私たちは、企業の商品を購入したり、サービスを利用したりすることで、そこで働く人たちの未来を変えることができます。
働く人に十分な賃金を払い、休暇を確保し、安全な職場をつくり、人の負担を減らす企業の商品やサービスが選ばれれば、そうした企業により多くの売上が集まります。その結果、働く人を大切にする経営を続けやすくなります。
反対に、低賃金や長時間労働、安全上の問題を改善しない企業の商品やサービスが売れ続ければ、そうした働かせ方のままでも事業を続けることができます。
だからこの企業審査では、「私たちがお金を使うなら、どの企業を選ぶことが、そこで働く人にとってより良い社会につながるのか」という視点から企業を評価します。
なぜ企業を審査するのか?――このサイトの目的と、利用するメリット
今回審査するジャパンテック株式会社は、総合45点、シビックランクEです。
ジャパンテック株式会社の特に強い点は、宇都宮工場だけで1日に約250万本の使用済みPETボトルを25を超える工程で再生でき、2011年に日本初の「ボトルtoボトル」リサイクルを実現した技術と、2026年にも自治体・飲料メーカーと水平リサイクルを拡大していることです。
そのため、この企業の再生PET原料を利用した商品やリサイクルサービスが選ばれれば、使用済みボトルを国内で新しい飲料ボトルへ戻し、石油由来の新規PET使用と廃棄物を減らしやすい社会につながる可能性が高まります。
一方で、改善点として製造職求人で残業が月40時間程度とされていることに加え、ジャパンテック株式会社単体の死亡・休業労災、度数率・強度率、BCP、サイバー防御・復旧実績が公表されていないことが残ります。
この記事では、ジャパンテック株式会社の強みと課題をさらに詳しく企業審査していきます。
ジャパンテック株式会社の企業審査結果
ジャパンテック株式会社は、協栄産業グループで使用済みPETボトルを再生フレーク・再生原料へ加工する事業会社です。本社・宇都宮工場、茨城県笠間市の東日本PETボトルMRセンター、北海道苫小牧市の苫小牧工場を持ち、各地で回収されたPETボトルを再資源化しています。
2026年6月の栃木県資料では、宇都宮工場は国内最大級の再生処理施設とされ、1日に約250万本を処理できます。選別・粉砕・洗浄など25を超える工程を経て高品質フレークを製造し、食品容器、衣類、再び飲料ボトルになる原料などへ利用されています。
| 評価軸 | 点数 | 主な評価 |
|---|---|---|
| Safety | 20/50 | 年休134日、各種手当、育児休暇、品質管理を評価。月40時間程度の残業と労災・人権KPI非公表が課題 |
| Innovation | 16/25 | 自動化された再生工程、日本初のボトルtoボトル、高度アルカリ洗浄、2026年の水平リサイクル拡大を評価。人への還元実績は不足 |
| Protection | 9/25 | 栃木・茨城・北海道の複数拠点と代替性を評価。2018年火災の経験はあるが、BCP・サイバー・復旧KPIの公開が不足 |
| 総合 | 45/100 | シビックランクE |
主な強み
・宇都宮工場は1日約250万本のPETボトルを再生できる国内最大級の施設です。
・25を超える工程と独自のアルカリ洗浄技術により、高品質な再生フレークを製造しています。
・2011年に日本初のメカニカル方式によるボトルtoボトルリサイクルを実現しました。
・2026年2月には北海道美唄市、富良野地域4市町村などと、アサヒ飲料、ペットリファインテクノロジーと連携した水平リサイクル協定を相次いで締結しました。
・本社宇都宮工場、苫小牧工場、東日本PETボトルMRセンターはいずれもISO14001認証取得工場として確認できます。
・現在の製造職求人では年間休日134日、時間外手当全額支給、住宅・家族・交替・深夜手当、資格取得支援、退職金共済などが確認できます。
主な課題
・製造職求人では残業が月40時間程度とされています。年間休日134日は多いものの、勤務日の時間負担は軽くありません。
・会社単体の平均給与・中央値、賃上げ率、男女賃金比率、女性管理職比率、離職率は公表されていません。
・会社単体の死亡・休業労災、度数率、強度率、フォークリフト・機械巻き込まれ等の事故件数は公表されていません。
