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日清シスコ株式会社を企業審査|シビックランクC・61点/100点|年休122日・正規男女賃金比80.7%・FSSC22000を評価、大阪工場閉鎖と雇用・BCP開示が課題

私たちは、企業の商品を購入したり、サービスを利用したりすることで、そこで働く人たちの未来を変えることができます。

働く人に十分な賃金を払い、休暇を確保し、安全な職場をつくり、人の負担を減らす企業の商品やサービスが選ばれれば、そうした企業により多くの売上が集まります。その結果、働く人を大切にする経営を続けやすくなります。

反対に、低賃金や長時間労働、安全上の問題を改善しない企業の商品やサービスが売れ続ければ、そうした働かせ方のままでも事業を続けることができます。

だからこの企業審査では、「私たちがお金を使うなら、どの企業を選ぶことが、そこで働く人にとってより良い社会につながるのか」という視点から企業を評価します。

なぜ企業を審査するのか?――このサイトの目的と、利用するメリット

今回審査する日清シスコ株式会社は、総合61点、シビックランクCです。

日清シスコ株式会社の特に強い点は、年間休日122日、有給休暇平均13.6日、正規雇用の男女賃金比80.7%といった働き方の基盤を持ちながら、東京・大阪の両工場でFSSC22000とISO45001を取得し、菓子・シリアルを長期にわたり製造していることです。そのため、この企業の商品を購入したりサービスを利用したりすれば、休息と食品安全を確保しながら、朝食や間食を安定して届ける食品製造を支えることにつながる可能性が高まります。

一方で、改善点として2028年3月に閉鎖予定の大阪工場128人について配置転換・再教育・退職などの雇用処遇が公表されていないこと、会社単体の労災KPI、自動化による残業・危険作業削減量、工場停止時の復旧時間が十分に公開されていないことが残ります。

この記事では、日清シスコ株式会社の強みと課題をさらに詳しく企業審査していきます。

日清シスコ株式会社の企業審査結果

日清シスコは、「ココナッツサブレ」「シスコーン」「ごろグラ」「チョコフレーク」などを製造・販売する菓子・シリアルメーカーです。2025年12月末時点の社員数は607人です。法定開示では2026年3月期の女性管理職比率10.9%、正規雇用の男女賃金比80.7%、パート・有期94.3%まで確認できます。働き方と食品安全には強みがありますが、大阪工場閉鎖後の雇用と生産集中、単体労災・BCPの結果開示が弱く、総合61点としました。[出典1・2・3]

3軸の得点表

評価軸点数主な評価
Safety33/50年休122日、有休13.6日、正規男女賃金比80.7%、福利厚生、FSSC22000・ISO45001を評価。平均残業の会社統計、単体労災、男性育休、大阪工場閉鎖後の雇用が課題
Innovation16/25生産ラインの省人化改造、新設備企画、商品開発を評価。削減時間・人員・事故と、その成果の休暇・賃金への還元が未公表
Protection12/25グループBCP、サイバー教育、東京・大阪2工場の移管計画を評価。大阪工場閉鎖後の生産集中、単体RTO・代替能力、災害時市民支援が課題
総合61/100シビックランクC

主な強み

・2025年度の年間休日は122日、2024年度の年間有給休暇取得日数は平均13.6日です。[出典3]

・2026年3月期の正規雇用の男女賃金比は80.7%、パート・有期は94.3%、女性管理職比率は10.9%です。[出典2]

・東京工場と大阪工場はFSSC22000を取得し、両工場でISO45001も取得しています。[出典5・6]

・生産技術部門では、ビスケットを砕くラインのコンベアを省人化のために改造するなど、現場で設備改善を実施しています。[出典13]

・日清食品グループの情報セキュリティ教育は国内グループ会社の従業員を対象とし、日清シスコの新任管理職も対象にしています。[出典8]

・グループBCPでは、被災工場の代わりに別地域の工場・倉庫・サプライヤーを使い、供給量を維持する仕組みがあります。[出典9]

主な課題

・2026年4月、設備老朽化を理由に大阪工場を2028年3月末で閉鎖すると発表しました。同工場には2026年3月末時点で128人が勤務していますが、従業員の配置転換、転居支援、再教育、退職、派遣社員の扱いは公表されていません。[出典10]

