

JGAP茶2022認証が2027年3月26日まで有効

日本GAP協会の公開検索では、カヤノ農産はJGAP茶2022の認証農場として現在掲載され、有効期限は2027年3月26日です。

認証は茶の栽培・摘採・取扱いまでを対象としており、食品安全、労働安全、人権福祉、環境保全などを農場管理の仕組みとして審査します。

消費者は畑の農薬管理や作業安全を商品から直接確認できません。第三者認証が継続していることで、原料を作る段階から一定の管理基準に沿うことを外部から確認できます。

2026年 正社員3人・パート8人を増員募集

2026年9月受付の求人では、正社員の茶園育成・管理作業員3人、草取りパート8人を増員募集しています。

パート求人は手作業1,200円、草刈り機1,400円と技能によって時給を分け、熱中症対策としてこまめな休憩と作業服貸与を明記しています。

機械化が進む一方でも人を採用していることは、現時点で「機械を入れたため採用を停止した」という状態ではないことを示します。

現在も大型機械を使う農業人材を育成

現在の求人では、乗用型機械による収穫、茶葉加工、機械メンテナンスまで担当する人材を募集し、準中型免許、フォークリフトなどの資格取得を会社負担で支援するとしています。

人の仕事を単純な手摘み・運搬へ固定せず、機械を操作・保全する技能へ広げることは、農業で長く働くための職業能力を高める方向です。

悪いニュース・問題となった動き

現在の最大の問題は、重大事故が多数確認されたことではなく、繁忙期の休息、安全結果、機械化の人への還元、災害復旧を判断する数値が不足していることです。

改善されなければ、通常時の残業が低くても収穫期に夜勤・休日勤務が集中している可能性や、機械事故・熱中症が発生していても、市民が企業を比較するための材料を持てません。

年間休日110日、収穫期には夜勤

2026年求人の年間休日は110日で、収穫期の5~7月と10月頃には21時~翌5時の夜勤があります。

月平均残業10時間は強みですが、農業は季節によって仕事量が偏ります。年間平均だけでなく、収穫期の連続勤務、夜勤回数、勤務間の休息時間を確認する必要があります。

閑散期へ休日を振り替えるだけでなく、年間休日自体を120日程度まで増やせれば、体力を使う農作業を長く続けやすくなります。

労災・熱中症・機械事故の結果が公表されていない

JGAP認証や熱中症対策は確認できますが、対象会社単体の死亡災害、休業災害、熱中症、機械事故、農薬曝露などの件数は公表されていません。

大型機械、草刈り機、軽トラック、農薬・肥料、夏の屋外作業を扱う会社では、制度の存在だけでなく結果を公開することが重要です。

公開情報がない点は課題です。採点上も減点対象です。

省力機械の効果量と人への還元が公表されていない

カヤノ農産は、大型機械向け圃場に加え、堆肥散布機・箱詰め機まで共同開発しています。

しかし、何時間、何kg、何人分の作業を削減したか、残業・夜勤・休日・賃金がどう変わったかは公表されていません。

省力化の成果が「少ない人数で同じ仕事量をこなす」だけで終わるのか、働く人の自由時間・安全・所得へ返るのかによって、社会への意味は大きく変わります。

総合評価と、これから改善してほしいこと

株式会社カヤノ農産は50点、シビックランクDです。次のCランクは60点からなので、あと10点必要です。

現行JGAP認証、大型機械を前提とした圃場設計、省力機械の共同開発、通常時の残業10時間は強みです。一方、年間休日、労災結果、機械化後の人への還元、単一地域への生産集中、サイバー・復旧情報が総合点を抑えています。

年間休日を120日以上へ増やし、収穫期の夜勤負担を見える化する|労働時間・休息 6→8点

現在の「労働時間・休息」は6/10点です。

月平均残業10時間、36協定の特別条項なしは良好ですが、年間休日110日で、収穫期には夜勤と休日勤務があります。

会社が実行すべきことは、年間休日を120日以上へ増やし、収穫期の夜勤回数、連続勤務日数、勤務間インターバル達成率、有給取得率を公開することです。通常時だけでなく、最も忙しい時期でも休息を確保できる状態が必要です。

年間休日120日以上、全社平均残業15時間以下、有給取得率80%以上、夜勤後の十分な休息を継続確認できれば6→8点、+2点を検討できます。

総合点は50→52点です。

参考企業はGoogle Drive内のKDDI株式会社です。現行審査は82点・Aで、年間総実労働時間1,857.7時間、有給16.8日取得、有給取得率約85%を公表し、「労働時間・休息」8/10点です。業種は異なりますが、平均時間だけでなく年間総労働時間と有休実績まで結果として公開する点が参考になります。

労災・熱中症・機械事故を毎年公開する|労働安全・健康 6→8点

現在の「労働安全・健康」は6/10点です。

JGAP認証、熱中症対策、機械化は確認できますが、事故結果が見えません。

会社が実行すべきことは、死亡・重篤災害、休業災害、機械事故、熱中症、農薬曝露、腰痛を毎年集計し、事故原因と再発防止まで公開することです。

死亡・重篤災害0を複数年継続し、休業災害・熱中症・機械事故が低い水準で減少していることを確認できれば6→8点、+2点を検討できます。

総合点は50→52点です。

参考企業はGoogle Drive内のKDDI株式会社です。現行審査では2025年度の労災1件、死亡0、度数率0.05、強度率0.00382を公表し、「労働安全・健康」8/10点です。農業と通信では危険の種類は異なりますが、事故件数と事故率を隠さず継続比較できる形にする点は参考になります。