・人権方針、ハラスメント相談・内部通報制度について、ジャパンテック株式会社を対象法人として確認できる公開情報が不足しています。
・BCP、災害訓練、主要設備停止時の代替処理能力、RTO・RPO、サイバー防御・復旧訓練の公開がありません。
・2018年には旧栃木工場で火災が発生し、建物・設備が全焼しました。人的被害はありませんでしたが、重大な設備火災として再発防止と復旧力の継続開示が必要です。
事業内容と人間への貢献
基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | ジャパンテック株式会社 |
| 法人番号 | 2060001010775 |
| 設立 | 1992年11月 |
| 本社・宇都宮工場 | 栃木県鹿沼市深程990-30 宇都宮西中核工業団地 |
| 代表者 | 代表取締役社長 古澤栄一 |
| 資本金 | 5,000万円 |
| 主な事業 | 容器包装リサイクル法に基づくPETボトルリサイクル、合成樹脂再生原料の製造・販売 |
| 主な拠点 | 宇都宮工場、東日本PETボトルMRセンター、苫小牧工場 |
| 従業員情報 | マイナビ転職90人。Gビズインフォの本店適用事業所被保険者数84人 |
| 売上高 | マイナビ転職掲載値43億円 |
会社概要では、1992年11月設立、資本金5,000万円、代表取締役社長は古澤栄一氏とされています。
従業員90人は求人媒体の会社情報、84人は健康保険・厚生年金の適用事業所情報です。対象範囲が同じとは限らないため、84人への減少とは判断しません。
主な事業内容
自治体、店舗、自動販売機横などで回収された使用済みPETボトルを受け入れ、異物除去、選別、粉砕、洗浄などを行って再生フレークや再生PET原料へ変えます。
宇都宮工場では25を超える工程を持ち、独自のアルカリ洗浄によって高品質なフレークを製造します。これらは食品容器、衣類、ユニフォームなどに加え、新しい飲料用PETボトルにも使われます。
2016年に竣工した東日本PETボトルMRセンターは、自治体回収だけでなくスーパー店頭や自動販売機横で回収したPETボトルにも対応し、ボトルtoボトル、食品容器、高機能繊維向けの再生原料供給を拡大しました。
主な利用企業・取引先
個別の全取引先一覧は公開されていませんが、2026年にはアサヒ飲料、北海道の複数自治体、ペットリファインテクノロジーと水平リサイクル協定を締結しています。
美唄市では家庭から回収されたPETボトルを、ジャパンテックのメカニカルリサイクルとペットリファインテクノロジーのケミカルリサイクルで再生し、アサヒ飲料が再生PETを使用した飲料製品へ活用する仕組みです。
過去の公式資料では、ジャパンテックの再生PET樹脂を使用した飲料を伊藤園、キリンビバレッジ、サントリー食品インターナショナル、朝霧ビバレッジが提供した実績も確認できます。
事業による人間への貢献
PETボトルを一度使って廃棄したり、繊維など別用途へ一方通行で使ったりするだけでは、飲料用ボトルを作るために新しい石油由来PETを投入し続ける必要があります。
ジャパンテックは使用済みPETボトルを高品質な再生原料に戻し、再びPETボトルとして利用できるようにします。
2025年時点の国内PETボトルのリサイクル率は約85%ですが、ボトルtoボトルの割合は約38%です。水平リサイクルを増やせば、回収済みPETを国内で繰り返し飲料容器へ戻しやすくなります。
例えば自治体で回収したボトルが海外や低付加価値用途へ流れる代わりに、国内で新しい飲料ボトルへ再生されれば、新規石油資源への依存と廃棄物を同時に減らせます。自治体にとっても、住民が分別した資源の行き先を説明しやすくなります。
Safety
Safetyでは、24時間型の再生設備を支える製造職の賃金、休息、雇用、安全と、再生PET原料の品質を確認します。
ジャパンテックは年間休日134日と福利厚生、原料品質管理が強い一方、求人上の残業月40時間程度と、労災・人権・公平性の単体開示不足が大きな減点要因です。
賃金・利益の還元|4/10
現在の求人では、笠間の機械オペレーターで月給19万~24万6,000円、想定年収360万~478万円を掲載しています。
