私たちは、企業の商品を購入したり、サービスを利用したりすることで、そこで働く人たちの未来を変えることができます。
働く人に十分な賃金を払い、休暇を確保し、安全な職場をつくり、人の負担を減らす企業の商品やサービスが選ばれれば、そうした企業により多くの売上が集まります。その結果、働く人を大切にする経営を続けやすくなります。
反対に、低賃金や長時間労働、安全上の問題を改善しない企業の商品やサービスが売れ続ければ、そうした働かせ方のままでも事業を続けることができます。
だからこの企業審査では、「私たちがお金を使うなら、どの企業を選ぶことが、そこで働く人にとってより良い社会につながるのか」という視点から企業を評価します。
なぜ企業を審査するのか?――このサイトの目的と、利用するメリット
今回審査する株式会社千葉薬品は、総合71点、シビックランクBです。
株式会社千葉薬品の特に強い点は、2024年度の月平均所定外労働時間が8.2時間に抑えられ、調剤現場では自動監査システム、調剤ロボット、電子薬歴を導入して、薬剤師の反復作業と記録負担を減らしていることです。さらに、千葉県・茨城県を中心にドラッグストア、調剤薬局、移動スーパー、在宅医療を展開し、2026年10月までに市町村との包括連携協定を27例へ広げています。
そのため、この企業の商品を購入したりサービスを利用したりすれば、薬剤師や店舗スタッフが単純作業に使う時間を減らし、服薬相談、健康相談、在宅支援など、人にしかできない仕事へ時間を振り向ける地域医療・小売が広がる可能性があります。
一方で、改善点として、株式会社千葉薬品単体の死亡・休業労災、度数率、重大な調剤過誤件数、重要システムの復旧時間などが公開されていません。また、2026年8月のIndeedには、店長層について残業への圧力や現場と本部の距離を指摘する匿名口コミがあります。口コミ1件だけで全社を判断することはできませんが、平均残業8.2時間という全社値だけでは見えない役職・店舗差がある可能性を確認する材料になります。
この記事では、株式会社千葉薬品の強みと課題をさらに詳しく企業審査していきます。
株式会社千葉薬品の企業審査結果
株式会社千葉薬品は、残業時間、育児支援、調剤自動化、地域医療、防災連携では高く評価できます。一方、労災・調剤事故・BCP・サイバー復旧の結果開示が弱く、Bランクにとどまりました。
| 評価軸 | 点数 | 評価の要点 |
|---|---|---|
| Safety | 35/50 | 残業8.2時間、男性育休62.5%・女性100%、女性管理職10%、調剤自動監査を評価。賃金分布、単体労災、相談・是正、調剤事故KPIの開示不足が課題 |
| Innovation | 20/25 | 自動監査、調剤ロボット、電子薬歴、電子お薬手帳、移動スーパーを評価。削減人時と賃金・休日への還元の定量開示は不足 |
| Protection | 16/25 | 市町村との多数の防災協定、生活必需品・避難場所・飲料水提供、情報セキュリティ方針を評価。BCPのRTO・RPO、全社サイバー体制、実災害の供給実績開示が不足 |
| 総合点 | 71/100 | シビックランクB |
主な強み
・2024年度の月平均所定外労働時間は8.2時間
・平均有給休暇取得日数は10.6日
・2023年度の育児休業取得率は男性62.5%、女性100%
・女性管理職比率は2024年度10.0%で、2030年度20%を目標
・2024年新卒採用者の定着率は100%
・薬剤師職では固定残業制度を採用せず、時間外手当を別途支給
・自動監査システムで一包化薬を形・色・大きさ・印字・刻印まで自動照合
・調剤ロボットが医薬品の入庫、数量、使用期限、ロット管理、ピッキングを自動化
・電子薬歴はiPadと音声入力を使い、薬歴記入を約1分まで短縮できると説明
