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株式会社オギノを企業審査|シビックランクD・総合点(58点/100点)|物流93%積載・災害協定を評価、残業22.3時間・労災KPI非公表と食品回収が課題

私たちは、企業の商品を購入したり、サービスを利用したりすることで、そこで働く人たちの未来を変えることができます。

働く人に十分な賃金を払い、休暇を確保し、安全な職場をつくり、人の負担を減らす企業の商品やサービスが選ばれれば、そうした企業により多くの売上が集まります。その結果、働く人を大切にする経営を続けやすくなります。

反対に、低賃金や長時間労働、安全上の問題を改善しない企業の商品やサービスが売れ続ければ、そうした働かせ方のままでも事業を続けることができます。

だからこの企業審査では、「私たちがお金を使うなら、どの企業を選ぶことが、そこで働く人にとってより良い社会につながるのか」という視点から企業を評価します。

なぜ企業を審査するのか?――このサイトの目的と、利用するメリット

今回審査する株式会社オギノは、総合58点、シビックランクDです。

株式会社オギノの特に強い点は、物流センターを使った集約配送で93%の積載効率を実現し、店舗搬入車両の滞留時間を大幅に短縮しながら、年間休日を117日へ増やし、自治体との災害時物資供給協定も整えていることです。そのため、この企業の商品を購入したりサービスを利用したりすれば、少ない物流負担で食料・日用品を地域へ届け、災害時にも生活必需品を確保しやすい社会につながる可能性が高まります。

一方で、改善点として、2025年度の月平均所定外労働22.3時間、正社員の男女賃金比率73.6%、対象法人単体の労災KPI非公表に加え、2026年3月に国母店の焼き鳥9商品・計76パックが微生物汚染の可能性で自主回収となったことが残ります。

この記事では、株式会社オギノの強みと課題をさらに詳しく企業審査していきます。

株式会社オギノの企業審査結果

オギノは山梨県を中心に長野県・静岡県へスーパーマーケットを展開する総合小売企業です。食品、衣料、日用品を販売する店舗だけでなく、生鮮・グロサリーなどの物流・加工拠点、情報システム、ネットスーパー、アプリを自社事業の中で組み合わせています。小売店としての便利さだけでなく、店舗作業、食品安全、物流負担、災害時の供給力まで含めて評価しました。[出典1・6・10]

評価軸得点評価の要点
Safety25/50初任給・休日改善、福利厚生、労組、カスハラ対策を評価。残業22.3時間、正社員男女賃金比73.6%、労災KPI非公表、2026年食品回収が課題
Innovation18/2593%の積載効率、搬入滞留時間短縮、自動発注、FSP、ネットスーパーを評価。削減時間が社員の残業・休日へ返った定量結果は不足
Protection15/25複数物流拠点、3県店舗網、富士宮市・甲斐市などの物資供給協定、クーリングシェルターを評価。RTO・サイバー技術KPIは不足
総合58/100シビックランクD

主な強み

・2026年度以降、年間休日を116日から117日へ増やしました。2027年4月入社の大学卒初任給は総支給24万6,850円で、残業代を含まないことを明記しています。[出典3]

・物流では、商品分類別のセンターから1日4便へ集約し、複数センターの商品を混載することで93%の積載効率を実現しています。入荷車両の時間指定、店舗への定時一括配送、キャスター仕様のマテハン統一によって、店舗搬入車両の滞留作業時間も大幅に短縮しています。[出典11]

・社内SEが発注、仕入、売上、POS、ネットスーパー、スマートフォンアプリ、自動発注システムなどを開発・連携しています。物流部も在庫をセンターへ集約し、店舗へ定時一括配送することで店舗オペレーションを削減しています。[出典5・10]

・甲斐市では食料、飲料水、日用品、医薬品等の災害時供給先として協定一覧に掲載され、富士宮市とも災害時の食料品・飲料水・生活必需品供給協定を締結しています。[出典14・15]

主な課題

・2025年度の月平均所定外労働時間は22.3時間、平均有給休暇取得日数は8.3日です。年間休日は改善していますが、勤務日の自由時間と有休利用には改善余地があります。[出典4]

