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TOPPAN株式会社を企業審査|73点/100点・シビックランクB|熊本工場の巡回点検7割削減・労災度数率0.043を評価、残業22.13時間と3.8万人情報流出が課題

私たちは、企業の商品を購入したり、サービスを利用したりすることで、そこで働く人たちの未来を変えることができます。

働く人に十分な賃金を払い、休暇を確保し、安全な職場をつくり、人の負担を減らす企業の商品やサービスが選ばれれば、そうした企業により多くの売上が集まります。その結果、働く人を大切にする経営を続けやすくなります。

反対に、低賃金や長時間労働、安全上の問題を改善しない企業の商品やサービスが売れ続ければ、そうした働かせ方のままでも事業を続けることができます。

だからこの企業審査では、「私たちがお金を使うなら、どの企業を選ぶことが、そこで働く人にとってより良い社会につながるのか」という視点から企業を評価します。

なぜ企業を審査するのか?――このサイトの目的と、利用するメリット

今回審査するTOPPAN株式会社は、総合73点、シビックランクBです。

TOPPAN株式会社の特に強い点は、熊本工場で環境データの巡回点検作業を7割強削減し、浮いた時間を別業務へ振り向けながら、2025年の労災死亡0・度数率0.043まで単体実績を公開していることです。そのため、この企業の商品を購入したりサービスを利用したりすれば、人が反復・危険作業から離れ、技術で生まれた時間を別の仕事へ使いながら、安全成果まで公開する企業経営が広がる社会につながる可能性が高まります。

一方で、改善点として2025年度の平均月間所定外労働時間が22.13時間で5年連続20時間を超えており、2023年にはIT導入補助金事務局で3万8,269人分の個人情報が外部から閲覧・取得された可能性が生じたことが残ります。

この記事では、TOPPAN株式会社の強みと課題をさらに詳しく企業審査していきます。

目次

TOPPAN株式会社の企業審査結果

評価軸点数評価の要点
Safety35/50年休129日、男性育休85.2%、労災死亡0・度数率0.043、ISO9001を評価。残業22.13時間、単体賃金・相談実績の開示不足が課題
Innovation21/25熊本工場の巡回点検7割強削減、製造DX、GビズID実証の負担3割削減を評価。賃金・休日への還元の因果は不足
Protection17/25BCP拠点間訓練、ISO22301、TOPPAN-CERT・SOCを評価。2023年の3万8,269人情報流出、代替能力・RTOの公開不足が課題
総合点73/100シビックランクB

主な強み

・2026年度の新卒採用では年間休日129日、東京勤務の学士卒初任給28万7,500円
・2025年度の男性育児休業取得率85.2%、女性102.9%
・2025年のTOPPAN単体労災死亡0、度数率0.043、強度率0.000
・熊本工場でスマート点検支援サービスを導入し、従来の巡回点検作業を7割強削減
・千歳工場では化粧箱組立の自動化で人手作業の3倍以上の生産能力を実現
・全国の生産拠点を使う代替生産計画、拠点間訓練、IT-BCPを運用
・TOPPAN-CERT、SOC、ISMS、セキュリティエリア、サイバー演習など多層的な情報防御を整備
・ISO9001の国内認証範囲が情報、パッケージ、エレクトロニクスなど複数事業へ広がっている

主な課題

・2025年度の平均月間所定外労働時間22.13時間は2021年度20.87時間から減っていない
・2025年度の有給平均取得12.3日、取得率66.0%で、取得余地が残る
・TOPPAN株式会社単体の既存社員の平均賃金・中央値・男女賃金差・ベースアップ率が十分に公開されていない
・2025年度の単体人員は統合前7,896人で、2026年4月のTOPPANエッジ・TOPPANデジタル吸収後の同一基準の単体人員・離職率がまだ見えにくい
・Indeedでは勤務時間・残業2.8、定着率・昇進2.1、上司との関係2.0など低い投稿集計がある
・2023年のIT導入補助金事務局で3万8,269人分の個人情報が閲覧・取得された可能性が生じた
・全国の代替生産網はあるが、主要拠点停止時の代替可能量・切替時間、重要業務の公開RTO・RPOが不足している

事業内容と人間への貢献

TOPPAN株式会社は、TOPPANホールディングス傘下の事業会社です。2023年3月1日に設立され、2026年4月1日にTOPPANエッジ株式会社とTOPPANデジタル株式会社を吸収合併しました。2026年10月1日時点の代表取締役社長は野口晴彦、資本金は5億円です。事業は情報系、生活・産業系、エレクトロニクス系にまたがります。[出典1・2]