・会社全体の平均残業時間、月45時間超・60時間超の比率は公表されていません。口コミでは転職会議32.3時間、2025年のエンゲージ投稿で月40時間など、部署差を示す情報があります。[出典15・16]

・日清シスコ単体の最新の死亡災害、休業災害件数、度数率・強度率は公表されていません。

・大阪工場の製品を東京工場へ移管する計画は公表されていますが、東京工場停止時の代替生産量、RTO、在庫日数は公表されていません。

・生産設備の省人化は確認できますが、何時間・何人分・何kgの作業を削減したか、減った人員をどう扱ったかは公表されていません。

事業内容と人間への貢献

日清シスコは、菓子とシリアルを製造・販売する食品メーカーです。菓子では楽しさや嗜好価値、シリアルでは朝食の簡便性や栄養摂取を提供し、日常的な食生活を支えています。

基本情報

項目内容
会社名日清シスコ株式会社
英文名NISSIN CISCO CO., LTD.
創業1924年1月10日
設立1948年8月23日
資本金26億円
代表取締役社長山田 道明
東京本社東京都台東区東上野4-24-11
大阪本社大阪府堺市堺区石津北町80
開発研究所埼玉県熊谷市妻沼5000
社員数607人、2025年12月末
生産工場東京工場、大阪工場
主な事業シリアル、スナック、ビスケット、クッキー、チョコレート製品などの製造販売
親会社日清食品ホールディングス株式会社

[出典1・3・5]

主な事業内容

主力商品には「シスコーン」「ごろグラ」「ココナッツサブレ」「エースコイン」「チョコフレーク」「クリスプチョコ」などがあります。

生産部門では、原材料や包装資材を調達し、製造ラインを設計・改善し、工程管理・品質管理を行い、完成した商品を物流部門が在庫管理・配送します。生産統括部は新商品のための設備導入、既存設備の老朽更新、ラインの効率化も担います。[出典4・13]

現在の公式工場一覧には埼玉県熊谷市の東京工場と大阪府堺市の大阪工場が掲載されています。大阪工場は2027年8月に生産終了、2028年3月に閉鎖する予定で、チョコレート製品とシリアルは段階的に東京工場へ移管されます。[出典5・10]

主な利用企業・取引先

日清シスコは自社ブランドの商品をスーパー、ドラッグストア、コンビニ、ECなどを通じて消費者へ販売しています。現在の主要小売企業別の売上構成は公表されていません。

事業による人間への貢献

「シスコーン」や「ごろグラ」は、牛乳やヨーグルトなどと組み合わせることで、調理時間をほとんどかけずに朝食を用意できます。仕事や学校の前に時間が少ない人でも食事を用意しやすくなることが、シリアル事業の直接的な利点です。

2026年4月には、食物繊維をとりやすくする「おいしい全粒穀物」シリーズ3品を発売しました。食品表示基準の栄養素等表示基準値では食物繊維の基準値が20gへ引き上げられており、穀物を日常的に食べる選択肢を増やす商品です。[出典19]

菓子事業は必須栄養の供給だけではなく、間食や家族・友人との時間に楽しさを提供します。人への貢献としては、健康だけに狭めず、食事の準備負担を減らすことと、楽しさを提供することの両方を評価します。

Safety

Safetyでは、賃金、労働時間、雇用の公平性、育児・介護、人権、労働安全、食品安全を確認します。日清シスコは休日・有休、男女賃金差、食品安全認証に強みがあります。一方、会社全体の残業実績、単体の労災結果、大阪工場閉鎖後の雇用処遇が十分に公開されていません。

賃金・利益の還元:6/10

2026年のキャリア採用では、総務担当が月給24万6,900円~36万9,000円、想定年収450万~610万円、生産技術担当が月給23万7,700円~39万4,000円、想定年収450万~670万円です。時間外手当は別途支給され、賞与年2回に加えて期末業績賞与制度があります。2025年度の新卒採用では賞与年間5.0カ月の実績を公表しています。[出典4]

正社員の求人では食品メーカーとして一定の賃金水準と賞与を確認できます。一方、日清シスコ単体の平均年間給与、中央値、ベースアップ率、製造職・非正規を含む職種別賃金は公表されていません。

そのため6/10点です。会社全体の平均・中央値、製造職と非正規を含む賃金分布、基本給の賃上げ率を毎年公開し、物価上昇を上回る実質賃金の改善を確認できれば8点以上を検討できます。

