私たちは、企業の商品を購入したり、サービスを利用したりすることで、そこで働く人たちの未来を変えることができます。
働く人に十分な賃金を払い、休暇を確保し、安全な職場をつくり、人の負担を減らす企業の商品やサービスが選ばれれば、そうした企業により多くの売上が集まります。その結果、働く人を大切にする経営を続けやすくなります。
反対に、低賃金や長時間労働、安全上の問題を改善しない企業の商品やサービスが売れ続ければ、そうした働かせ方のままでも事業を続けることができます。
だからこの企業審査では、「私たちがお金を使うなら、どの企業を選ぶことが、そこで働く人にとってより良い社会につながるのか」という視点から企業を評価します。
なぜ企業を審査するのか?――このサイトの目的と、利用するメリット
今回審査するキンキサイン株式会社は、総合63点、シビックランクCです。
キンキサイン株式会社の特に強い点は、年休125日や継続的な賃金改善を進めながら、災害時に殺菌水など480トンを常時貯留し、2L飲料水を1時間約1万8,000本生産できる態勢まで整えていることです。そのため、この企業の商品を購入したりサービスを利用したりすれば、飲料工場で働く人への還元を進めながら、災害で水が不足したときにも飲料を届けられる社会につながる可能性が高まります。
一方で、改善点として製造・品質職が7時~19時/19時~7時の12時間2交替で、2026年採用データでは月平均所定外労働30時間となっていることに加え、労災件数や自動化による負担削減量、具体的なサイバー防御・復旧実績の公開が不足しています。
この記事では、キンキサイン株式会社の強みと課題をさらに詳しく企業審査していきます。
キンキサイン株式会社の企業審査結果
| 評価軸 | 点数 | 評価の要点 |
|---|---|---|
| Safety | 31/50 | 年休125日、賃上げ・手当、FSSC等の食品安全を評価。12時間2交替、残業30時間、労災KPI、女性管理職0が課題 |
| Innovation | 16/25 | 高速自動ライン、インラインブロー、無菌カップラインを評価。削減時間・危険作業・必要人数の定量成果が不足 |
| Protection | 16/25 | 災害協定、480トン貯留、阪神・淡路大震災での支援実績を高評価。サイバーとRTO・RPO開示が弱い |
| 総合点 | 63/100 | シビックランクC |
主な強み
・2025年度売上266億円、2025年末従業員335人で、兵庫・徳島・千葉の3工場を運営
・2022年に5,000円、2024年に7,000円のベースアップを実施し、2026年採用ページでは物価上昇手当2万3,000円/月を掲載
・深夜割増率55%で、法定25%を上回る
・製造・品質職は年間休日125日、交替勤務者の有休取得日数は2022年度7.3日から2024年度10.1日へ増加
・本社第二工場のPET3号ラインは小型容器最大900本/分、千葉工場は600本/分など高速生産設備を運用
・FSSC 22000取得工場が機能性表示食品の公的データベースでも確認でき、JAS認証実績もある
・神河町と災害時飲料水提供協定を結び、殺菌水など480トンを常時貯留。有事には2L水を1時間約1万8,000本生産可能
・阪神・淡路大震災では約3,000本の1Lペットボトルと3トンタンクの湯を神戸へ運び、約1週間支援した実績がある
主な課題
・製造・品質職は7時~19時/19時~7時の2交替で、実働11時間・休憩1時間
・2026年の新卒採用情報では月平均所定外労働30時間、有給取得平均8.0日
・会社公式の直近離職率は2022年度10%、2023年度8%、2024年度10%で改善余地がある
・2025年の会社説明では女性管理職0人で、男女賃金差や雇用区分別待遇差は公表されていない
・死亡・休業労災件数、度数率、機械事故・熱中症などの全社KPIが公表されていない
・自動化による年間削減時間、重量物作業の削減量、導入前後の必要人数が公表されていない
・サイバー防御についてMFA、EDR、SOC、バックアップ分離、攻撃訓練などの具体的な公開情報がない
・3工場体制はあるが、拠点停止時の代替可能量・切替時間、重要業務のRTO・RPOは公表されていない
事業内容と人間への貢献
キンキサイン株式会社は、兵庫県姫路市に本社を置く清涼飲料水メーカーです。創業は1970年5月22日、資本金6,000万円、2025年度年商266億円、2025年12月31日時点の従業員数は335人です。本社第二工場を兵庫県神河町、徳島工場を徳島県勝浦町、千葉工場を千葉県香取市に置き、東京にも営業所があります。[出典1・2]
基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | キンキサイン株式会社 |
