MENU

株式会社日本キャンパックを企業審査|シビックランクD・59点/100点|平均年収744万円・粉乳投入自動化を評価、労働時間・復旧時間の単体開示が課題

私たちは、企業の商品を購入したり、サービスを利用したりすることで、そこで働く人たちの未来を変えることができます。

働く人に十分な賃金を払い、休暇を確保し、安全な職場をつくり、人の負担を減らす企業の商品やサービスが選ばれれば、そうした企業により多くの売上が集まります。その結果、働く人を大切にする経営を続けやすくなります。

反対に、低賃金や長時間労働、安全上の問題を改善しない企業の商品やサービスが売れ続ければ、そうした働かせ方のままでも事業を続けることができます。

だからこの企業審査では、「私たちがお金を使うなら、どの企業を選ぶことが、そこで働く人にとってより良い社会につながるのか」という視点から企業を評価します。

なぜ企業を審査するのか?――このサイトの目的と、利用するメリット

今回審査する株式会社日本キャンパックは、総合59点、シビックランクDです。

株式会社日本キャンパックの特に強い点は、飲料工場の高速無菌充填、製品トレーサビリティ、粉乳投入の自動化など、食品安全と人の作業負担を同時に改善する生産技術です。そのため、この企業の商品を購入したりサービスを利用したりすれば、飲料を安全に大量供給しながら、重い原料を人が直接扱う作業を減らす社会につながる可能性が高まります。

一方で、改善点として日本キャンパック単体の平均残業時間、有給休暇取得率、近年の労災KPI、自動化後の人員・残業への還元、工場停止時の復旧時間が十分に公表されていないことが残ります。

この記事では、株式会社日本キャンパックの強みと課題をさらに詳しく企業審査していきます。

株式会社日本キャンパックの企業審査結果

日本キャンパックは、平均年間給与744万3,000円、食品安全認証、高速無菌充填、製品トレーサビリティ、粉乳投入の自動化などに強みがあります。一方、労働時間と近年の単体労災、自動化による人への還元、災害時の復旧時間について法人単体の結果開示が弱く、総合59点となりました。

3軸の得点表

評価軸点数主な評価
Safety26/50平均年間給与744万3,000円、男性育休60%、FSSC22000を評価。平均残業・有休、近年の単体労災、男女差が課題
Innovation18/25粉乳投入自動化、PSP、生産・品質改善を評価。削減した負担を残業・休日・賃金へどう返したかの結果開示が不足
Protection15/255工場・11ライン、BCP、サイバー教育、災害時協力井戸を評価。工場停止時のRTO・代替切替時間が非公表
総合59/100シビックランクD

主な強み

・2026年3月期の日本キャンパック単体の平均年間給与は744万3,000円、平均勤続年数は20.9年です。[出典4]
・群馬第1、群馬第2、赤城、利根川、岐阜の5工場に合計11ラインを持ち、年間約1億ケースを生産しています。利根川工場ではPETボトルを毎分1,200本充填できます。[出典1・2]
・国内5工場すべてでFSSC22000を取得し、ロット・パレット単位の製品トレーサビリティを導入しています。[出典2・3]
・粉乳の直接投入を自動充填とクレーン搬送へ置き換え、腰への負担と作業時間を減らす改善を実施しています。[出典6]
・岐阜工場は災害時協力井戸として岐阜市に登録され、群馬の拠点でも指定緊急避難場所として地域防災に使える施設があります。[出典10・11]

主な課題

・日本キャンパック単体の平均残業時間、有給休暇取得率、月45時間超・60時間超の人数比率は公表されていません。
・2026年の正規雇用労働者の男女賃金比は72.8%、女性管理職比率は3.5%です。[出典4]
・近年の日本キャンパック単体の休業災害件数、度数率、強度率、死亡災害数の継続データは公表されていません。
・自動化前後で必要人数、残業時間、配置転換、再教育、契約更新がどう変わったかを示す結果が公表されていません。
・工場停止や基幹システム障害が起きた場合のRTO、RPO、別工場への切替時間、訓練で実測した復旧時間は公表されていません。

事業内容と人間への貢献

日本キャンパックは、自社ブランドを前面に出す飲料会社ではなく、ブランドオーナーから依頼を受け、飲料の開発、調合、殺菌・滅菌、充填、包装、保管、発送までを担うコントラクトパッカーです。大量の飲料を安全かつ安定して製造することが、人への主な貢献になります。

