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ゴールドパック株式会社を企業審査|シビックランクC・69点/100点|7,000円ベア・AGF/AI省人化・FSSC22000を評価、2025年商品回収と労災・BCP開示不足が課題

私たちは、企業の商品を購入したり、サービスを利用したりすることで、そこで働く人たちの未来を変えることができます。

働く人に十分な賃金を払い、休暇を確保し、安全な職場をつくり、人の負担を減らす企業の商品やサービスが選ばれれば、そうした企業により多くの売上が集まります。その結果、働く人を大切にする経営を続けやすくなります。

反対に、低賃金や長時間労働、安全上の問題を改善しない企業の商品やサービスが売れ続ければ、そうした働かせ方のままでも事業を続けることができます。

だからこの企業審査では、「私たちがお金を使うなら、どの企業を選ぶことが、そこで働く人にとってより良い社会につながるのか」という視点から企業を評価します。

なぜ企業を審査するのか?――このサイトの目的と、利用するメリット

今回審査するゴールドパック株式会社は、総合69点、シビックランクCです。

ゴールドパック株式会社の特に強い点は、7,000円のベースアップを実施しながら、AGFやAI外観検査で人の運搬・検査作業を減らし、複数工場でFSSC22000などの食品安全管理を進めていることです。そのため、この企業の商品を購入したりサービスを利用したりすれば、働く人の所得と作業安全を高めながら、安全な飲料を安定して届けられる社会につながる可能性が高まります。

一方で、改善点として月平均残業23.1時間、女性管理職比率約8%、労災結果の公開不足に加え、2025年には松本工場で製造した委託商品で微生物混入による自主回収が発生したことが残ります。

この記事では、ゴールドパック株式会社の強みと課題をさらに詳しく企業審査していきます。

ゴールドパック株式会社の企業審査結果

評価対象は、東京都品川区に本社を置くゴールドパック株式会社です。1959年設立で、エア・ウォーター株式会社の100%子会社です。2025年10月1日にAW・ウォーター株式会社を吸収合併し、2026年3月31日時点では従業員766人、2026年3月期売上高569億円、松本・あずみ野・恵庭・青森・信濃大町の5工場体制となっています。評価日は2026年10月12日です。[出典1・2・3]

評価軸得点主な評価
Safety34/507,000円ベア、賞与5.20か月、育休取得、男女賃金比率、食品安全管理を評価。残業23.1時間、女性管理職約8%、労災KPI非公表、2025年商品回収が課題
Innovation20/25恵庭工場のAGF・自動倉庫で1名分省人化、松本工場のAI外観検査、改善提案約2,000件/年を評価。削減人員の再配置と賃金・休日への還元は未公表
Protection15/255工場分散、災害時飲料供給協定、複数物流・生産拠点を評価。サイバー技術対策、RTO・RPO、代替生産の実地結果が不足
総合69/100シビックランクC

ゴールドパックは、自社ブランド飲料とOEM・受託製造を手がける飲料メーカーです。採用情報では自社ブランドが約2割、OEMが約8割と説明されています。天然水、野菜・果実飲料、茶系飲料、清涼飲料などを製造し、容器もPET、紙、缶など複数に対応しています。[出典1・4]

2025年10月のAW・ウォーター吸収合併では、同社の事業・権利義務をゴールドパックが承継しました。工場数とミネラルウォーター事業が拡大したため、災害や需要変動時に一つの工場だけへ依存しにくい生産基盤になっています。[出典2・3]

事業内容と人間への貢献

ゴールドパックの仕事は、農産物や水などの原料を調達し、飲料へ加工し、検査・充填・包装したうえで小売店や飲料ブランドへ届けることです。OEM比率が高いため、店頭では別ブランドの商品として販売されていても、実際の製造をゴールドパックが担う商品があります。[出典1・4]

項目内容
会社名ゴールドパック株式会社
設立1959年3月6日
本社東京都品川区東品川4丁目13番14号
代表取締役社長宇治 俊雄
資本金3億300万円
株主エア・ウォーター株式会社100%
法人番号7011001007976
従業員数766人、2026年3月31日時点
売上高569億円、2026年3月期
工場松本、あずみ野、恵庭、青森、信濃大町
主な事業清涼飲料の製造・販売、自社ブランド、OEM・受託製造