基本情報

項目内容
会社名TOPPAN株式会社
設立2023年3月1日
代表者代表取締役社長 野口晴彦
資本金5億円
本店東京都台東区台東1丁目5番1号
本社事務所東京都文京区水道1丁目3番3号
事業領域情報ソリューション、生活・産業、エレクトロニクス
2025年度統合前人員TOPPAN 7,896人、TOPPANエッジ3,058人、TOPPANデジタル871人

2026年4月の統合前3社を単純合算すると1万1,825人ですが、これは2025年度の各社人員を足した参考値であり、統合後の2026年度現在の公式単体人員を示すものではありません。組織再編後は全国横断のビジネスユニット制へ移行しています。[出典2・3]

主な事業内容

情報ソリューションでは、BPO、ICカード・認証、データプリント、マーケティングDX、自治体DX、セキュアサービスなどを提供します。生活・産業では食品・日用品向け包装、建装材、バリアフィルムなどを扱い、エレクトロニクスでは半導体パッケージ基板、カラーフィルタ、機能性フィルムなどを供給します。[出典1・16]

主な利用企業・取引先

個別の主要取引先一覧よりも、企業、金融機関、自治体、流通・食品メーカー、医療・ヘルスケア、半導体・電子機器メーカーなど幅広い顧客へサービスを提供する構造です。

特にBPOや認証・セキュア業務では、顧客から預かった個人情報や重要情報を大量に扱うため、品質と情報セキュリティが利用者の生活へ直結します。

事業による人間への貢献

自治体の窓口・BPOや認証基盤が正確に動けば、住民や企業は行政手続き、本人確認、給付・申請などを短い時間で行えます。包装技術は食品・医薬品などを衛生的に運び、内容物の劣化や廃棄を減らします。半導体・ディスプレイ関連部材はスマートフォン、サーバー、車載機器などの電子機器を支えます。

TOPPANは印刷会社の範囲を超え、個人情報、行政手続き、包装、製造、電子部品といった生活の基盤へ関わっています。そのため本審査では、便利なサービスを生み出す力だけでなく、従業員の時間・安全、情報漏えい、製品品質、災害・サイバー時の復旧力まで重視します。

Safety|35/50

Safetyでは、全国のオフィス・工場・BPO拠点で働く人の所得、休息、雇用、育児、人権、安全と、利用者へ提供する製品・サービスの品質を評価します。TOPPANは育児支援と労災実績、品質認証が強い一方、残業時間が長期的に減っておらず、単体賃金や相談・是正結果の公開に改善余地があります。

賃金・利益の還元|6/10

2026年度の新卒採用実績では、東京勤務の学士卒初任給は月28万7,500円、修士卒は30万6,500円で、都市手当1万500円とジョブチャレンジ手当1万2,000円を含みます。賃金改定は年1回、賞与年2回、超過勤務手当や家族手当などもあります。[出典4]

TOPPANグループは2023年度の国内グループ給与について、連合リビングウェイジを上回る設計であることを2024年にセルフチェックしています。最低限の生活維持水準を上回る設計を確認している点は評価できます。[出典7]

一方、TOPPAN株式会社単体の既存社員の平均給与、賃金中央値、男女賃金差、2026年のベースアップ率は公表情報が十分ではありません。初任給の高さだけで既存社員全体への利益還元を判断できないため6/10点です。

8/10には、雇用区分別の平均・中央値、男女賃金差、基本給改定率を公開し、物価上昇を上回る基本給改善を複数年確認できる必要があります。

労働時間・休息|6/10

TOPPAN株式会社の正社員平均月間所定外労働時間は、2021年度20.87時間、2022年度21.68時間、2023年度22.08時間、2024年度22.05時間、2025年度22.13時間です。5年間を通じて20時間を上回り、直近は2021年度より約1.26時間長くなっています。[出典5]

年次有給休暇は2025年度に平均12.3日、取得率66.0%で、2021年度の10.5日・57.0%から改善しました。2026年度の新卒採用条件では年間休日129日です。休日日数と有休改善は強みですが、残業削減は進んでいないため6/10点です。[出典4・5]

8/10には、平均所定外労働を15時間以下、有休平均15日以上へ改善し、月45時間・60時間を超える社員の比率と勤務間休息の実績を職種別に公開することが必要です。

