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株式会社寺田製作所を企業審査|シビックランクD・50点/100点|茶園除草・超熱煎茶ラインの省力化を評価、年休106日・残業20~25時間と労災・サイバーKPI非公表が課題

私たちは、企業の商品を購入したり、サービスを利用したりすることで、そこで働く人たちの未来を変えることができます。

働く人に十分な賃金を払い、休暇を確保し、安全な職場をつくり、人の負担を減らす企業の商品やサービスが選ばれれば、そうした企業により多くの売上が集まります。その結果、働く人を大切にする経営を続けやすくなります。

反対に、低賃金や長時間労働、安全上の問題を改善しない企業の商品やサービスが売れ続ければ、そうした働かせ方のままでも事業を続けることができます。

だからこの企業審査では、「私たちがお金を使うなら、どの企業を選ぶことが、そこで働く人にとってより良い社会につながるのか」という視点から企業を評価します。

なぜ企業を審査するのか?――このサイトの目的と、利用するメリット

今回審査する株式会社寺田製作所は、総合50点、シビックランクDです。

株式会社寺田製作所の特に強い点は、製茶機械とスマート農業技術によって、茶農家や製茶工場で発生する重労働を減らしていることです。超熱煎茶ラインでは燃料と労働力を削減し、粗揉機の渋取りという重労働を減らします。茶園うね間除草機は、茶樹の樹冠下・雨落ち部・うね間を機械で除草し、化学農薬の使用と手作業の除草負担を減らします。そのため、この企業の製品やサービスが選ばれれば、茶産業で働く人の身体負担を減らしながら、日本茶を持続的に生産しやすい社会につながる可能性が高まります。

一方で、改善点として、現在のハローワーク求人では製造・設計職の月平均残業が20~25時間、年間休日は106日です。公式採用ページでは年間111日としていますが、その中には年次有給休暇の一斉付与5日が含まれるため、会社カレンダー上の休日はハローワークの106日と整合します。また、株式会社寺田製作所単体の死亡・休業労災、機械事故、度数率・強度率、メンタル休職、サイバー事故、復旧訓練の結果は公開情報が不足しています。

この記事では、株式会社寺田製作所の強みと課題をさらに詳しく企業審査していきます。

株式会社寺田製作所の企業審査結果

寺田製作所は1911年創業の製茶機械メーカーで、静岡県島田市に本社を置きます。製茶機械だけでなく、一般産業・食品機械、制御装置、ソフトウェア、スマート農業機器まで事業領域を広げています。2025年12月時点の従業員数は156人です。

評価軸点数
Safety23/50
Innovation18/25
Protection9/25
総合点50/100
シビックランクD

評価時点:2026年10月12日

主な強み

・製茶機械の設計・製造を100年以上継続
・茶園うね間除草機で手取り除草と化学農薬の使用を減らす
・茶園うね間除草機が2025年度の民間部門農林水産研究開発功績で表彰
・2026年2月、同除草機の普及を目的とする基盤確立事業実施計画が認定
・超熱煎茶ラインで燃料コスト・労働力を削減し、渋取りの重労働を減らす
・スマート農業で「農機自動化による超省力化」と「データ活用による精密化」を推進
・「会計さんクラウド」で製茶工場の受入・精算・履歴管理をクラウド化
・2023年に事業継続力強化計画の認定を取得
・本社工場と鹿児島工場を持ち、九州・関東・関西にも営業拠点を配置

主な課題

・2026年求人で月平均残業20~25時間
・ハローワーク求人の年間休日は106日
・公式採用ページの「年間111日」は有給休暇一斉付与5日を含む
・繁忙期は週休1日となる勤務カレンダー
・営業職など一部求人で25時間分の固定残業代を含む給与体系
・会社単体の有給取得率、月45時間超の人数、男女賃金比率、女性管理職比率が非公表
・労働組合なし
・死亡・休業労災、機械事故、度数率・強度率などの安全KPIが非公表
・2022年にISO9001認証を返上し、現在はISOに準じた自社マネジメントシステムへ移行
・クラウドサービスを展開しているが、MFA、EDR、標的型メール訓練、重大サイバー事故件数、復元訓練結果が非公表
・製品の省力化成果が自社従業員の残業・休日・賃金へどう還元されたか非公表