人間への貢献は、飲料を大量かつ安定した品質で供給することです。スーパーやコンビニで売られる飲料、災害時にも必要になる水、野菜・果実を原料とする飲料などを複数拠点で製造することで、消費者は季節を問わず一定品質の商品を入手しやすくなります。

品質面では、原材料の履歴から製造・出荷までを追跡する仕組み、アレルゲン管理、放射性物質検査、食品防御、各工場の食品安全認証を組み合わせています。飲料を大量生産する企業で一つの品質事故が広い範囲へ影響するため、製造量の大きさだけでなく、異常を早く見つけ、対象商品を絞り込める仕組みが人の安全につながります。[出典12・13・14]

Safety

Safetyでは、賃金、休息、雇用の公平性、育児支援、人権、安全衛生、商品の安全性を評価しました。ゴールドパックは2025年の7,000円ベースアップ、賞与5.20か月、男女の育休取得、食品安全認証で具体的な強みがあります。一方、月平均残業23.1時間、女性管理職比率約8%、単体の労災結果非公表、2025年の商品回収が満点を妨げています。

賃金・利益の還元:8/10

2025年の賃金改定では、定期昇給3,300円に加え、ベースアップ7,000円を実施し、合計1万1,300円の引き上げとしています。一般社員の2025年賞与実績は年間5.20か月、新入社員は2.54か月です。[出典5]

2027年入社予定の初任給は大学院卒23万9,200円、4年制大学卒23万200円、短大・専門・高専卒20万9,700円です。残業代は固定残業ではなく、時間外・深夜勤務分を別途支給します。[出典5]

7,000円のベースアップは、勤続年数に応じた定期昇給とは別に賃金表そのものを引き上げるため、既存社員の将来賃金にも影響します。賞与5.20か月も利益を働く人へ還元する手段として評価できます。

一方、ゴールドパック単体の平均年間給与、給与中央値、利益に対する人件費比率、非正規を含む雇用区分別の平均賃金は公表されていません。そのため8/10点です。会社全体の平均・中央値、毎年のベア率、雇用区分別賃金を継続公開し、高い実質賃金上昇を複数年確認できれば10点を検討できます。

労働時間・休息:6/10

2025年度の月平均残業は23.1時間、平均有給休暇取得日数は12.1日です。年間休日は営業部門等で122日、工場カレンダーでは114日です。工場には通常勤務のほか、3交替制や12時間拘束の2交替制があります。[出典5・6]

厚生労働省の2025年就労条件総合調査では、労働者1人あたりの平均有給取得日数は12.1日であり、ゴールドパックの12.1日は全国平均と同水準です。一方、残業23.1時間は月20勤務日で単純換算すると1日約1時間9分です。[出典7]

有給を全国平均程度取得できている点と、営業等122日の休日を評価します。一方、工場114日は営業部門より8日少なく、月平均残業23.1時間にも改善余地があります。

そのため6/10点です。全社平均残業15時間以下、有休取得率80%以上、工場年間休日120日以上、月60時間超の長時間労働者がほぼ0の状態を継続公開できれば8点以上を検討できます。

雇用の安定・待遇の公平性:4/5

親会社の法定開示で、ゴールドパックの2025年度男女賃金比率は全労働者83.0%、正規雇用82.5%、パート・有期86.7%です。男性育休取得率は87.5%、女性は100%です。[出典8]

正規雇用の男女賃金比82.5%は、差がない状態ではありませんが、女性の賃金が男性の8割を超えています。非正規も86.7%で、雇用区分を分けた結果を確認できる点は評価できます。

女性管理職比率は法定開示で7.9%、採用サイトの最新表示では8.6%です。集計時点が異なるため併記します。従業員に占める女性比率は約16.7%であり、管理職登用はまだ十分とはいえません。[出典6・8]

賃金比率と育休取得を評価して4/5点です。正規雇用の男女賃金比90%以上、女性管理職20%以上を実現し、職位・職種・勤続年数をそろえた賃金差まで公開できれば5点を検討できます。

福利厚生・育児・介護:5/5

健康保険、厚生年金、雇用保険、労災保険に加え、企業型確定拠出年金、エア・ウォーターグループ持株会、社員食堂、自社商品割引、リゾート施設割引、通信教育補助、eラーニングなどを設けています。[出典5]

住宅手当は条件により月3万円かつ家賃の70%以内、家族手当は扶養1人目1万9,000円、2人目以降1人4,000円、食事補助は月8,550円です。失効年休を最大60日まで積み立て、本人や家族の療養などに使える制度もあります。[出典5]

