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株式会社ヤオコーを企業審査|シビックランクC・69点/100点|平均年収657万円・AI自動発注を評価、有休36.8%と正規男女賃金比77.7%が課題

私たちは、企業の商品を購入したり、サービスを利用したりすることで、そこで働く人たちの未来を変えることができます。

働く人に十分な賃金を払い、休暇を確保し、安全な職場をつくり、人の負担を減らす企業の商品やサービスが選ばれれば、そうした企業により多くの売上が集まります。その結果、働く人を大切にする経営を続けやすくなります。

反対に、低賃金や長時間労働、安全上の問題を改善しない企業の商品やサービスが売れ続ければ、そうした働かせ方のままでも事業を続けることができます。

だからこの企業審査では、「私たちがお金を使うなら、どの企業を選ぶことが、そこで働く人にとってより良い社会につながるのか」という視点から企業を評価します。

なぜ企業を審査するのか?――このサイトの目的と、利用するメリット

今回審査する株式会社ヤオコーは、総合69点、シビックランクCです。

株式会社ヤオコーの特に強い点は、平均年間給与657万3,000円を確保しながら、AI需要予測による自動発注を全店舗へ導入し、草加物流センターでも自動倉庫型仕分けシャトルと独自WMSを使って店舗・物流の反復作業を減らしていることです。そのため、この企業の商品を購入したりサービスを利用したりすれば、人が発注・仕分けなどの定型作業へ使う時間を減らし、売場づくりや接客、休息へ振り向けられる小売業が広がる社会につながる可能性が高まります。

一方で、改善点として、最新の法定開示で正規雇用の男女賃金比77.7%、男性育児休業取得率30.1%にとどまり、2025年3月期の有給休暇取得率も36.8%と低いことが残ります。

この記事では、株式会社ヤオコーの強みと課題をさらに詳しく企業審査していきます。

目次

株式会社ヤオコーの企業審査結果

ヤオコーは、埼玉県を中心に1都6県で食品スーパーマーケットを展開する会社です。2026年3月31日時点で202店舗、社員4,493人、パート・アルバイト14,690人(8時間換算)を抱えます。2025年10月にブルーゾーンホールディングスの完全子会社となりましたが、ヤオコー自体はスーパーマーケットの事業会社として営業を続けています。[出典1・2]

現行100点制では、Safety 32/50点、Innovation 21/25点、Protection 16/25点、合計69点です。Bランクの70点まであと1点ですが、有休取得、男女の登用・賃金差、DX成果の人への還元を結果として確認できるかを重視し、現時点ではCとします。

3軸の得点表

評価軸点数主な評価
Safety32/50平均年収657.3万円、労組、福利厚生、品質管理を評価。有休36.8%、年休114日、正規男女賃金比77.7%、男性育休30.1%が課題
Innovation21/25AI自動発注全店導入、自動倉庫型仕分けシャトル、独自WMS、セルフレジ等を高評価。削減時間・残業への定量還元は不足
Protection16/25202店舗・複数物流拠点、情報セキュリティ方針、自治体との避難施設協定を評価。BCP実測、RTO・RPO、直接支援実績が不足
総合69/100シビックランクC

主な強み

・2026年3月末のヤオコー社員4,493人の平均年間給与は657万3,000円、平均年齢40.2歳、平均勤続11.4年です。[出典2]

・AI需要予測に基づく自動発注システムを全店舗へ導入しています。[出典6]

・草加物流センターでは独自WMSと自動倉庫型仕分けシャトル2基を導入し、棚割りと連動した納品で店舗の品出し負担を減らしています。[出典3]

・2025年統合報告書では、デジタル化による省力化の成果を受けて店舗管理職を3人から4~5人へ増やし、惣菜部門も売上規模に応じて社員を増員し、休暇取得や柔軟なシフトを改善する方針を示しています。[出典3]

・全ヤオコー労働組合は2万2,296人規模で、労使関係は円滑と有価証券報告書で説明されています。[出典2]