雇用の安定・待遇の公平性|3/5

2025年のTOPPAN株式会社単体は7,896人で、中途採用比率は2021年29%から2024年35%、2025年34%へ上昇しています。2026年4月にはTOPPANエッジとTOPPANデジタルを吸収し、全国横断のBU組織へ再編しました。[出典2・3]

2025年度の統合前TOPPANでは女性社員2,278人に対し女性管理職層144人、男性社員5,618人に対し男性管理職層1,582人でした。また、2007~2016年定期採用者を対象とした2025年度の管理・監督職者比率は、男性を1.00としたとき女性0.86です。[出典3・6]

中途人材の採用拡大と長期雇用の基盤を評価して3/5点です。一方、2026年統合後の同一基準の離職率、正社員転換、男女別昇進、雇用区分別賃金の公開が不足しています。

4/5には、統合後の人員推移と離職率を公開し、管理・監督職への男女登用差をさらに縮める必要があります。

福利厚生・育児・介護|5/5

2025年度の育児休業取得率は男性85.2%、女性102.9%です。女性が100%を超えるのは、当年度に子が生まれた人数を分母、当年度に育休を開始した人数を分子とする算定方式のためです。男性は2021年度65.8%から大きく上昇しています。[出典6]

育児休業の最初の5日は有給で、その後も会社から本俸15%、福祉会から日額1,000円の支給があり、子が小学4年修了まで1日最大2時間の勤務短縮が可能です。失効有休を最大50日積み立て、療養、家族看護、不妊治療、災害復旧などに使えるストック休暇もあります。[出典5]

制度の幅、男性育休の高い利用率、継続的な実績を評価して5/5点です。

人権・ハラスメント・労使関係|3/5

TOPPAN株式会社はユニオンショップ制で、原則として管理職を除く一般社員がTOPPAN労働組合へ加入します。全社・事業所単位の経営協議会と、労働時間、賃金、安全衛生などの常設委員会を設けています。労働協約には労使交渉や労働条件のルールが定められています。[出典5・7]

グループには内部窓口、監査役窓口、外部弁護士窓口などの通報経路がありますが、TOPPAN株式会社単体の相談件数・是正件数・再発防止実績は十分に公開されていません。

Indeedでは2026年1月の匿名投稿に「良い部分は休みが取りやすいところだけ。」という記述があり、別の投稿では上司関係や職場文化への強い不満が示されています。[出典17・18、情報ランクB]

労使協議と人権制度を評価して3/5点です。4/5には、TOPPAN単体のハラスメント相談・是正件数、研修率、報復防止措置を年次公開し、第三者調査や従業員サーベイで改善傾向を確認できる必要があります。

労働安全・健康|8/10

2025年のTOPPAN株式会社単体は、労災死亡0人、休業災害度数率0.043、強度率0.000です。度数率は100万延べ実労働時間当たりの休業災害件数を表し、2024年0.087から半減しました。

2022年には死亡1人、度数率0.092、強度率0.345が記録されていますが、2023年以降は死亡0が続いています。[出典5]

健康診断、ストレスチェック、産業医などの健康管理に加え、製造現場の安全教育・設備改善も進めています。直近の死亡0、低い度数率、強度率0まで定量公開しているため8/10点です。

10/10には、死亡0と低い度数率・強度率をさらに複数年継続し、挟まれ、転倒、腰痛、熱中症など災害型別の件数と改善結果も単体で公開する必要があります。

商品・サービスの安全|4/5

TOPPAN株式会社では情報ソリューション、パッケージ、環境デザイン、エレクトロニクスなど広い範囲でISO9001認証を取得しています。品質保証部門はクレームの原因分析と是正処置を行い、グループ品質保証センターが品質ロスや類似リスクを横断分析しています。[出典8・9]

個人情報を扱うBPOやICカードなどはISMS認証範囲にも含まれ、品質と情報管理を組み合わせています。

一方、TOPPAN株式会社単体の重大品質事故、誤処理、回収、クレーム、不適合率を全事業横断で比較できる年次KPIは十分に公表されていません。

広範な第三者認証と是正管理を評価して4/5点です。5/5には、製品・BPO・デジタルサービスを含む重大事故0、不適合・再処理・回収・顧客苦情件数を年次公開し、低水準を継続する必要があります。