男性育休87.5%、女性100%という利用実績も確認できます。制度と利用結果の両方が具体的であるため5/5点です。

人権・ハラスメント・労使関係:3/5

エア・ウォーターグループには内部・外部の通報窓口があり、通報者への不利益取り扱いを禁止しています。人権相談では匿名性・秘密保持・報復禁止を掲げ、ゴールドパックには労働組合も存在し、食品産業の労組組織で春闘情報交換へ参加しています。[出典9・10・11]

一方、対象法人単体の相談件数、調査件数、認定件数、是正件数、平均解決期間、再発件数は公表されていません。グループの制度を対象会社の運用結果として置き換えることはできません。

相談経路と労使関係を評価し3/5点です。ゴールドパック単体の相談・調査・是正結果、従業員サーベイ、報復防止の運用結果を公開し、制度が実際に機能していることを確認できれば4~5点を検討できます。

労働安全・健康:4/10

ゴールドパックは労働安全衛生方針で「災害ゼロ」を掲げ、法令順守、過去災害からの学習、リスクアセスメント、心身の健康、安全教育、安全衛生マネジメントの改善を定めています。[出典15]

工場ではフォークリフト、充填設備、搬送設備、高温・重量物などのリスクがあります。恵庭工場ではAGFを導入し、人がフォークリフトで資材を供給していた作業を自動化しています。これは人と車両の接触や運搬作業を減らす方向に働きます。[出典19]

一方、ゴールドパック単体の死亡労災、休業災害件数、休業災害度数率、強度率、フォークリフト事故、転倒、熱中症などの結果は公表されていません。重要な結果情報が公開されていない点は課題であり、採点上も減点対象です。

方針、教育、自動化による危険低減を評価して4/10点です。死亡0、休業災害件数、度数率、強度率、事故原因と再発防止を毎年公開し、低い事故率を複数年維持できれば6~8点を検討できます。

商品・サービスの安全:4/5

松本・あずみ野・恵庭・青森の各工場ではFSSC22000を取得し、信濃大町工場ではISO22000:2018の認証を確認できます。[出典12・14]

原料、製造、出荷の履歴を追えるトレーサビリティシステムでは、製品の印字情報から原材料、使用量、製造・出荷履歴までさかのぼれる仕組みを構築しています。アレルゲンは仕入先情報と残留検査を組み合わせ、放射性物質検査、監視カメラ、重要設備の施錠、来訪者の社員同行なども行います。[出典13]

一方、2025年5月には江崎グリコが販売する「アーモンド効果 3種のナッツ 200ml」の一部を自主回収しました。対象品は2025年3月7日にゴールドパック松本工場1号充填ラインで製造され、製造時にCellulomonas属の細菌が混入・増殖し、酸味や凝集、風味劣化が生じたと公表されています。健康被害は想定されず、報告もありませんでした。[出典18]

強い食品安全システムがある一方、実際に委託製造商品で品質事故が発生したため4/5点です。重大回収0を継続し、再発防止後の監査・微生物検査結果を継続公開できれば5点を検討できます。

従業員・元従業員の口コミ

Indeedでは8件の口コミに基づき総合3.0/5、勤務時間と残業2.3、給与と福利厚生3.3、定着率と昇進2.0、上司との関係2.0、企業文化2.3と表示されています。2025年11月の投稿では社食の安さや職場の挨拶を肯定する一方、「業務のチェックリストが多い」と記載されています。[出典17、情報ランクB]

転職会議では41件の口コミがあり、投稿者集計は月平均残業24.1時間、有給消化率62.6%です。会社公式の月平均残業23.1時間と近い水準であり、残業については口コミ集計と公式値が大きく乖離していません。[出典16、情報ランクB]

OpenWork、エンゲージ会社の評判なども確認しましたが、現在の採点を変更できる対象法人との関係・時期・本文が十分明確な公開投稿は取得できませんでした。

SNS・匿名掲示板の確認結果

Xについて、社名と残業、給料、退職、工場、自動化、人員削減などを組み合わせて確認しましたが、対象法人との雇用関係、勤務時期、職種まで結び付けられ、採点を変更できる具体的な投稿は確認できませんでした。

5ちゃんねると爆サイも別に検索しましたが、対象法人の勤務実態として使える本文付き投稿は確認できませんでした。投稿が見つからないことを「問題がない」という加点材料にはしていません。