・松戸市、流山市などでは災害時に店舗施設や駐車場を一時避難場所として提供する協定があります。[出典9・10]

主な課題

・2025年3月期の有給休暇取得率は36.8%で、前年38.2%から低下しました。[出典3]

・新卒正社員の年間休日は114日で、120日以上には届きません。[出典4]

・2026年3月期の女性管理職比率は8.7%、正規雇用の男女賃金比は77.7%です。[出典2]

・男性育児休業取得率は2025年3月期41.0%から、2026年3月期30.1%へ低下しました。[出典2・3]

・2025年3月期の労働災害発生率は年千人率4.7で、前年4.8から小幅改善したものの、事故ゼロには至っていません。[出典3]

・Indeedでは2026年に、人員削減と部門横断のマルチタスク化で負担が増えたとする投稿や、急な残業・契約時間変更への不満が見られます。個別投稿であり全社実態とは扱いませんが、DXの成果がすべての店舗で負担軽減へつながっているとは断定できません。[出典11、情報ランクB]

事業内容と人間への貢献

ヤオコーは、生鮮食品、惣菜、加工食品、日用品などを日常的に販売する食品スーパーマーケットです。食は生活に不可欠なため、価格だけでなく、鮮度、調理負担、買いやすさ、欠品の少なさが地域住民の生活時間と健康に直接関係します。

基本情報

項目内容
会社名株式会社ヤオコー
英文名YAOKO CO., LTD.
創業1890年
会社設立1957年7月
本社埼玉県川越市新宿町1丁目10番地1
代表者代表取締役会長 川野幸夫/代表取締役社長 川野澄人
資本金98億4,600万円
社員数4,493人
パート・アルバイト14,690人(8時間換算)
店舗数202店舗
主な展開地域埼玉、千葉、群馬、東京、神奈川、茨城、栃木
事業食品スーパーマーケット

[出典1]

主な事業内容

店舗では青果、鮮魚、精肉、惣菜、ベーカリー、日配、加工食品などを扱います。ヤオコーは「食生活提案型」を掲げ、食材を並べるだけでなく、献立提案や店内加工の惣菜、対面販売などを組み合わせています。[出典7]

物流では複数のセンターから店舗へ商品を供給し、草加物流センターでは自動倉庫型仕分けシャトルとWMSを使います。デジタルではAI自動発注、ヤオコーアプリ、ヤオコーPay、ネットスーパーなどを運営しています。[出典3・6]

主な利用者・取引先

利用者は、埼玉県を中心とする1都6県の一般消費者です。食品メーカー、生産者、卸売、物流事業者など多数の取引先と商品供給網を構築していますが、個別の主要仕入先を網羅した最新一覧は公表されていないため、確認できない企業名を推測して掲載しません。

事業による人間への貢献

第一の貢献は、毎日の食料を地域で入手できることです。202店舗の店舗網があれば、住民は遠方の大型拠点だけに頼らず、生鮮食品や惣菜を生活圏で購入できます。[出典1]

第二の貢献は、調理負担を減らすことです。店内加工の惣菜や下ごしらえ済み商品、献立提案があれば、仕事や育児、介護で時間が少ない人でも食事を用意しやすくなります。

第三の貢献は、発注・物流を効率化し、欠品と現場負担の両方を減らすことです。AI自動発注や棚割り連動物流が正しく機能すれば、担当者が毎日発注数量を計算したり、売場で荷物を並べ替えたりする時間を減らし、その時間を接客や売場改善へ回せます。[出典3・6]

Safety

Safetyでは、約1万9,000人規模の店舗・本部従業員が十分な賃金と休息を得て働けるか、食品を安全に利用者へ届けられるかを確認します。ヤオコーは平均給与、労組、福利厚生、品質管理に強みがありますが、休暇取得、男女格差、育休、店舗作業の負担が課題です。