労働時間・休息:6/10

2025年度の年間休日は122日、2026年度のキャリア採用では123日です。2024年度の年間有休取得日数は平均13.6日です。[出典3・4]

一方、会社単体の平均月間残業は公式には公表されていません。転職会議の投稿者集計は月32.3時間、有給消化率48.8%です。2025年3月時点のエンゲージ会社の評判では、マーケティング職・正社員・在籍6~10年の回答者が残業40時間/月と回答しています。これらは投稿者ベースであり、会社全体の平均値とは扱いません。[出典15・16]

年間休日と有休日数を評価し6/10点です。会社全体で月平均残業15時間以下、有休取得率80%以上、月45時間超・60時間超の比率を低く抑え、結果を職種別に公開できれば8点を検討できます。

雇用の安定・待遇の公平性:3/5

2026年3月期の女性管理職比率は10.9%、係長に占める女性比率17.5%、正社員の女性比率27.0%です。男女賃金比は全従業員78.8%、正規雇用80.7%、パート・有期94.3%です。前年の正規雇用81.5%から0.8ポイント下がっています。[出典2]

新卒採用では2025年入社が男性7人・女性7人、2024年が男性5人・女性7人で、採用段階では男女双方を継続採用しています。[出典4]

一方、大阪工場128人について、閉鎖後の配置転換、転居支援、再教育、希望退職、契約終了などの処遇は公表されていません。雇用継続に関わる重要情報が公開されていない点は課題です。採点上も減点対象です。[出典10]

男女待遇の改善と継続採用を評価し3/5点です。大阪工場の希望者について雇用維持と配置転換を実現し、その人数を公開するとともに、正規男女賃金比90%以上、女性管理職15%以上へ改善できれば4点を検討できます。

福利厚生・育児・介護:4/5

退職金、財形貯蓄、持株会、借上社宅、カフェテリアプラン、家族手当、住宅手当などを設けています。育児休業は最長2歳、育児短時間勤務は小学校3年生修了まで、看護・介護休暇は時間単位で取得できます。[出典4・7]

2024年4月~2025年3月の女性育休取得率は100%、男性は29%で、男性取得者の平均取得日数は151日です。男性の取得率はまだ低い一方、取得した人の休業期間は長く、制度が実際に使われていることを確認できます。[出典3]

そのため4/5点です。男性育休取得率を80%以上へ上げ、復職率、介護休業利用実績を日清シスコ単体で継続公開できれば5点を検討できます。

人権・ハラスメント・労使関係:3/5

日清食品グループの人権方針、倫理規程、内部通報制度は日清シスコを含む国内外の子会社・関連会社、技能社員、嘱託、契約社員、臨時従業員、派遣社員まで対象としています。差別・ハラスメントの禁止、人権デューデリジェンス、通報窓口を制度化しています。[出典7]

一方、日清シスコ単体の相談件数、是正件数、ハラスメント研修参加率、再発率は公表されていません。Indeedでは2026年1月30日の大阪勤務・事務職の投稿に「職場の物理的な環境は良い。文化は最低。評価はデタラメ。」という記載があります。1件の口コミで会社全体を断定しませんが、上司との関係2.3/5、定着率と昇進2.3/5という少数投稿の低評価も併記されています。[出典14]

制度と現場情報の両方を踏まえ3/5点です。相談・是正実績、報復防止、従業員サーベイでの心理的安全性を会社単体で公開し、改善傾向を示せれば4点以上を検討できます。

労働安全・健康:6/10

東京工場と大阪工場は2022年にISO45001認証を取得しており、2026年4月現在も日清食品グループのISO45001取得工場として掲載されています。グループでは労災発生件数、法令遵守、OHS目標、法定・自主巡視、作業環境測定、健康診断、ストレスチェックなどを評価対象にしています。[出典5・6]

ISO45001は労働安全衛生マネジメントを第三者認証する仕組みであり、危険を把握し、対策し、改善を継続する仕組みが両工場にあることを示します。

一方、日清シスコ単体の死亡災害数、休業災害件数、度数率、強度率、火災件数などの最新結果は公表されていません。結果情報が公開されていない点は課題です。採点上も減点対象です。