Innovation

Innovationでは、人が行っていた運搬・検査・事務作業を技術がどこまで代替し、その後に人をどう扱ったかを評価します。ゴールドパックはAGF・自動倉庫・AI外観検査・RPAなど具体的な自動化実績があり、改善提案も年間約2,000件あります。一方、省人化した人数の再配置や、削減成果を残業・休日・賃金へ返した結果が十分公開されていません。

作業負担・危険の削減:8/10

恵庭工場では、従来は作業員がフォークリフトを使い、PET原料、キャップ、段ボールなどを床置き倉庫から使用場所へ運び、空パレットを戻していました。新しい無菌充填PETラインではAGF、自動倉庫、在庫管理システムを連携させています。[出典19]

資材を自動倉庫へ入れた後は、使用場所まで人の手を介さず自動供給できるようになり、1名分の省人化を実現しました。フォークリフト運転と反復運搬を減らすため、身体負担だけでなく人と車両の接触リスクも低減できます。[出典19]

松本工場ではAI外観検査を導入し、人員削減と人件費削減、検査精度向上を達成した事例を公表しています。[出典20]

具体的な従来作業、技術代替、1名分省人化まで確認できるため8/10点です。一方、工場全体で年間何時間の作業が減ったか、労災・残業が何%減ったかまでは公表されていません。作業時間、歩行・運搬距離、事故率まで導入前後で公開できれば10点を検討できます。

商品・サービスの改善:5/5

各工場で容器・製法・水源・原料に応じた設備を持ち、OEMを含む幅広い飲料を製造しています。食品安全認証、トレーサビリティ、アレルゲン管理、放射性物質検査を組み合わせ、顧客ブランドの仕様にも対応しています。[出典12・13・14]

2025年10月のAW・ウォーター吸収合併により、信濃大町工場とミネラルウォーター事業を統合しました。水から野菜・果実・茶系飲料まで製造範囲を広げ、5工場で供給できる体制を持つため5/5点です。[出典2・3]

改善成果の人間への還元:2/5

AGF・自動倉庫で1名分の省人化、AI外観検査で人員・人件費削減という具体的成果があります。[出典19・20]

一方、その1名や検査担当者を別業務へ配置転換したのか、自然減で減らしたのか、契約更新を止めたのか、採用を抑えたのかは公表されていません。また自動化後に工場の残業23.1時間が何時間減ったか、年間休日が増えたか、基本給や賞与へ利益が還元されたかも公表されていません。

2026年も松本工場の製造職で複数名の正社員募集があり、2028年卒も6~10名程度の採用を予定しているため、会社全体として採用を止めた状態ではありません。[出典21・22]

省人化の成果は明確ですが、人への還元の因果が不足しているため2/5点です。削減人数の再配置、導入前後の残業・休日・賃金・労災を同じ時系列で公開し、複数の改善が確認できれば4点以上を検討できます。

研究開発・現場改善の継続:5/5

採用情報では、従業員から年間約2,000件の改善提案が出る制度を運用しています。AGF、自動倉庫、AI外観検査に加え、事務部門でもRPA・AIを使った業務自動化を進めています。[出典5・20・23]

改善を一度の設備投資で終わらせず、複数工場・複数業務へ広げ、社員提案も継続しているため5/5点です。

自動化・AI導入後の雇用状況

恵庭工場の無菌充填ラインでは1名分の省人化、松本工場のAI外観検査では検査人員削減が明示されています。その後の人員をどう扱ったかは採点上重要です。[出典19・20]

しかし2025年10月にAW・ウォーターを吸収合併したため、2025年前後の従業員数を単純比較して「自動化後に増えた・減った」と判断することはできません。法人範囲自体が変わっています。

2026年7月には松本工場の製造職で5人の求人があり、2028年卒も6~10名程度の新卒採用を予定しています。自動化を理由とした希望退職、大規模人員整理、全社採用停止を示す公開情報は確認されていません。[出典21・22]

一方、省人化の対象となった従業員の配置転換、再教育、契約更新、退職状況は公表されていません。今後は設備ごとに「削減した人数」と「その後にどこへ移ったか」をセットで公開することが、人を大切にする自動化であることを示すうえで重要です。

Protection

Protectionでは、地震・豪雨・停電・工場停止・サイバー攻撃などが起きても飲料を届け続けられるかを評価します。ゴールドパックは北海道、青森、長野に5工場を持ち、自治体との飲料供給協定もあります。一方、工場間の代替可能量、サイバー技術対策、RTO・RPO、実地復旧訓練の結果は十分公開されていません。