事業内容と人間への貢献

寺田製作所は、茶葉を摘採し、蒸し、揉み、乾燥し、仕上げるための製茶機械を設計・製造しています。

日本茶は農作物であると同時に加工品でもあり、茶園での管理から工場での製造まで多くの人手が必要です。寺田製作所の機械は、この工程を機械化・自動化し、農家や工場従業員の身体負担を減らしながら品質を一定に保つ役割を持ちます。

基本情報

項目内容
会社名株式会社寺田製作所
法人番号4080001013428
本社静岡県島田市牛尾869-1
創業1911年
法人設立1945年
代表取締役社長寺田 均
資本金8,100万円
従業員数156人(2025年12月現在)
主な事業製茶機械、一般産業・食品機械、電子制御装置、ソフトウェアの開発・製造・販売
主な生産拠点本社工場、鹿児島工場
主な営業拠点九州支社、宮崎、大隅、南薩、八女、関東、関西
販売店全国32社

製茶機械で茶産業の人手不足を補う

製茶では、摘採、搬送、蒸熱、揉み、乾燥、仕上げと複数の工程があります。

寺田製作所は乗用摘採機、搬送装置、蒸機、粗揉機、中揉機、乾燥機、制御盤などを一貫して提供しています。人が手作業で行っていた工程を機械へ移すことで、必要な人員と身体負担を減らし、製茶品質を安定させる基盤になります。

超熱煎茶ラインで重労働を減らす

超熱煎茶ラインは、従来の煎茶製造ラインの粗揉工程の一部を超熱機へ置き換える方式です。

会社は、燃料コストと労働力の削減に加え、粗揉機の渋取り作業という重労働から解放されると説明しています。また、茶渋の減少による歩留まり向上と一般生菌リスクの低減も示しています。

単に処理速度を上げるだけでなく、現場で負担の大きい清掃・渋取り作業を減らすため、人間への貢献が明確な技術です。

茶園うね間除草機で手作業と農薬を減らす

茶園うね間除草機は、農研機構と静岡県農林技術研究所との共同開発による装置です。

樹冠下や雨落ち部、うね間を機械で除草し、10aあたり約40分で作業できる仕様が示されています。2025年度には「うね間と樹冠下・雨落ち部両方に対応した茶園除草機」として農林水産・食品産業技術振興協会会長賞を受賞しました。

2026年2月には、この機械の普及によって化学農薬の使用低減へつなげる基盤確立事業実施計画も認定されています。

Safety|23/50

Safetyでは、寺田製作所の製造、設計、営業、メンテナンスに従事する人が、適切な賃金・休息・安全を得られているかを評価します。

昇給・賞与・退職金、育児や介護との両立制度は確認できます。一方、年間休日106日と月20~25時間の残業、労災結果の非公表、男女の待遇・管理職構成の開示不足が点数を抑えました。

賃金・利益の還元|6/10

2026年のハローワーク求人では、製造・開発・設計職の基本給は概ね月20万円~30万円です。

設計・営業系の一部求人では、25時間分の固定残業代を含め月23万6,188円~35万4,282円という募集があります。製造職では固定残業代なしの月20万円~30万円の求人が確認できます。

昇給は前年度実績で月0円~8,120円、賞与は年2回・計3.20カ月分です。退職金制度も勤続2年以上であります。

6/10点とした理由は、賞与・昇給・退職金があり、正社員として一定の利益還元を確認できるためです。

一方、全社員の平均年収、賃上げ率、賃金中央値、物価上昇を上回る実質賃金改善は公表されていません。営業系で固定残業25時間分を給与へ組み込む求人もあり、基本給と時間外労働の関係が分かりにくくなります。