年収例は21歳・入社2年目373万円、30歳・主任435万円、33歳・係長560万円です。住宅手当2万~2万5,000円、家族手当、交替勤務手当、深夜手当、時間外手当全額支給も確認できます。
Indeedの現在求人では月給20万8,174円~28万2,948円の募集もあります。求人によって給与構成や時期が異なるため、両者を単純に賃上げ・賃下げとは判断しません。
現場職の給与レンジと実例、手当、昇給・賞与が公開されているため4/10点です。
一方、全社員の平均給与・中央値、職種別平均、毎年のベースアップ率、利益の従業員還元額は公表されていません。
6/10点には、雇用区分・職種別の平均給与と中央値、基本給改定率を毎年公開し、既存社員の賃金が物価上昇に負けず改善していることを確認できる必要があります。
労働時間・休息|4/10
製造職は8時~18時と20時~翌6時の交替勤務で、休憩は1時間30分、4勤2休制です。年間休日は134日あり、夏季・秋季・年末年始・有給・慶弔休暇もあります。
年間休日134日は製造業の交替勤務として大きな強みです。
一方、現在の求人には「残業は月に40時間程度」と明記されています。月20日勤務で単純化すると1日平均約2時間の残業に相当し、夜勤を含む仕事では睡眠と生活時間を圧迫しやすい水準です。
休日の多さと勤務制度は評価できますが、月40時間程度の残業を考慮して4/10点です。
6/10点には、製造職の平均残業を20時間以下へ下げ、月45時間超・60時間超の人数、有給取得率も公開する必要があります。
8点以上には、残業15時間以下と高い有給取得を複数年継続することが必要です。
雇用の安定・待遇の公平性|2/5
マイナビ転職では従業員90人、中途入社5割以上、育児中の社員在籍、未経験入社5割以上とされています。
2026年の求人も宇都宮工場と東日本PETボトルMRセンターで正社員を募集し、エンゲージでは増員募集と明記されています。
Gビズインフォでは本店適用事業所の被保険者数84人を確認できます。求人が続いているため、現在も製造人員を必要とする事業であることは分かります。
一方、正社員・有期雇用別人数、離職率、女性管理職比率、男女賃金比率、正社員登用率は公表されていません。
雇用継続と採用を確認できるため2/5点です。
3点には、雇用形態別人数、退職率、男女賃金比率、女性管理職比率を公開し、大きな格差や不安定雇用の偏りがないことを確認できる必要があります。
福利厚生・育児・介護|4/5
求人では各種社会保険、定期健康診断、退職金共済、資格取得支援、住宅手当、家族手当、産前産後・育児休暇、半日有給休暇制度などが確認できます。
マイナビ転職でも産休・育休取得実績と育児中の社員在籍が示されています。
制度だけでなく育休取得実績がある点を評価して4/5点です。
5/5点には、男女別の育休取得率、平均取得日数、復職率、介護休暇・短時間勤務の利用実績を対象法人単体で毎年公開し、高い利用率を確認できる必要があります。
人権・ハラスメント・労使関係|0/5
ジャパンテック株式会社を対象法人として明示した人権方針、ハラスメント防止方針、内部通報窓口、匿名相談、報復禁止、相談・是正件数について公開情報がありません。
製造現場では、上司へ直接言いにくい安全上の懸念やハラスメントを別経路で申告できることが重要です。
公開情報がありません。公開情報がない点は課題です。採点上も減点対象です。
0/5点です。
1点以上には、対象法人へ適用されるハラスメント禁止方針と内部・外部相談窓口、匿名性、報復禁止を明示する必要があります。
3~4点には相談・是正実績まで必要です。
労働安全・健康|2/10
製造職では大型機械への原料投入、選別、フォークリフトによる搬入出、機械メンテナンスなどを担当します。求人では定期健康診断や資格取得支援を確認できます。
しかし、ジャパンテック株式会社単体の死亡労災、休業災害件数、度数率、強度率、機械巻き込まれ、フォークリフト事故、熱中症などの年次結果は公表されていません。
2018年8月には当時の栃木工場で火災が発生し、人的被害はなかったものの建物・設備が全焼しました。設備を扱う事業にとって、安全管理の結果を継続公開する必要性を示す重大事例です。
過去の重大火災を公表し、健康診断等の制度があることから2/10点です。