・ドラッグストア116店舗、調剤薬局109店舗を展開
・移動スーパー「らくちん便」を多数地域で運行し、買い物が難しい地域を支援
・2026年10月の長生村との協定で、市町村との包括連携協定は27例目
・千葉市との災害協定では、生活必需品の供給、店舗での避難場所・飲料水・トイレ提供まで明記
・2025年4月に情報セキュリティ方針を制定し、ISO/IEC27001を意識した管理方針を明文化
主な課題
・会社単体の平均年収、賃金中央値、男女賃金差、ベースアップ率が十分に公開されていない
・年間休日は新卒求人で113日であり、休日数には改善余地がある
・2026年8月のIndeedに店長層の残業圧力を指摘する匿名口コミがある
・株式会社千葉薬品単体の死亡・休業労災、度数率、強度率が公開されていない
・店舗の転倒、腰痛、通勤事故、針刺し、調剤関連の業務事故などの年次KPIが非公表
・重大な調剤過誤件数、処方せん件数当たりの過誤率、ヒヤリハット件数が非公表
・人権方針、内部通報・ハラスメント相談件数、是正完了率の外部開示が不足
・自動化によって年間何時間の作業が減ったか、店舗・薬局別の削減人時が未公開
・自動化で生まれた時間が残業削減、休日、賃金へどれだけ還元されたか不明
・全社BCP、重要業務のRTO・RPO、災害時の店舗再開目標・実績が未公開
・情報セキュリティ方針は確認できるが、対象範囲が保健指導部門を中心としており、全店舗・全調剤・アプリ・決済基盤を含む包括的な第三者認証の状況は確認できない
事業内容と人間への貢献
株式会社千葉薬品は、千葉県と茨城県を中心に「ヤックス」の名称でドラッグストア、調剤薬局、スーパーマーケット、移動スーパー、アウトドア専門店などを展開する企業です。創業は1960年9月、法人設立は1961年11月です。
基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社千葉薬品 |
| 代表者 | 代表取締役社長 齋藤昭生 |
| 創業 | 1960年9月15日 |
| 設立 | 1961年11月 |
| 資本金 | 4億9,100万円 |
| 本部 | 千葉県千葉市中央区問屋町1-35 ポートサイドタワー28階 |
| 社員数 | 920人 |
| パートタイム社員 | 2,326人 |
| 従業員合計 | 3,246人(2025年3月31日時点) |
| 売上高 | 549億円(2025年3月期) |
| 主な事業 | ドラッグストア、調剤薬局、予防事業、スーパーマーケット、在宅医療、介護関連、アウトドア用品 |
| 主な店舗数 | ドラッグストア116店舗、調剤薬局109店舗(2025年10月時点) |
主な事業内容
ヤックスドラッグでは、OTC医薬品、化粧品、食品、日用品などを販売しています。
調剤事業では、ドラッグストア併設薬局、病院門前薬局、在宅医療基幹薬局などを運営しています。在宅医療では無菌調剤、訪問、医師の往診同行、多職種連携まで行います。
さらに、スーパーマーケット、移動スーパー「らくちん便」、健康チェック、管理栄養士による相談なども展開しています。
主な利用者・取引先
利用者は、一般消費者、処方せんを持つ患者、在宅医療利用者、高齢者、健康相談を必要とする地域住民です。
また、千葉県や多数の市町村と協定を結び、自治体、医療機関、介護事業者、食品・医薬品メーカー、地域団体などとも連携しています。
事業による人間への貢献
千葉薬品の強みは、ドラッグストアだけで生活を完結させるのではなく、調剤、在宅医療、介護、健康相談、移動販売までつなげていることです。
例えば高齢者が店舗へ行けない場合でも、移動スーパーや在宅薬剤師の訪問によって、食品や薬を受け取ることができます。
また、店舗で相談を受けた登録販売者が、必要に応じて薬剤師、管理栄養士、看護・介護職などへつなげることで、病気になる前の予防から治療後の生活支援まで支えられます。