全社員の平均賃上げ率と職種別賃金中央値を毎年公開し、固定残業への依存を減らしながら実質賃金を継続的に引き上げられれば8/10点を検討できます。

労働時間・休息|4/10

2026年のハローワーク求人では、機械設計職の月平均残業は20時間、製造・営業・メンテナンス系では25時間前後の求人があります。

年間休日は106日です。基本は週休2日ですが、繁忙期は週休1日となる会社カレンダーです。

公式採用ページでは「年間111日」としていますが、「有給休暇の一斉付与5日含む」と明記されています。法定の年次有給休暇5日を年間休日へ含めて表示しているため、会社カレンダー上の休日はハローワークに掲載された106日と整合します。

4/10点とした理由は、月20~25時間の残業は極端な長時間労働ではない一方、年間休日106日は少なく、繁忙期の週休1日も休息確保の観点で改善余地が大きいためです。

会社カレンダー上の休日を120日以上へ増やし、平均残業15時間以下、有給取得率70%以上、月45時間超の従業員割合を公開できれば6~8点を検討できます。

雇用の安定・待遇の公平性|2/5

2026年の採用実績は新卒4人、中途1人で、2020年以降も継続的に採用しています。

ハローワーク求人では外国人雇用実績があり、60歳定年後の65歳までの再雇用制度もあります。

一方、会社全体の女性従業員比率、女性管理職比率、男女賃金比率、正社員と非正規の待遇差、離職率、3年定着率は公開情報が不足しています。

本社の一部求人では就業場所120人中女性20人とされていますが、会社全体の男女構成や管理職構成を示すものではありません。

そのため2/5点です。

女性管理職20%以上、正規雇用の男女賃金比率90%前後、雇用区分別賃金と離職率を毎年公開できれば4/5点を検討できます。

福利厚生・育児・介護|4/5

雇用・労災・健康・厚生年金、財形貯蓄、退職金、住宅手当、家族手当などが確認できます。

育児短時間勤務は子どもが小学校へ入学する前日まで利用でき、法定の3歳までより長い制度です。部署によってフレックスタイム制度もあります。

介護休職は対象者1人につき通算93日、介護短時間勤務は最大3年間・6時間勤務で取得できます。

ハローワーク求人では育児休業取得実績も確認できます。

制度内容が具体的で、育児・介護の両立支援が法定最低水準を上回る部分もあるため4/5点です。

満点としない理由は、男性育休取得率、育休復職率、介護休業利用者数、短時間勤務の利用率などの結果が公表されていないためです。

人権・ハラスメント・労使関係|2/5

ハローワーク求人では労働組合なしとされています。

現在の公式サイトでは、ハラスメント相談件数、内部通報制度の利用件数、是正件数、第三者相談窓口などの公開情報を確認できませんでした。

転職会議とYahoo!しごとカタログには、2014年以前~2018年頃に勤務した営業職から、同族経営や評価の恣意性、社内対立を指摘する投稿があります。

これらは非常に古い情報で、現在の職場環境を示すものとして採点へ直接反映することは避けます。一方、現在の内部通報・ハラスメント是正結果が公開されていないため、問題が解消したことも外部から確認できません。

そのため2/5点です。

相談窓口と内部通報制度を明確にし、相談・認定・是正件数を匿名化して毎年公開できれば3~4点を検討できます。

労働安全・健康|2/10

製造現場では板金、アーク溶接、塗装、機械組立、制御盤の配線を行います。

営業・メンテナンス職では、2t・3t車を含む社用車で茶工場を訪問し、機械の設置・修理・電気配線などを行います。

つまり、溶接、機械設備、重量物、電気、運転、出張作業など複数の労災リスクがあります。

しかし、株式会社寺田製作所単体の死亡労災、休業労災、挟まれ・巻き込まれ事故、感電事故、交通事故、度数率、強度率、メンタル休職率を確認できる公開情報がありません。

重大死亡事故、行政処分、書類送検についても社名・所在地を絞って確認しましたが、今回、近年の対象法人固有の重大案件は確認できませんでした。ただし、事故が0件であることを意味しません。