省力化の成果を休日・賃金へ返す|改善成果の人間への還元 1→4点

現在の「改善成果の人間への還元」は1/5点です。

圃場設計、大型収穫機、堆肥散布機、箱詰め機など、負担を減らす技術は既にあります。

次に会社が実行すべきことは、1ha当たり作業時間、1人が扱う重量、必要人数、収穫期残業、夜勤人数を機械導入前後で測定し、その削減分を年間休日、基本給、教育時間へ振り分けることです。

例えば作業人時を20%以上削減し、年間休日を120日以上へ増やしながら、基本給・賞与も継続的に引き上げ、雇用を維持または配置転換で支えたことを公開できれば1→4点、+3点を検討できます。

総合点は50→53点です。

参考企業はGoogle Driveの企業審査マスター仕様書で比較例としているキリンビバレッジ株式会社です。現行審査は74点・Bで、最大約25kgの原料を扱う重筋作業をロボットへ移し、年間約2,300時間の業務負荷削減を公表しています。カヤノ農産も「機械を導入した」から「何時間・何kg減らした」へ成果を進めて示すことが重要です。

代替加工・復旧・サイバー対策を具体化する|供給継続・復旧能力 2→4点、サイバー防衛・情報保護 0→1点

現在の「供給継続・復旧能力」は2/5点、「サイバー防衛・情報保護」は0/5点です。

茶園と加工設備が同一地域に集中し、加工設備停止時の代替先と復旧時間が公表されていません。サイバー分野も、管理データや取引情報を扱う一方、具体的対策が公表されていません。

会社が実行すべきことは、別地域または別法人との代替荒茶加工契約、非常用電源、重要部品の予備、収穫期の緊急輸送ルートを整え、設備停止から24~48時間以内など具体的な復旧目標を設定して訓練することです。情報面ではMFA、EDR、分離バックアップ、定期復旧テストを導入し、訓練結果を公開する必要があります。

代替加工と48時間以内の復旧を実地確認できれば供給継続2→4点、基本的なサイバー対策と訓練を公開できれば0→1点、合計+3点を検討できます。

総合点は50→53点です。

参考企業はGoogle Drive内の伊藤園ティーファクトリー株式会社です。現行審査は56点・D、Protection 13/25点で、静岡・兵庫・埼玉の3地域に5工場を配置し、ティーバッグは3拠点、麦茶原料の焙煎は2拠点で重複生産機能を持っています。カヤノ農産でも自社第2工場を持つ必要はありませんが、外部委託を含めて「ここが止まったらどこで処理するか」を決めておくことが参考になります。

次のCランクへ上がるための具体例

改善項目企業が実行する内容達成条件現在点→改善後加点
労働時間・休息年休増、夜勤・連続勤務・勤務間休息・有休を管理し公開年休120日以上、残業15時間以下、有休80%以上6→8+2
労働安全・健康労災・熱中症・機械事故を原因別に集計・公開死亡・重篤災害0、事故率低下を複数年確認6→8+2
改善成果の人間への還元機械化の人時・重量削減を測定し、休日・賃金・教育へ還元作業人時20%以上削減、年休・賃金改善、雇用維持を確認1→4+3
供給継続・サイバー代替加工先、非常電源、復旧目標、MFA・EDR・バックアップを整備48時間以内の代替・復旧訓練と基本サイバー対策を公開2→4、0→1+3
合計50→60+10

この4つを実際に改善できれば、50点から60点となりシビックランクCへ上がります。

つまり、カヤノ農産が次のランクへ進むために必要なのは、機械をさらに増やすことだけではありません。既にある機械化の成果を、収穫期の休息、事故削減、賃金、代替生産へ具体的に返し、その結果を数字で公表することです。

出典一覧

1.株式会社カヤノ農産「概要」
2.株式会社カヤノ農産「組織変更ならびに代表取締役就任のご挨拶」
3.大分県「建設業の農業参入 株式会社カヤノ農産」
4.昭和建設工業「グループ会社・株式会社カヤノ農産」
5.2026年9月ハローワーク由来求人「茶園育成・管理作業員」求人番号44020-06083661
6.2026年9月ハローワーク由来求人「茶園草取り作業員」求人番号44020-06086461
7.Indeed「株式会社カヤノ農産 農業(お茶)の生産育成スタッフ」
8.日本GAP協会「認証農場検索 株式会社カヤノ農産」
9.日本GAP協会「JGAP(農産)」
10.日本GAP協会「JGAP農場用 管理点と適合基準」
11.Google Drive内「KDDI株式会社を企業審査|シビックランクA・82点/100点」
12.Google Drive内「伊藤園ティーファクトリー株式会社を企業審査|シビックランクD・56点/100点」
13.Google Drive「企業審査マスター仕様書」内のキリンビバレッジ株式会社比較例

シビックランクの基準

シビックランク点数
S90~100点
A80~89点
B70~79点
C60~69点
D50~59点
E40~49点
F20~39点
G0~19点

株式会社カヤノ農産は50点のため、今回のシビックランクはDです。

情報ランクの基準

情報ランク基準
S公的機関、裁判所、規制当局、独立した第三者機関による調査・監査・検証・認証など、内容そのものに独立した裏づけがある情報
A企業公式資料、採用情報、公式声明・SNS、氏名・役職・立場を確認できる公表情報
B従業員・元従業員の口コミ、一般SNS、匿名掲示板など、発信者との関係を独立に確認しにくい情報

大分県、日本GAP協会、ハローワーク由来求人などはS相当の情報として重視します。カヤノ農産・昭和建設工業の公式資料はA、従業員口コミ・一般SNS・匿名掲示板はBとして扱い、法人・職種・時点を区別して使用します。

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