| 法人番号 | 2140001063410 |
| 本社 | 兵庫県姫路市豊沢町156番地 姫路アドバンスビル8階 |
| 創業 | 1970年5月22日 |
| 資本金 | 6,000万円 |
| 代表者 | 代表取締役社長 山口祖廣 |
| 年商 | 266億円(2025年度実績) |
| 従業員数 | 335人(2025年12月31日現在) |
| 製造拠点 | 本社第二工場、徳島工場、千葉工場 |
| 主な製品 | PET飲料、ボトル缶飲料、カップ飲料 |
主な事業内容
主力は、大手飲料メーカーから依頼を受けて商品を製造するOEM・受託製造です。茶、紅茶、コーヒー、乳性飲料、果汁、機能性飲料などを、PETボトル、ボトル缶、カップへ充填します。本社第二工場のPETラインでは、調合、UHT殺菌、容器洗浄、充填、転倒殺菌、パストライザー、ラベル装着、外観検査、賞味期限印字、箱詰め、重量チェック、パレット積みまで設備で連続処理します。[出典3]
生産能力は、本社第二工場PET3号ラインの小型容器が最大900本/分、千葉工場が最大600本/分、徳島工場PETラインが480本/分です。2026年1月には徳島工場で無菌カップラインが稼働し、製造できる容器・飲料の幅を広げています。[出典2・3]
主な利用企業・取引先
公式に掲載されている主な取引先には、アサヒ飲料、伊藤園、キリンビバレッジ、コカ・コーラ ボトラーズジャパン、サントリー食品インターナショナルなどがあります。包装関連では東洋製罐、日本クロージャー、日本トーカンパッケージ、吉野工業所、レンゴーなども挙げられています。[出典1]
事業による人間への貢献
飲料は、日常の水分補給、暑熱時の体調維持、災害時の生命維持に直結する商品です。キンキサインは大手ブランドの飲料を大量に受託生産することで、消費者がスーパー、コンビニ、自動販売機などから必要な飲料を安定して入手できる状態を支えています。
さらに、三つの工場で容器・飲料の種類を分担し、高速ラインで大量生産することで、猛暑などで需要が急増した際にも供給量を増やしやすくなります。災害時には通常商品を作る設備を飲料水生産へ切り替える準備もあり、平時の飲料製造能力を有事の生活維持へ転用できることが、この企業の大きな人間貢献です。
Safety|31/50
Safetyでは、飲料工場で働く人の所得、休息、雇用、育児、人権、安全と、消費者が口にする飲料の品質を評価します。キンキサインは賃上げ、深夜割増、年休125日、福利厚生、食品安全の具体性が強い一方、12時間交替勤務と残業30時間、女性管理職0人、労災結果の非公表が弱点です。
賃金・利益の還元|8/10
2026年の新卒採用では、本社第二・千葉工場の大学卒月給は各種手当込み25万6,000円、短大・専門卒は24万9,000円です。皆勤5,000円、精勤3,000円、衛生3,000円、マルチタスク応援5,000円、物価上昇手当2万3,000円が掲載され、22時~5時の深夜割増率は55%です。残業割増も全額支給すると明記されています。[出典4]
会社の2025年公表では、年代別平均年収は20代500万円、30代538万円、40代608万円、50代657万円です。2022年に5,000円、2024年に7,000円のベースアップを実施し、2025年には当時1万5,000円の物価上昇手当を導入しました。現在の採用ページでは物価上昇手当が2万3,000円へ更新されています。[出典5]
固定給・手当の引き上げと法定を上回る深夜割増を具体的に確認できるため8/10点です。一方、年代別年収には夜勤・残業手当が含まれる可能性があり、男女賃金比、賃金中央値、職種・雇用形態別の基本給差は公表されていません。
10/10には、夜勤や長時間労働に依存しなくても高い所得を維持し、男女・雇用形態別の賃金差を小さくした実績を継続公開する必要があります。
労働時間・休息|6/10
製造技術職と品質管理職は7時~19時、19時~7時の2交替で、4勤2休、実働11時間・休憩1時間です。会社は年間休日125日を設定しています。1年単位の変形労働時間制で、時期により所定時間と時間外の内訳は変わりますが、1回の勤務では12時間工場に滞在する形です。[出典4]
2026年のリクナビ掲載では月平均所定外労働30.0時間、有給取得平均8.0日です。一方、会社が交替勤務者だけを集計した有休取得日数は2022年度7.3日、2023年度10.0日、2024年度10.1日へ改善しています。残業はタイムカードとグループリーダー記録を二重確認し、多い社員には面談と人員配置見直しを行うとしています。[出典6・7・8]