公開情報が不足しているため2/10点です。

死亡・重篤事故0、休業労災、交通事故、度数率・強度率を毎年公開し、複数年にわたって低い事故率を確認できれば6~8点を検討できます。

商品・サービスの安全|3/5

寺田製作所は2002年にISO9001を取得し、2017年にISO9001:2015へ移行しました。

一方、2022年にはISO認証を返上し、現在は「ISOに準じた弊社マネジメントシステム」に変更したと公式沿革で説明しています。

品質方針として、顧客と社会のニーズの把握、品質重視のものづくり、教育、社内監査を掲げています。

超熱煎茶ラインでは一般生菌リスク低減も製品効果として示されており、食品加工機械メーカーとして衛生面の改善も意識されています。

一方、第三者認証を返上しているため、現在の品質管理は外部認証より自社管理への依存が大きくなっています。また、重大製品事故、リコール、誤作動、顧客クレーム件数の年間KPIは公開されていません。

そのため3/5点です。

製品事故・リコール件数、重大故障、食品衛生トラブルを毎年公開し、第三者監査または同等の検証結果を示せれば4~5点を検討できます。

従業員・元従業員の口コミ

転職会議では現在確認できる口コミは3件で、いずれも主に2018年頃以前の内容です。総合評点は2.71です。

2018年頃の30代前半男性営業職からは、年収300万円という投稿と、評価・意思決定に関する不満が書かれています。

Yahoo!しごとカタログには8件の口コミがありますが、確認できる投稿の多くは2014年以前に在籍した退職者によるものです。給与水準、女性活躍、同族経営、社内対立などへの指摘があります。

古い口コミを現在の会社全体へそのまま当てはめることはできません。現在の会社はスマート農業・ソフトウェア・一般食品機械へ事業領域を広げ、採用や両立支援制度も更新しています。

そのため口コミは補助資料として扱い、現在の採点は2026年の公式求人と現行制度を優先しています。

SNS・匿名掲示板の確認結果

X、5ちゃんねる、爆サイで「株式会社寺田製作所」「島田市」「牛尾」と「残業」「給料」「パワハラ」「事故」「退職」などを組み合わせて確認しました。

今回、対象法人との関係、投稿時期、職種、本文を確認でき、採点を変更できるだけの有用な原文は確保できませんでした。

同名の株式会社寺田製作所が全国に複数存在するため、所在地や事業内容が一致しない投稿は採点に使用していません。

Innovation|18/25

Innovationでは、寺田製作所の機械やソフトウェアが、人の身体負担・作業時間・農薬使用をどこまで減らしているか、その改善を継続できているかを評価します。

この項目は同社の最大の強みです。茶園うね間除草機、超熱煎茶ライン、スマート農業、クラウドソフトなど、茶産業の人手不足と重労働を直接減らす製品を複数開発しています。

作業負担・危険の削減|8/10

超熱煎茶ラインは、燃料コストと労働力を減らし、粗揉機の渋取りという重労働から人を解放すると会社自身が明記しています。

茶園うね間除草機は、茶樹の樹冠下、雨落ち部、うね間を機械で除草し、手取り除草を減らします。農研機構の資料では作業速度約20cm/秒、10aあたり約40分の作業が可能とされています。

会社はスマート農業の方針として「農機自動化による超省力化」と「データ活用による精密化」を掲げています。

人が繰り返してきた清掃・除草・農機操作の負担を具体的に減らしているため8/10点です。

満点としない理由は、導入前後で必要作業人数、年間労働時間、腰痛・事故リスクなどが何%減ったかというユーザー側の横断的な結果データが十分に公開されていないためです。

商品・サービスの改善|5/5

茶園うね間除草機は、化学農薬を使わず機械的に雑草を除去できるため、有機栽培や農薬削減へ貢献します。

2025年度には民間部門農林水産研究開発功績で公益社団法人農林水産・食品産業技術振興協会会長賞を受賞し、2026年2月には農林水産省の制度で基盤確立事業実施計画が認定されました。