賃金・利益の還元:8/10

2026年3月末の社員4,493人の平均年間給与は657万3,000円で、前年から約3.3%増えています。採用ページでは大卒・大学院卒の初任給は月26万1,000円、短大・専門卒24万円、高卒23万円で、時間外手当は別途支給されます。[出典2・4]

キャリア例では、27歳の等級5で年収577万円、副店長で799万円、店長で884万円などのモデルも公開しています。[出典5]

平均給与の水準と前年からの増加を評価して8/10点です。ただし、平均値は店長・本部職なども含み、パート・アルバイトの賃金水準や正社員の中央値、2026年のベースアップ率は十分に公表されていません。雇用区分別の中央値と実質賃金上昇を複数年示せれば10/10点を検討できます。

労働時間・休息:4/10

新卒正社員は7時~23時のシフト制で、基本実働7時間45分、年間休日114日です。年次有給休暇は入社半年後に14~15日程度付与され、育児・介護・療養等の制度もあります。[出典4・5]

一方、2025年3月期の有給休暇取得率は36.8%で、前年38.2%から低下しました。会社自身も2025年統合報告書で「働きやすさの向上」を積み残した全社課題と位置づけています。[出典3]

休日数と有休利用実績を考慮して4/10点です。年間休日120日以上、有休取得率60%以上、平均所定外労働20時間未満をまず複数年確認できれば6/10点、さらに有休80~90%台、月60時間超0に近い状態なら8~10点を検討できます。

雇用の安定・待遇の公平性:3/5

社員数は2025年3月期4,332人から2026年3月期4,493人へ増え、パート等の8時間換算人員も13,953人から14,690人へ増えています。AI自動発注などを進める中でも、会社全体の人員が一方向に減少した形ではありません。[出典1・2・3]

一方、2026年3月期の女性管理職比率は8.7%、正規雇用の男女賃金比は77.7%です。パート・有期は104.5%ですが、雇用区分・職種構成が異なるため単純比較できません。[出典2]

人員増と開示を評価する一方、正規雇用の結果差が大きいため3/5点です。正規雇用の男女賃金比90%以上、女性管理職15~20%以上を継続し、職種・等級調整後の差も小さいことを示せれば4~5/5点を検討できます。

福利厚生・育児・介護:4/5

退職金、退職年金、社宅、独身寮、財形、社員持株、共済などを設け、育児休業や介護休業、短時間勤務等も用意しています。[出典4・5]

男性育児休業取得率は2025年3月期41.0%まで上昇しましたが、2026年3月期は30.1%へ低下しました。[出典2・3]

制度の幅を評価して4/5点です。男性育休取得率を会社目標に沿って50%以上、さらに80%台へ引き上げ、平均取得日数と復職率も公開できれば5/5点を検討できます。

人権・ハラスメント・労使関係:3/5

全ヤオコー労働組合は1981年に結成され、2026年3月期の有価証券報告書では組合員2万2,296人、労使関係は円滑と説明されています。[出典2・12]

一方、Indeedでは2026年の店舗勤務者から、急な残業、シフト変更、人員削減に伴うマルチタスク化などへの厳しい投稿があります。これらは個人の自己申告であり、会社全体の違法行為としては扱いません。[出典11、情報ランクB]

労組と制度を評価しつつ、現場差を示す投稿と相談・是正件数の非公表を考慮して3/5点です。ハラスメント・労務相談の件数、是正率、再発防止結果を匿名化して継続公開できれば4~5/5点を検討できます。

労働安全・健康:6/10

2025年3月期の労働災害発生率は年千人率4.7で、前年4.8から小幅改善しました。過去6年では3.5~5.4の範囲で推移しています。[出典3]

店舗やセンターでは刃物、加熱調理、重量物、床の水濡れ、物流機器など、切創・火傷・転倒・腰痛等のリスクがあります。安全衛生委員会や健康施策があること、事故指標を継続公開している点は評価できます。