・2026年4月時点の女性管理職比率は5.7%、2025年3月~2026年2月の正社員男女賃金比率は73.6%です。新卒採用では女性が53.6%を占める一方、管理職・賃金では差が残っています。[出典2]

・店舗、生鮮加工、物流では包丁・スライサー、重量物、冷蔵・冷凍設備、フォークリフト、転倒などの労災リスクがあります。しかし株式会社オギノ単体の死亡災害、休業災害件数、度数率、強度率などの年次結果は公表されていません。公開情報がない点は課題であり、採点上も減点対象です。

・2026年3月、国母店で店内調理した焼き鳥9商品、合計76パックについて微生物汚染の可能性を理由とする自主回収が公表されました。日常的に食品を扱う企業として、店舗調理・表示・衛生管理の再発防止結果を継続して示す必要があります。[出典17]

事業内容と人間への貢献

オギノは、食品・日用品・衣料を地域の店舗へまとめて供給し、日常の買い物を一か所で完結しやすくする企業です。物流センター、加工センター、ネットスーパー、情報システムも持ち、店舗の裏側にある仕入れ・加工・配送・発注まで自社の仕組みとして整えています。

基本情報

項目内容
会社名株式会社オギノ
創業1841年
設立1953年9月
本社山梨県甲府市徳行1-2-18
代表者代表取締役社長 荻野雄二
資本金5,000万円
売上高778億円(2026年2月、採用媒体掲載)
従業員4,521人、うち正社員638人(採用媒体掲載)
店舗48店舗(山梨36、長野7、静岡5)
主な事業食品・住居関連商品・衣料の総合小売業

[出典1・6]

会社公式では従業員数を8時間換算で示しており、採用媒体では実人数4,521人、正社員638人としています。パート・アルバイトの比率が高い小売業では、フルタイム換算人数と実人数を混同しないことが重要です。[出典1・6]

主な事業内容

店舗では、生鮮食品の加工・調理、一般食品の補充・陳列、レジ、サービスカウンター、商品・売場・人員管理などを行います。食品だけでなく衣料、住居用品、学校用品も扱っています。[出典5]

物流部は複数のセンターへ在庫を集約し、店舗へ定時一括配送します。生鮮センターでは肉や魚の加工も行い、店舗で行う加工や在庫管理の一部をセンターへ移しています。[出典10・11]

情報管理部門は、発注・仕入・売上の基幹システム、売上データと自動発注の連携、POS、ネットスーパー、スマートフォンアプリなどを開発・運用しています。[出典5]

主な利用企業・取引先

主な利用者は山梨・長野・静岡の生活者です。地域生産者から地場農産物を仕入れるほか、食品メーカー、卸、日用品・衣料メーカーの商品を店舗で販売します。

自治体との関係では、甲斐市や富士宮市の災害時物資供給協定に参加しています。例えば地震や富士山噴火で避難所の水、食料、衛生用品が不足した場合、自治体はオギノへ供給を要請できます。[出典14・15]

事業による人間への貢献

第一の貢献は、毎日の食料と生活用品へのアクセスを地域で維持することです。食品、日用品、衣料を一か所で購入できれば、利用者は複数の店舗を回る移動時間を減らせます。ネットスーパーは、高齢者、育児中の家庭、体調不良者など、店舗へ行きにくい人の移動負担をさらに減らします。

第二の貢献は、物流の集約です。農畜産業振興機構の2024年の調査では、オギノは商品分類別のセンターの商品を1日4便へ混載し、93%の積載効率を実現しています。店舗指定の到着時間、一括配送、キャスター仕様のマテハン統一によって搬入車両の滞留時間も大幅に短縮しています。[出典11]

配送車の空きが減れば、同じ物量を運ぶために必要な便数・燃料・ドライバー拘束時間を抑えやすくなります。店舗側も荷受け回数をまとめられるため、売場作業を中断する回数を減らせます。

第三の貢献は、有事の生活物資供給です。富士宮市との協定では、災害発生時または発生のおそれがある場合、市の要請に基づいて食料品、飲料水、生活必需品を調達・供給できます。[出典14]