2025年10月には「会計さんクラウド」を公開し、茶工場や自宅からデータへアクセスでき、初期投資を従来比約40%減らすとしています。

2026年にはFOOMA JAPANへ食用製粉機を出展し、製茶機械以外の食品加工領域にも展開しています。

製品が品質・省力・環境負荷・デジタル管理を複数方向で改善しているため5/5点です。

改善成果の人間への還元|0/5

寺田製作所の製品は、顧客である茶農家・製茶工場の作業負担を減らしています。これは「作業負担・危険の削減」で高く評価しています。

一方、寺田製作所自身の従業員について、設計自動化、製造設備、DX、クラウド化などで削減した時間が、残業、休日、賃金へどれだけ返ったかを示す公開情報がありません。

2026年現在も月平均残業20~25時間、年間休日106日という求人が確認できます。

そのため0/5点です。

自社の改善活動によって残業を20%以上削減し、会社カレンダー上の休日を増やし、賃金改善へつなげた結果を公開できれば2~4点を検討できます。

研究開発・現場改善の継続|5/5

1986年に研究開発工場を設立し、現在も製茶機械、スマート農業、食品加工機械、制御、ソフトウェアの開発を続けています。

Gビズインフォでは特許14件、商標2件が確認できます。

2025年には茶園うね間除草機が公的な研究開発表彰を受け、2026年には同機の普及計画が認定されました。FOOMA JAPAN 2026にも出展しています。

単発の製品改良ではなく、機械・制御・ソフト・農業技術を長期間継続して開発しているため5/5点です。

自動化・AI導入後の雇用状況

寺田製作所は顧客向けには自動化・省力化設備を開発していますが、自社内でAIやロボット導入によって大規模な人員削減を実施したという公開情報は確認していません。

公式採用サイトでは、2026年に新卒4人、中途1人を採用し、現在も製造・営業・開発職を募集しています。

そのため現時点で「自動化による大規模解雇」は確認していません。

一方、自社の自動化導入前後の従業員数、配置転換数、離職率、製造工数の推移は公開されていません。雇用を守りながら生産性を高めたと断定できるだけの結果情報もないため、この部分は中立評価としています。

Protection|9/25

Protectionでは、地震、豪雨、火災、停電、工場停止、サイバー攻撃が起きた場合に、製茶機械の製造・保守・ソフトウェア提供を継続できるかを評価します。

2023年の事業継続力強化計画認定と、本社・鹿児島工場の複数生産拠点は強みです。一方、訓練結果、拠点切替時間、サイバー防御、クラウド復旧の実績はほとんど公開されていません。

災害への備え・訓練|3/5

Gビズインフォでは、2023年4月21日に中小企業庁の「事業継続力強化計画」認定を受けたことを確認できます。

この認定は、自然災害などによる事業停止へ備え、事前対策を計画する企業が対象です。

計画を策定し公的認定を受けている点を評価して3/5点です。

一方、防災訓練の回数、安否確認時間、非常用電源、設備復旧訓練の結果は公開情報が不足しています。

生産・物流・調達の代替|3/5

寺田製作所は静岡県島田市の本社工場に加え、鹿児島県姶良市に鹿児島工場を持ちます。九州支社、宮崎、大隅、南薩、八女、関東、関西にも拠点を配置しています。

本社が被災しても九州側に一定の製造・サービス基盤が残る構造は評価できます。

一方、どの製品を鹿児島工場で代替生産できるか、主要部品の複数購買、代替物流、切替時間、在庫日数は公表されていません。

そのため3/5点です。

サイバー防衛・情報保護|1/5

寺田製作所は「会計さんクラウド」やスマートフォンアプリを提供しており、顧客の製茶工場データやメールアドレスなどを扱います。

アプリのプライバシーポリシーでは、取得する情報、利用目的、第三者提供の考え方などを公開しています。

一方、現在のクラウドサービスについて、MFA、EDR、脆弱性診断、SOC、標的型メール訓練、暗号化、重大インシデント件数、バックアップ復元訓練、RTO・RPOの公開情報を確認できません。

クラウドサービスを事業化している以上、情報保護の技術・訓練・結果を外部から確認できないことは課題です。

そのため1/5点です。

供給継続・復旧能力|2/5

事業継続力強化計画の認定と複数拠点は、事業継続の基礎として評価できます。

しかし、本社工場やクラウドサービスが停止した場合の復旧目標時間、設計データのバックアップ、代替生産計画、部品供給停止時の切替手順を確認できる公開情報はありません。