一方、4.7は事故ゼロではなく、死亡・重大災害、休業災害度数率・強度率の法人単体開示も限定的です。そのため6/10点です。死亡・重大災害0、年千人率を2以下などへ下げ、度数率・強度率も低い水準で複数年確認できれば8~10/10点を検討できます。

商品・サービスの安全:4/5

ヤオコーは食品スーパーとして、トレーサビリティ、原材料・表示、衛生管理、5S等の品質管理を重要リスクとして扱っています。惣菜や生鮮を自社店舗・センターで扱うため、温度管理と表示、異物・食中毒対策が利用者の健康へ直結します。[出典2・7]

今回の調査で、ヤオコー全社の評価を大きく下げる直近の大規模食品回収・死亡を伴う重大品質事故は確認できませんでした。ただし、重大品質事故件数や顧客健康被害を法人単体で一覧化したKPIは十分ではありません。管理体制を評価して4/5点です。

従業員・元従業員の口コミ

Indeedでは2026年8月2日の匿名投稿に「人員削減に伴い部門をまたぐマルチタスク化が進み、業務負担は以前より増えたと感じました。」との記載があります。情報ランクBで、投稿者の店舗・雇用条件を独立確認できないため全社事実には置き換えません。[出典11]

2026年7月の別投稿では、契約時間を超える急な残業があるという不満も見られます。一方、長年同じ店舗で働き、子どもの行事時に互いに休みを交代できたという投稿もあり、店舗・部門による差が大きい可能性があります。[出典11、情報ランクB]

公式の有休取得率36.8%という低い値とも合わせ、制度だけでなく店舗ごとの人員配置・休憩・残業実態を継続確認する必要があります。

SNS・匿名掲示板の確認結果

X、5ちゃんねる、爆サイを社名と「残業」「人員削減」「パワハラ」「事故」「店員」などで確認しましたが、対象法人の現職・元職であること、時期、店舗・職種を特定でき、今回の採点を変更できる具体的な投稿本文は確認できませんでした。

有用な投稿が確認できなかったこと自体は、問題がないことの証明として加点しません。

Innovation

Innovationでは、発注、レジ、品出し、物流など小売業で大量に発生する反復作業を技術で減らし、その成果を働く人の時間や安全へ返せているかを評価します。ヤオコーは導入規模と継続性が強く、さらに省人化で生まれた余裕を現場の増員へ回す方針まで確認できますが、残業・有休の結果改善はまだ十分ではありません。

作業負担・危険の削減:8/10

AI需要予測に基づく自動発注は全店舗へ導入済みです。従来、担当者が在庫や販売動向を見ながら行っていた発注判断の一部をシステムが支援し、発注作業と欠品・過剰在庫の削減を狙います。[出典6]

草加物流センターでは、自動倉庫型仕分けシャトル2基と独自WMSを導入し、店舗の棚割りに合わせた順番で納品することで品出し時の並べ替えを減らしています。[出典3]

全店・物流センターまで広く実装しているため8/10点です。発注担当者の作業時間、物流センターの歩行距離・重量物作業、店舗の品出し時間を導入前後で公開し、30%以上など明確な削減を確認できれば10/10点を検討できます。

商品・サービスの改善:5/5

フルセルフレジ、AI自動発注、電子棚札、ヤオコーアプリ、ヤオコーPay、ネットスーパーなど、店舗とオンライン双方の利便性を継続的に改善しています。2025年統合報告書ではフルセルフレジを66店舗へ導入したとしています。[出典3・6]

買い物の待ち時間、価格表示変更、発注、支払い、宅配など複数の接点を継続改善しているため5/5点です。

改善成果の人間への還元:3/5

2025年統合報告書では、デジタル化による省力化・省人化の成果として、店舗の管理職体制を従来の3人から4~5人へ増やし、惣菜部門も売上規模に応じて社員を増員し、休暇取得のしやすさや柔軟なシフト対応へつなげる方針を示しています。[出典3]