少子高齢化が進む地域では、「物を売る店」よりも、生活と医療をつなぐ拠点としての価値が高くなります。
Safety|35/50
Safetyでは、店舗・薬局・本部で働く人の賃金、休息、雇用、公平性、福利厚生、人権、安全と、患者・利用者へ提供する薬・商品・サービスの安全を評価します。
賃金・利益の還元|6/10
2025年4月実績で、薬剤師職の初任給は月32万7,400円です。内訳は基本給23万500円、薬剤師手当9万1,900円、住宅手当5,000円です。
総合職は四大卒月23万1,000円、管理栄養士職は資格手当を含め月23万6,000円です。
固定残業制度は採用せず、時間外手当を別途支給します。賞与年2回、昇給年1回、住宅・家族・資格手当、退職金、借上社宅制度もあります。
薬剤師の専門性に対する手当と固定残業なしを評価して6/10点です。
一方、全社員の平均年収、中央値、職種別賃金、男女賃金差、ベースアップ率は公開情報が不足しています。8/10以上には、既存社員を含む所得分布と実質賃金改善を継続公開する必要があります。
労働時間・休息|8/10
2024年度の月平均所定外労働時間は8.2時間、平均有給休暇取得日数は10.6日です。
小売・薬局では土日・夜間営業があり、シフト勤務になりやすい中で、月8.2時間は良好な水準です。
一方、年間休日は2027年度新卒求人で113日です。休日数は120日台の企業に比べて少なく、またIndeedでは2026年8月に店長層の残業圧力を指摘する匿名口コミもあります。
全社平均の残業は低いものの、役職・店舗差と休日数を考慮して8/10点です。
10/10には、年間休日120日以上、有休平均15日以上、店長・一般社員・薬剤師など職位・職種別の残業を公開し、月45時間超の社員比率を低水準で継続する必要があります。
雇用の安定・待遇の公平性|4/5
平均勤続年数は2024年度10.8年です。
2024年入社の新卒34人は、公開時点で離職0人、定着率100%です。2023年入社は87.2%、2022年入社は82.2%です。
女性管理職比率は2024年度10.0%で、180人の管理的地位のうち18人が女性です。2030年度までに20%を目指しています。
新卒定着と女性管理職の数値目標を評価して4/5点です。
5/5には、女性管理職20%以上を達成し、男女別昇進率、男女賃金差、正社員・非正規の登用実績を公開する必要があります。
福利厚生・育児・介護|5/5
2023年度の育児休業取得率は男性62.5%、女性100%です。女性の職場復帰率は100%と説明されています。
2013年には「くるみん」認定を取得しています。
借上社宅、退職金、育児短時間勤務、介護休暇、子の看護休暇、保養所、社員割引、財形貯蓄なども整備されています。
男性育休も過半数まで利用され、女性の復帰率100%まで確認できるため5/5点です。
人権・ハラスメント・労使関係|3/5
経営理念のValueには「個人の尊重と多様性」を掲げています。2024年には身だしなみ基準も見直し、服装、髪色、ネイル等を柔軟化しました。
2026年の採用情報でも、トップダウン型からボトムアップ型へ変化し、若手や現場の意見を反映する機会を増やしていると説明しています。
一方、人権方針、内部通報制度の詳細、ハラスメント相談件数、是正件数、労働組合との協議実績などは公開情報が十分ではありません。
Indeedでは2026年8月に、店長層の残業や本部と現場の距離を厳しく評価する匿名投稿があります。
制度・方針の方向性は評価するものの、運用結果の透明性が不足するため3/5点です。
4/5以上には、匿名相談・内部通報の仕組み、相談件数、是正率、報復防止、従業員サーベイを年次公開する必要があります。
労働安全・健康|5/10