災害への備え・訓練:3/5

安曇野市の災害協定一覧では、ゴールドパックとの「災害時におけるミネラルウォーター等の供給に関する協定」が確認できます。愛知県の災害時生活必需物資・飲料等の供給協定でも、ゴールドパックが協定先として確認できます。[出典24・25]

2025年10月の吸収合併ではAW・ウォーターの権利義務をゴールドパックが承継しており、旧AW・ウォーターが結んでいた自治体協定についても法的には承継対象となります。ただし自治体側の公表名義がすべてゴールドパックへ更新済みかは別途確認が必要です。[出典2]

例えば地震で避難所の飲み水が不足した場合、自治体から供給要請を受ける協定があれば、通常販売とは別に飲料を届ける経路を確保できます。

正式な供給協定を評価して3/5点です。一方、全社BCP訓練の頻度、参加率、工場停止・停電を想定した実地訓練結果、備蓄日数は公表されていません。実地訓練と供給数量まで確認できれば4~5点を検討できます。

生産・物流・調達の代替:4/5

ゴールドパックは北海道の恵庭、青森、長野県内の松本・あずみ野・信濃大町の5工場を持ちます。地域が分散しているため、一つの地域だけに全生産を集中する企業より災害リスクを分散できます。[出典1・2]

例えば長野県内の一工場が地震で停止しても、商品仕様や設備が対応できる範囲では北海道・青森や長野県内の別工場へ生産を振り替えられる余地があります。

一方、主要商品ごとにどの工場へ代替できるか、何%の数量を維持できるか、何日で切り替えられるかという実測値は公表されていません。そのため4/5点です。代替生産表と年次切替訓練の結果まで公開できれば5点を検討できます。

サイバー防衛・情報保護:2/5

ゴールドパックは個人情報保護方針で管理規程、責任者、安全管理措置、従業員教育を定めています。親会社エア・ウォーターの内部統制・コンプライアンス体制も子会社を対象とし、通報・リスク管理の枠組みがあります。[出典9・26]

一方、ゴールドパック単体のEDR、SOC・CSIRT、多要素認証、工場制御系ネットワーク分離、標的型メール訓練、脆弱性診断、バックアップ復元試験、重大インシデント件数は公表されていません。

飲料工場は生産管理や自動倉庫、AI検査などデジタル設備への依存が増えているため、サイバー障害が製造停止へつながる可能性があります。方針と教育は評価しますが技術・訓練結果が不足するため2/5点です。具体的な防御策と復旧訓練を公開できれば3~5点を検討できます。

供給継続・復旧能力:3/5

5工場と複数地域の生産基盤は、通常時の供給だけでなく停止時の代替余地を持たせます。2025年には松本工場周辺の落雷に伴う電話不通時、別の問い合わせ先やWebフォームを案内し、復旧後に通常窓口へ戻した実績があります。[出典27]

これは顧客連絡の代替手段を用意した小規模な実例ですが、生産そのものの大規模停止に対する復旧力を示すものではありません。

主要工場の非常用電源時間、生産・受発注のRTO、データのRPO、工場停止から再開までの訓練時間は公表されていません。そのため3/5点です。主要設備の目標復旧時間と訓練での達成結果を公開できれば4~5点を検討できます。

危機時の市民への対応:3/5

安曇野市や愛知県との飲料供給協定は、災害時に自治体が飲料を確保する経路になります。水・飲料を製造する企業の本業を、そのまま市民の生命維持へ使える点は重要です。[出典24・25]

例えば豪雨で水道が止まり、避難所で飲み水が不足した場合、自治体が協定を使って飲料供給を要請できれば、住民が通常の小売物流の復旧だけを待つ必要を減らせます。

一方、近年の実災害でゴールドパックが何本・何人分を供給したかという対象法人単体の実績は公表されていません。そのため3/5点です。災害支援数量、到着時間、対象避難所数まで継続公開できれば4~5点を検討できます。

良いニュース・最近の前向きな動き

最近の前向きな動きでは、Safetyで7,000円のベースアップ、InnovationでAGF・AIによる具体的な省人化、ProtectionでAW・ウォーター統合による5工場体制が確認できます。ゴールドパックの商品・受託製造が選ばれることは、賃金を上げながら危険・反復作業を減らし、複数地域から飲料を供給できる企業活動へ売上を集めることにつながります。