これは省人化を直ちに人員削減へつなげず、価値を生む現場へ人を戻す方向として評価できます。実際に社員数も4,332人から4,493人へ増えています。[出典2・3]

一方、有休取得率は36.8%へ低下し、Indeedには人員削減・マルチタスク化で負担が増えたという個別投稿もあります。DX導入後の残業、休日、部門別人員、離職が改善した結果はまだ十分公開されていません。そのため3/5点です。

主要店舗・部門でDX導入前後の残業を20%以上削減し、有休取得率が60%以上へ上昇し、配置転換・雇用維持まで確認できれば4/5点を検討できます。

研究開発・現場改善の継続:5/5

AI自動発注は2022年に全店稼働し、その後も草加物流センター、セルフレジ、電子棚札、アプリ、ネットスーパーなど改善を続けています。[出典3・6]

単発の実証ではなく、発注・物流・レジ・顧客接点へ数年継続で展開しているため5/5点です。

自動化・AI導入後の雇用状況

AI自動発注が全店稼働した後も、ヤオコーの社員数は2025年3月期4,332人から2026年3月期4,493人へ増え、パート等の8時間換算人員も13,953人から14,690人へ増えています。会社全体の人数だけを見る限り、自動化後に雇用が一方向に縮小した状態ではありません。[出典1・2・3]

会社は省力化で生まれた余裕を店舗管理職や惣菜部門の増員へ使う方針を説明しています。[出典3]

一方、Indeedには2026年8月に「人員削減に伴い部門をまたぐマルチタスク化が進み、業務負担は以前より増えたと感じました。」という匿名投稿があります。これは特定店舗の自己申告であり、AI自動発注との因果関係は確認できません。[出典11、情報ランクB]

今後は、AI・セルフレジ導入店舗についてレジ・発注・各部門の人数、採用、配置転換、残業、退職を導入前後で開示すると、省人化が人へどう返ったかをより正確に評価できます。

Protection

Protectionでは、地震、豪雨、停電、物流途絶、サイバー攻撃が起きても、地域住民が食料を買え、店舗・物流・決済を再開できるかを評価します。ヤオコーは店舗網・物流網と自治体協定を持ちますが、実際の復旧時間とサイバー復元結果の公開は弱い状態です。

災害への備え・訓練:3/5

松戸市とは2024年4月から、災害時に被災者へ一時的な施設・駐車場を提供する協定があります。流山市でもヤオコー南流山店の交流広場や屋内外駐車場を一時避難場所として使う協定があります。[出典9・10]

洪水や地震で自宅周辺が危険になった場合、日常的に人が集まるスーパーの広場・駐車場を一時避難へ使えることは、住民が安全な場所へ移る選択肢を増やします。

正式協定を評価して3/5点です。一方、ヤオコー単体の防災訓練回数、安否確認完了時間、店舗閉鎖・再開訓練の結果は公表情報が十分ではありません。年次訓練の実測まで確認できれば4~5/5点を検討できます。

生産・物流・調達の代替:4/5

202店舗を1都6県に展開し、複数の物流センターを持つため、単一店舗・単一倉庫だけに供給を依存する構造ではありません。草加物流センターなど物流拠点への投資も続けています。[出典1・3]

一方、特定物流センターが地震・停電で停止した場合、どのセンターが何%を代替し、何時間で切り替えるかという具体的な代替率・切替時間は公表されていません。そのため4/5点です。実地訓練で代替供給率と切替時間を確認できれば5/5点を検討できます。

サイバー防衛・情報保護:3/5

ヤオコーグループは情報セキュリティ管理体制を構築し、情報資産の機密性・完全性・可用性を守るため、組織的・人的・物理的・技術的対策、教育・訓練、事故時の原因究明と再発防止を行う方針を明記しています。[出典8]