そのため6/10点です。死亡0、休業災害件数、度数率・強度率を直近3年以上会社単体で公開し、製造業平均より低い事故水準を継続できれば8点を検討できます。

商品・サービスの安全:5/5

東京工場は2018年、大阪工場は2019年にFSSC22000認証を取得し、現在もFSSC22000へ切り替えた工場として公式沿革に掲載されています。FSSC22000はHACCPを含む食品安全マネジメントを第三者が認証する仕組みです。[出典5]

日清食品グループの2022~2025年度の製品回収一覧では、2022年度1件、2023年度0件、2024年度0件、2025年度1件が公表されていますが、該当する2件はいずれも日清シスコ製品ではありません。[出典12]

日清シスコでは2018年、購入した大麦の一部ロットについて残留農薬基準超過の疑いが生じ、検査で基準値を超えたシリアル2品を自主回収した事例があります。会社は健康への影響はないと説明したうえで全国回収を実施しました。[出典11]

過去事故を消して評価はしませんが、その後のFSSC22000取得と直近4年間の回収状況を評価し5/5点です。今後も重大回収ゼロを継続し、監査不適合と是正完了率を公開することが望まれます。

従業員・元従業員の口コミ

転職会議では48件の投稿者集計で、残業32.3時間/月、有給消化率48.8%です。公式に公表されている年間有休取得日数13.6日とは指標が異なり、口コミは部署・時期の差を含みます。[出典15]

Indeedは2026年1月31日更新時点で4件、総合2.5/5です。勤務時間と残業3.3、給与と福利厚生3.0、定着率と昇進2.3、上司との関係2.3、企業文化3.0となっています。2026年1月30日の大阪勤務・事務職の投稿では「職場の物理的な環境は良い。文化は最低。評価はデタラメ。」と記載されています。[出典14]

エンゲージ会社の評判では、2025年3月31日時点の30代男性・マーケティング・正社員・現職・在籍6~10年の回答で、残業40時間/月、年収650万円と掲載されています。[出典16]

キャリコネは投稿7件、月平均残業20時間、有休消化率40%と表示していますが、古い投稿が中心です。[出典17]

媒体ごとの数字に差が大きいため、現在の会社全体の残業時間を口コミから一つの数字へ決めません。会社単体の最新平均残業と長時間労働者比率を公式に公開することが最も重要です。

SNS・匿名掲示板の確認結果

X、5ちゃんねる、爆サイについて、日清シスコ、東京工場、大阪工場、残業、退職、パワハラ、閉鎖、人員削減、省人化などを組み合わせて検索しました。

対象法人との関係、投稿時期、本文を確認でき、今回の採点を変更できる具体性を持つ投稿は確認できませんでした。SNS・匿名掲示板で有用な投稿が見つからなかったこと自体は、加点・減点には使いません。

Innovation

Innovationでは、新商品を開発することだけでなく、人が担う反復作業・危険作業を設備やデジタル技術でどこまで減らし、その成果を働く人へ返したかを評価します。日清シスコには具体的な省人化設備と生産技術部門がありますが、削減量と雇用への影響が十分に公表されていません。

作業負担・危険の削減:6/10

採用サイトの社員インタビューでは、ビスケットを砕いて粉状にするラインで、省人化を目的にコンベアを改造した事例を具体的に紹介しています。生産統括部は新規設備の企画・設計・導入、老朽設備の更新、ラインの安定化・効率化を担当しています。[出典13]

コンベアによって搬送・投入などの反復作業を機械側へ移せば、人が同じ動作を繰り返す時間や移動を減らせます。

一方、省人化前後で必要人数が何人から何人になったのか、作業時間、重量物取扱回数、事故、腰痛などが何%減ったのかは公表されていません。そのため6/10点です。時間・人数・危険作業の前後比較を公開し、明確な削減実績を確認できれば8点以上を検討できます。

商品・サービスの改善:5/5

日清シスコは「シスコーン」「ココナッツサブレ」など60年以上続く商品を維持しながら、「ごろグラ」や2026年の「おいしい全粒穀物」など新しい商品を継続して開発しています。[出典1・19]

2026年の全粒穀物シリーズは、オートミールフレーク、オートミールごはん、ロールドオーツと食べ方の異なる3商品を用意し、食物繊維を日常的に取りやすくする選択肢を広げています。[出典19]

長期ブランドの改善と新商品開発を継続しているため5/5点です。

改善成果の人間への還元:0/5

省人化設備、業務デジタル化、新設備導入は確認できますが、日清シスコ単体で「省人化によって残業が何時間減った」「休日が増えた」「賃金へ何円還元した」「危険作業から何人を外した」という結果は公表されていません。