千葉薬品グループは「健康経営宣言」を掲げ、従業員の心身の健康を経営資源として扱う方針を示しています。
店舗・薬局では、立ち仕事、商品搬入、医薬品取扱い、通勤・訪問運転などの安全リスクがあります。
しかし、株式会社千葉薬品単体の死亡労災、休業災害、度数率、強度率、転倒、腰痛、針刺し、交通事故などの年次KPIは公表されていません。
健康経営の体制は評価するものの、事故結果を確認できないため5/10点です。
7~8点には、死亡0、休業災害、度数率、災害型別件数を毎年公開し、複数年の改善を示す必要があります。
商品・サービスの安全|4/5
薬剤師業務では、自動監査システムが一包化薬の形、色、大きさ、印字、刻印を一錠ずつ確認し、処方せんと照合します。
調剤ロボットは医薬品の入庫、数量、使用期限、ロット番号を記録し、処方データに基づいてピッキングします。
電子薬歴では禁忌・相互作用を確認しやすくし、音声入力によって薬歴記入を約1分まで短縮できるとしています。
人の目だけに依存せず、複数のシステムで誤調剤を防ぐ仕組みは高く評価できます。
一方、重大な調剤過誤件数、処方せん100万枚当たり過誤率、ヒヤリハット件数、薬局横断の安全KPIは公開されていません。
このため4/5点です。5/5には、重大事故0と過誤率の低水準を複数年公開する必要があります。
従業員・元従業員の口コミ
Indeedでは2026年8月時点で33件の口コミがあり、総合評価2.5、勤務時間と残業2.6、給与と福利厚生2.7、定着率と昇進2.3、上司との関係2.0、企業文化2.4です。
2026年8月の登録販売者による匿名投稿には、店長について、売上への圧力や残業への圧力を感じるとの趣旨の記載があります。
一方、転職会議の投稿集計では残業月15.4~15.6時間、有給消化率約60%です。公式の平均残業8.2時間より高く、部署・役職・店舗によって差がある可能性があります。
口コミは個人の経験であり、会社全体へそのまま一般化しません。ただし、公式平均だけでは見えない現場差を補う情報として扱います。
SNS・匿名掲示板の確認結果
X、5ちゃんねる、爆サイ等について、千葉薬品、ヤックスドラッグ、残業、人手不足、調剤ミス、退職、パワハラ、労災などを組み合わせて確認しました。
今回の公開検索では、現在の社員・元社員と明確に特定でき、採点を大きく変更できる具体的な現行投稿は確認できませんでした。
有用な匿名投稿が見つからないこと自体は減点していません。
Innovation|20/25
Innovationでは、調剤、薬歴、在庫、買い物支援など、人が担う反復作業を技術で減らし、その時間を患者・地域住民への支援へ変えられているかを評価します。
作業負担・危険の削減|8/10
調剤現場では自動監査システム、調剤ロボット、電子薬歴を導入しています。
調剤ロボットは薬の入庫、期限・ロット管理、ピッキングまで自動化します。薬剤師が棚を歩いて薬を探す作業や、期限・数量を手作業で確認する負担を減らせます。
電子薬歴は音声入力を使い、薬歴記入を約1分で行えると説明しています。
一包化薬の監査も自動化し、人の目だけに依存する作業を減らしています。
具体的な省力化内容が確認できるため8/10点です。
10/10には、1処方あたりの作業時間、薬剤師1人あたり年間削減時間、ヒューマンエラーの減少率を導入前後で公開する必要があります。
商品・サービスの改善|5/5
電子お薬手帳アプリでは、処方薬の登録、薬情報管理、処方せん予約による待ち時間短縮などが可能です。
2025年には、ドラッグストア、調剤薬局、街のほけん室、デイサービスを一か所に集めた「グラン8モール八街店」を開設しました。
また、移動スーパー「らくちん便」は千葉県・茨城県の多数地域を巡回し、買い物が難しい住民へ生鮮食品、惣菜、冷蔵・冷凍品などを届けています。