基本情報

項目内容
会社名株式会社日本キャンパック
設立1973年9月26日
代表取締役社長池田 孝資
資本金4億1,100万円
本社東京都中央区日本橋室町2-1-1 日本橋三井タワー13階
国内工場群馬第1、群馬第2、赤城、利根川、岐阜
従業員587人、臨時雇用者年間平均18人(2026年3月31日)
平均年齢45.1歳
平均勤続年数20.9年
平均年間給与744万3,000円
主な事業清涼飲料・酒類等の受託製造、乳製品・菓子・レトルト食品、倉庫・運送等

[出典1・4]

なお、親会社側では2027年4月を目途に、ホッカン株式会社を存続会社として日本キャンパック等を吸収合併し、純粋持株会社体制を解消する準備が公表されています。今回の審査は2026年10月12日時点で存続している株式会社日本キャンパック単体を対象としています。[出典16]

主な事業内容

日本キャンパックは、コーヒー、緑茶、紅茶、ウーロン茶、果汁飲料、炭酸飲料、スポーツドリンクなどを、PETボトル、缶、ボトル缶へ充填します。工程は原料受入、調合、液処理、殺菌・滅菌、充填、包装、保管、発送まで連続しています。[出典2]

群馬第1工場2ライン、群馬第2工場3ライン、赤城工場2ライン、利根川工場2ライン、岐阜工場3ラインを持ち、合計11ラインです。利根川工場の無菌PETラインは毎分1,200本、群馬第2工場の缶ラインは毎分1,050本まで生産できます。[出典1・2]

主な利用企業・取引先

公式には「大手ブランドオーナー」の飲料を受託生産すると説明していますが、現在の主要顧客別の売上構成や全取引先名は公表されていません。顧客名を推測して採点には使いません。[出典2]

事業による人間への貢献

この会社が担っているのは、飲料メーカーが企画した商品を大量かつ一定品質で市場へ届けるための製造基盤です。例えば猛暑時に茶、水、スポーツドリンクの需要が増えた場合、毎分数百から1,200本規模で製造できる設備は、店舗へ必要な飲料を供給する力になります。

無菌充填は、飲料と容器を衛生的に管理した環境で充填するため、品質事故や腐敗のリスクを抑えながら大量生産する役割があります。さらにロット・パレット単位のトレーサビリティにより、異常が起きたときに対象製品を絞り込みやすくなります。[出典2・3]

Safety

Safetyでは、飲料を作る人が安全に働けるか、十分な賃金と休息を得られるか、利用者が安全な製品を受け取れるかを確認します。日本キャンパックは賃金と食品安全に強みがあります。一方、会社単体の労働時間と近年の労災結果が公開されておらず、女性管理職比率や男女賃金差にも改善余地があります。

賃金・利益の還元:8/10

2026年3月期の日本キャンパック単体の平均年間給与は744万3,000円で、前年から5.6%増えています。平均勤続20.9年と長く、少なくとも正社員中心の会社全体では一定の賃金水準と長期雇用が確認できます。[出典4]

この給与には賞与や時間外手当等も含まれるため、744万3,000円すべてを基本給とみなすことはできません。また、ベースアップ率、工場職・契約社員別の中央値、物価上昇を上回る実質賃金の伸びは公表されていません。

会社単体の平均給与と増加を確認できるため8/10点です。10点を検討するには、基本給の継続的なベースアップ、職種・雇用形態別の賃金分布、物価上昇を考慮した実質的な改善まで複数年で示す必要があります。

労働時間・休息:0/10

2026年9月掲載の岐阜工場契約社員求人では、3班2交替の場合、昼勤8時から17時45分、夜勤20時から翌5時45分、実働8.5時間・休憩75分で、年間休日120日以上とされています。残業があることも明記されています。[出典5]

一方、日本キャンパック単体の平均月間残業時間、有給休暇の平均取得日数・取得率、月45時間超・60時間超の従業員比率、交替勤務者の年間総労働時間について公開情報がありません。工場別求人だけでは会社全体の実態を評価できません。こうした重要情報が公開されていない点は課題です。採点上も減点対象です。