さらに大阪工場の生産を東京工場へ移管することが決まっていますが、128人の従業員に対して配置転換、再教育、転居支援、希望退職、雇用維持をどう行うかは公表されていません。[出典10]

技術改善と人への還元の因果を確認できないため0/5点です。省人化前後の人員・残業・労災・教育時間を公開し、工場閉鎖でも希望者の雇用を維持して再配置できたことを確認できれば3点以上を検討できます。

研究開発・現場改善の継続:5/5

創業100年以上の間に菓子・シリアルを継続的に改良し、東京工場への第二工場増設、ISO・FSSC・ISO45001取得、生産設備改良、新商品開発を続けています。開発研究所も東京工場敷地内に置いています。[出典1・5・13]

一時的な改善ではなく、商品・製造・品質の複数領域で長期に続いているため5/5点です。

自動化・AI導入後の雇用状況

日清シスコでは、コンベア改造などの省人化、生産設備の新規導入・更新、日清食品グループのデジタル化施策が確認できます。グループ全体では約800業務を対象に年間17万時間を削減していますが、この数字は日清シスコ単体の削減量ではありません。[出典13・18]

日清シスコの社員数は2025年12月末で607人です。2023~2025年には毎年11~14人の新卒採用があり、2026年度向けの新卒・キャリア採用も継続しています。[出典3・4]

一方、2028年に大阪工場を閉鎖するため、今後の雇用変化を継続確認する必要があります。128人について、東京工場への配置転換人数、他部門への異動、再訓練、退職者、派遣契約終了、採用抑制の時系列データは公表されていません。

大規模な希望退職や一斉解雇が公表されているわけではありませんが、公開がないことを雇用維持の実績として加点はしません。

Protection

Protectionでは、地震、豪雨、停電、サイバー攻撃、工場停止が起きても菓子・シリアルを供給できるかを評価します。日清食品グループのBCPとサイバー対策は日清シスコにも適用されますが、大阪工場閉鎖後は自社生産が東京工場へ集中する計画であり、対象法人単体の復旧能力は弱点になります。

災害への備え・訓練:3/5

日清食品グループは、各拠点に自衛消防隊を置き、クライシス・マネジメント・チームと災害対策本部が情報収集、計画選択、意思決定を行うBCPを構築しています。[出典9]

例えば地震で工場の設備が損傷した場合、自衛消防隊が負傷者・建物・設備の状況を確認し、CMTが原料・倉庫・工場の代替案を整理して災害対策本部へ上げる仕組みです。

日清シスコもグループ会社ですが、東京・大阪工場の訓練回数、避難完了時間、非常用電源時間、備蓄日数など対象法人の結果は公表されていません。そのため3/5点です。工場別訓練の実測結果まで公開できれば4点以上を検討できます。

生産・物流・調達の代替:3/5

現在は東京工場と大阪工場の2拠点があり、2026年4月の閉鎖発表では大阪工場のチョコレート・シリアル製品を製品ごとに東京工場へ段階的に移管するとしています。[出典5・10]

これは設備老朽化が進んだ工場を突然停止するのではなく、約2年かけて生産移管する計画であり、移管期間中の供給混乱を抑えるための具体策です。

一方、閉鎖後は公式に確認できる日清シスコの自社工場が東京工場へ集中します。東京工場が地震・火災・長期停電で停止した場合の代替製造先、外部委託可能量、製品別の切替率は公表されていません。そのため3/5点です。

サイバー防衛・情報保護:3/5

日清食品グループは国内グループ会社の従業員へ情報セキュリティ教育と標的型攻撃メール訓練を行い、日清シスコの新任管理職も研修対象としています。ホームページサーバーなどには第三者による模擬攻撃を含む脆弱性診断を実施しています。[出典8]

一方、日清シスコ単体のMFA・EDR適用率、工場制御系ネットワークの分離、オフラインバックアップ、重大インシデント件数、復元試験結果は公表されていません。

教育と第三者診断を評価して3/5点です。工場制御系を含む技術対策と復元訓練結果を対象法人単体で公開できれば4~5点を検討できます。

供給継続・復旧能力:2/5

グループBCPでは、被災していない工場の生産量を増やし、別地域の原材料サプライヤーや倉庫を利用する方針があります。[出典9]