利用者の医療・買い物へのアクセスを継続的に改善しているため5/5点です。
改善成果の人間への還元|3/5
調剤ロボット、自動監査、電子薬歴は、薬剤師の反復作業を減らし、患者との会話や服薬指導へ時間を使いやすくする技術です。
実際に電子薬歴では薬歴記入を約1分まで短縮できるという具体的な時間短縮が示されています。
一方、導入前後で薬剤師の残業が何時間減ったか、患者への相談時間が何分増えたか、休日や賃金へどう還元されたかは公開されていません。
このため3/5点です。
4~5点には、自動化導入薬局の削減人時、残業、有休、患者対応時間、配置転換を継続測定し、人への還元を明示する必要があります。
研究開発・現場改善の継続|4/5
在宅医療、無菌調剤、ドライブスルー調剤、電子お薬手帳、調剤ロボット、移動スーパー、複合型健康拠点など、時代に応じて新しいサービスを導入してきました。
2025年には複合型生活支援拠点を新設し、2026年も自治体連携を拡大しています。
単発の改善ではなく継続的な事業改善が確認できるため4/5点です。
5/5には、全社横断の改善KPIや研究開発投資、導入効果を継続して外部公開する必要があります。
自動化・AI導入後の雇用状況
調剤ロボットや自動監査を導入していますが、自動化を理由とする大規模な整理解雇・希望退職は今回確認していません。
2025年3月時点でも社員920人、パート2,326人を雇用し、2026年も総合職・薬剤師・管理栄養士などの新卒採用を継続しています。
自動化が雇用削減だけに使われている状況は確認できません。
一方、自動化導入薬局で必要人数、採用数、配置転換、再訓練がどう変わったかは公開されていません。今後は雇用への影響を追跡する必要があります。
Protection|16/25
Protectionでは、地震、豪雨、停電、物流停止、システム障害、サイバー攻撃が起きても、医薬品・食品・日用品を地域へ届け続けられるかを評価します。
災害への備え・訓練|4/5
千葉薬品は千葉市と2007年から災害時の防災活動協力協定を結んでいます。
協定では、店舗・関係機関が保有する生活必需品の供給、店舗での避難場所、飲料水、トイレの提供、災害情報提供などが明記されています。
2026年10月の長生村との協定は市町村との包括連携協定27例目で、災害時の地域支援も協定項目に含まれています。
多数の自治体との事前協定があるため4/5点です。
5/5には、年次訓練実績、物資供給開始までの時間、店舗開放訓練、安否確認時間を公開する必要があります。
生産・物流・調達の代替|3/5
ドラッグストア116店舗、調剤薬局109店舗、移動スーパーなど、地域に分散した供給網を持っています。
複数店舗を持つことで、一店舗が停止しても近隣店舗へ利用者を案内できる可能性があります。
移動スーパーも、通常の店舗へ行けない住民へ商品を届ける代替経路として機能します。
一方、物流センター停止時の代替倉庫、医薬品調達先の複線化、店舗間融通能力、切替時間は公表されていません。
このため3/5点です。
サイバー防衛・情報保護|3/5
2025年4月1日、株式会社千葉薬品は情報セキュリティ方針を制定しました。
情報資産の洗い出し、リスク評価、教育、法令・ISO/IEC27001を含む規範遵守、問題発生時の再発防止などを明文化しています。
また、アプリやクラブカードについても個人情報保護方針を設けています。
一方、公開されている情報セキュリティ方針は保健指導を提供するファーマシー営業部「予防グループ」の目的を中心に記載されており、店舗POS、調剤、電子薬歴、アプリ、ヤックスPayを含む全社システムへの第三者認証範囲は確認できません。
MFA、EDR、SOC・CSIRT、攻撃演習、重大インシデント件数も外部公開が不足しています。
このため3/5点です。