年間休日125日と有休取得改善を評価して6/10点です。ただし、月30時間の所定外労働と11時間実働の夜勤は、睡眠・家族時間・体力への負担が大きくなりやすい働き方です。
8/10には、全社平均残業15時間以下、月45時間超の社員比率低水準、勤務間休息11時間以上の高い達成率、有休平均15日程度を複数年確認できる必要があります。
雇用の安定・待遇の公平性|3/5
会社が公表した離職率は2022年度10%、2023年度8%、2024年度10%です。会社は比較対象として全産業平均12.1%を挙げ、交替勤務班の人員を増やして有休を取りやすくする対策を進めています。政府の職場情報では正規雇用の平均勤続年数は男性13.2年、女性10.2年です。[出典7・9]
現在も新卒・中途採用を続けています。製造設備の増強と並行して従業員数は2023年末302人から2025年末335人へ増えています。[出典1・10]
雇用継続と採用の広さを評価して3/5点です。一方、2025年の会社回答では女性管理職は0人で、男女別昇進率、正社員・非正規の転換率、雇用区分別の離職率などは公表されていません。
4/5には、女性管理職登用、雇用区分別離職率、正社員転換、男女別昇進の実績を公開し、待遇・機会の公平性を結果で示す必要があります。
福利厚生・育児・介護|4/5
社会保険、退職金、慶弔見舞金、条件付き住宅補助、資格取得支援、奨学金返済支援、インフルエンザ予防接種全額補助があり、交替勤務者は健康診断を年2回受けます。社員・パート・派遣を問わず社員旅行を会社が全額負担する制度も公表されています。[出典1・4]
育児では、2026年採用情報で女性の育休対象1人中1人、男性は対象3人中1人が取得しています。会社は育休復職者の時短勤務、保育園送迎に合わせた時差出勤を実際に運用し、各班に特定役割を持たない「遊撃人員」を配置して急な休みや時間調整を支援しています。[出典6・11]
制度だけでなく実利用と現場の代替要員まで確認できるため4/5点です。5/5には、男性育休取得率の引き上げ、男女別育休平均取得日数、復職率、介護休業利用、有休取得率などを複数年継続して公開する必要があります。
人権・ハラスメント・労使関係|2/5
評価制度では、本人の実績・人物評価を評価シートへ反映し、グループリーダー、課長、工場長が順に評価し、工場長間のすり合わせ会議で調整する仕組みを公表しています。新入社員面談や教育者面談も行い、孤立を防ぐ教育を進めています。[出典12]
一方、ハラスメント相談窓口の構成、相談件数、是正件数、報復防止、労働組合・労使協議の実績、男女賃金差は公表されていません。さらに会社自身が2025年に女性管理職0人と説明しており、女性の管理職登用は未達です。
複数評価者と面談制度を評価して2/5点です。3/5以上には、独立性のある相談窓口、相談・是正件数、報復防止策、ハラスメント研修率、女性管理職比率と男女賃金差を継続公開する必要があります。
労働安全・健康|4/10
採用情報では、交替勤務者の健康診断を年2回実施し、製造現場では衛生管理・安全教育、OJT、管理者研修を行っています。会社の職場説明では、残業管理、休憩確保、空調設備増強、サポート人員配置も進めています。[出典4・8]
自動化によって人が設備を監視・調整する工程が増え、会社は重量物工程の機械化により女性の製造職も増えていると説明しています。これらは重量物、暑熱、長時間立ち作業などの負担を減らす方向です。
一方、全社の死亡災害、休業災害、度数率、強度率、挟まれ・巻き込まれ、転倒、熱中症、夜勤中の事故件数は公表されていません。12時間2交替を行う工場では結果KPIが特に重要です。
予防策を評価して4/10点ですが、公開情報がない点は課題です。採点上も減点対象です。6/10には、重大労災0を継続し、休業災害・度数率・熱中症・設備事故を年次公開し、減少傾向を示す必要があります。
商品・サービスの安全|4/5
会社沿革では2013年11月にFSSCとISO9001を取得しています。現在も消費者庁の機能性表示食品データベースでは、伊藤園商品の製造所としてキンキサイン本社第二工場・千葉工場・徳島工場のFSSC 22000取得が掲載されています。また、日本清涼飲料検査協会では徳島工場の果実飲料JAS認証実績が確認できます。[出典2・13・14]
品質管理では出荷前に味・香りに加え、比重、酸度、pH、色調、透明度、濃度などを分析します。製造ラインには外観検査機、賞味期限印字、ケース重量検査などを組み込み、多数の商品を人の目だけに依存せず検査する仕組みがあります。[出典3・15]
第三者認証と工程検査が具体的なので4/5点です。一方、全製造ロットの検査結果、重大不適合、誤表示、回収、異物・微生物事故の年次件数を会社単体で一覧化した公開情報はありません。