従業員・元従業員の口コミ

Indeedでは55件の口コミに基づく総合評価2.6、勤務時間と残業2.8、給与と福利厚生2.9、定着率と昇進2.1、上司との関係2.0、企業文化2.3です。2026年7月の福生市・製造部投稿には「有給は取りにくく残業も多い」とあります。[出典17、情報ランクB]

転職会議では391件の投稿集計で評点3.75、残業30時間/月、有給消化率64.1%です。公式の2025年度残業22.13時間・有休取得率66.0%より投稿残業は高い一方、有休率は近い水準です。

口コミは職種・時期が混在するため全社実測値へ置き換えず、部署差がある可能性を補う情報として扱います。[出典18、情報ランクB]

SNS・匿名掲示板の確認結果

X、5ちゃんねる、爆サイについて、TOPPAN・旧凸版印刷と残業、給料、休日、退職、パワハラ、事故、自動化、人員削減などを分けて検索しました。

現在のTOPPAN株式会社の従業員・元従業員と特定でき、本文まで確認できる有用な現行投稿は今回の公開検索では見つかりませんでした。

古い旧凸版印刷時代の議論は存在しますが、現在の法人・制度の評価へ直接使用していません。SNS・匿名掲示板で有用情報がないこと自体は減点していません。

Innovation|21/25

Innovationでは、印刷・包装・電子部品・BPOで人が担ってきた巡回、検査、組立、申請などを技術へ移し、その効果が時間や負担の削減として測れているかを評価します。

TOPPANは自社工場で削減率を測った事例があり、新サービスでも利用者の手続きを減らしています。賃金・休日への直接還元までの因果が弱い点を残して21点です。

作業負担・危険の削減|8/10

TOPPAN熊本工場では、環境データを人が巡回して点検する作業へスマート点検支援サービス「e-Platch」を導入し、従来の巡回点検作業の7割強を削減しました。計測器を人が歩いて確認・記録する反復作業をセンサーへ移し、人的ミスのリスクも下げています。[出典10]

千歳工場では化粧箱の組立工程を自動化し、人手作業の3倍以上の生産能力を実現しました。中間輸送も不要にし、異物混入リスクを減らしています。[出典11]

自社現場で削減率と生産性を測定しているため8/10点です。

10/10には、複数の主要工場で年間削減人時、重量物・危険作業、労災件数まで継続測定し、広い範囲で同じ成果を確認できる必要があります。

商品・サービスの改善|5/5

2025年8月から2026年3月にデジタル庁採択案件として行ったGビズIDの民間サービス実証では、企業間手続きの業務負担を最大約3割軽減できる結果を公表しました。法人情報の入力や本人確認を繰り返す負担が減れば、利用企業の担当者は申請・照合作業へ使う時間を減らせます。[出典12]

自治体向けには災害リスクをデジタルツインで可視化し、避難訓練シナリオをAI生成するサービスや、LGWANで生成AIを利用し住民向け防災情報まで発信できるサービスを提供しています。[出典19・20]

利用者の作業削減率まで測ったサービスと、継続的な新サービス投入を確認できるため5/5点です。

改善成果の人間への還元|3/5

熊本工場では巡回点検を7割強削減して生まれた時間を、これまで外部業者へ委託していた作業へ振り向けたと公表しています。単純な人員削減ではなく、社員が別の仕事へ時間を使えるようになったことは、人への還元として具体的です。[出典10]

一方、TOPPAN株式会社全体では平均残業が22時間前後で横ばいです。自動化・DXによる生産性向上が、全社の残業削減、基本給、休日増加へ何時間・何円・何日返ったかは公表されていません。そのため3/5点です。[出典5]

4/5以上には、主要な自動化案件ごとに削減人時、導入後の残業、有休、賃金、配置転換、再訓練を追跡し、複数部署で労働時間の短縮や所得向上が継続したことを示す必要があります。

研究開発・現場改善の継続|5/5

TOPPANは自社工場で開発・運用してきた製造DXのノウハウを「NAVINECT」の約130のアプリケーション群として外販し、2026年もAMR、RFID、電子ペーパーなど製造現場の自律化・省力化を拡張しています。[出典11・21]

熊本工場の点検自動化、千歳工場の自動製函、GビズID実証、自治体AI、防災デジタルツインなど、複数年・複数事業で改善が続いているため5/5点です。

自動化・AI導入後の雇用状況

2026年4月にTOPPANエッジとTOPPANデジタルを吸収合併し、全国横断のBU組織へ移行しました。統合前の2025年度人員はTOPPAN7,896人、TOPPANエッジ3,058人、TOPPANデジタル871人で、単純合算1万1,825人です。[出典2・3]