一方、MFA、EDR、SOC、バックアップ復元試験、ランサムウェア訓練、重大インシデント件数、RTO・RPOの具体的実績は公表されていません。方針と訓練を評価して3/5点です。技術対策と復旧実績まで定量公開できれば4~5/5点を検討できます。

供給継続・復旧能力:3/5

多数の店舗・物流拠点、AI発注、物流システムを持つことは平時の供給安定に役立ちます。またブルーゾーンホールディングスの有価証券報告書は、各事業拠点で防災と事業継続へ取り組む方針を示しています。[出典2]

しかし、過去の大規模災害でヤオコーの店舗・物流センターが何時間・何日で復旧したか、主要システムのRTO、非常用電源で何時間営業できるかは十分公表されていません。そのため3/5点です。

主要業務ごとにRTOを設定し、訓練・実災害で目標時間内に店舗・物流・決済を復旧できた結果を公開すれば4~5/5点を検討できます。

危機時の市民への対応:3/5

自治体との一時避難施設協定に加え、2026年には熊本地震や千葉県内の大雨被害に対する募金活動を実施しています。[出典9・10・13]

募金は被災地支援になりますが、ヤオコーの店舗・物流網を使って、災害時に何人へ何食・何本の商品を何時間で供給したかという直接支援の定量実績は十分確認できません。

避難場所提供と支援活動を評価して3/5点です。自治体との物資供給協定や、実災害での食料・飲料供給量と初動時間まで確認できれば4~5/5点を検討できます。

良いニュース・最近の前向きな動き

最近の前向きな動きでは、再生可能エネルギー導入、使用済み食用油の資源化、DX成果を人員配置へ返す取り組みが進んでいます。これらが働く人の休暇と地域の供給安定へつながれば、InnovationとProtectionを生活者の利益へ変える力がさらに強くなります。

2026年3月 関西電力とコーポレートPPAを締結(Protection・Innovation)

2026年3月、ヤオコーは関西電力とコーポレートPPAを締結し、再生可能エネルギー由来の電力利用を開始しました。[出典14]

店舗運営は冷蔵・冷凍、照明、空調など大量の電力を使います。長期的な再エネ調達を増やすことは、電力調達と脱炭素双方への対応力を高める動きです。

ただし、この契約だけで停電時に店舗が営業できるわけではありません。非常用電源や災害時の復旧時間とは分けて評価します。

2026年3月 横浜磯子店で廃食用油回収を開始(Innovation)

横浜市の持続可能な航空燃料(SAF)に関する取り組みに賛同し、横浜磯子店で家庭の廃食用油回収を開始しました。[出典13]

家庭で捨てられていた油を回収拠点へ持ち込めるようにすれば、廃棄物を航空燃料などの原料へ回す選択肢が増えます。店舗網を地域の資源回収拠点として使う例です。

2025年 省人化の成果を店舗増員へ回す方針を明示(Innovation・Safety)

2025年統合報告書で、デジタル化による省力化・省人化の成果を、店舗管理職の増員や惣菜部門の人員強化へ回し、休暇取得のしやすさと柔軟なシフト対応へつなげる方針を示しました。[出典3]

省人化を「人を減らす」だけで終わらせず、現場へ人を再配置する考え方は重要です。今後、有休取得率や残業が実際に改善すれば、働く人への還元としてさらに高く評価できます。

悪いニュース・問題となった動き

現在の大きな課題は、売上成長やDXの一方で、休暇・育児・現場負担の改善が結果として追いついていないことです。この状態が続けば、効率化が進んでも働く人が十分な自由時間を得られず、店舗ごとの人手不足が残る可能性があります。

2026年3月期 男性育休取得率が30.1%へ低下(Safety)

男性育児休業取得率は2025年3月期41.0%から2026年3月期30.1%へ低下しました。[出典2・3]

取得率が低ければ、育児負担が女性側へ偏りやすくなり、男性自身も子どもと過ごす時間を確保しにくくなります。制度だけでなく、店舗で代替人員を確保して実際に取得できる状態を増やす必要があります。