5/5には、認証範囲・有効性を継続公開し、重大品質事故0、不適合率、回収件数などの結果KPIまで示す必要があります。
従業員・元従業員の口コミ
Indeedでは口コミは1件で、総合評価2.0、勤務時間と残業1.0、給与と福利厚生3.0です。2021年9月14日の千葉県・製造職投稿には「夜勤ありの12時間2交代制なので、体力がないとかなり厳しい。」とあります。現在の公式求人でも12時間の交替枠は続いているため、長時間拘束の身体負担という論点は現在の制度と一致しています。[出典16、情報ランクB]
転職会議は6件という少数投稿の長期集計で、残業42.5時間/月、有給消化率32.5%と表示されています。ただし古い投稿を含む集計で、会社が2024年度に公表した交替勤務者の有休10.1日や2026年採用データの残業30時間とは時点・母集団が異なります。口コミ値を現在の全社実績へ置き換えず、過去から長時間勤務への負担感が存在した補助情報として扱います。[出典17、情報ランクB]
SNS・匿名掲示板の確認結果
X、5ちゃんねる、爆サイについて、社名と残業、夜勤、給料、退職、パワハラ、事故、人員削減などを組み合わせて別々に検索しました。今回の公開検索では、対象法人の従業員・元従業員と特定でき、本文まで確認できる有用な投稿は見つかりませんでした。
SNS・匿名掲示板で有用情報が見つからなかったこと自体は減点していません。
Innovation|16/25
Innovationでは、毎分数百本を扱う飲料工場の反復・重量作業を設備へ移し、その成果を人の安全、労働時間、賃金、雇用へ返しているかを評価します。キンキサインは高速ラインと自動検査・包装を継続導入し、作業の機械化は明確です。一方、年間何時間・何kg・何人分の作業を減らしたかという実測値がなく、人への還元との因果が弱いため16点です。
作業負担・危険の削減|6/10
PETラインでは、デパレタイザー、殺菌、リンサー、充填、ラベル、外観検査、ケーサー、ケース重量検査、パレタイザーまで多くの工程を機械化しています。本社第二工場PET3号ラインは小型容器最大900本/分で、人が一本ずつ運搬・検査・箱詰めする方式では処理できない量を自動設備が担います。[出典3]
会社は2025年に、重量物を扱う工程の機械化が進み、作業負担が軽減され女性の製造職も増えていると説明しました。ラインにはサポート人員も配置し、ベテランへの属人的な負担を減らしています。[出典8]
作業の機械代替が明確なので6/10点です。一方、導入前後で人が持つ重量、手作業時間、腰痛・設備事故、必要人数、残業がどれだけ減ったかは公表されていません。
8/10には、工程ごとの年間削減時間、重量物作業回数、事故・ヒヤリハット、必要人数を導入前後で公開し、具体的な負担減少を示す必要があります。
商品・サービスの改善|4/5
2019年に本社第二工場3号ラインを900本/分へ増強し、2020年に2号ライン、2024年に1号ラインを更新、2026年1月には徳島工場で無菌カップラインを稼働させました。PET、ボトル缶、カップを扱い、茶系だけでなくコーヒー、乳性、果汁、機能性飲料などへ製造範囲を広げています。[出典2・3]
容器や飲料の種類が増えれば、飲料メーカーは商品特性に合わせた容器・製法を選びやすくなり、同社側も受託できる商品の範囲を広げられます。この継続的な設備更新を評価して4/5点です。
5/5には、設備更新前後の不良率、停止時間、納期遵守率、歩留まりなどサービス品質の改善結果まで公開する必要があります。
改善成果の人間への還元|2/5
機械化を進める一方で、2022年・2024年のベースアップ、物価上昇手当、深夜割増55%、交替勤務班の増員、有休取得日数の改善が確認できます。従業員数も2023年末302人から2025年末335人へ増えており、設備増強と同時期に雇用規模も拡大しています。[出典1・5・7]
ただし、これらの賃金・人員改善が自動化によって生まれた生産性向上を原資としたものか、設備導入で浮いた時間がどれだけ休日や残業削減へ戻ったかは公表されていません。現在も月平均所定外労働30時間です。
直接的な還元の因果が不足するため2/5点です。3/5以上には、自動化導入部署での削減時間、残業、賃金、休暇、配置転換を同じ時系列で公開する必要があります。
研究開発・現場改善の継続|4/5
本社第二工場のラインは2019年、2020年、2024年と継続して更新され、2026年には徳島工場で無菌カップラインが稼働しました。採用制度にも改善提案制度があり、現場からの改善を促す仕組みがあります。環境面でも茶かすを年間約600トン肥料化し、PETボトル内製化や水源保全を進めています。[出典2・4・18]
複数年・複数工場で改善を続けているため4/5点です。一方、研究開発費、改善提案件数、採用件数、削減時間、不良率改善などの共通KPIは公表されていません。