日清シスコ自身でも大阪工場から東京工場への移管計画を作成していますが、これは計画的な工場閉鎖への対応です。突発的な災害・火災・サイバー障害から何時間で復旧できるかを示すRTO、どの製品をどの外部工場で代替できるか、必要在庫日数は公表されていません。

対象法人単体の復旧結果が不足するため2/5点です。主要製品のRTO、代替製造先、年次切替訓練を設定し、実測で目標を達成できれば4点以上を検討できます。

危機時の市民への対応:1/5

日清食品グループは災害時に即席麺やキッチンカーを被災地へ提供する活動を行っていますが、日清シスコ株式会社単体が災害時にシリアル・菓子をどの程度供給したか、自治体との災害協定や供給数量の実績は公表されていません。

グループの災害支援体制の一員である点を限定的に評価して1/5点です。日清シスコ単体で保存性のあるシリアル等を避難所へ供給する協定・実績を持ち、数量と供給時間を公開できれば3点以上を検討できます。

良いニュース・最近の前向きな動き

最近の前向きな動きでは、食物繊維を取りやすくする商品開発、働き方制度、工場の安全認証が確認できます。これらは主にSafetyとInnovationに効きます。日清シスコの商品が選ばれ、同じ方向の投資が続けば、食品安全を維持しながら朝食の準備負担や栄養面の選択肢を改善する事業を支えることになります。

2026年4月 「おいしい全粒穀物」3品を発売(Innovation)

日清シスコは2026年4月6日、オートミールフレーク、オートミールごはん、ロールドオーツの3品を発売しました。食物繊維をとりやすい全粒穀物を、食べ方の異なる商品として用意しています。[出典19]

例えば朝に調理時間をかけにくい人はフレーク、米の代替を求める人はオートミールごはんなど、生活に合わせて選択できます。健康志向を抽象的に掲げるだけでなく、食べ方を複数用意した商品改善として評価します。

2026年4月時点 東京・大阪両工場でISO45001認証を継続(Safety)

日清食品グループの2026年4月時点の取得工場一覧に、日清シスコの本社工場・東京工場が掲載されています。日清シスコの公式沿革では2022年に大阪工場・東京工場がISO45001を取得したとしています。[出典5・6]

工場では機械への巻き込まれ、重量物、熱、清掃作業などの危険があるため、第三者認証の仕組みを維持することは、リスク評価と是正を継続する基盤になります。

2025年度 年間休日122日、平均有休取得13.6日(Safety)

採用サイトは年間休日122日、2024年度の有休取得日数平均13.6日を公表しています。[出典3]

製造業では交替勤務や繁忙によって休息が不安定になりやすいため、年間休日と有休の実績を会社が明示していることは、応募者が働き方を判断しやすくする材料になります。

悪いニュース・問題となった動き

最も重要な問題は大阪工場閉鎖です。Protectionでは設備老朽化への計画的な対応という面がありますが、Safetyでは128人の雇用、Innovationでは省人化・生産移管後の人員処遇、Protectionでは生産拠点集中という別々の問題を生みます。雇用処遇と東京工場停止時の代替手段が公表されないままでは、働く人と利用者の双方に不確実性が残ります。

2026年4月 大阪工場128人を抱えたまま2028年閉鎖を発表(Safety・Protection)

日清シスコは2026年4月13日、大阪工場の生産を2027年8月に終了し、2028年3月末に閉鎖する予定を発表しました。理由は設備老朽化で、チョコレート製品とシリアルを東京工場へ移管します。大阪工場の従業員は2026年3月末で128人、派遣社員はこの人数に含まれていません。[出典10]

供給面では事前に移管計画を作ることで突然の停止を避けられます。一方、従業員については配置転換、勤務地変更、転居支援、再教育、退職、派遣社員の扱いが公表されていません。雇用に関する重要情報が公開されていない点は課題です。

閉鎖後に東京工場へ生産が集中すれば、東京工場の停止が日清シスコ全体の供給へ与える影響も大きくなります。外部工場への代替生産計画まで公開する必要があります。

2018年4月 残留農薬基準超過のシリアル2品を自主回収(Safety)

購入した大麦の一部ロットについて残留農薬基準を超えている疑いがあると原料会社から連絡を受け、日清シスコが検査した結果、基準値を超える商品2品を確認し全国回収しました。[出典11]