自動化・AIを理由とする大規模な希望退職・整理解雇をTOPPAN株式会社が発表した公開情報はありません。2026年度の新卒採用実績は営業・事務100人、企画20人、技術100人で、採用も継続しています。[出典4]

一方、2026年統合後の同一基準の単体人員数、AI・自動化導入部署での必要人数、配置転換数、契約終了、再訓練後の退職数はまだ十分に公開されていません。

熊本工場では浮いた時間を別業務へ移した好例があるため、今後はこの雇用追跡を全社へ広げることが必要です。

Protection|17/25

Protectionでは、地震・停電・工場停止・サイバー攻撃が起きても、個人情報、行政・BPO、包装、電子部品など社会に必要な事業をどこまで止めずに復旧できるかを評価します。

全国の代替生産計画と訓練、強いサイバー組織を持つ一方、2023年の情報流出事故と公開RTO・代替能力の不足が残ります。

災害への備え・訓練|4/5

TOPPANグループは主要拠点の大規模地震リスクを分析し、事業継続基本計画と各拠点の行動手順を策定しています。重要事業と目標復旧時間を見直しながら、要員教育、拠点間連携訓練、工場の初動対応訓練などを計画的に実施しています。[出典13]

例えば大地震で一つの工場が使えなくなった場合、事前に決めた代替拠点と行動手順へ切り替えられれば、顧客へ必要な包装材や情報処理を届ける停止時間を短くできます。計画と実地訓練が確認できるため4/5点です。

5/5には、安否確認、代替生産、重要システム復旧などの訓練目標時間と実測結果を公開し、目標内で継続できた実績を示す必要があります。

生産・物流・調達の代替|3/5

BCPでは全国の生産拠点ネットワークを活用した代替生産を計画し、2026年の3社統合後は全国横断のBUでリソースを一元管理する体制へ移っています。

複数地域・複数工場を持つこと自体が、特定地域の災害へ備える土台になります。[出典2・13]

一方、主要な包装・電子部材・BPO拠点が停止したとき、別拠点で何%の処理量を何時間・何日で代替できるか、原材料や物流の切替時間は公表されていません。このため3/5点です。

4/5には、主要製品・サービスごとに代替可能量と切替時間を訓練で実証する必要があります。

サイバー防衛・情報保護|4/5

2026年9月時点のグループ体制では、CISOの下に情報セキュリティ本部、TOPPAN-CERT、SOCを置き、全グループ会社のベースライン評価、外部モニタリング、脅威インテリジェンス、セキュリティエリア、ISMSを運用しています。

TOPPAN-CERTは分野横断的演習へ毎年参加し、2025年度のセキュリティエリアでの情報不正持ち出し事故は0件です。TOPPAN株式会社自身もISO/IEC27001の複数認証を持ちます。[出典14・15]

一方、2023年12月、TOPPANが運営するIT導入補助金2023後期事務局サイトで、プログラム設計不備により3万8,269人分の個人情報が外部から閲覧・取得された可能性が判明しました。対象には役員・担当者氏名や担当者メールアドレスが含まれ、外部の指摘で発覚しました。システムは改修されています。[出典16]

事故後の防御強化と現在の組織・認証を評価して4/5点です。

5/5には、重大な情報漏えい0を複数年継続し、検知・封じ込め・復旧時間、標的型メール訓練や第三者攻撃演習の対象・結果をTOPPAN株式会社単体でも継続公開する必要があります。

供給継続・復旧能力|4/5

情報ソリューションBUではカード、DPS、セキュア事業でISO22301に基づくBCMS認証を取得し、情報デジタル系部門ではIT-BCPを策定しています。2025年度には実際のサイバー攻撃を想定した対応訓練も実施しました。[出典13]

重要事業・目標復旧時間を見直す仕組みまであるため4/5点です。

ただし、顧客や市民が確認できる形での具体的なRTO・RPO、拠点切替の実測時間、過去障害からの復旧時間は十分に公開されていません。

5/5には、重要サービスごとに目標と実績を公開し、訓練で目標内復旧を継続する必要があります。

危機時の市民への対応|2/5

TOPPANは自治体向けに避難所開設キット、災害体験VR、防災・減災支援サービスを提供し、2025年にはデジタルツインで災害リスクと住民避難を仮想再現するサービスを開始しました。住民向け情報発信を24時間365日支援する自治体AIサービスも提供しています。[出典19・20]