Safety

Safetyでは、店舗、加工・物流拠点、本部で働く人が十分に休み、公平に処遇され、安全に働けるかと、利用者が安心して食品・日用品を購入できるかを評価します。休日日数の改善、福利厚生、労組、カスタマーハラスメント対策は強みです。一方、残業・有休、男女格差、労災KPI非公表、直近の食品自主回収が点数を下げています。

賃金・利益の還元|6/10

2026年5月、2027年4月入社者の初任給引き上げを公表しました。大学卒は基本給23万850円に資格手当1万円、フレッシュ手当4,000円、職種手当2,000円を加え、総支給24万6,850円です。残業代は含まれていません。[出典3]

賞与は年2回に加えて業績連動賞与の実績があり、パートナー社員にも等級に応じた昇給と最大年3回の賞与制度があります。最高位では時給1,510円まで上がる制度を掲載しています。[出典5]

初任給の改善、残業代別途支給、パートナー社員の昇給・賞与制度を評価して6点です。基本給が上がれば、残業時間を増やさなくても生活費へ使える所得を増やしやすくなります。

一方、正社員の平均年収、給与中央値、2026年の既存社員ベースアップ率、職種・等級別の賃金分布は公表されていません。新卒だけでなく既存社員の実質賃金上昇を確認できれば8点を検討できます。

労働時間・休息|6/10

2026年度以降の年間休日は116日から117日へ増えました。法定の年5日有休を含めると会社は最低122日の休みになると案内しています。[出典3]

2025年度の月平均所定外労働時間は22.3時間、平均有給休暇取得日数は8.3日です。男性育休取得率37.5%、女性100%という実績も公表されています。[出典4]

年間休日の増加は前向きですが、残業22.3時間は月15時間程度の企業より自由時間が少なく、有休8.3日も年15日以上取得する水準と比べて改善余地があります。会社公式回答では半日有休を年間20回まで取得でき、5連休取得も部内協力で進めていると説明しています。[出典18]

制度改善と実績の両方を踏まえて6点です。平均残業15時間以下、有休取得率80%以上または平均15日以上、月60時間超0%を主要店舗・部門でも確認できれば8点を検討できます。

雇用の安定・待遇の公平性|3/5

2026年4月入社の新卒正社員28人のうち女性は15人で、女性比率53.6%です。2025年度の正規雇用労働者に占める中途採用比率は38%で、新卒だけに限定しない採用も続いています。[出典2]

一方、2026年4月時点の管理職159人のうち女性は9人で5.7%です。正社員男女賃金比率は73.6%、全従業員では49.8%でした。正社員の平均勤続年数は男性16.8年、女性12.6年です。[出典2]

採用入口では女性比率が高く、平均勤続も長いため3点です。一方、管理職と賃金に大きな差が残ります。女性管理職15%以上、正社員男女賃金比率90%以上を継続し、職種・等級別の昇格率も公開できれば4点以上を検討できます。

福利厚生・育児・介護|4/5

正社員には家族手当、単身赴任手当、社員割引、財形貯蓄、独身寮、保養施設、スポーツクラブ、産休・育児制度があります。パートナー社員にも社員割引、有休、昇給、最大年3回の賞与、社会保険などがあります。[出典5]

女性育休取得率は2025年度100%です。男性は37.5%で差が残ります。[出典4]

制度の幅と女性の高い取得実績を評価して4点です。男性育休80%以上、男女の平均取得日数、介護休業利用数、復職率まで継続公開できれば5点を検討できます。

人権・ハラスメント・労使関係|3/5

公的求人では労働組合の存在が確認され、2025年にはカスタマーハラスメント基本方針を制定しました。暴力、暴言、人格否定、過剰拘束、SNS上の誹謗中傷などを対象にし、悪質な場合は対応中止、入店拒否、警察・弁護士との連携を行うとしています。[出典9]

従業員を顧客からの暴力・威圧から守る具体的な方針と労組の存在を評価して3点です。接客担当者が過剰な要求へ一人で対応し続ける必要を減らし、精神的な負担を抑える仕組みになります。

一方、社内ハラスメントの相談件数、認定件数、是正完了件数、再発率、外部相談窓口の利用実績は公表されていません。匿名化した結果まで年次公開できれば4点以上を検討できます。