そのため0/10点です。月平均残業、有休取得率、45時間超・60時間超比率を単体で公開し、月平均残業20時間以下、有休取得率70%以上、60時間超をゼロに近い水準で継続できれば4点以上を検討できます。さらに月平均残業15時間以下、有休80%以上、年間休日120日以上を幅広い職種で確認できれば6~8点を検討できます。

雇用の安定・待遇の公平性:3/5

2026年3月末時点の従業員は587人、平均勤続年数は20.9年です。長期勤続が可能な雇用基盤は評価できます。[出典4]

一方、女性管理職比率は3.5%です。男女の賃金比率は全労働者72.4%、正規雇用労働者72.8%、非正規雇用労働者43.9%です。職種・年齢・勤続年数の構成差だけで差の全てを説明できるかは公開情報から判定できません。[出典4]

長期勤続を評価して3/5点です。4点以上を検討するには、女性管理職比率を継続的に引き上げ、男女賃金差について職種・等級別の原因分析と是正結果を公表し、同一職務・同一等級での待遇差が小さいことを示す必要があります。

福利厚生・育児・介護:4/5

日本キャンパック単体の男性育児休業取得率は60.0%です。岐阜工場の求人では社会保険、交通費、食事補助、育児休業などを確認できます。グループでは年5日以上の有休取得を進め、岐阜工場では男性の育児休業取得を後押しする取り組みも続けています。[出典4・5・6]

男性育休60%は制度が利用されていることを示しますが、取得日数、復職率、介護休業利用、男女別の平均取得期間まで単体では十分公開されていません。そのため4/5点です。男女とも育休取得率90%以上、男性の平均取得期間、復職率、介護休業利用実績まで継続公開できれば5点を検討できます。

人権・ハラスメント・労使関係:3/5

ホッカングループは人権方針で差別・ハラスメントの禁止、強制労働・児童労働の排除、結社の自由・団体交渉権の尊重を定め、2024年度には国内グループで管理職・従業員向けのハラスメント教育や通報窓口の整備を進めています。日本キャンパックもグループ会社として対象です。[出典6]

ただし、日本キャンパック単体の相談件数、是正件数、再発率、外国人労働者の雇用条件、対象会社固有の労働組合との協議実績は公表されていません。制度の対象であることは確認できますが、対象法人での成果を十分に測れないため3/5点です。

4点以上を検討するには、相談件数と解決率、重大案件への是正、再発防止、外国人・非正規を含む人権デューデリジェンスの対象範囲と結果を日本キャンパック単体で公表する必要があります。

労働安全・健康:4/10

日本キャンパックでは、粉乳を人が直接投入していた工程を、自動充填したフレキシブルコンテナバッグとクレーンで扱う方式へ変更し、腰痛リスクと作業時間を減らしています。またVRを用いた安全教育や新入社員への保健師面談も実施しています。[出典6]

過去の会社単体データでは2021年度に不休災害7件、休業災害0件、死亡災害0件が公表されています。しかし、2024年度・2025年度の日本キャンパック単体の休業災害件数、度数率、強度率、死亡災害数について公開情報がありません。近年の単体結果が公開されていない点は課題です。採点上も減点対象です。[出典6]

また、2009年には群馬第2工場でタンク内作業中の酸素欠乏による死亡事故が起き、二次資料では2010年に労働基準監督署が会社と工場責任者を書類送検したと報じられています。今回確認できた範囲では、送検後の司法判断を一次資料で確定できないため、違反確定とは扱いません。[出典15]

設備改善は評価できますが、近年の単体KPIが不足するため4/10点です。直近3年間の死亡0、休業災害件数、度数率・強度率、ヒヤリハット、是正完了率を単体で公開し、度数率を製造業平均以下で継続できれば6点以上を検討できます。

商品・サービスの安全:4/5

国内5工場すべてがFSSC22000認証を取得し、赤城・岐阜・利根川の各工場ではISO9001も取得しています。調合では自動制御とモニタリングを行い、ロットごとにデータを蓄積し、製品はロット・パレット単位で輸送状況を追跡できます。官能評価の訓練も長年継続しています。[出典2・3]

過去には1998年、「桃の天然水」500ml製品でカビの混入があり、厚生省資料で66,960ケースの回収が確認できます。製造工場は日本キャンパック赤城工場でした。これは大規模な品質事故として評価から消しません。一方、その後、食品安全認証、無菌充填、トレーサビリティなど管理体制は大幅に強化されています。[出典12]