4/10点には、死亡・重大労災0、休業災害、度数率・強度率、事故類型を毎年公開し、改善傾向を確認できる必要があります。
商品・サービスの安全|4/5
ジャパンテックは、異物・異臭を含む使用済みPETボトルから高純度のフレーク・ペレットを作るため、独自の自動化設備とアルカリ洗浄技術を使っています。
国の容器包装リサイクルルートで処理する場合は、市区町村立会いのもと年1回の品質調査が行われると公式FAQで説明しています。
ラベル、異材質ボトル、飲み残し等が再生原料の品質を落とすことも公開し、分別方法を利用者へ説明しています。
本社宇都宮工場、苫小牧工場、東日本PETボトルMRセンターはいずれもISO14001認証取得工場です。
なお、協栄産業グループのISO9001取得工場一覧にはジャパンテックの3工場は含まれていないため、ISO9001取得とは扱いません。
品質確認と再生実績が具体的なため4/5点です。
5/5点には、完成した再生原料の不適合率、返品・苦情、食品接触用途での検査結果、重大品質事故0を対象法人名で年次公開する必要があります。
従業員・元従業員の口コミ
転職会議、Indeed、OpenWork、エンゲージ会社の評判等を対象法人名、本社所在地、代表者名を照合しながら確認しました。
Indeedには栃木県鹿沼市の正しいジャパンテック株式会社の企業ページと求人があります。一方、検索では兵庫県神戸市に本社を置く同名の警備会社も表示されるため、別法人の口コミ・給与情報は対象から除外する必要があります。
対象法人について、採点へ使える従業員口コミ本文は今回確認できませんでした。
現在の働き方の評価は、対象法人の2026年求人に明記された年間休日134日、交替勤務、残業月40時間程度を中心に行っています。
SNS・匿名掲示板の確認結果
X、5ちゃんねる、爆サイを、対象法人の所在地である鹿沼市・笠間市・苫小牧市や「残業」「事故」「退職」「パワハラ」「火災」「自動化」などと組み合わせて確認しました。
2025~2026年のジャパンテック株式会社について、対象法人の従業員・元従業員であることが確認でき、本文まで確認できる投稿は見つかりませんでした。
このため、SNS・匿名掲示板だけを根拠に加点・減点していません。
Innovation
Innovationでは、PETボトルを再生する工程そのものの技術だけでなく、人が行っていた選別・洗浄等を機械でどこまで減らしたか、その成果が働く人へ返っているかを確認します。
ジャパンテックは技術と事業実装が非常に強い一方、残業や人員負担へどう還元されたかの開示が弱い会社です。
作業負担・危険の削減|6/10
公式サイトは、異物・異臭が混じる廃PETボトルの処理設備を独自技術でオートメーション化し、高純度のフレーク・ペレットを生産していると説明しています。
宇都宮工場では1日約250万本を、選別、粉砕、洗浄など25を超える工程で処理します。大量のボトルを人手だけで選別・洗浄する場合と比べ、機械化は反復作業と直接接触を減らせます。
一方、現在の求人でも人が原料投入、選別、フォークリフト搬送、機械保全を担い、残業は月40時間程度です。
自動化前後で何人・何時間・何kgの作業負担が減ったかは公開されていません。
大規模な自動化を評価して6/10点です。
8/10点には、自動化前後の必要人数、手選別時間、重量物作業、残業、事故件数を測り、20%以上の負担削減など具体的成果を示す必要があります。
商品・サービスの改善|5/5
2011年に、使用済みPETボトルを再び飲料用PETボトルへ戻すメカニカル方式のボトルtoボトルを日本で初めて実現しました。
2026年には美唄市や富良野地域4市町村などで、アサヒ飲料、ペットリファインテクノロジーと水平リサイクル協定を締結しました。
ジャパンテックのメカニカルリサイクルと、ペットリファインテクノロジーのケミカルリサイクルを組み合わせ、新しいPETボトル原料として利用する仕組みです。
日本のPETボトル全体のリサイクル率約85%に対し、ボトルtoボトルは約38%にとどまります。回収ボトルを再びボトルへ戻す割合を増やすサービスは、石油由来資源の新規投入を減らす直接的な改善です。
先行技術を実用化し、現在も自治体・飲料メーカーとの事業を広げているため5/5点です。
改善成果の人間への還元|0/5