5/5には、毎年の改善テーマ、投資額、実施件数と、作業・品質への成果を共通指標で公開する必要があります。
自動化・AI導入後の雇用状況
キンキサインで確認できる中心はAIによる人員代替ではなく、生産ラインの自動化です。会社は2025年、「自動化設備が導入されても、それを使いこなし、確認する製造業の人は必要」と説明し、現在も本社第二・千葉・徳島の各工場で新卒製造・品質職を募集しています。[出典4・19]
設備更新が続く中で、従業員数は2023年末302人から2025年末335人へ33人増えています。自動化を理由とした大規模希望退職、整理解雇、採用停止を示す公開情報はありません。[出典1・2]
一方、各ラインの自動化前後の必要人数、配置転換者、契約終了、採用抑制、再訓練後の離職人数は公表されていません。従業員総数の増加だけで、自動化された工程の雇用が完全に維持されたとは判断せず、今後も導入部署単位の時系列開示が必要です。
Protection|16/25
Protectionでは、地震、断水、工場停止、物流途絶、サイバー攻撃が起きても飲料を供給できるかを評価します。キンキサインは災害用の水を実際に蓄え、自治体協定と過去の被災地支援まで持つ点が非常に強い企業です。一方、拠点間の切替時間とサイバー復旧の具体性が不足しています。
災害への備え・訓練|4/5
キンキサインは2012年に徳島県勝浦町、兵庫県神河町と災害時の飲料水提供協定を締結しています。2026年時点で本社第二工場には殺菌水などを常時480トン貯留し、有事にラインを調整すれば2Lペットボトル飲料水を1時間約1万8,000本生産できると公表されています。[出典2・20]
例えば南海トラフ地震で水道が止まり、避難所の飲み水が不足した場合、工場内の水を使って2L容器へ充填する生産態勢へ切り替えられます。480トンは2L換算で24万本分に相当する水量で、設備能力上は大規模な緊急供給の土台になります。
備蓄量と緊急生産能力が定量化されているため4/5点です。ただし、社員の安否確認訓練、停電時の非常電源、協定に基づく実地供給訓練の頻度と達成時間は公表されていません。
5/5には、年次訓練で水の生産・積込・自治体引渡しまで実施し、目標時間内に完了した結果を公開する必要があります。
生産・物流・調達の代替|3/5
現在は兵庫の本社第二工場、徳島工場、千葉工場の3拠点で飲料を製造しています。工場ごとに扱える飲料・容器は異なりますが、茶系PETなど複数拠点で重なる製造能力があります。2026年には岐阜県神戸町と新工場建設の協定を結び、2027年度以降着工、2029年度までの完成を目指す計画も公表しました。[出典1・3・21]
複数拠点があることで、一つの地域だけに製造を集中する企業より自然災害の分散効果があります。ただし新しい岐阜工場はまだ稼働前であり、現行3工場のどこかが停止したとき、別工場へ何%を何時間・何日で移せるか、原料・容器・物流の代替契約がどこまであるかは公表されていません。
現在の代替基盤を評価して3/5点です。4/5には工場停止を想定した切替訓練と代替可能量・切替時間を公開する必要があります。
サイバー防衛・情報保護|1/5
プライバシーポリシーでは、ウェブサイトで取得する個人情報について漏えい・滅失・毀損を防ぐ適切なセキュリティ対策を実施するとしています。[出典22]
一方、製造制御、受発注、在庫、品質データを守るMFA、EDR、SOC・CSIRT、ネットワーク分離、オフラインまたは改ざん耐性バックアップ、標的型メール訓練、第三者侵入テスト、復旧演習、サイバー事故件数の具体的な公開情報はありません。
一般的な個人情報保護方針のみを評価して1/5点です。公開情報がない点は課題です。採点上も減点対象です。
3/5へ上げるには、重要アカウントへのMFA、端末EDR、製造ネットワーク分離、バックアップ、従業員訓練を具体的に実装・公開し、復旧演習を行う必要があります。
供給継続・復旧能力|3/5
3工場の生産網、複数の倉庫、殺菌水480トン、ペットボトル内製能力は、供給を止めにくくする土台です。阪神・淡路大震災時には通常業務を被災地支援へ切り替えており、危機時に現場が実際に行動した経験もあります。[出典2・20]
一方、重要設備のRTO、受発注システムのRPO、停電時の稼働可能時間、工場故障時の手作業代替、復旧訓練での実測時間は公表されていません。
実働の備えと拠点分散を評価して3/5点です。4/5には、工場・IT・物流ごとに復旧目標を定め、実地訓練で目標内復旧を確認する必要があります。
危機時の市民への対応|5/5