例えば豪雨時に避難所や河川情報を住民へ早く伝えられれば、避難判断の遅れを減らせます。

ただし、TOPPAN自身が実災害で住民へ物資・通信・窓口を直接提供した最近の実績や、自治体との緊急支援協定の発動件数は十分に公開されていません。そのため2/5点です。

3/5以上には、実災害での稼働件数、支援人数、復旧・情報配信時間を公開する必要があります。

良いニュース・最近の前向きな動き

最近の前向きな動きでは、人の作業を実際に減らしたInnovation、安全成果を数字で示すSafety、情報を守るProtectionを見ます。

TOPPANの商品・サービスが選ばれれば、技術を単なる省人化で終わらせず、安全や作業時間の改善へ結び付ける企業へ売上を集めやすくなります。

2026年4月|GビズID実証で企業間手続きの負担を最大約3割軽減(Innovation)

TOPPANはデジタル庁採択案件として2025年8月~2026年3月にGビズIDの民間サービス活用実証を行い、2026年4月に企業間手続きの業務負担を最大約3割軽減できたと発表しました。[出典12]

法人認証を共通化できれば、担当者が取引先ごとに同じ会社情報を入力・確認する時間を減らせます。30%という効果を測っているため、サービス利用者の自由時間と本来業務を増やすInnovationとして評価できます。

2026年6月|MyAnchorでISO/IEC 27701認証を取得(Protection)

TOPPANは個人情報管理・流通プラットフォーム「MyAnchor」で、2026年6月23日にプライバシー情報マネジメントの国際規格ISO/IEC 27701:2019認証を取得しました。

運用者であるTOPPANでも利用者の個人情報を閲覧・抽出できない仕組みを採用しています。[出典22]

医療、福祉、防災、教育など機微な情報を扱う場面で、運用者からもデータを見えにくくすれば、内部不正や誤操作で個人情報が漏れるリスクを下げられます。

2023年の情報流出事故後に、サービス設計と第三者認証の両面を強化している点はProtectionの前進です。

2025年|労災死亡0・度数率0.043・強度率0.000(Safety)

2025年のTOPPAN株式会社単体は労災死亡0、度数率0.043、強度率0.000でした。度数率は2024年0.087から約半分に下がり、強度率も0.002から0.000へ改善しています。[出典5]

休業災害の発生頻度と重さが低い状態なら、働く人が事故で仕事や生活を失う危険を減らせます。

製造・物流・BPOなど多様な現場を持つ企業が安全結果を単体で公開している点も、購入・利用先を選ぶための透明性につながります。

悪いニュース・問題となった動き

悪いニュースでは、個人情報を預かる企業としての事故と、働く時間の改善停滞を重く見ます。

これらが改善されない場合、デジタル化で便利になっても利用者の情報が漏れる危険や、働く人の自由時間が増えない状態が残ります。

2023年12月|IT導入補助金事務局で3万8,269人分の個人情報が閲覧・取得された可能性(Protection)

TOPPANが2023年8月から運営したIT導入補助金2023後期事務局サイトで、プログラム設計不備により非公開情報を外部から閲覧・取得できる状態が2023年12月12日まで続きました。

閲覧・取得された可能性のある個人情報は3万8,269人分で、外部からの指摘で判明しました。[出典16]

行政関連サービスでは、担当者氏名やメールアドレスなどを安心して預けられることが前提です。

現在はシステム改修、TOPPAN-CERT・SOC、ISMS、ISO27701など改善が進んでいますが、この事故はProtection評価で相殺せず、再発防止が長期に機能するかを追う必要があります。

2025年度|平均所定外労働22.13時間で5年連続20時間超(Safety)

TOPPAN株式会社の平均所定外労働は2021年度20.87時間から2025年度22.13時間へ増え、5年間20時間を下回っていません。

Indeedの2026年7月の製造部投稿にも「有給は取りにくく残業も多い」とあります。[出典5・17]