自動化によって大量のPETボトルを処理できる一方、その成果が従業員の残業、休日、賃金、安全、再訓練へどの程度返ったかという導入前後の結果は公表されていません。
年間休日134日は良い実績ですが、現在の求人では残業月40時間程度が残っているため、「自動化によって従業員の自由時間が増えた」とは確認できません。
公開情報がありません。公開情報がない点は課題です。採点上も減点対象です。
0/5点です。
2~3点には、自動化対象工程の残業、必要人数、事故、配置転換、教育時間を導入前後で公開し、実際に負担が減ったことを確認できる必要があります。
研究開発・現場改善の継続|5/5
ジャパンテックは、1990年代からPET再生を続け、2011年のボトルtoボトル、2016年の東日本PETボトルMRセンター、独自アルカリ洗浄、2026年の自治体水平リサイクル協定へ事業を発展させています。
再生原料の用途も繊維・シートだけでなく、食品容器、飲料ボトル、高機能繊維へ広げています。
研究開発が設備投資と商用事業へ継続的に結び付いているため5/5点です。
自動化・AI導入後の雇用状況
ジャパンテックのオートメーションは近年だけの施策ではなく、長期間にわたり再生工程へ組み込まれています。
現在も宇都宮工場と東日本PETボトルMRセンターで正社員製造職を募集し、エンゲージでは「増員に伴う募集」と明記されています。
マイナビ転職の会社情報は従業員90人、Gビズインフォの本店適用事業所は被保険者84人です。対象範囲が異なるため、この差を人員削減とは扱いません。
公開情報からは、自動化を理由とした大規模な希望退職、解雇、採用全面停止は確認できません。
一方、自動化導入前後の同一範囲の人員数、配置転換、再訓練、契約更新、離職率は公表されていません。
また現在も人が原料投入、選別、フォークリフト、設備保全を担っています。自動化で人が不要になったというより、人の仕事が機械操作・監視・保全へ移っている部分がありますが、その結果を会社自身が時系列で公開することが今後の課題です。
Protection
Protectionでは、工場火災、地震、停電、物流寸断、サイバー攻撃などが起きても、自治体から回収されたPETボトルの処理を止めず、資源循環を続けられるかを評価します。
3地域の拠点分散は強みですが、2018年の全焼事故を経験している企業としてはBCPと復旧時間の開示が不足しています。
災害への備え・訓練|2/5
本社宇都宮工場、東日本PETボトルMRセンター、苫小牧工場が地理的に分散し、3工場ともISO14001認証を取得しています。
2018年には旧栃木工場で火災が発生し、人的被害はありませんでしたが建物・設備が全焼しました。
火災を経験した企業として複数拠点を持つことは重要ですが、現在の全社防災訓練、避難時間、安否確認、消火設備の訓練結果は公表されていません。
拠点分散と環境管理体制を評価して2/5点です。
3点以上には、火災・地震・停電を想定した訓練頻度、参加率、安否確認時間、設備停止時の対応手順を公開する必要があります。
生産・物流・調達の代替|4/5
ジャパンテックは栃木県鹿沼市、茨城県笠間市、北海道苫小牧市に再生拠点を持っています。
例えば関東の一工場が地震や火災で停止した場合でも、複数拠点を持つことで全社の処理能力が一度にゼロになるリスクを下げられます。
一方、工場ごとの能力、どの原料をどこまで代替できるか、停止拠点から別拠点へ何日で振り替えられるかは公表されていません。
地理的な分散と複数設備を評価して4/5点です。
5/5点には、代替可能数量、輸送ルート、切替時間を公開し、訓練または実災害で代替処理した実績を確認する必要があります。
サイバー防衛・情報保護|0/5
ジャパンテック株式会社単体について、情報セキュリティ方針、MFA、EDR、ログ監視、バックアップ、脆弱性診断、インシデント対応、重大情報漏えい件数を確認できる公開情報がありません。
再生工場は自動化設備を利用しているため、業務ITだけでなく設備制御系が停止した場合の復旧も重要です。
公開情報がありません。公開情報がない点は課題です。採点上も減点対象です。
0/5点です。
2点には、主要システムと工場設備のネットワーク分離、MFA・端末保護、バックアップ、インシデント対応、重大漏えい0を対象範囲とともに公開する必要があります。