1995年の阪神・淡路大震災では、発生約3日後に3トンタンクへ95度の湯を入れ、約3,000本の1Lペットボトルとともに神戸市中央区の避難所へ運びました。現地では湯をペットボトルへ入れて湯たんぽとして配り、冷めた後に飲む人もおり、この運搬を約1週間毎日続けたと2026年の神戸新聞記事で報じられています。[出典20]
その後、2012年に勝浦町・神河町と災害時の飲料水提供協定を締結し、2026年には480トンの貯留水と毎時約1万8,000本の2L水生産能力を公表しました。過去の実災害対応を制度化し、現在の供給能力まで整えているため5/5点です。
良いニュース・最近の前向きな動き
最近の前向きな動きでは、働く人への賃金還元、製造能力の改善、災害時の飲料供給を見ます。キンキサインの商品・受託製造が選ばれることで、設備投資と賃金改善を続けながら、平時にも有事にも飲料を供給する企業へ売上を集めやすくなります。
2026年採用時点|物価上昇手当2万3,000円・深夜割増55%(Safety)
2026年の公式採用情報では、物価上昇手当は月2万3,000円、深夜勤務の割増率は55%です。2025年9月時点の会社説明では物価上昇手当は1万5,000円だったため、現在の採用条件ではさらに8,000円上乗せされた形です。[出典4・5]
物価高の局面で固定的な月額手当が増えれば、同じ労働時間でも生活費へ回せる所得が増えます。夜勤自体の健康負担は残りますが、夜勤を担う人へ法定25%を大きく上回る55%を支払うことは、負担に対して利益を人へ返す方向としてSafetyで評価できます。
2026年1月|災害用480トン貯留と毎時1万8,000本の水生産態勢を公表(Protection)
2026年1月、南海トラフ巨大地震を想定し、本社第二工場が殺菌水など480トンを常時貯留し、有事には2L水を1時間約1万8,000本作れる態勢が報じられました。[出典20]
例えば断水で避難所の飲料水が不足した場合、通常の茶飲料ラインを水の生産へ切り替えれば、短時間で大量の飲料水を用意できます。災害協定が設備能力と結び付いているため、協定だけの企業より実際の市民支援へ移りやすい点が強みです。
2026年1月|徳島工場の無菌カップラインが稼働(Innovation)
2026年1月、徳島工場で無菌カップラインが稼働しました。会社はPET、ボトル缶に加えてカップ飲料200~270mlも製造可能品目として掲載しています。[出典1・2]
無菌充填の選択肢が増えることで、飲料メーカーは商品特性に合わせた容器・製法を選びやすくなり、同社側も受託できる商品の範囲を広げられます。設備更新が継続している点はInnovationの強みです。
悪いニュース・問題となった動き
現在の問題は大規模な品質事故より、働き方と結果情報の不足にあります。12時間2交替と月30時間の所定外労働が続けば、夜勤者の睡眠・健康・家族時間への負担が残ります。また、女性管理職と労災・サイバーの結果が見えなければ、賃金や設備の強さだけでは人を守る経営かを十分に判断できません。
2026年採用データ|12時間2交替・月平均所定外労働30時間(Safety)
現在の製造・品質職は7時~19時、19時~7時の12時間2交替で、実働11時間・休憩1時間です。2026年のリクナビ情報では月平均所定外労働30.0時間です。[出典4・6]
年間休日125日は多い一方、勤務日は長時間になります。夜勤を含む11時間実働が継続すると、睡眠のずれ、疲労、事故リスク、家族との生活時間の確保が課題になります。会社は残業管理や健康診断を行っていますが、平均残業をさらに下げることが次の改善点です。
2025年11月|女性管理職0人を会社が公表(Safety)
会社は2025年11月の公式回答で、女性の製造職は機械化により増えている一方、女性管理職は現在0人であると説明しています。[出典8]
政府の職場情報では女性従業員も一定数在籍しています。現場への女性採用が増えても、管理職へ上がる経路が結果として0人のままなら、意思決定と賃金の上位層に女性が参加しにくい状態が残ります。登用目標、候補者育成、男女別昇進率を公開し、実際の登用へつなげる必要があります。
総合評価と、これから改善してほしいこと
キンキサイン株式会社は63点、シビックランクCです。次のBランクは70点からなので、あと7点必要です。
賃上げ、年休125日、食品安全、継続的な設備投資、災害用480トンの水と実災害支援は大きな強みです。一方、Bランクへ上がるには、長時間交替勤務を短くし、自動化の効果を実時間で示し、サイバー防御と食品安全の結果をさらに透明化する必要があります。
月平均所定外労働を15時間以下へ下げる|労働時間・休息 6→8/10
現在の「労働時間・休息」は6/10点です。年間休日125日は強い一方、12時間2交替・実働11時間で、2026年の月平均所定外労働は30時間です。交替勤務者の有休取得日数は2024年度10.1日まで改善しましたが、全社平均はリクナビ掲載で8.0日です。