2025年 7,000円のベースアップと賞与5.20か月(Safety)

2025年は定期昇給3,300円に加え、7,000円のベースアップを実施しました。一般社員の賞与は年間5.20か月です。[出典5]

ベースアップは一時金ではなく基本給水準を引き上げるため、毎月の給与と将来の賞与・退職時の賃金基盤にも影響します。物価上昇時に賃金が継続的に上がれば、働く人が生活費の上昇を吸収しやすくなります。

ゴールドパックの商品やOEM製造に需要が集まり、その利益を継続して基本給へ返す経営が続けば、「効率化した利益を人へ返す企業」が市場で選ばれる方向につながります。

2024~2026年 AGF・AIで運搬・検査を省人化(Innovation)

恵庭工場ではAGF・自動倉庫によって資材供給を人手から完全自動化し、1名分を省人化しました。松本工場ではAI外観検査で検査人員と人件費の削減を達成しています。[出典19・20]

人がフォークリフトで繰り返し資材を運ぶ仕事が減れば、車両接触や疲労のリスクを減らせます。AI検査で反復的な目視確認を減らせば、人は異常原因の分析や品質改善へ時間を使いやすくなります。

次の課題は、省人化した従業員をどこへ再配置し、残業・休日・賃金へ何を返したかを公開することです。

2025年10月 AW・ウォーターを吸収合併し5工場体制へ(Protection)

2025年10月1日にAW・ウォーターを吸収合併し、信濃大町工場を含むミネラルウォーター事業を承継しました。2026年3月時点で5工場、従業員766人、売上569億円の体制となっています。[出典1・2]

工場が一つ増えることは、生産能力の増加だけでなく、設備故障や需要急増時に複数拠点で対応できる余地を増やします。水は災害時にも必要な商品なので、複数拠点を維持することは平時と有事の双方で供給力を高めます。

悪いニュース・問題となった動き

問題となる動きでは、Safetyに関わる2025年の商品回収と、Safety・Protectionの結果情報不足を重視します。これらが改善されない場合、食品安全システムや安全衛生方針が存在していても、実際に事故や危機へどの程度対応できているかを消費者・従業員が判断しにくい状態が残ります。

2025年5月 松本工場製造品で微生物混入による自主回収(Safety)

江崎グリコは2025年5月13日、「アーモンド効果 3種のナッツ 200ml」の一部を自主回収しました。対象は2025年3月7日にゴールドパック松本工場1号充填ラインで製造された商品です。[出典18]

調査ではCellulomonas属の細菌が製造時に混入し、増殖したことで酸味、凝集、風味劣化が発生したとされています。健康被害は想定されず、健康被害の報告もありませんでした。同じ日の別ラインや他シリーズには異常がないとされています。[出典18]

健康被害を伴う重大事故ではありませんが、FSSC22000等を運用する飲料工場で実際に品質異常が起きたため、商品・サービスの安全を満点にはしていません。再発防止策の実施後、微生物検査・監査結果を継続して示すことが必要です。

労災・復旧・サイバー結果の公開不足(Safety・Protection)

ゴールドパックは安全衛生方針、5工場、災害協定、個人情報保護方針を持っていますが、死亡・休業労災、度数率、サイバー訓練、重大インシデント、RTO・RPO、工場間代替訓練の結果は十分公表されていません。

今回の調査では、2025~2026年の対象法人に直接結び付く死亡事故、大規模工場火災、重大情報漏えい、大規模人員削減を示す信頼できる公的・公式情報は確認されていません。ただし、それらが見つからないことは安全性の証明ではなく、加点には使っていません。

総合評価と、これから改善してほしいこと

ゴールドパック株式会社は69点、シビックランクCです。次のBランクは70点からなので、あと1点必要です。

7,000円のベースアップ、男性育休87.5%、FSSC22000、AGF・AI自動化、5工場体制は強みです。一方、人権相談の単体運用実績、労災結果、自動化で減らした人員の扱い、工場復旧・サイバー結果を外部から十分検証できません。Bへ上がるには、制度や設備の存在から一歩進み「人にとって良い結果」を示すことが重要です。

人権相談・是正結果を公開し、制度の実効性を示す:人権・ハラスメント・労使関係 3→4/5

現在はグループ通報窓口、報復禁止、人権相談、労働組合を確認できますが、対象会社単体の相談・調査・是正結果は公表されていません。そのため「人権・ハラスメント・労使関係」は3/5点です。[出典9・10・11]