供給継続・復旧能力|3/5
2018年の火災では旧栃木工場の建物・設備が全焼しましたが、ジャパンテックは現在も宇都宮、笠間、苫小牧でPETボトル再生事業を継続し、2026年にも自治体・飲料メーカーとの新しい水平リサイクル協定を拡大しています。
重大な設備損失後も事業を継続し、複数拠点で処理を行う現在の状態は一定の復元力を示します。
一方、2018年当時のジャパンテック側の復旧日数、現在の主要設備RTO、非常用電源、予備部品、代替処理訓練は公表されていません。
事業継続と複数拠点を評価して3/5点です。
4点には、主要工程のRTOと代替処理能力を公開し、実際の訓練で目標時間内に切り替えられることを確認する必要があります。
危機時の市民への対応|0/5
2026年の自治体との水平リサイクル協定は平時の資源循環として高く評価できますが、地震・豪雨・火災などの危機時に市民へ緊急物資、人員、車両、災害廃棄物処理を提供する協定や実績は確認できません。
公開情報がありません。公開情報がない点は課題です。採点上も減点対象です。
0/5点です。
1~3点には、自治体と災害廃棄物・緊急輸送等の協定を結び、要請経路、提供可能量、実地訓練を公開する必要があります。
良いニュース・最近の前向きな動き
最近の前向きな動きでは、ジャパンテックの再生技術が2026年も自治体と飲料メーカーの水平リサイクルに採用され、実際の回収ルートへ組み込まれています。
こうした企業へ回収PETや再生原料の需要が集まれば、使用済みボトルを国内で再びボトルへ戻す割合を増やし、新規石油資源への依存を減らす方向につながります。
2026年2月|美唄市・アサヒ飲料などと水平リサイクル協定(Innovation)
2026年2月17日、美唄市、アサヒ飲料、ジャパンテック、ペットリファインテクノロジーの4者が水平リサイクル協定を締結しました。
美唄市の家庭から回収したPETボトルを、メカニカルとケミカルの2方式で再生し、アサヒ飲料が再生PETを使う飲料製品へつなげます。
例えば住民が分別したPETボトルが再び飲料ボトルになれば、新しい石油由来PETだけで次のボトルを作る量を減らせます。
市民の分別が具体的な国内循環へ結び付く仕組みです。
2026年2月|富良野地域4市町村でも水平リサイクルを開始(Innovation)
中富良野町、富良野市、南富良野町、占冠村も、アサヒ飲料、ジャパンテック、ペットリファインテクノロジーと水平リサイクル協定を締結しました。
国内PETボトルのリサイクル率約85%に対し、ボトルtoボトルは約38%です。
単に「リサイクル率が高い」状態から、飲料ボトルへ何度も戻す循環へ移す余地が大きく残っています。ジャパンテックの設備が選ばれることは、この38%を高めるための処理能力を支えることにつながります。
2026年6月|宇都宮工場が1日約250万本を処理する国内最大級施設として公開(Innovation)
栃木県は2026年6月の施設見学資料で、宇都宮工場を1日約250万本のPETボトルを再生できる国内最大級施設と紹介しました。
25を超える工程と独自アルカリ洗浄によるフレークは、食品容器、学生服、サッカー日本代表ユニフォームなどへ使われています。
処理能力が大きいほど、多くの自治体・店舗で回収したボトルを国内再生へ回せます。
工場見学も受け入れているため、住民や学生が分別後の資源の行き先を実際に確認できる点も利点です。
悪いニュース・問題となった動き
ジャパンテックの現在の大きな問題は、公開された製造求人で残業月40時間程度が残ることと、高度に自動化された工場を安全・継続運転するための労災・BCP・サイバー結果が十分公開されていないことです。
改善されなければ、資源循環の拡大が現場社員の長時間労働や設備リスクの上に成り立っていないかを市民が判断しにくい状態が続きます。
2026年|製造職の残業が月40時間程度(Safety)
宇都宮工場と東日本PETボトルMRセンターの現在求人では、年間休日134日を確保する一方、「残業は月に40時間程度」としています。
月40時間は、月20日勤務なら1日平均約2時間です。
特に20時~翌6時の夜勤と組み合わさる場合、睡眠・家事・家族との時間へ影響しやすくなります。