現在の認証と管理を評価し4/5点です。5点には、近年の自主回収・重大品質事故件数、監査不適合件数と是正完了、異物混入・微生物異常のKPIを会社単体で継続公開し、高水準の実績を示す必要があります。

従業員・元従業員の口コミ

口コミは時期・職種によって差があり、現在の会社全体をそのまま示すものではありません。そのため法定開示や求人と照合して使います。

転職会議では投稿者集計として月平均残業37.4時間、有給消化率54.3%が表示されています。ただし古い投稿を多く含む集計であり、2026年の会社全体統計ではありません。[出典13]

キャリコネでは2020年の正社員・20代男性の投稿に「12時間以上残ることなんてざらにあります。」との記載があります。情報ランクBで、6年前の個別投稿です。現在も同じ状態だと断定はできませんが、会社単体の最新残業統計が必要である理由になります。[出典14]

Yahoo系の旧従業員口コミでも「長時間労働で、閉鎖的な空間での作業」とする投稿が確認されています。こちらも過去の個人投稿であり、現在の全工場へ一般化しません。[出典15]

SNS・匿名掲示板の確認結果

X、5ちゃんねる、爆サイについて会社名、工場名、残業、退職、事故、パワハラ、自動化、人員削減などを組み合わせて確認しました。対象法人との関係、投稿時期、本文を確認でき、今回の採点を変更できる具体性を持つ投稿は確認できませんでした。

SNS・匿名掲示板で有用な投稿が確認できなかったこと自体を加点・減点には使いません。労働時間や安全性は、法定開示、求人、会社公表、行政資料、確認できた従業員投稿を優先して評価しています。

Innovation

Innovationでは、人が担っていた重い作業、反復作業、判断・計画業務を技術でどこまで減らし、その成果が働く人へ返ったかを評価します。日本キャンパックは自動化と生産技術そのものは強い一方、削減した時間や必要人数が残業・休日・賃金・教育へどう返ったかの公開が弱い点が最大の課題です。

作業負担・危険の削減:8/10

粉乳工程では、人が粉乳を直接投入する方法から、粉乳をフレキシブルコンテナバッグへ自動充填し、クレーンで投入する方式へ変えています。重い原料を人が持ち上げる回数を減らし、腰痛リスクと作業時間を下げる改善です。[出典6]

また、生産計画のPSPシステムでは、従来約3営業日かかっていた1か月分の生産計画作成を半日程度まで短縮しています。これは計画担当者の反復作業を減らし、変更への対応を早める効果があります。[出典3]

何kgの持ち上げを何回削減したのか、作業時間が何時間減ったのか、腰痛・労災が何件減ったのかは十分公表されていません。そのため8/10点です。削減量と事故・身体負担の前後比較まで示せれば10点を検討できます。

商品・サービスの改善:5/5

11ラインで多様な容器・飲料へ対応し、無菌PETでは毎分1,200本まで充填できます。自動制御、モニタリング、ロット管理、トレーサビリティ、官能評価訓練を組み合わせており、品質と生産速度の両方を継続改善しています。[出典1・2・3]

利用者にとっては、飲料を大量に必要とする時期でも供給量を確保しやすく、異常時には対象ロットを絞り込んで対応しやすい仕組みです。複数の改善を長期継続しているため5/5点です。

改善成果の人間への還元:0/5

設備やシステムで作業を減らした事実は確認できますが、自動化前後の平均残業、年間休日、有休取得、賃金、教育時間、配置転換人数を同一条件で比較した公開情報がありません。

工場拠点の人員は過去資料から減少傾向が見える時期がありますが、会社全体の従業員数、拠点再編、採用、退職など複数要因があり、自動化との因果関係は確認できません。2026年9月にも岐阜工場で製造オペレーター5人の募集が行われています。[出典5]

人の負担を減らした成果が自由時間・賃金・雇用の安定へ返ったことを示す公開情報がないため0/5点です。設備導入前後で残業20%以上削減、雇用維持または希望に沿った配置転換、再教育の実施、年間休日または有休の増加を確認できれば3点以上を検討できます。