企業が実行してほしいのは、社内・外部窓口への相談件数、調査件数、認定件数、是正完了件数、平均解決日数、再発件数を毎年公開し、相談者への報復がないことを従業員サーベイで確認することです。例えば「問題を安心して相談できる」と回答する従業員が80%以上、重大な未是正案件0、是正後の再発率が低水準であることを複数年確認できれば3→4点を想定します。

加点は+1点で、69点+1点=70点となり、シビックランクBへ上がります。

参考企業はキリンビバレッジ株式会社です。Google Drive上の現行審査は74点・Bで、グループ人権方針、内部・外部ホットライン、労働組合・春闘を確認し、「人権・ハラスメント・労使関係」は4/5点です。ゴールドパックも制度だけでなく対象会社単体の運用結果を示せれば同じ採点段階を検討できます。[参考企業出典28]

労災結果を公開し、安全改善を実証する:労働安全・健康 4→6/10

現在は安全衛生方針、教育、リスクアセスメント、AGFによる危険作業削減を確認できますが、死亡・休業災害の結果が公表されていないため4/10点です。

企業が実行してほしいのは、死亡災害0、休業災害件数、休業災害度数率、強度率、フォークリフト・転倒・熱中症等の内訳、再発防止策を工場別に毎年公開することです。死亡0を継続し、休業災害度数率1未満など低い事故率が確認できれば4→6点、+2点を想定します。

この改善だけでも69→71点となりBへ上がります。事故結果が見えるようになれば、働く人は「安全方針がある会社」ではなく「実際に事故が少ない会社」かを判断できます。

参考企業はキリンビバレッジ株式会社です。現行審査は74点・Bで、2024年の労災死亡0、休業災害度数率0.58、安全方針適用100%を法人単位で公開し、「労働安全・健康」は8/10点です。[参考企業出典28]

残業を15時間以下、有休80%以上、工場休日120日以上へ改善する:労働時間・休息 6→8/10

現在は月平均残業23.1時間、有給取得12.1日、工場年間休日114日で、「労働時間・休息」は6/10点です。[出典5・6]

企業が実行してほしいのは、AGF・AI・RPAで削減した時間を要員削減だけへ使わず、交替要員や休暇へ振り向け、全社平均残業15時間以下、有休取得率80%以上、工場年間休日120日以上、月60時間超の従業員をほぼ0へすることです。

この水準を複数年確認できれば6→8点、+2点で総合71点・Bを想定できます。

参考企業はイオン九州株式会社です。Google Drive上の現行審査は73点・Bで、月平均残業7.9時間、有給休暇取得率82.1%、年間休日125日を確認し、「労働時間・休息」は8/10点です。業種は異なりますが、残業・有休・休日を同時に結果で示す例として参考になります。[参考企業出典29]

省人化した人員を再配置し、残業・休日・賃金へ返す:改善成果の人間への還元 2→4/5

現在はAGFで1名分の省人化、AI外観検査で検査人員・人件費削減を確認できます。しかし、削減対象者の再配置、教育、退職、契約更新、残業削減、賃金還元は公表されていないため2/5点です。[出典19・20]

企業が実行してほしいのは、各自動化設備について導入前後の必要人数、配置転換人数、退職・契約終了、残業、労災、年間休日、基本給・賞与を同じ表で公開することです。削減した人員を品質改善・保全・検査等へ再配置し、同じ工場で残業が2~5時間以上減少、休日が増加、賃上げも継続し、大規模な契約終了を伴わないことが確認できれば2→4点、+2点を想定します。

この改善でも69→71点となりBへ上がります。

参考企業はキリンビバレッジ株式会社です。現行審査は74点・Bで、自動ピッキングの共同実証で生産性42%向上を確認し、人員を検品など別作業へ再配置できる設計を示しており、「改善成果の人間への還元」は4/5点です。[参考企業出典28]