会社は健康への影響はないと説明し、商品代金相当の補償を行いました。その後、東京・大阪両工場はFSSC22000へ移行し、直近4年間の日清食品グループ回収一覧では日清シスコの商品回収は掲載されていません。[出典5・12]

過去事故そのものは消しませんが、再発防止後の長期実績も合わせて評価します。

総合評価と、これから改善してほしいこと

日清シスコは総合61点、シビックランクCです。次のBランクは70点からなので、あと9点必要です。年間休日、有休、男女賃金差、食品安全認証は強みですが、Bへ上がるには「工場を効率化・集約した結果、働く人がどうなったか」と「東京工場が止まった場合にどう供給を続けるか」を具体的に示す必要があります。

会社全体の残業と有休取得率を公開し、長時間労働を減らしてほしい(Safety)

現在の「労働時間・休息」は6/10点です。年間休日122日、有休平均13.6日は確認できますが、会社単体の平均残業、月45時間超・60時間超比率は公表されていません。口コミでは月20~40時間台まで差があります。

会社全体の勤怠を職種別に集計し、月平均残業15時間以下、有休取得率80%以上、月60時間超をゼロに近づけ、結果を毎年公開できれば8/10点を検討できます。改善幅は+2点で、総合61→63点です。

参考企業は遠東石塚グリーンペット株式会社です。当サイトの2026年10月8日時点の現行審査は68点・Cで、製造シフトの年間休日180日、設備メンテナンスの平均残業5時間以下、製造求人の月10時間程度を確認し、「労働時間・休息」を8/10点と評価しています。[参考出典20]

単体の労災結果を公開し、安全実績を証明してほしい(Safety)

現在の「労働安全・健康」は6/10点です。東京・大阪両工場のISO45001は強みですが、対象法人単体の死亡・休業災害、度数率・強度率が公表されていません。

死亡0、休業災害件数、度数率・強度率、機械巻き込まれ・転倒・熱中症などの事故分類を3年以上公開し、休業災害度数率を製造業平均より低い水準で維持できれば8/10点を検討できます。改善幅は+2点で、総合61→63点です。

参考企業はキリンビバレッジ株式会社です。当サイトの現行審査は74点・Bで、2024年の死亡0、休業災害度数率0.58、安全方針適用100%を法人単体で公開し、「労働安全・健康」を8/10点と評価しています。[参考出典21]

省人化と大阪工場閉鎖の成果を雇用・自由時間へ返してほしい(Innovation)

現在の「改善成果の人間への還元」は0/5点です。コンベアの省人化改造や設備更新は確認できますが、削減した人員・時間・危険作業と、その後の配置転換や休日・賃金への還元が公表されていません。

設備改善ごとに、導入前後の必要人数、作業時間、重量物取扱、残業、事故を公開し、削減した人員を解雇ではなく配置転換・再教育で活用する必要があります。大阪工場についても、希望者の雇用維持、東京工場や他部門への異動、転居支援、再教育の人数を公開し、雇用維持を実証できれば3/5点を検討できます。

改善幅は+3点で、総合61→64点です。

参考企業はゴールドパック株式会社です。当サイトの現行審査は69点・Cで、恵庭工場のAGF・自動倉庫で1名分の省人化を定量化し、松本工場ではAI外観検査を導入しています。現行審査ではInnovation 20/25点です。日清シスコも「省人化した」という説明から一歩進み、何人分・何時間分を減らし、人をどこへ移したかまで示すことが参考になります。[参考出典22]

東京工場停止時の代替生産と復旧時間を実地で示してほしい(Protection)

現在の「供給継続・復旧能力」は2/5点です。大阪工場から東京工場への計画移管は進みますが、閉鎖後に東京工場が停止した際の代替生産先と復旧時間は公表されていません。

主要商品ごとに代替製造先、外部委託可能量、最低在庫日数、原料の代替調達先を定め、年1回以上の切替訓練を行い、例えば受注・出荷システムを24時間以内、主要商品の代替供給を72時間以内に再開できることを実測で示せれば4/5点を検討できます。

改善幅は+2点で、総合61→63点です。

参考企業は株式会社ミツウロコグループホールディングスです。当サイトの現行審査は82点・Aで、「供給継続・復旧能力」は5/5点です。LPガスの約90日分の備蓄、複数調達、24時間365日の緊急出動体制を組み合わせ、停止時に何を使って供給を続けるかを具体化しています。[参考出典23]