2025年3月期 有給休暇取得率36.8%へ低下(Safety)

有給休暇取得率は前年38.2%から36.8%へ低下しました。[出典3]

仮に20日の権利がある人なら、36.8%は単純換算で約7.4日です。実際の付与日数は個人で異なりますが、会社全体として有休を十分使えている水準とは言いにくい状態です。

DXで作業時間を減らすなら、その成果を休暇取得へつなげることが重要です。

2026年 店舗口コミで人員・マルチタスクへの不満(Safety・Innovation)

Indeedでは2026年8月2日の匿名投稿に「人員削減に伴い部門をまたぐマルチタスク化が進み、業務負担は以前より増えたと感じました。」との記載があります。[出典11、情報ランクB]

会社全体では社員・パート換算人員とも増えているため、この投稿だけで全社的な人員削減やAIとの因果関係を断定しません。[出典1・2]

ただし、DXを高く評価するには、店舗別に残業・要員・離職がどう変化したかまで確認する必要があります。

総合評価と、これから改善してほしいこと

株式会社ヤオコーは現在69点・シビックランクCです。次のBランクは70点からなので、あと1点必要です。

平均給与、AI自動発注、物流自動化、店舗網は強い一方、低い有休取得率、男女の賃金・登用差、DX後の現場負担という課題があります。Bへ上がるには、効率化を「人の時間が増えた」という結果までつなげることが最も重要です。

有休取得と労働時間を改善してほしい(Safety)

現在の「労働時間・休息」は4/10点です。年間休日114日、有休取得率36.8%で、店舗別の長時間労働者比率も十分公表されていません。

年間休日120日以上、有休取得率60%以上、正社員の平均所定外労働20時間未満を複数年確認できれば4→6/10点、+2点を検討できます。単独改善で総合69→71点となりBランクへ上がります。

休暇が増えれば、店舗従業員が育児・介護・休養へ使える時間が直接増え、疲労による接客・作業ミスや離職リスクも下げやすくなります。

参考企業はTOPPAN株式会社です。当サイト現行審査では年間休日129日、有休取得率66.0%を確認し、「労働時間・休息」を6/10点と評価しています。総合73点・Bです。[参考出典15]

DXで生まれた時間を残業・休暇へ返してほしい(Innovation)

現在の「改善成果の人間への還元」は3/5点です。管理職や惣菜部門の増員方針は確認できますが、有休取得率は36.8%で、店舗ごとの残業・離職の改善結果は見えません。

AI自動発注、セルフレジ、物流自動化を導入した店舗・部門について、導入前後の作業時間を20%以上削減し、対象従業員の残業を20%以上減らす、または有休取得率を60%以上へ高め、雇用を維持した結果を公開できれば3→4/5点、+1点を検討できます。

この改善だけで69→70点となりBランクです。技術で減った作業がそのまま別の仕事へ詰め込まれず、働く人の自由時間へ返ることを確認できます。

参考企業はサッポログループ物流株式会社です。当サイト現行審査では、群馬物流センターで作業終了を42分早め、残業代を約50%削減し、「改善成果の人間への還元」を4/5点と評価しています。総合69点・Cです。[参考出典16]

男女賃金差と女性登用を改善してほしい(Safety)

現在の「雇用の安定・待遇の公平性」は3/5点です。正規雇用の男女賃金比77.7%、女性管理職比率8.7%です。

正規雇用の男女賃金比90%以上、女性管理職15~20%以上を達成し、職種・等級・勤続年数を調整した差も小さいことを公開できれば3→4/5点、+1点を検討できます。単独改善でも69→70点となりBランクです。

参考企業は遠東石塚グリーンペット株式会社です。当サイト現行審査では、正規雇用の男女賃金比94.1%、女性管理職21.1%を確認し、「雇用の安定・待遇の公平性」を4/5点と評価しています。総合68点・Cです。[参考出典17]