次のランクへ上がるための具体例

最小のBランク到達例は、人権相談・是正を「制度がある」状態から「実際に機能していることを数字で示す」状態へ進めることです。

・相談件数、調査件数、認定件数、是正件数、平均解決日数を毎年公開する

・相談者への報復禁止を従業員サーベイで検証し、「安心して相談できる」回答80%以上を目標にする

・重大な未是正案件0、是正後の低い再発率を複数年確認する

・これにより「人権・ハラスメント・労使関係」を3/5点から4/5点へ上げる

69点+1点=70点となり、シビックランクCからBへ上がります。

より強いBランクを目指すなら、死亡0・低い労災度数率を公開して「労働安全・健康」を4→6点へ上げるか、AGF・AIの省人化後に人員を再配置し、残業・休日・賃金改善を実証して「改善成果の人間への還元」を2→4点へ上げる方法があります。

つまり、ゴールドパックが次のランクへ上がるために必要なのは、新しい制度や設備を増やすことより、すでに持っている相談制度・安全衛生・自動化が「人を守り、自由時間や待遇を改善した」と結果で示すことです。

出典一覧

1.ゴールドパック株式会社「会社概要・事業所」【情報ランクA】

2.ゴールドパック株式会社・AW・ウォーター株式会社「合併のお知らせ」2025年【情報ランクA】

3.エア・ウォーター株式会社「飲料事業再編・ゴールドパックへの統合」【情報ランクA】

4.ゴールドパック株式会社「事業内容・採用情報」【情報ランクA】

5.ゴールドパック株式会社「採用情報・募集要項・福利厚生」2026年確認【情報ランクA】

6.ゴールドパック株式会社「数字で見るゴールドパック」2026年確認【情報ランクA】

7.厚生労働省「令和7年就労条件総合調査」【情報ランクS】

8.エア・ウォーター株式会社「2026年3月期 有価証券報告書・女性活躍推進法等の指標」【情報ランクA】

9.エア・ウォーター株式会社「内部通報制度・コンプライアンス」【情報ランクA】

10.エア・ウォーター株式会社「人権方針・人権相談窓口」【情報ランクA】

11.食品産業労働組合協議会「飲料・ビール部会 春闘情報交換」2026年【情報ランクS】

12.ゴールドパック株式会社「OEM・認証情報」【情報ランクA】

13.ゴールドパック株式会社「安心・安全への取り組み」【情報ランクA】

14.公益財団法人日本適合性認定協会「信濃大町工場 ISO22000認証情報」【情報ランクS】

15.ゴールドパック株式会社「労働安全衛生方針」2024年6月14日【情報ランクA】

16.転職会議「ゴールドパック株式会社の評判・社員口コミ」2026年確認【情報ランクB】

17.Indeed「ゴールドパック株式会社のクチコミ」2026年確認【情報ランクB】

18.江崎グリコ株式会社「アーモンド効果 3種のナッツ 200ml 自主回収および原因調査結果」2025年5月13日【情報ランクA】

19.設備・物流関連事例「ゴールドパック恵庭工場 AGF・自動倉庫による資材供給自動化」【情報ランクA】

20.AI外観検査導入事例「ゴールドパック松本工場」2024年11月11日【情報ランクA】

21.ハローワーク「ゴールドパック松本工場 製造職求人」2026年7月【情報ランクA】

22.ゴールドパック株式会社「2028年卒採用情報」【情報ランクA】

23.ゴールドパック株式会社「業務改善・RPA・AI活用・改善提案制度」【情報ランクA】

24.安曇野市「災害時応援協定一覧」【情報ランクS】

25.愛知県「災害時における生活必需物資・飲料等の供給協定」【情報ランクS】

26.ゴールドパック株式会社「個人情報保護方針」、エア・ウォーター株式会社「内部統制・リスク管理」【情報ランクA】

27.ゴールドパック株式会社「落雷に伴う電話不通・復旧のお知らせ」2025年【情報ランクA】

28.Google Drive「キリンビバレッジ株式会社の企業審査|74点/100点・総合シビックランクB」現行版【参考企業】

29.Google Drive「イオン九州株式会社を企業審査|シビックランクB・73点/100点」現行版【参考企業】

シビックランクの基準

ランク点数
S90~100点
A80~89点
B70~79点
C60~69点
D50~59点
E40~49点
F20~39点
G0~19点

情報ランクの基準

情報ランク基準
S公的機関、裁判所、規制当局、独立した第三者機関による調査・監査・検証・認証など、内容そのものに独立した裏付けがある情報
A企業公式資料、採用情報、公式声明・SNS、氏名・役職・立場を確認できる記名取材や公表発言など、発信主体を確認できる公表情報
B従業員・元従業員の口コミ、一般SNS、匿名掲示板など、発信者の身元や対象企業との関係を独立に確認しにくい情報

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