そのため2/5点です。

主要設備・設計データ・クラウドサービスごとのRTO・RPOを設定し、実地訓練で目標時間内の復旧を確認できれば3~4点を検討できます。

危機時の市民への対応|0/5

寺田製作所の製茶機械は農業・食品産業を支える重要な設備ですが、災害時の市民向け物資提供、自治体との災害協定、被災地への機械・人員派遣などについて、対象会社単体の具体的な公開実績は今回確認できませんでした。

通常事業の社会的価値は「事業内容と人間への貢献」で評価しています。

Protectionのこの項目では、危機時に市民へ直接提供した支援実績を確認できないため0/5点です。

良いニュース・最近の前向きな動き

寺田製作所では、2025年から2026年にかけて、スマート農業、農薬削減、クラウド化、食品機械への展開で前向きな動きが続いています。

技術開発が単に機械の性能向上にとどまらず、農作業の負担削減や環境負荷低減へつながっている点が特徴です。

2026年2月|茶園うね間除草機の基盤確立事業実施計画が認定(Innovation)

2026年2月、株式会社寺田製作所の茶園うね間除草機について、基盤確立事業実施計画が認定されました。

農林水産省の概要では、樹冠下・雨落ち部・うね間の除草を機械化し、化学農薬の使用低減に寄与するとしています。2026年から2031年3月まで、展示会や現地実演会を通じて普及を進める計画です。

2026年6月|FOOMA JAPAN 2026へ出展(Innovation)

2026年6月、東京ビッグサイトで開催されたFOOMA JAPAN 2026へ出展し、食用製粉機「美砕機」「美砕機mini」を展示しました。

製茶機械で培った乾燥・粉砕技術を一般食品加工へ広げていることは、茶市場だけに依存しない技術展開として評価できます。

2026年2月|「会計さんクラウド」が業界向け情報誌で紹介(Innovation)

2025年10月に公開した「会計さんクラウド」は、2026年2月にダイワボウ情報システムの情報誌でも紹介されました。

茶工場での生葉受入、精算、履歴管理をクラウドへ移し、工場外からも利用できるようにしたサービスです。

2025年12月|茶園うね間除草機が研究開発功績表彰(Innovation)

2025年度の民間部門農林水産研究開発功績者表彰で、寺田製作所の茶園うね間除草機が公益社団法人農林水産・食品産業技術振興協会会長賞を受賞しました。

手取り除草の負担と農薬使用の双方を減らす技術が公的に評価された点は大きな強みです。

悪いニュース・問題となった動き

今回の調査では、株式会社寺田製作所について直近の重大な死亡事故、大規模リコール、行政処分、情報漏えいなどの重大不祥事は確認していません。

一方、働き方と安全・サイバーの結果開示には明確な課題があります。問題が起きていると断定するのではなく、外部から安全性を検証できる情報が足りない状態です。

2026年求人|年間休日106日、残業20~25時間(Safety)

2026年のハローワーク求人では、機械設計職の月平均残業20時間、製造・営業・メンテナンス系で25時間前後の求人が確認できます。

年間休日は106日で、基本は週休2日ですが繁忙期は週休1日です。

公式採用サイトでは111日と表示されていますが、有給休暇の一斉付与5日を含むため、会社カレンダー上の休日を増やす余地があります。

2026年時点|労災・機械事故KPIが非公表(Safety)

板金、溶接、機械組立、電気配線、設備据付、車両運転を行う会社ですが、死亡・休業労災、機械事故、交通事故、度数率・強度率を確認できる公開情報がありません。

製造業では、対策の有無だけでなく、結果として事故が何件起きたのかを公開することが重要です。

2026年時点|クラウドサービスのサイバーKPIが非公表(Protection)

会計さんクラウドでは重要なデータを履歴を含めクラウドサーバーへ保存すると説明しています。

一方、MFA、暗号化、EDR、脆弱性診断、標的型メール訓練、重大事故件数、バックアップ復元訓練などの結果は公開されていません。

クラウド事業を広げるほど、サイバー防御と復旧実績の開示は重要になります。

2022年|ISO9001認証を返上(Safety)