研究開発・現場改善の継続:5/5

日本キャンパックは1970年代から充填設備を拡充し、無菌PET、高速缶、ボトル缶、トレーサビリティ、生産計画システム、品質訓練などを継続的に改善しています。官能評価訓練は25年以上継続しています。[出典1・3]

一時的な設備投資ではなく、複数工場で長期継続しているため5/5点です。

自動化・AI導入後の雇用状況

粉乳投入自動化、製造ライン自動制御、PSPなど省力化が確認されたため、雇用への影響も確認しました。

公開資料では2026年3月末の日本キャンパック単体従業員数は587人です。2026年9月には岐阜工場で契約社員5人を募集し、正社員登用制度も示しています。[出典4・5]

一方、自動化した工程ごとの導入前人数、導入後人数、配置転換人数、再教育人数、契約非更新、希望退職、採用抑制の時系列データは公表されていません。公開情報上、大規模な希望退職や自動化を理由とした一斉解雇は確認できませんでしたが、「確認できない」ことを雇用維持の実績として加点はしません。

自動化と雇用の関係を評価するには、工程単位で人員と残業を導入前後に示し、減員が生じた場合は配置転換・再訓練・自然減・契約終了の内訳まで公開する必要があります。

Protection

Protectionでは、地震、豪雨、停電、物流停止、サイバー攻撃などが起きても飲料を作り、届け続けられるかを評価します。日本キャンパックは5工場・11ライン、倉庫、グループBCP、サイバー教育、地域防災施設を持つ一方、実際に何時間で製造・受発注を復旧できるかという結果が不足しています。

災害への備え・訓練:3/5

ホッカングループは危機管理規程と危機対応マニュアルを整備し、BCP、安全確認システム、各社での計画見直しを進めています。日本キャンパックも対象会社です。[出典6]

岐阜工場は岐阜市の災害時協力井戸に登録されています。例えば地震で上水道が止まった場合、地域で生活用水を確保する選択肢になります。[出典10]

一方、日本キャンパック単体の全社BCP訓練回数、工場別の避難完了時間、非常用電源稼働時間、備蓄日数、訓練の改善結果は公表されていません。そのため3/5点です。年1回以上の実地訓練と達成結果、非常電源・備蓄能力を工場別に公開できれば4~5点を検討できます。

生産・物流・調達の代替:4/5

国内に5工場、合計11ラインがあり、PET、缶、ボトル缶など複数の設備を持っています。1工場だけに全生産を依存しない構造は、設備故障や地域災害時の代替余地を作ります。[出典1]

2025年には群馬第2工場・利根川工場に隣接して明和倉庫を整備し、約7,200パレット、500ml PET換算で約800万本を保管できるようにしました。物流の2024年問題への対応と外部倉庫間の輸送削減を目的としています。[出典17]

一方、群馬県明和町に複数主要拠点が集中しており、同一地域が広域被災した場合の同時停止リスクがあります。製品ごとの別工場切替可能率、原材料の複数調達比率、切替に必要な時間は公表されていないため4/5点です。切替可能率と実地訓練まで示せれば5点を検討できます。

サイバー防衛・情報保護:4/5

グループでは情報セキュリティ方針、IT委員会、教育・標的型メール訓練、製造系IT・ネットワークを含む実態調査を進めています。また、日本キャンパック群馬センターの情報システム部門を含む認証範囲でISO/IEC 27001・JIS Q 27001の認証が確認できます。[出典6]

2024年度のグループ開示では、情報漏えいによる被害報告はないとされています。一方、日本キャンパック単体の重大インシデント件数、EDR・MFAの適用率、バックアップ復元試験の成功率、製造ネットワーク停止時の復旧時間は公表されていません。

認証と継続教育を評価して4/5点です。日本キャンパック単体で重大事故0件を継続し、第三者侵入試験、復元訓練、RTO・RPOの達成結果まで公開できれば5点を検討できます。

供給継続・復旧能力:0/5

工場・倉庫の物理的な分散とBCP方針はありますが、重要業務ごとのRTO、RPO、別工場へ生産を切り替える時間、停電時の非常電源持続時間、実際の災害・システム障害からの復旧時間について日本キャンパック単体の公開情報がありません。

例えば利根川工場の主力PETラインが停止した場合、同等製品をどの工場へ何時間で移し、受注・製造・検査・出荷を何時間で再開できるのかが分かれば、利用者やブランドオーナーは供給停止の長さを具体的に判断できます。