年間休日の多さは強みですが、資源循環事業が拡大するほど残業も増える構造なら、人への還元として十分ではありません。
設備能力の拡大と同時に残業を下げる必要があります。
2018年8月|旧栃木工場が火災で全焼(Safety・Protection)
2018年8月15日、協栄産業栃木工場と隣接するジャパンテック栃木工場で火災が発生しました。
人的被害はありませんでしたが、ジャパンテック側は建物・設備が全焼しました。
重大な設備火災で人命被害がなかったことは重要ですが、現在の火災防止設備、原因を踏まえた再発防止、復旧目標を継続公開することで、同規模事故への備えを外部から確認できる状態にする必要があります。
2026年|単体の労災・BCP・サイバー結果が非公表(Safety・Protection)
大型機械、フォークリフト、夜勤を含む製造会社ですが、死亡・休業労災、度数率・強度率、設備火災件数を単体で年次比較できる公開情報がありません。
また、主要設備停止時のRTO、代替拠点切替時間、サイバー攻撃時のバックアップ・復元実績も公表されていません。
事故やシステム障害が起きれば、社員の安全だけでなく、自治体から回収されたPETボトルの処理にも影響します。
設備の大規模化に合わせて、事故率と復旧時間も公開する必要があります。
総合評価と、これから改善してほしいこと
ジャパンテック株式会社は45点、シビックランクEです。
次のDランクは50点からなので、あと5点必要です。
国内最大級の処理能力、日本初のボトルtoボトル、2026年の自治体連携、年間休日134日は大きな強みです。
一方、AやBではなくEにとどまる最大の理由は、現在の月40時間程度の残業、労災結果の非公表、人権・相談制度の透明性不足です。
製造職の残業を20時間以下へ下げる|労働時間・休息 4→6/10
現在の「労働時間・休息」は4/10点です。
年間休日134日は多いものの、求人上の残業は月40時間程度です。
自動化設備の保全計画、交替要員、採用、引継ぎ、予防保全を改善し、宇都宮工場・東日本PETボトルMRセンターの平均残業を月20時間以下へ下げ、月60時間超0人と有給取得率を単体公開してほしいです。
これを確認できれば4→6/10点、+2点です。
総合点は45→47点になります。
残業が半分になれば、夜勤を含む社員でも睡眠・家事・家族との時間を確保しやすくなります。
参考企業は株式会社キングジムです。当サイトDriveの現行審査は68点・Cで、個別正社員の平均残業月5.6時間、年間休日125日を公開し、「労働時間・休息」は8/10点です。
単体の労災KPIを公開し、重大事故0を継続する|労働安全・健康 2→4/10
現在の「労働安全・健康」は2/10点です。
2018年の工場全焼では人的被害0でしたが、現在の死亡・休業労災、度数率、強度率がありません。
死亡・重大労災0を維持し、休業災害、フォークリフト事故、機械巻き込まれ、火災、度数率・強度率を毎年公開し、事故件数を前年比で継続的に減らしてほしいです。
これを確認できれば2→4/10点、+2点です。
前項と合わせて49点になります。
社員が大型設備のそばで働く以上、事故の少なさを数字で確認できれば、リサイクル量を増やすことと人命を守ることが両立していると判断できます。
参考企業はTOPPAN株式会社です。当サイトDriveの現行審査は73点・Bで、2025年単体の労災死亡0、休業災害度数率0.043、強度率0.000を公開し、「労働安全・健康」は8/10点です。
人権・ハラスメントの相談経路を公開する|人権・ハラスメント・労使関係 0→1/5
現在の「人権・ハラスメント・労使関係」は0/5点です。
対象法人に適用される人権方針、匿名相談、内部・外部通報、報復禁止を公開情報で確認できません。
ジャパンテックの社員を適用対象に明記した人権・ハラスメント方針を設け、社内窓口に加えて外部窓口、匿名通報、通報者への不利益取扱い禁止を公開してほしいです。
制度の存在と適用範囲を確認できれば0→1/5点、+1点です。
45+2+2+1=50点となり、シビックランクDへ上がります。
参考企業はキリンビバレッジ株式会社です。当サイトDriveの現行審査は74点・Bで、グループ人権方針が同社へ適用され、差別・ハラスメント・強制労働・児童労働を禁止し、内部・外部ホットライン、匿名通報、通報者保護を確認できるため、「人権・ハラスメント・労使関係」は4/5点です。