寺田製作所は2002年からISO9001認証を取得していましたが、2022年に認証を返上し、ISOに準じた自社マネジメントシステムへ変更しました。

認証返上そのものを品質低下とは判断しません。

ただし、第三者認証がなくなったことで、品質管理を外部が定期的に確認しているという裏付けは弱くなりました。現在の製品事故・重大不具合・社内監査結果を自主的に公開すれば、この弱点を補えます。

総合評価と、これから改善してほしいこと

株式会社寺田製作所は現在50点・シビックランクDです。

次のCランクは60点からなので、あと10点必要です。

茶農家や製茶工場の重労働を減らす技術は非常に強く、Innovationは高得点です。

一方、自社で働く人については、年間休日106日、残業20~25時間という現行求人があり、効率化で生まれた利益・時間が従業員へ還元された結果が見えません。

また、製造業として重要な労災結果と、クラウド事業者として重要なサイバー結果が非公表です。

年間休日120日・残業15時間以下へ改善してほしい|労働時間・休息:4→6/10

現在の「労働時間・休息」は4/10点です。

会社カレンダー上の年間休日を106日から120日以上へ増やし、

・月平均残業15時間以下
・月45時間超の従業員割合5%未満
・有給取得率70%以上
・繁忙期も原則週休2日

を実現・公開できれば4→6/10点を検討できます。

+2点で総合52点です。

参考企業は株式会社沖縄ファミリーマートです。当サイトの現行審査では、月平均残業14時間、年間休日120日を確認し、「労働時間・休息」8/10点と評価しています。

労災・機械事故を結果で公開してほしい|労働安全・健康:2→6/10

現在の「労働安全・健康」は2/10点です。

株式会社寺田製作所が、

・死亡労災件数
・休業4日以上の労災件数
・挟まれ・巻き込まれ事故
・感電事故
・据付作業中事故
・交通事故
・度数率・強度率

を毎年公開し、死亡・重篤事故0と低い事故率を複数年確認できれば2→6/10点を検討できます。

+4点で総合54点です。

参考企業はKDDI株式会社です。当サイトの現行審査では、2025年度単体の労働災害1件、死亡0、重篤工事事故0、度数率0.05、強度率0.00382まで公開し、「労働安全・健康」8/10点としています。

自社の省力化成果を従業員へ返してほしい|改善成果の人間への還元:0→2/5

現在の「改善成果の人間への還元」は0/5点です。

顧客向けには「農機自動化による超省力化」を掲げていますが、自社の設計・製造・営業でも同じ考え方を進める必要があります。

・設計自動化
・製造工程の治具・搬送自動化
・受発注や在庫管理のDX
・AI・ソフトによる設計支援

などを導入し、その前後で残業、休日、賃金、配置転換、採用数を公開してください。

平均残業を20~25時間から15時間以下へ減らし、削減した人員を解雇するのではなく、休日・賃金・高付加価値業務へ還元したことが確認できれば0→2/5点を検討できます。

+2点です。

参考企業は株式会社利根川産業です。当サイトの現行審査では、RPAで年間約360時間を削減し、担当者が顧客対応や改善提案へ時間を使えるようにしたこと、有休取得率72%、工場残業8時間、事務残業原則0時間を確認し、「改善成果の人間への還元」4/5点としています。

クラウドサービスのサイバー復旧力を公開してほしい|サイバー防衛・情報保護:1→3/5

現在の「サイバー防衛・情報保護」は1/5点です。

会計さんクラウドを継続運営するなら、

・MFA適用率
・EDR導入範囲
・データ暗号化
・脆弱性診断
・標的型メール訓練
・重大情報事故件数
・バックアップ復元訓練
・RTO・RPO
・実測復旧時間

を対象会社単体で公開してください。

毎年の訓練と重大事故0を確認できれば1→3/5点、+2点を検討できます。

参考企業は株式会社ミツウロコグループホールディングスです。当サイトの現行審査では、契約社員・協力会社を含むセキュリティ教育と抜き打ち標的型メール訓練を確認し、「サイバー防衛・情報保護」4/5点としています。