労働安全・健康|0/10

人事部に産業保健スタッフを置き、従業員の健康管理を行う体制は確認できます。店舗では包丁・スライサーを使う生鮮加工、重量物の品出し、冷蔵・冷凍環境、床面での転倒など、小売業特有の危険があります。[出典10]

しかし、株式会社オギノ単体の死亡労災、休業災害件数、休業災害度数率、強度率、切創・転倒・腰痛・熱中症などの年次結果は公表されていません。

新仕様では、十分な調査後も労働安全を判断する重要結果が非公表の場合は0点とします。これは事故が多いと確認されたための0点ではなく、安全実績を外部から評価できないための0点です。

死亡・重大災害0、休業災害度数率1未満など低い事故水準を法人単体で複数年公開し、事故類型別の改善結果まで示せれば4点以上を検討できます。

商品・サービスの安全|3/5

オギノは食品のトレーサビリティを進め、履歴の明確な商品開発、地域生産品の活用、FSPデータを使った商品構成・商品開発を行っています。店舗や物流・加工部門では衛生管理・品質管理を行う仕組みも確認できます。[出典12]

一方、2026年3月11日、日本の消費者庁がオギノ国母店で販売した店内調理の焼き鳥9商品を自主回収対象として公表しました。販売数量は合計76パックで、理由は微生物汚染の可能性です。[出典17]

トレーサビリティと自主回収の仕組みが機能し、対象商品・数量を特定して対応しているため3点です。一方、食品を扱う小売企業として、直近に衛生上の自主回収が発生している以上4~5点とはしません。

店舗調理の衛生監査結果、重大食品事故・自主回収件数、原因別是正率を毎年公開し、同種の微生物・表示事故0を複数年継続できれば4点以上を検討できます。

従業員・元従業員の口コミ

Indeedでは2026年4月24日時点で30件の口コミがあり、総合2.3、勤務時間と残業2.1、給与と福利厚生2.4、定着率と昇進1.9です。【情報ランクB】[出典8]

転職会議の投稿者集計では、月平均残業31.5時間、有給消化率31.3%です。2024年頃、20代前半男性・正社員・販売スタッフの投稿には「サービス早出、サービス残業が当たり前のような空気がある。」とあります。【情報ランクB】[出典7]

一方、2026年の別の正社員投稿では「有給もどんどん取れる」とする声もあり、店舗・上司・職種による差がうかがえます。【情報ランクB】[出典7]

口コミを全社公式値へ置き換えませんが、公式の残業22.3時間・有休8.3日より負担感の強い投稿もあるため、店舗・部門別の労働時間を会社自身が公開することが重要です。

SNS・匿名掲示板の確認結果

X、5ちゃんねる、爆サイについて、社名と「残業」「給与」「休日」「退職」「パワハラ」「事故」「省人化」「人員削減」などを分けて確認しました。

2025~2026年について、株式会社オギノとの雇用関係、勤務時期、職種、具体的体験まで本文で確認でき、現在の採点を変更できる投稿は十分確認できませんでした。

Safety合計|25/50

Innovation

Innovationでは、店舗の発注・荷受け・商品補充・販売促進と、物流センターの在庫・配送をどこまでデータと設備で効率化し、その成果を働く人へ返しているかを評価します。93%の積載効率や搬入時間短縮、自動発注など具体的な改善はありますが、社員の残業・事故・必要人数への効果測定が不足しています。

作業負担・危険の削減|6/10

農畜産業振興機構の2024年調査では、オギノは商品分類別のセンターの商品を1日4便に混載し、93%の積載効率で配送しています。入荷車両の予約時間を設け、店舗への配送も到着時間を設定し、マテハンをキャスター仕様へ統一することで、店舗搬入車両の滞留作業時間を大幅に短縮しています。[出典11]

物流部は在庫をセンターへ集約して店舗へ定時一括配送し、配送コストと店舗オペレーションを削減しています。[出典10]

店舗が個別の仕入先トラックへ何度も対応する回数が減れば、荷受けの中断と構内の車両滞留を減らせます。キャスター仕様は手運び・持ち上げ作業の一部を車輪移動へ置き換えます。

一方、年間何人時を削減したか、重量物運搬回数、腰痛・転倒、店舗残業が何%減ったかは公表されていません。物流合理化の実態を評価して6点です。人側の削減量まで定量化できれば8点以上を検討できます。