復旧能力を実績で評価できないため0/5点です。主要製品ごとのRTO・RPO、代替ライン、年次切替訓練の実測時間を公開し、計画どおり短時間復旧できることが確認できれば3点以上を検討できます。

危機時の市民への対応:4/5

岐阜工場の井戸は岐阜市の災害時協力井戸として登録されています。また群馬県明和町では日本キャンパックの施設が指定緊急避難場所として掲載されています。[出典10・11]

例えば大地震で住民が自宅にとどまれず、上水道も停止した場合、避難場所と協力井戸が地域の初動を支えます。飲料製造会社の敷地・水設備を地域に開くことは、市民の生活維持へ直接つながります。

一方、実災害時に飲料を何本供給したか、何人へ何日分を提供できるか、自治体からの要請後何時間で供給できるかという実績は十分公表されていません。そのため4/5点です。供給数量・時間・実績まで示せれば5点を検討できます。

良いニュース・最近の前向きな動き

最近の前向きな動きでは、低炭素電力、物流能力、地域活動が進んでいます。これらは主にProtectionとInnovationを支え、飲料の製造・供給を続けながら環境負荷や物流の無駄を減らす方向につながります。日本キャンパックへ売上が集まり、同様の設備・地域連携へ再投資されれば、供給力と地域防災を両立する企業行動を支えることになります。

2026年4月 群馬県営水力の温室効果ガス排出量ゼロ電力を導入(Innovation)

群馬県は2026年3月、日本キャンパックを「地産地消型PPA(群馬モデル)」の電力供給先7事業者の一つに選定しました。2026年4月から3年間、県営水力発電所の温室効果ガス排出量ゼロの電気を供給します。小出発電所には「日本キャンパック小出発電所」の愛称も付いています。[出典8]

飲料工場は充填・殺菌・冷却などで大量の電力を使います。再生可能な県営水力へ切り替えることは、同じ量を製造するときの電力由来排出を抑える方向に働きます。

2025年 明和倉庫を整備し約800万本相当の保管能力を追加(Protection)

明和倉庫は約7,200パレット、500ml PET換算約800万本を保管できます。外部倉庫との輸送を減らし、トラックドライバーの時間外労働規制による輸送力不足へ対応する目的があります。[出典17]

例えば繁忙期に外部倉庫への横持ち輸送が多いと、運転手の拘束時間と積み下ろし回数が増えます。工場隣接倉庫へ集約できれば、短距離の余分な輸送を減らし、製品を出荷待ちで保管できる余地が広がります。

2026年2月まで 大室公園清掃に延べ約90人が参加(Safety・地域)

日本キャンパックは群馬の大室公園で清掃活動を継続し、2026年2月までに従業員延べ約90人が参加したと公表しています。岐阜でも地域清掃を続けています。[出典7]

地域環境の維持に加え、従業員が勤務先周辺の住民・自治体と接点を持つ活動です。ただし、勤務時間扱いか任意参加かなどは公表されていないため、労働条件の加点には使っていません。

悪いニュース・問題となった動き

問題となる動きでは、男女の待遇差、近年の単体労災結果の不足、過去の重大事故・回収が確認できます。Safetyでは、制度や認証だけでなく「事故が減った」「男女差が縮まった」という結果が重要です。改善されないままなら、働く人の安全や公平性、利用者の食品安全に対する判断材料が不足した状態が残ります。

2026年6月期開示 女性管理職3.5%、正規男女賃金比72.8%(Safety)

最新の法定開示では、女性管理職比率3.5%、全労働者の男女賃金比72.4%、正規雇用労働者72.8%、非正規43.9%です。男性育休60%は前向きですが、管理職登用と賃金差には改善余地があります。[出典4]

男女差の原因を職種・等級・勤続年数に分解し、同一職務での差を縮めることができれば、働く人が性別によらず昇進・賃金を得られる会社へ近づきます。

2025年公表 国内グループの労災度数率1.92、単体値は非公表(Safety)

グループのサステナビリティ報告では、国内グループの2024年度の休業災害度数率が1.92とされ、同資料に示された製造業平均1.30を上回っています。強度率は0.05、死亡災害は0件です。[出典6]

これはグループ値であり、日本キャンパック単体の値ではありません。そのため日本キャンパックの事故率が1.92だったとは扱いません。対象法人単体の最新値が公表されていないことが課題です。