次のランクへ上がるための具体例
現在:45点・E
Dランク下限:50点
不足:5点
| 改善項目 | 現在 | 改善後 | 加点 |
|---|---|---|---|
| 労働時間・休息 | 4/10 | 6/10 | +2 |
| 労働安全・健康 | 2/10 | 4/10 | +2 |
| 人権・ハラスメント・労使関係 | 0/5 | 1/5 | +1 |
労働時間・休息では、平均残業を月40時間程度から20時間以下へ下げ、月60時間超0人、有給取得率を公開することで+2点を想定します。参考企業は平均残業5.6時間・年休125日の株式会社キングジムです。
労働安全・健康では、死亡・重大労災0、休業災害、火災、フォークリフト・巻き込まれ事故、度数率・強度率を単体で年次公開し、事故減少を確認できる状態にすることで+2点を想定します。参考企業は死亡0、度数率0.043、強度率0.000のTOPPAN株式会社です。
人権・ハラスメント・労使関係では、対象法人へ適用される人権・ハラスメント方針、内部・外部相談窓口、匿名性、報復禁止を公開することで+1点を想定します。参考企業は内部・外部ホットラインと匿名・通報者保護を持つキリンビバレッジ株式会社です。
45+2+2+1=50点となり、シビックランクDへ上がります。
ジャパンテックが次のランクへ上がるために最優先なのは、新しいリサイクル技術をさらに増やすことより、すでに高い技術力で生まれた生産性を現場社員の時間と安全へ返すことです。
残業を半減し、事故結果と相談制度を公開できれば、環境貢献と働く人への貢献を同時に確認できる企業へ近づきます。
出典一覧
1.ジャパンテック株式会社「会社概要」
2.ジャパンテック株式会社「私たちの理念」
3.栃木県「リサイクル施設等見学コンシェルジュ事業 見学先一覧(令和8年6月現在)」
4.エンゲージ「ジャパンテック株式会社 機械オペレーター求人」
5.ハローワークインターネットサービス「ジャパンテック株式会社 PETボトルリサイクルに関する諸作業」
6.マイナビ転職「ジャパンテック株式会社 会社概要」
7.Gビズインフォ「ジャパンテック株式会社」
8.ジャパンテック株式会社「リサイクルQ&A」
9.ジャパンテック株式会社「東日本PETボトルMRセンター竣工」
10.協栄産業株式会社「認証・登録一覧」
11.アサヒ飲料「美唄市・ジャパンテック・ペットリファインテクノロジーとの水平リサイクル協定」2026年2月17日
12.JEPLAN「北海道内4市町村・アサヒ飲料・ジャパンテックとの水平リサイクル協定」2026年2月12日
13.協栄産業株式会社「栃木工場における火災について お詫び」2018年8月18日
14.ジャパンテック株式会社「2016NEW環境展」
15.Indeed「ジャパンテック株式会社 鹿沼市深程の企業・求人情報」
16.当サイトGoogle Drive「株式会社キングジムを企業審査|68点/100点・シビックランクC」現行版
17.当サイトGoogle Drive「TOPPAN株式会社を企業審査|73点/100点・シビックランクB」現行版
18.当サイトGoogle Drive「キリンビバレッジ株式会社を企業審査|74点/100点・シビックランクB」現行版
シビックランクの基準
| ランク | 点数 |
|---|---|
| S | 90~100点 |
| A | 80~89点 |
| B | 70~79点 |
| C | 60~69点 |
| D | 50~59点 |
| E | 40~49点 |
| F | 20~39点 |
| G | 0~19点 |
情報ランクの基準
| 情報ランク | 基準 |
|---|---|
| S | 公的機関、裁判所、規制当局、独立した第三者機関の調査・監査・検証・認証など、内容そのものに独立した裏づけがある情報 |
| A | 企業公式資料、採用情報、公式声明・SNS、氏名・役職・立場が確認できる記名取材や公表発言など、発信主体を確認できる公表情報 |
| B | 従業員・元従業員の口コミ、一般SNS、匿名掲示板など、発信者の身元や対象企業との関係を独立に確認しにくい情報 |