商品・サービスの改善|5/5

FSPデータを商品構成、商品開発、カテゴリーマネジメントへ使い、発注・売上データと自動発注を連携しています。オギノアプリ、ネットスーパー、電子マネー、給水、リサイクルステーションなども展開しています。[出典5・12]

利用者はネットスーパーで来店せずに商品を受け取れます。高齢者、育児中、体調不良などで移動しにくい人にとって、買い物の移動時間を減らす直接的な改善です。

店舗とデジタルの両方でサービス改善を継続しているため5点です。

改善成果の人間への還元|3/5

物流集約は荷受け回数と車両滞留を減らし、キャスター仕様は荷役負担を減らす方向に働きます。2026年度には年間休日を1日増やしています。[出典3・11]

一方、物流・自動発注・POS改善によって、社員の平均残業が何時間減ったか、有休が何日増えたか、切創・腰痛・転倒が何件減ったか、必要人数が減った場合に何人を配置転換・再教育したかは公表されていません。

技術・物流改善と人側の制度改善が両方存在するため3点です。ただし因果を確認できないため4~5点にはしません。主要施策ごとに導入前後の残業・有休・事故・人数を公開し、複数の人側成果が確認できれば4点以上を検討できます。

研究開発・現場改善の継続|4/5

情報システム部門は、発注、仕入、売上、自動発注、POS、ネットスーパー、スマートフォンアプリ、社内端末などを継続的に開発・更新しています。物流部も在庫集約と定時配送を継続して運用しています。[出典5・10]

2026年も初任給・休日改定、新店開設、アプリ・リサイクル施策などの改善が続いており、単発の実証で終わっていません。

一方、DX投資額、改善プロジェクト件数、削減人時などを年次比較できる公開KPIは不足しています。継続性を評価して4点とし、定量成果まで毎年公開できれば5点を検討できます。

自動化・AI導入後の雇用状況

オギノは自動発注、POS、物流センター集約、FSP、ネットスーパーなどを長期運用しています。

その一方、2026年も新卒27人を採用し、2025年18人、2024年29人と採用を継続しています。2025年度の正規雇用労働者に占める中途採用比率も38%です。[出典2・4]

物流合理化や自動発注を直接の理由とする大規模希望退職、整理解雇、全社採用停止を示す公表情報はありません。

ただし、DX導入前後の店舗社員数、パート人数、配置転換、再教育、採用抑制、退職率を同一条件で比較できる公開情報はありません。自動化が「人を減らした」のか「人を別の仕事へ移した」のかを判断するには、導入後の人数と仕事の変化を時系列で公開する必要があります。

Innovation合計|18/25

Protection

Protectionでは、地震、豪雨、富士山噴火、大雪、物流途絶、サイバー障害が起きても、食料・飲料・日用品を地域へ届けられるかを評価します。複数物流拠点と3県の店舗網、自治体との物資供給協定、クーリングシェルターは強みです。一方、物流センター停止時の切替能力、RTO・RPO、サイバー技術KPIは不足しています。

災害への備え・訓練|3/5

2024年4月、オギノは富士宮市と災害時における物資供給協定を締結しました。災害発生時または発生するおそれがある場合、市の要請に基づき、食料品、飲料水、生活必需品を調達・供給します。甲斐市の協定一覧にも、食糧、飲料水、日用品、医薬品等の供給先として掲載されています。[出典14・15]

例えば地震や富士山噴火で避難所生活が長期化し、水、食料、衛生用品が不足した場合、自治体はオギノへ供給を要請できます。

正式な要請経路があるため3点です。一方、実地訓練の頻度、要請から供給までの時間、供給可能数量、何人へ何日分を届けられるかは公表されていません。これらを訓練・実災害で示せれば4~5点を検討できます。

生産・物流・調達の代替|4/5

オギノは複数の物流・加工拠点と、山梨・長野・静岡の48店舗を持っています。物流センターで在庫を集約し、店舗へ定時配送する仕組みを構築しています。[出典1・6・11]