供給継続・復旧能力|2/5
多数の店舗、移動販売、自治体との災害協定は供給継続に役立ちます。
一方、全社BCPの詳細、重要業務の目標復旧時間、調剤システムやPOS停止時の代替運用、物流センター切替時間、実際の復旧訓練結果は公開情報が不足しています。
このため2/5点です。
4/5以上には、店舗、薬局、物流、POS、調剤、アプリごとのRTO・RPOを設定し、訓練で目標内復旧を確認する必要があります。
危機時の市民への対応|4/5
千葉市との協定では、生活必需物資の供給だけでなく、被災者や帰宅困難者へ避難場所、飲料水、トイレを提供することが明記されています。
市原市、野田市、我孫子市などとの協定でも、災害時の物資提供や地域支援が盛り込まれています。
2024年の能登半島地震では、店舗・事業所で集めた431万7,229円を日本赤十字社へ寄託しました。2025年の大船渡市林野火災でも62万3,672円を寄託しています。
事前の地域協定と災害支援実績があるため4/5点です。
5/5には、実災害で店舗から何人へ何品を提供したか、支援開始まで何時間かかったかを継続公開する必要があります。
良いニュース・最近の前向きな動き
2026年10月|長生村との包括連携協定で市町村との協定が27例目へ(Protection)
2026年10月1日、株式会社千葉薬品は長生村と包括連携協定を締結し、10月6日に公表しました。
健康づくり、高齢者支援、地域情報発信、災害時の地域支援などを共同で進めます。
同社によると、市町村との包括連携協定は27例目となりました。
ドラッグストア・薬局の店舗網を、災害時や高齢者支援へ使う地域インフラとして広げている点を評価できます。
2025年8月|「グラン8モール八街店」で医療・介護・小売を一体化(Innovation)
2025年8月、ドラッグストア、調剤薬局、街のほけん室、デイサービスの4機能を集約した「ヤックスドラッグ グラン8モール八街店」を開設しました。
買い物、健康相談、服薬指導、介護サービスを一つの場所で利用できることで、高齢者や家族が複数施設を移動する負担を減らせます。
単なる出店ではなく、地域の生活支援機能を統合したInnovationとして評価します。
2025年4月|情報セキュリティ方針を制定(Protection)
2025年4月1日、情報資産のリスク評価、社員教育、ISO/IEC27001を含む規範順守、事故対応を盛り込んだ情報セキュリティ方針を制定しました。
電子薬歴、お薬手帳アプリ、会員情報など、健康・個人情報を扱う企業として、セキュリティを文書化したことは前向きな動きです。
悪いニュース・問題となった動き
2026年8月|店長層の残業圧力を指摘する匿名口コミ(Safety)
Indeedには2026年8月、登録販売者による匿名口コミで、店長層について売上への圧力や残業への圧力を感じるとの趣旨の記載があります。
匿名の1件だけで会社全体の労働実態とは判断しません。
一方、公式データの平均残業8.2時間と、転職会議の投稿集計15時間台には差があります。一般社員と店長、薬局とドラッグストア、店舗規模などによる負担差を会社自身が公開すれば、より正確に判断できます。
単体労災・調剤事故KPIの開示不足(Safety)
薬局・ドラッグストアでは、転倒、腰痛、通勤・訪問運転、針刺し、調剤過誤など、人の健康や生命に関わる事故が起こり得ます。
自動監査やロボットを導入している一方、会社単体の休業労災や重大調剤過誤の件数は公開されていません。
「安全対策をしている」ことと「事故が少ない」ことは別なので、結果まで継続公開する必要があります。
BCPの復旧時間が非公表(Protection)
多数の自治体協定は強みですが、災害時に店舗、物流、調剤システムが停止した場合の目標復旧時間は確認できません。