次のランクへ上がるための具体例

現在50点・Dで、Cランクは60点からです。あと10点必要です。

・労働時間・休息:4→6/10
年間休日120日以上、平均残業15時間以下、有休70%以上
→+2点

・労働安全・健康:2→6/10
労災・機械事故・度数率・強度率を公開し、死亡・重篤事故0を継続
→+4点

・改善成果の人間への還元:0→2/5
自社DX前後の残業・休日・賃金を公開し、残業を15時間以下へ削減
→+2点

・サイバー防衛・情報保護:1→3/5
MFA・EDR・復元訓練・RTO/RPO・事故件数を公開
→+2点

これらを実現すれば、

50点+2点+4点+2点+2点=60点

となり、シビックランクCへ到達します。

寺田製作所は、茶産業で働く人の重労働を減らす技術を持つ会社です。次に必要なのは、その「省力化」の思想を自社の働き方にも徹底し、休日・残業・安全・サイバーの改善結果を数字で公開することです。

最終評価は、

Safety:23/50
Innovation:18/25
Protection:9/25
総合:50/100
シビックランク:D

とします。

出典一覧

1.株式会社寺田製作所「会社案内・会社概要」【情報ランクA】

2.株式会社寺田製作所「採用情報・2026年中途募集要項」【情報ランクA】

3.株式会社寺田製作所「両立支援」【情報ランクA】

4.厚生労働省 ハローワークインターネットサービス「株式会社寺田製作所 製茶機械製造・開発・設計等求人」2026年【情報ランクS】

5.株式会社寺田製作所「製品案内」【情報ランクA】

6.株式会社寺田製作所「新製法 超熱煎茶ライン」【情報ランクA】

7.株式会社寺田製作所「茶園うね間除草機」【情報ランクA】

8.農林水産省「令和7年度 民間部門農林水産研究開発功績者表彰」【情報ランクS】

9.農林水産省「株式会社寺田製作所の基盤確立事業実施計画の概要」2026年2月認定【情報ランクS】

10.農研機構「茶園うね間除草機」資料【情報ランクS】

11.株式会社寺田製作所「会計さんクラウド」【情報ランクA】

12.Gビズインフォ「株式会社寺田製作所」事業継続力強化計画認定・特許情報【情報ランクS】

13.株式会社寺田製作所「アプリケーション・プライバシーポリシー」【情報ランクA】

14.株式会社寺田製作所「会社沿革・品質方針」【情報ランクA】

15.株式会社寺田製作所「FOOMA JAPAN 2026出展」【情報ランクA】

16.FOOMA JAPAN 2026「出展社一覧」【情報ランクA】

17.転職会議「株式会社寺田製作所 社員口コミ」【情報ランクB】

18.Yahoo!しごとカタログ「株式会社寺田製作所 社員クチコミ」【情報ランクB】

19.Indeed「株式会社寺田製作所 求人・給与情報」【情報ランクB】

20.静岡労働局「令和8年度 静岡県最低賃金」【情報ランクS】

21.シビックギルド「株式会社沖縄ファミリーマートを企業審査」【比較資料】

22.シビックギルド「KDDI株式会社を企業審査」【比較資料】

23.シビックギルド「株式会社利根川産業を企業審査」【比較資料】

24.シビックギルド「株式会社ミツウロコグループホールディングスを企業審査」【比較資料】

シビックランクの基準

ランク総合点
S90~100点
A80~89点
B70~79点
C60~69点
D50~59点
E40~49点
F20~39点
G0~19点

株式会社寺田製作所は50点のため、シビックランクDです。

情報ランクの基準

情報ランク基準
S行政、公的機関、裁判所、規制当局、独立第三者機関の調査・監査・検証・認証など、内容そのものに独立した裏づけがある情報
A企業公式資料、採用情報、公式声明・SNS、氏名・役職・立場が確認できる記名取材や公表発言など、発信主体を確認できる情報
B従業員・元従業員口コミ、一般SNS、匿名掲示板など、発信者の身元や対象企業との関係を独立に確認しにくい情報

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