年休129日や育児制度が充実していても、日々の残業が減らなければ平日の自由時間や育児・介護との両立には負担が残ります。

自動化の成果を全社の残業減少へつなげることがSafetyとInnovationの両方で重要です。

総合評価と、これから改善してほしいこと

TOPPAN株式会社は73点、シビックランクBです。次のAランクは80点からなので、あと7点必要です。

自社工場の7割強の点検削減、死亡労災0・低度数率、育児支援、品質認証、BCP・サイバー組織は強みです。

一方、Aランクへ上がるには、技術の成果を残業と賃金へさらに返し、人権・情報事故・品質の結果を単体KPIで示す必要があります。

賃金還元と職場公正を単体KPIで示す|賃金・利益の還元 6→8/10、人権・ハラスメント・労使関係 3→4/5

現在は「賃金・利益の還元」6/10点、「人権・ハラスメント・労使関係」3/5点です。新卒給与、労組、育児制度は具体的ですが、既存社員の基本給改定、男女賃金差、単体の相談・是正件数が不足しています。

TOPPAN株式会社単体で平均・中央値、男女・雇用形態別賃金、毎年のベースアップ率を公開し、物価上昇を上回る基本給改善を複数年続けます。

同時に、ハラスメント相談・是正件数、研修率、報復防止策を公開し、従業員サーベイでも上司関係・職場文化の改善を確認できれば、賃金6→8点で+2、人権3→4点で+1を検討できます。総合73→76点です。

参考企業はKDDI株式会社とキリンビバレッジ株式会社です。当サイトDriveの現行審査でKDDIは82点・A、「賃金・利益の還元」8/10点で、2026年に基幹職非管理職へ月8,000円のベースアップを含む平均5.1%賃上げを公表しています。キリンビバレッジは74点・B、「人権・ハラスメント・労使関係」4/5点です。

平均残業15時間以下・有休15日以上へ改善する|労働時間・休息 6→8/10

現在の「労働時間・休息」は6/10点です。年休129日、有休12.3日は良い一方、平均所定外労働22.13時間は2021年度より増えています。

熊本工場の点検削減のようなDXを主要部署へ広げ、平均所定外労働15時間以下、有休平均15日以上、月60時間超の法定外労働者0%、勤務間休息11時間以上の高い達成率を複数年公開できれば6→8点、+2点を検討できます。

総合73→75点、前項と合わせれば78点・Bです。

参考企業はNビバレッジ株式会社です。当サイトDriveの現行審査は59点・Dですが、「労働時間・休息」は8/10点です。年間休日125日を確保し、2026年求人では製造リーダーの残業を月15時間程度としています。

情報事故をゼロで継続し、検知・復旧時間まで公開する|サイバー防衛・情報保護 4→5/5

現在の「サイバー防衛・情報保護」は4/5点です。TOPPAN-CERT、SOC、ISMS、毎年の演習など強い体制がある一方、2023年には3万8,269人分の情報が閲覧・取得された可能性が生じました。

TOPPAN株式会社単体で重大漏えい0を複数年継続し、標的型メール訓練、第三者攻撃演習、脆弱性対応、検知から封じ込め・復旧までの時間を年次公開できれば4→5点、+1点を検討できます。

単独なら総合74点、前2項目と合わせれば79点・Bです。

参考企業は伊藤忠商事株式会社です。当サイトDriveの現行審査は86点・A、「サイバー防衛・情報保護」は5/5点です。ITCCERTによる監視・原因調査・復旧、標的型メール訓練年2回、第三者サイバー攻撃演習年1回以上を行い、2025年度の重大データ漏えい・違反0を公表しています。

品質事故・再処理を全事業で数値化する|商品・サービスの安全 4→5/5

現在の「商品・サービスの安全」は4/5点です。ISO9001、是正処置、品質保証センターなどは強い一方、製品、BPO、デジタルサービスを横断した重大品質事故、誤処理、回収、再処理、不適合率の単体KPIが不足しています。

重大品質事故0、回収・誤処理・再処理・クレーム件数、不適合率を事業別・全社で毎年公開し、低水準を複数年継続できれば4→5点、+1点を検討できます。

前3項目までの改善と合わせると73+3+2+1+1=80点となり、シビックランクAへ到達します。

参考企業はNビバレッジ株式会社です。当サイトDriveの現行審査は59点・Dですが、「商品・サービスの安全」は5/5点です。FSSC22000と有機JASに加え、全製造ロットで理化学・微生物・キャップ閉栓状態まで検査しています。

次のランクへ上がるための具体例

まず、既存社員の基本給を物価上昇以上に改善し、男女・雇用形態別賃金とハラスメント相談・是正結果を公開して「賃金・利益の還元」を6→8点、「人権・ハラスメント・労使関係」を3→4点へ上げます。+3点です。