医薬品を扱う企業では、システムや物流が止まる時間そのものが住民の生活へ影響します。
RTO・RPOと訓練結果を公開することが、Protectionをさらに高める条件です。
総合評価と、これから改善してほしいこと
株式会社千葉薬品は71点、シビックランクBです。次のAランクは80点からなので、あと9点必要です。
平均残業8.2時間、調剤自動化、育児支援、地域医療、自治体連携は強みです。一方、Aランクへ進むには、制度・技術の存在だけでなく、労災・調剤事故・復旧時間・従業員への還元という結果を公開する必要があります。
賃金の結果を公開し、固定給を引き上げる|賃金・利益の還元 6→8/10
現在の「賃金・利益の還元」は6/10点です。
薬剤師初任給32万7,400円、固定残業なしは強みですが、既存社員の平均・中央値、職種別賃金、ベースアップ率は見えません。
総合職、登録販売者、薬剤師、店長など職種・役職別の賃金中央値を公開し、物価上昇率を上回る基本給改善を複数年継続できれば6→8点、+2点を検討できます。
参考企業はKDDI株式会社です。当サイトDriveの現行審査では、基本給改善と平均年収、人的資本KPIを継続公開していることを賃金評価へ反映しています。
単体の労災・調剤事故を公開し、低下させる|労働安全 5→7/10、商品安全 4→5/5
現在は「労働安全・健康」5/10点、「商品・サービスの安全」4/5点です。
死亡・休業労災、度数率、転倒、腰痛、通勤事故、針刺しを会社単体で公開してください。
さらに調剤過誤、重大インシデント、処方せん100万枚当たりの過誤率を公開し、死亡・重篤事故0を複数年継続できれば、労働安全5→7で+2点、商品安全4→5で+1点を検討できます。
参考企業はTOPPAN株式会社です。当サイトDriveの現行審査では、死亡0、休業災害度数率0.043、強度率0.000という結果まで単体公開している点を高く評価しています。
内部通報・ハラスメント運用を見える化する|人権・ハラスメント・労使関係 3→4/5
現在の「人権・ハラスメント・労使関係」は3/5点です。
匿名相談窓口、内部通報者保護、ハラスメント研修を明文化し、相談件数、是正完了率、再発率、従業員サーベイを公開してください。
店長層を含む職位別の心理的安全性や残業も追跡できれば3→4点、+1点を検討できます。
参考企業は株式会社スギ薬局です。当サイトDriveの現行審査では、人権方針、相談窓口、研修受講率、労組などが確認できるため「人権・ハラスメント・労使関係」4/5点としています。
BCPの目標・実測復旧時間を公開する|供給継続・復旧能力 2→4/5
現在の「供給継続・復旧能力」は2/5点です。
店舗、調剤、物流センター、POS、電子薬歴、お薬手帳アプリについてRTO・RPOを設定し、地震、停電、通信障害、サイバー攻撃を想定した年次訓練を実施してください。
実測復旧時間を公開し、複数年で目標内復旧できれば2→4点、+2点を検討できます。
参考企業はTOPPAN株式会社です。当サイトDriveの現行審査では、重要事業と目標復旧時間を見直しながら拠点間連携訓練を行う点をProtectionで評価しています。
自動化の削減時間を残業・患者対応へ返す|改善成果の人間への還元 3→4/5
現在の「改善成果の人間への還元」は3/5点です。
調剤ロボット、自動監査、電子薬歴の導入前後で、1処方当たり作業時間、薬剤師1人当たり年間削減人時、残業、有休、患者対応時間を公開してください。
複数薬局で、削減時間が患者との相談時間増加や残業減少へつながったことを確認できれば3→4点、+1点を検討できます。
これらを組み合わせると、71+2+3+1+2+1=80点となり、シビックランクAへ到達します。
次のランクへ上がるための具体例
・職種・役職別の賃金中央値とベースアップ率を公開し、実質賃金を複数年改善。「賃金・利益の還元」6→8点、+2点。