交替班の増員と自動化をさらに進め、全社平均残業15時間以下、月45時間超の社員を低水準、有休平均15日程度、勤務間休息11時間以上の達成率95%以上を複数年公開できれば6→8点、+2点を検討できます。単独では総合63→65点でCです。働く人は夜勤後の睡眠、家族時間、体力回復を確保しやすくなります。
参考企業はNビバレッジ株式会社です。当サイトDriveの現行審査は59点・Dで、「労働時間・休息」は8/10点です。年間休日125日に加え、2026年求人で製造リーダーの平均残業約15時間を確認しています。交替勤務を伴う飲料工場という比較可能性が高く、キンキサインも同程度まで残業を減らせるかが次の目標です。
自動化の削減時間と重量物削減を公開する|作業負担・危険の削減 6→8/10
現在の「作業負担・危険の削減」は6/10点です。毎分900本を扱うラインや自動検査・梱包まで導入していますが、年間何時間の手作業を減らし、重量物作業や腰痛・事故が何件減ったかは公表されていません。
設備更新前後で、年間削減人時、手持ち重量、重量物運搬回数、必要人数、腰痛・挟まれ事故、繁忙期残業を測定します。例えば年間1,000時間以上の人手作業削減と重筋作業の大幅削減を実測し、雇用を維持しながら残業・事故を減らした結果まで公開できれば6→8点、+2点を検討できます。単独では65点・C、労働時間改善と合わせれば67点・Cです。
参考企業はキリンビバレッジ株式会社です。当サイトDriveの現行審査は74点・Bで、「作業負担・危険の削減」は10/10点です。湘南工場で最大約25kgの茶葉原料を扱う工程を4台のロボットへ移し、年間約2,300時間の業務負荷削減と重筋作業の廃止を公表しています。キンキサインも設備速度だけでなく、人に起きた変化をこの水準で示すことが必要です。
製造システムのサイバー防御を具体化する|サイバー防衛・情報保護 1→3/5
現在の「サイバー防衛・情報保護」は1/5点です。ウェブサイト個人情報の一般的な安全管理方針はありますが、製造設備・受発注・品質管理を対象とするMFA、EDR、ネットワーク分離、バックアップ、攻撃訓練の実績は公表されていません。
重要アカウントへのMFA、端末EDR、工場OTネットワークと社内ITの分離、改ざん耐性バックアップを全重要拠点へ適用し、年2回程度の標的型メール訓練、年1回以上の第三者攻撃・復旧演習、重大インシデント件数を公開できれば1→3点、+2点を検討できます。単独では65点・C、前2項目と合わせれば69点・Cです。
参考企業は伊藤忠商事株式会社です。当サイトDriveの現行審査は86点・Aで、「サイバー防衛・情報保護」は5/5点です。ITCCERTによる監視・原因調査・復旧、全従業員向け標的型メール訓練年2回、第三者サイバー攻撃演習年1回以上まで確認できます。事業規模は異なりますが、工場停止を防ぐための技術対策と訓練の組み合わせが参考になります。
食品安全を結果KPIまで公開する|商品・サービスの安全 4→5/5
現在の「商品・サービスの安全」は4/5点です。FSSC 22000取得工場、JAS認証、外観検査・理化学検査などは確認できますが、重大品質事故、回収、異物・微生物不適合、誤表示の会社単体年次件数は公表されていません。
全製造ロットの主要検査、FSSC認証範囲・更新状況、重大品質事故0、回収件数、不適合率、顧客苦情件数を毎年公開し、高水準を継続できれば4→5点、+1点を検討できます。
前3項目の+6点と合わせると63+2+2+2+1=70点となり、シビックランクBへ到達します。
参考企業はNビバレッジ株式会社です。当サイトDriveの現行審査は59点・Dですが、「商品・サービスの安全」は5/5点です。FSSC22000と有機JASに加え、全製造ロットの理化学・微生物検査、キャップ閉栓状態、PETボトルの画像・寸法・耐熱検査まで具体的に確認できるため満点としています。
次のランクへ上がるための具体例
まず、交替班の人員と自動化効果を使って全社平均残業を30時間から15時間以下へ下げ、有休平均15日程度と勤務間休息11時間以上を継続して「労働時間・休息」を6→8/10点へ上げます。+2点です。参考企業は年休125日・残業約15時間で同項目8/10点のNビバレッジ株式会社です。
次に、900本/分ラインなどの導入前後で年間削減人時、重量物作業、事故、必要人数を測定し、年間1,000時間以上の作業削減と重筋作業の大幅削減を確認して「作業負担・危険の削減」を6→8/10点へ上げます。+2点です。参考企業は最大25kgの茶葉工程をロボット化し年間約2,300時間削減したキリンビバレッジ株式会社です。