次に、自動化を主要部署へ広げ、平均所定外労働15時間以下、有休平均15日以上を実現して「労働時間・休息」を6→8点へ上げます。+2点です。

さらに、重大情報漏えい0を複数年継続し、検知・封じ込め・復旧時間と攻撃演習を公開して「サイバー防衛・情報保護」を4→5点へ上げます。+1点です。

最後に、重大品質事故0、誤処理・再処理・不適合率を全社KPIとして公開し、「商品・サービスの安全」を4→5点へ上げます。+1点です。

73点+賃金・人権3点+労働時間2点+サイバー1点+品質1点=80点となり、シビックランクAへ上がります。

つまり、TOPPANが次のランクへ上がるためには、すでに高いDX・安全・BCPの能力を、従業員の残業・賃金と、利用者の情報・品質事故の結果改善までつなげ、その成果を単体数値で継続公開することが必要です。

出典一覧

1.TOPPANグループサイト「会社概要」TOPPAN株式会社[情報ランクA]
2.TOPPANグループサイト「グループ再編の変遷」[情報ランクA]
3.TOPPANグループサイト「人的資本」2025年度人員・採用データ[情報ランクA・一部第三者保証]
4.TOPPANグループ新卒採用サイト「採用情報」2026年度実績[情報ランクA]
5.TOPPANグループサイト「健康と安全/ワークライフバランス」[情報ランクA・一部第三者保証]
6.TOPPANグループサイト「ダイバーシティ&インクルージョン」「指標と目標」[情報ランクA・一部第三者保証]
7.TOPPANグループサイト「人権」[情報ランクA]
8.TOPPANグループサイト「総合品質保証」[情報ランクA]
9.TOPPANグループサイト「ISO9001」認証取得情報[情報ランクS]
10.TOPPAN STORIES「e-Platch導入・熊本工場の巡回点検7割強削減」[情報ランクA]
11.TOPPAN株式会社「SX展示会 in 千歳工場」製造DX・自動製函[情報ランクA]
12.TOPPAN「GビズIDの民間サービス活用に向けた実証実験」2026年4月28日[情報ランクA]
13.TOPPANグループサイト「BCP/BCMへの取り組み」「BC(事業継続)」[情報ランクA・第三者認証を含む]
14.TOPPANグループサイト「情報セキュリティ」[情報ランクA]
15.TOPPANグループサイト「ISO/IEC27001」認証取得情報[情報ランクS]
16.IT導入補助金2023後期事務局「個人情報を含むIT導入支援事業者情報の流出について」2023年12月15日[情報ランクS]
17.Indeed「TOPPAN株式会社の社員クチコミ・評判」2026年7月更新[情報ランクB]
18.転職会議「TOPPAN株式会社の評判・社員口コミ」投稿集計[情報ランクB]
19.TOPPAN「自治体向け防災・減災支援サービス」「AI Powered自治体支援」[情報ランクA]
20.TOPPAN「デジタルツインによる都市災害リスク可視化サービス」2025年3月5日[情報ランクA]
21.TOPPAN「第4回製造業DX展」2026年6月10日[情報ランクA]
22.TOPPAN「MyAnchorでISO/IEC 27701認証取得」2026年7月28日[情報ランクA・認証は第三者]
23.Google Drive「KDDI株式会社を企業審査|82点/100点・シビックランクA」現行版[参考企業]
24.Google Drive「Nビバレッジ株式会社を企業審査|59点/100点・シビックランクD」現行版[参考企業]
25.Google Drive「キリンビバレッジ株式会社の企業審査|74点・シビックランクB」現行版[参考企業]
26.Google Drive「伊藤忠商事株式会社を企業審査|86点/100点・シビックランクA」現行版[参考企業]

シビックランクの基準

ランク総合点
S90~100点
A80~89点
B70~79点
C60~69点
D50~59点
E40~49点
F20~39点
G0~19点

TOPPAN株式会社は73点のため、シビックランクBです。

情報ランクの基準

情報ランク基準
S公的機関、裁判所、規制当局、独立した第三者機関の調査・監査・検証・認証など、内容そのものに独立した裏づけがある情報
A企業公式資料、採用情報、公式声明・SNS、氏名・役職・立場が確認できる記名取材や公表発言など、発信主体が明確な一次情報
B従業員・元従業員の口コミ、一般SNS、匿名掲示板など、発信者の身元や対象企業との関係を独立に確認しにくい情報

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