一つの店舗が被災しても全店舗が同時停止する構造ではなく、3県へ分散した店舗網は地域単位の代替性を高めます。

一方、特定物流センター停止時に別センターへ何%の物量を切り替えられるか、何時間で代替配送へ移行できるかは公表されていません。拠点分散を評価して4点です。センター間の代替能力と切替時間を実地訓練で示せれば5点を検討できます。

サイバー防衛・情報保護|2/5

オギノは発注・売上・POS・電子マネー・アプリ・ネットスーパーを運用しています。プライバシーポリシーでは、システムの安全対策、従業員教育、社内外による定期監査、漏えい発生時の調査・通知・再発防止を定めています。[出典13]

組織・教育・監査を確認できるため2点です。一方、MFA、EDR、SOC・CSIRT、ランサムウェア対策、オフラインバックアップ、標的型メール訓練、重大インシデント件数、復元試験成功率は公表されていません。

技術対策と結果が確認できれば3~4点を検討できます。

供給継続・復旧能力|2/5

店舗と物流拠点が複数に分散していること、93%の積載効率で集約配送を運用していることは、平時の供給基盤として強みです。[出典11]

一方、店舗POS、電子マネー、アプリ、ネットスーパー、物流システム、物流センターについて、目標復旧時間RTO、許容データ損失RPO、停電・通信障害時の代替運用、実測復旧時間は公表されていません。

公開情報がない点は課題で、採点上も減点対象です。主要システム・物流拠点でRTO・RPOを設定し、訓練で目標時間内復旧を確認できれば4点以上を検討できます。

危機時の市民への対応|4/5

富士宮市・甲斐市などとの災害物資供給の仕組みに加え、2025年には熱中症対策アンバサダー資格を持つ従業員200人が来店者へ予防啓発を行い、甲府市、中央市、山梨市と連携した9店舗をクーリングシェルターとして開放しました。全国769件の応募から「ひと涼みアワード2025」企画・アイデア部門最優秀賞を受賞しています。[出典16]

例えば猛暑時に外出中の高齢者や子どもが体調悪化の兆候を感じた場合、指定店舗の冷房空間へ入り、暑さから避難できます。

災害協定と暑熱危機への具体的な店舗対応を評価して4点です。一方、災害時の実供給量、クーリングシェルター利用人数、要請から支援までの時間は公表されていません。実績まで継続公開できれば5点を検討できます。

Protection合計|15/25

良いニュース・最近の前向きな動き

最近の前向きな動きでは、働く人の休息を増やすSafetyと、物流の効率化によって店舗・配送の負担を減らすInnovation、地域住民を暑熱や災害から守るProtectionが確認できます。オギノで買い物をすることは、生活必需品を地域へ届ける店舗網と、物流・防災の改善を続ける企業へ売上を集めることにつながります。

2026年5月 年間休日を116日から117日へ増加(Safety)

オギノは2026年度以降の年間休日を116日から117日へ増やし、2027年入社者の初任給も引き上げました。[出典3]

休日1日の増加は、一人ひとりに毎年1日の自由時間を追加します。正社員数百人規模では、会社全体で多くの休息時間が生まれます。

一方、月平均残業22.3時間、有休平均8.3日という実績があるため、次は勤務日の残業と有休利用を改善する必要があります。

2025年6月 従業員200人と9店舗の暑熱対策で最優秀賞(Protection)

オギノは熱中症対策アンバサダー資格を持つ従業員200人による声かけ、アプリ・チラシでの啓発、9店舗のクーリングシェルター開放を実施しました。全国769件の応募から「ひと涼みアワード2025」の企画・アイデア部門最優秀賞を受賞しています。[出典16]

猛暑日に店舗を暑熱避難場所として使えれば、買い物中や移動中の住民が冷房の効いた場所へ早く避難できます。地域住民が熱中症の重症化を避ける選択肢を増やす取り組みです。

2024年 物流センター運用で93%の積載効率を確認(Innovation)

農畜産業振興機構の調査では、オギノは商品分類別のセンターの商品を1日4便へ混載し、93%の積載効率を実現しています。店舗到着時間を固定し、キャスター仕様のマテハンを使うことで、搬入車両の滞留作業時間も大幅に短縮しています。[出典11]