さらに、MFA・EDR・OTネットワーク分離・バックアップと年次復旧演習を全重要拠点へ展開して「サイバー防衛・情報保護」を1→3/5点へ上げます。+2点です。参考企業はITCCERT、年2回の標的型メール訓練、年1回以上の第三者攻撃演習で同項目5/5点の伊藤忠商事株式会社です。
最後に、全製造ロットの検査範囲と重大品質事故・回収・不適合率を年次公開し、「商品・サービスの安全」を4→5/5点へ上げます。+1点です。参考企業は全ロットの理化学・微生物検査を具体化して同項目5/5点のNビバレッジ株式会社です。
63点+労働時間2点+作業負担2点+サイバー2点+食品安全1点=70点となり、シビックランクBへ上がります。
つまり、キンキサインが次のランクへ上がるためには、すでに強い賃金・設備・災害対応を維持しながら、長時間交替勤務を短くし、自動化・安全・サイバーの成果を「人に何が起きたか」という数値で公開することが必要です。
出典一覧
1.キンキサイン株式会社「会社概要」2026年10月9日更新[情報ランクA]
2.キンキサイン株式会社「会社沿革・概要」「GAIYO_20260305」[情報ランクA]
3.キンキサイン株式会社「飲料製造ライン・生産拠点紹介」[情報ランクA]
4.キンキサイン株式会社「採用情報―新卒・中途募集要項」2026年3月26日更新[情報ランクA]
5.kai「キンキサイン株式会社・昇給について」2025年9月26日、企業公式回答[情報ランクA]
6.リクナビ「キンキサイン株式会社 清涼飲料水の品質管理・工程管理」2027年卒採用情報[情報ランクA]
7.kai「離職率について」「有給休暇の取得について」2025年9月26日、企業公式回答[情報ランクA]
8.kai「キンキサイン株式会社の職場環境の実態」残業管理、女性のキャリア、休憩、健康・人員配置等、企業公式回答[情報ランクA]
9.Gビズインフォ「キンキサイン株式会社」職場情報総合サイト由来データ[情報ランクS]
10.ハローワーク等のキンキサイン株式会社求人情報[情報ランクA]
11.kai「時短勤務について」2026年6月5日、企業公式回答[情報ランクA]
12.kai「評価について」2025年9月26日、企業公式回答[情報ランクA]
13.消費者庁 機能性表示食品データベース「お~いお茶濃い茶」等の製造・品質管理情報[情報ランクS]
14.日本清涼飲料検査協会「JAS認証品質取扱業者一覧」キンキサイン徳島工場[情報ランクS]
15.キンキサイン株式会社「品質管理と安全への取り組み」[情報ランクA]
16.Indeed「キンキサイン株式会社の社員クチコミ・評判」2021年9月14日投稿[情報ランクB]
17.転職会議「キンキサイン株式会社の評判・社員口コミ」投稿集計[情報ランクB]
18.キンキサイン株式会社「環境基本方針」2026年7月21日更新[情報ランクA]
19.キンキサイン株式会社「AI時代にも必要とされる―飲料製造という仕事」2025年11月[情報ランクA]
20.キンキサイン株式会社/神戸新聞「南海トラフ地震に備え、災害時の飲料水提供態勢を整備」2026年1月[情報ランクA]
21.キンキサイン株式会社「岐阜県安八郡神戸町に清涼飲料水工場を新設」2026年3月[情報ランクA]
22.キンキサイン株式会社「プライバシーポリシー」[情報ランクA]
23.Google Drive「Nビバレッジ株式会社を企業審査|59点/100点・シビックランクD」現行版[参考企業]
24.Google Drive「キリンビバレッジ株式会社の企業審査|74点/100点・シビックランクB」現行版[参考企業]
25.Google Drive「伊藤忠商事株式会社を企業審査|86点/100点・シビックランクA」現行版[参考企業]
シビックランクの基準
| ランク | 総合点 |
|---|---|
| S | 90~100点 |
| A | 80~89点 |
| B | 70~79点 |
| C | 60~69点 |
| D | 50~59点 |
| E | 40~49点 |
| F | 20~39点 |
| G | 0~19点 |
キンキサイン株式会社は63点のため、シビックランクCです。
情報ランクの基準
| 情報ランク | 基準 |
|---|---|
| S | 公的機関、裁判所、規制当局、独立した第三者機関の調査・監査・検証・認証など、内容そのものに独立した裏づけがある情報 |
| A | 企業公式資料、採用情報、公式声明・SNS、氏名・役職・立場が確認できる記名取材や公表発言など、発信主体が明確な一次情報 |
| B | 従業員・元従業員の口コミ、一般SNS、匿名掲示板など、発信者の身元や対象企業との関係を独立に確認しにくい情報 |