次のランクへ上がるための具体例

Bランクへはあと9点必要です。次の組み合わせなら70点へ到達できます。

・労働時間・休息:6→8点 +2点
会社全体で月平均残業15時間以下、有休取得率80%以上を達成し、月45時間超・60時間超比率を公開する。

・労働安全・健康:6→8点 +2点
死亡0、休業災害件数、度数率・強度率を会社単体で公開し、製造業平均より低い事故水準を複数年維持する。

・改善成果の人間への還元:0→3点 +3点
省人化設備の導入前後で人員・残業・危険作業を定量化し、大阪工場閉鎖でも希望者の雇用維持、配置転換、再教育を人数付きで公表する。

・供給継続・復旧能力:2→4点 +2点
大阪工場閉鎖後の東京工場停止を想定し、主要商品の代替製造先とRTOを設定して実地訓練を行い、受注・出荷24時間以内、主要商品72時間以内などの目標を達成する。

61点+2点+2点+3点+2点=70点となり、シビックランクCからBへ上がります。

つまり、日清シスコがBへ上がるために最も重要なのは、大阪工場を閉じて東京工場へ集約する過程を、単なる効率化で終わらせないことです。働く人の雇用を守り、省人化で浮いた時間を休息や教育へ返し、東京工場が止まっても供給できる代替体制を数字で実証することが次の段階になります。

出典一覧

1.日清シスコ株式会社「会社概要」「日清シスコ」【情報ランクA】

2.日清食品ホールディングス株式会社 2026年3月期有価証券報告書・連結子会社人的資本法定開示【情報ランクS】

3.日清シスコ株式会社 採用サイト「日清シスコとは?」「社員の本音アンケート」【情報ランクA】

4.日清シスコ株式会社「新卒採用情報」「キャリア採用情報」【情報ランクA】

5.日清シスコ株式会社「生産工場・製造所」「沿革」【情報ランクA】

6.日清食品グループ「労働安全衛生」【情報ランクA】

7.日清食品グループ「人権」「コンプライアンス」「内部通報規程」「サステナビリティ関連方針」【情報ランクA】

8.日清食品グループ「情報セキュリティ」【情報ランクA】

9.日清食品グループ「災害時の事業継続体制」【情報ランクA】

10.日清シスコ株式会社「大阪工場の閉鎖(生産終了)に関するお知らせ」2026年4月13日【情報ランクA】

11.日清シスコ株式会社「シリアル商品についてのお詫びと自主回収のお知らせ」2018年4月3日【情報ランクA】

12.日清食品グループ「安全・安心/製品回収」【情報ランクA】

13.日清シスコ株式会社 採用サイト「職種紹介」「社員インタビュー」【情報ランクA】

14.Indeed「日清シスコ株式会社の社員クチコミ・評判」【情報ランクB】

15.転職会議「日清シスコ株式会社の評判・口コミ」【情報ランクB】

16.エンゲージ会社の評判「日清シスコ株式会社」【情報ランクB】

17.キャリコネ「日清シスコ株式会社の評判・口コミ」【情報ランクB】

18.日清食品グループ「NISSIN×DX」【情報ランクA、グループ実績】

19.日清シスコ株式会社「おいしい全粒穀物シリーズ3品」2026年3月17日【情報ランクA】

20.当サイト「遠東石塚グリーンペット株式会社を企業審査」現行正本【参考企業】

21.当サイト「キリンビバレッジ株式会社を企業審査」現行正本【参考企業】

22.当サイト「ゴールドパック株式会社を企業審査」現行正本【参考企業】

23.当サイト「株式会社ミツウロコグループホールディングスを企業審査」現行正本【参考企業】

シビックランクの基準

ランク点数
S90~100点
A80~89点
B70~79点
C60~69点
D50~59点
E40~49点
F20~39点
G0~19点

情報ランクの基準

情報ランク基準
S公的機関、裁判所、規制当局、独立した第三者機関の調査・監査・検証・認証など、内容そのものに独立した裏づけがある情報
A企業公式資料、採用情報、公式声明・SNS、または氏名・役職・立場が確認できる記名取材や公表発言など、発信主体を確認できる公表情報
B従業員・元従業員の口コミ、一般SNS、匿名掲示板など、発信者の身元や対象企業との関係を独立に確認しにくい情報

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