・死亡・休業労災、度数率、調剤過誤率を単体公開し、重大事故0を複数年継続。「労働安全・健康」5→7点、「商品・サービスの安全」4→5点、+3点。
・匿名相談、内部通報、是正件数、従業員サーベイを公開。「人権・ハラスメント・労使関係」3→4点、+1点。
・店舗、物流、調剤、POS、電子薬歴、アプリのRTO・RPOと実測復旧時間を公開。「供給継続・復旧能力」2→4点、+2点。
・調剤自動化による年間削減人時と、残業・患者対応時間への還元を公開。「改善成果の人間への還元」3→4点、+1点。
71点+2点+3点+1点+2点+1点=80点となり、シビックランクAへ上がります。
つまり、株式会社千葉薬品が次のランクへ上がるためには、すでに強い調剤自動化と地域連携をさらに増やすだけではなく、「事故が何件減ったか」「システム停止から何時間で復旧できるか」「自動化で生まれた時間が患者と従業員へどう返ったか」を結果の数字として示すことが重要です。
出典一覧
1.株式会社千葉薬品「会社概要」
2.株式会社千葉薬品「会社情報・経営理念」
3.マイナビ2027「株式会社千葉薬品 会社概要・働き方データ」
4.マイナビ2027「株式会社千葉薬品 薬剤師職 採用データ」
5.株式会社千葉薬品 採用サイト「薬剤師の仕事内容」
6.株式会社千葉薬品「千葉薬品グループ健康経営宣言」
7.株式会社千葉薬品「電子お薬手帳アプリ」
8.株式会社千葉薬品「ヤックスの移動スーパー らくちん便」
9.株式会社千葉薬品「自治体との取り組み」
10.株式会社千葉薬品「長生村との包括連携協定」2026年10月
11.株式会社千葉薬品「多古町との包括連携協定」2026年8月
12.株式会社千葉薬品「グラン8モール八街店」2025年8月
13.千葉市「災害時における防災活動協力に関する協定」
14.千葉県「株式会社千葉薬品との包括協定」
15.株式会社千葉薬品「情報セキュリティ方針」2025年4月
16.株式会社千葉薬品「プライバシーポリシー」
17.株式会社千葉薬品「能登半島地震被災地支援募金」2024年
18.株式会社千葉薬品「大船渡市林野火災被災地支援募金」2025年
19.Indeed「株式会社千葉薬品の社員クチコミ」[情報ランクB]
20.転職会議「株式会社千葉薬品の評判・社員口コミ」[情報ランクB]
21.厚生労働省 医療情報ネット「ヤックスドラッグ薬局」各店舗情報[情報ランクS]
22.Google Drive「TOPPAN株式会社を企業審査|73点/100点・シビックランクB」現行版[参考企業]
23.Google Drive「株式会社スギ薬局を企業審査|70点/100点・シビックランクB」現行版[参考企業]
24.Google Drive「KDDI株式会社を企業審査|82点/100点・シビックランクA」現行版[参考企業]
シビックランクの基準
| ランク | 総合点 |
|---|---|
| S | 90~100点 |
| A | 80~89点 |
| B | 70~79点 |
| C | 60~69点 |
| D | 50~59点 |
| E | 40~49点 |
| F | 20~39点 |
| G | 0~19点 |
株式会社千葉薬品は71点のため、今回のシビックランクはBです。
情報ランクの基準
| 情報ランク | 基準 |
|---|---|
| S | 公的機関、裁判所、規制当局、独立した第三者機関の調査・監査・検証・認証など、内容そのものに独立した裏づけがある情報 |
| A | 企業公式資料、採用情報、公式声明・SNS、氏名・役職・立場が確認できる記名取材や公表発言など、発信主体が明確な一次情報 |
| B | 従業員・元従業員の口コミ、一般SNS、匿名掲示板など、発信者の身元や対象企業との関係を独立に確認しにくい情報 |