2009年9月 群馬第2工場でタンク内酸素欠乏死亡事故(Safety)

二次資料では、群馬第2工場で37歳男性がウーロン茶タンク内のセンサー交換中に酸素欠乏で死亡し、翌年、労働基準監督署が会社と工場責任者を書類送検したと報じられています。[出典15]

古い事故ですが、タンク・槽内作業は現在も食品工場で重大な危険になり得ます。現在の酸欠作業手順、監視、立入許可、教育、同種事故ゼロの継続実績を単体で公開することが、再発防止を外部から確認する材料になります。

1998年10月 「桃の天然水」66,960ケースを回収(Safety)

厚生省資料では、日本キャンパック赤城工場が製造した500ml製品でカビ混入が確認され、66,960ケースが回収対象となりました。[出典12]

現在は全工場FSSC22000、無菌充填、トレーサビリティなどの管理が整備されています。過去事故を消して評価するのではなく、現在の管理体制がどこまで再発を抑えているかを継続して確認する必要があります。

総合評価と、これから改善してほしいこと

日本キャンパックは総合59点、シビックランクDです。Cランクは60点からなので、次のランクまであと1点です。食品安全、生産技術、賃金水準には強みがあり、Dの上限まで来ています。次の段階では、これまで設備や制度として存在している強みを「残業が減った」「事故が少ない」「自動化後も雇用が守られた」「工場停止後に何時間で復旧した」という人への結果として公開することが重要です。

労働時間を会社単体で公開し、長時間労働を減らしてほしい(Safety)

現在の弱点は、日本キャンパック単体の平均残業、有休取得率、長時間労働者比率が公表されていないことです。「労働時間・休息」は0/10点です。

会社全体について月平均残業20時間以下、有休取得率70%以上、年間休日120日以上を主な雇用区分で実現し、月45時間超・60時間超の人数比率も公表して60時間超をゼロに近づければ、4/10点を検討できます。改善幅は+4点で、総合63点・Cになります。

参考企業は伊藤園ティーファクトリー株式会社です。当サイトの2026年10月11日時点の現行審査は56点・Dで、製造求人の月平均残業15時間、年間休日122日を確認し、「労働時間・休息」を6/10点と評価しています。日本キャンパックも求人の一部条件だけでなく、法人全体の結果を示すことが参考になります。[参考出典20]

自動化で減らした作業を残業・休日・教育へ返してほしい(Innovation)

現在の「改善成果の人間への還元」は0/5点です。粉乳投入、製造制御、生産計画などの自動化は進んでいますが、削減時間が働く人へどう返ったかを確認できません。

対象工程ごとに導入前後の必要人数、作業時間、残業、腰痛・労災、配置転換、契約更新、再教育を公表し、雇用を維持しながら残業20%以上削減、危険作業を削減、浮いた時間を教育または休息へ移せたことを確認できれば3/5点を検討できます。改善幅は+3点で、単独でも総合62点・Cになります。

参考企業は日本パリソン株式会社です。当サイトの2026年10月9日時点の現行審査は70点・Bです。2024年度の平均残業7.8時間、平均有休取得11.3日を開示し、自動化した姫路工場稼働後も会社の従業員数が227人から232人へ増え、採用を続けていることから「改善成果の人間への還元」を3/5点と評価しています。[参考出典19]

工場停止時の復旧時間を実地訓練で示してほしい(Protection)

現在の「供給継続・復旧能力」は0/5点です。5工場・11ラインを持つことは強みですが、停止後に何時間で供給を戻せるかは公開されていません。

主要飲料カテゴリーごとに代替工場・代替ラインを決め、受注・生産・品質判定・出荷のRTOを設定し、年1回以上の切替訓練を実施して、例えば重要な受発注システムを24時間以内、主要商品の代替生産を72時間以内に再開できることを実測で示せれば3/5点を検討できます。改善幅は+3点で、総合62点・Cになります。

参考企業は株式会社ミツウロコグループホールディングスです。当サイトの2026年10月5日時点の現行審査は82点・A、Protection 23/25点で、「供給継続・復旧能力」は5/5点です。LPガスで24時間365日の緊急出動体制を持ち、備蓄・代替供給を具体化していることを評価しています。業種は異なりますが、「有事に何を動かすか」を具体化している点が参考になります。[参考出典21]