次のランクへ上がるための具体例

現在69点・Cで、Bランクは70点からです。あと1点必要です。

最短の具体例は、AI自動発注・セルフレジ・物流自動化を導入した店舗や部門で、導入前後の作業時間、残業、有休、配置人数を1年以上比較し、作業時間を20%以上削減しながら残業20%以上削減または有休取得率60%以上を実現し、雇用を維持することです。

これを確認できれば「改善成果の人間への還元」を3→4点、+1点と評価でき、69+1=70点でBランクへ上がります。参考になるのは、作業終了42分短縮と残業代約50%削減まで公表したサッポログループ物流株式会社です。

別の到達方法として、正規男女賃金比90%以上・女性管理職15~20%以上を達成し、「雇用の安定・待遇の公平性」を3→4点へ上げても70点です。さらに年間休日120日以上・有休取得率60%以上へ改善できれば「労働時間・休息」は4→6点となり、71点まで上がります。

つまり、ヤオコーが次のランクへ上がるためには、すでに導入したDXをさらに増やすことより、DXで生まれた余裕が現場の残業削減・有休取得・公平な昇進へ実際に届いたことを数字で示すことが重要です。

出典一覧

1.株式会社ヤオコー「会社概要」「事業内容」2026年10月確認【情報ランクA】

2.株式会社ブルーゾーンホールディングス「2026年3月期 有価証券報告書」ヤオコー従業員、平均給与、女性管理職、育児休業、男女賃金差、労働組合等【情報ランクA】

3.株式会社ヤオコー「ヤオコーグループ統合報告書2025」ESGデータ、DX、物流、省力化、人員配置【情報ランクA】

4.株式会社ヤオコー「採用情報|新卒採用募集要項」年間休日、勤務時間、初任給、福利厚生【情報ランクA】

5.株式会社ヤオコー「働く環境・キャリアプラン」休暇制度、給与モデル等【情報ランクA】

6.株式会社ヤオコー「部署紹介」「沿革・歴史」AI自動発注、草加物流センター、デジタル統括部【情報ランクA】

7.株式会社ヤオコー「事業内容・食生活提案型スーパーマーケット」【情報ランクA】

8.株式会社ヤオコー「情報セキュリティ基本方針」【情報ランクA】

9.松戸市「災害時応援協定について」ヤオコーとの一時施設・駐車場提供協定【情報ランクS】

10.流山市「一時避難場所の提供に関する協定」「河川氾濫時における一時避難施設」【情報ランクS】

11.Indeed「株式会社ヤオコーの社員クチコミ・評判」2026年投稿【情報ランクB】

12.株式会社ヤオコー「沿革・歴史」全ヤオコー労働組合結成【情報ランクA】

13.株式会社ヤオコー「2026年リリース・重要なお知らせ」横浜市SAF、災害募金等【情報ランクA】

14.株式会社ヤオコー「関西電力とコーポレートPPAを締結」2026年3月24日【情報ランクA】

15.当サイト「TOPPAN株式会社を企業審査」現行正本【参考企業】

16.当サイト「サッポログループ物流株式会社を企業審査」現行正本【参考企業】

17.当サイト「遠東石塚グリーンペット株式会社を企業審査」現行正本【参考企業】

シビックランクの基準

ランク点数
S90~100点
A80~89点
B70~79点
C60~69点
D50~59点
E40~49点
F20~39点
G0~19点

情報ランクの基準

情報ランク基準
S公的機関、裁判所、規制当局、独立した第三者機関の調査・監査・検証・認証など、内容そのものに独立した裏づけがある情報
A企業公式資料、採用情報、公式声明・SNS、または氏名・役職・立場が確認できる記名取材や公表発言など、発信主体を確認できる公表情報
B従業員・元従業員の口コミ、一般SNS、匿名掲示板など、発信者の身元や対象企業との関係を独立に確認しにくい情報
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