次のランクへ上がるための具体例

最短の例は、労働時間の実態を会社単体で公開し、実績を改善することです。

・現在:「労働時間・休息」0/10点。平均残業、有休取得率、45時間超・60時間超比率が非公表
・実行:全社勤怠を集計し、月平均残業20時間以下、有休取得率70%以上、年間休日120日以上を主な雇用区分で達成。月60時間超をゼロに近づけ、結果を毎年公開
・改善後:「労働時間・休息」4/10点
・加点:+4点
・総合:59点+4点=63点
・ランク:DからC
・参考:伊藤園ティーファクトリー株式会社は月平均残業15時間・年間休日122日の求人条件を公開し、当サイトでは労働時間・休息6/10点

別の方法では、自動化前後の残業・人員・教育を公開し、雇用を維持しながら残業20%以上削減して「改善成果の人間への還元」を0→3点、+3点とすれば62点・Cです。また、全主要ラインで代替切替訓練を実施し、受発注24時間以内・主要商品の代替生産72時間以内などの復旧目標を達成して「供給継続・復旧能力」を0→3点、+3点としても62点・Cです。

つまり、日本キャンパックがCへ上がるためには、新しい設備を増やすことより、すでにある設備・BCP・雇用制度が働く人の残業削減や有事の復旧時間へどうつながったかを数字で示し、その結果を改善することが最も具体的な道です。

出典一覧

1.株式会社日本キャンパック「会社情報」「工場案内」【情報ランクA】
2.株式会社日本キャンパック「製造ライン」「主要営業品目」【情報ランクA】
3.株式会社日本キャンパック「品質管理・生産計画・トレーサビリティ・官能評価に関する公開情報」【情報ランクA】
4.ホッカン株式会社 2026年3月期有価証券報告書・人的資本関連法定開示【情報ランクA】
5.株式会社日本キャンパック岐阜工場 2026年9月18日掲載製造オペレーター求人【情報ランクA】
6.ホッカングループ サステナビリティレポート2025および人権・安全・情報セキュリティ関連開示【情報ランクA】
7.株式会社日本キャンパック「サステナビリティ・地域活動」【情報ランクA】
8.群馬県企業局 2026年3月3日「地産地消型PPA(群馬モデル)」およびネーミングライツ公表【情報ランクS】
9.群馬県 ネイチャーポジティブ関連公表【情報ランクS】
10.岐阜市「災害時協力井戸一覧」2026年8月12日現在【情報ランクS】
11.明和町 指定緊急避難場所関連公表【情報ランクS】
12.厚生省 1998年10月2日「桃の天然水」回収関連公表【情報ランクS】
13.転職会議「株式会社日本キャンパックの評判・口コミ」【情報ランクB】
14.キャリコネ「株式会社日本キャンパックの評判・口コミ」【情報ランクB】
15.Yahoo系旧従業員口コミ、労働事故に関する二次報道・労組掲載資料【情報ランクB】
16.ホッカン株式会社「2027年4月1日の純粋持株会社体制解消に向け準備スタート」【情報ランクA】
17.ホッカン株式会社「日本キャンパック 明和倉庫建設」【情報ランクA】
18.日本キャンパック・ホッカングループの採用・事業紹介資料【情報ランクA】
19.当サイト「日本パリソン株式会社を企業審査」2026年10月9日時点正本【参考企業】
20.当サイト「伊藤園ティーファクトリー株式会社を企業審査」2026年10月11日時点正本【参考企業】
21.当サイト「株式会社ミツウロコグループホールディングスを企業審査」2026年10月5日時点正本【参考企業】

シビックランクの基準

ランク点数
S90~100点
A80~89点
B70~79点
C60~69点
D50~59点
E40~49点
F20~39点
G0~19点

情報ランクの基準

情報ランク基準
S公的機関、裁判所、規制当局、独立した第三者機関の調査・監査・検証・認証など、内容そのものに独立した裏づけがある情報
A企業公式資料、採用情報、公式声明・SNS、氏名・役職・立場を確認できる記名取材・公表発言など、発信主体を確認できる情報
B従業員・元従業員の口コミ、一般SNS、匿名掲示板など、発信者の身元や対象企業との関係を独立に確認しにくい情報

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次