積載率が高いほど、同じ商品量を運ぶために必要な空きスペースと無駄な便を減らせます。物流の人手不足が進む中で、少ない車両・時間で店舗へ商品を届ける仕組みを支えることにつながります。

悪いニュース・問題となった動き

現在の問題は、物流・店舗の効率化が進んでも働く人の残業と男女格差が残り、労災実績が外部から判断できないことに加え、2026年に店舗調理食品の自主回収が発生したことです。これらが改善されなければ、便利な店舗網の裏側で働く人の時間・安全と、利用者の食品安全に不安が残ります。

2026年3月 国母店の焼き鳥9商品・76パックを自主回収(Safety)

2026年3月11日、日本の消費者庁はオギノ国母店で3月7日に販売した店内調理の焼き鳥9商品について自主回収を公表しました。販売数量は合計76パックで、回収理由は微生物汚染の可能性です。[出典17]

食品を日常的に販売するスーパーでは、微生物汚染は食中毒につながり得ます。対象商品を特定して回収したことは必要な対応ですが、店舗調理工程の温度・衛生管理を見直し、同様の回収を繰り返さない結果が必要です。

2025年度 月平均残業22.3時間・平均有休8.3日(Safety)

2025年度の月平均所定外労働時間は22.3時間、平均有給休暇取得日数は8.3日でした。[出典4]

月22.3時間は、20営業日で単純換算すると1日約1.1時間の所定外労働です。繁忙店舗や部門へ負担が偏ると、仕事後の育児、介護、睡眠、学習へ使える時間が減ります。

転職会議では残業31.5時間、有給消化率31.3%という投稿者集計もあり、店舗・部門別の実績を公式に開示する必要があります。【情報ランクB】[出典7]

2026年 女性管理職5.7%・正社員男女賃金比73.6%(Safety)

2026年4月時点の女性管理職は159人中9人、5.7%です。2025年3月~2026年2月の正社員男女賃金比率は73.6%でした。[出典2]

新卒女性採用は53.6%まで増えているため、採用入口では男女差が小さくなっています。一方、管理職と賃金には大きな差があります。

採用した女性が長く働き、上位等級・管理職へ進める仕組みを強め、結果として賃金差を縮める必要があります。

2026年 法人単体の労災KPI・主要システム復旧KPIが非公表(Safety・Protection)

株式会社オギノ単体の死亡労災、休業災害件数、度数率、強度率、重大サイバー事故件数、MFA・EDR適用率、重要システムのRTO・RPOは公表されていません。

小売店舗には刃物、重量物、転倒、冷凍・冷蔵、暑熱などの危険があり、レジ、電子マネー、アプリ、ネットスーパーは情報システムへ依存します。

こうした重要情報の公開がない点は課題であり、採点上も減点対象です。

総合評価と、これから改善してほしいこと

株式会社オギノは58点、シビックランクDです。次のCランクは60点からなので、あと2点必要です。

地域の生活必需品供給、93%の物流積載効率、災害協定、クーリングシェルター、福利厚生は強みです。一方、次のCランクへ上がる最短経路は、物流・発注改善で生まれた時間を社員の残業・有休へ返すことです。労災の実績公開と男女格差改善まで進めれば、Cランクの中でもさらに上を目指せます。

平均残業15時間以下・有休取得率80%以上へ|労働時間・休息 6→8/10

現在の「労働時間・休息」は6/10点です。2025年度は月平均所定外労働22.3時間、平均有休取得8.3日です。年間休日は117日へ改善しましたが、日々の労働時間と有休利用には改善余地があります。[出典3・4]

企業が実行してほしいのは、自動発注、物流一括配送、店舗作業標準化で生まれた時間を、店舗・物流社員の残業削減へ直接返すことです。店舗・部門別の平均残業、有休取得率、月45時間・60時間超人数も公開します。

平均残業15時間以下、有休取得率80%以上または平均15日以上、月60時間超0%を複数年確認できれば6→8点、+2点を想定します。総合58→60点となり、シビックランクCへ上がります。

働く人は勤務後や休日に、睡眠、家族、介護、学習へ使える時間を増やせます。

参考企業はレンゴー株式会社です。Google Drive上の現行審査は84点・シビックランクAで、2025年度の月平均残業15.4時間、有給休暇取得率81.4%を公開し、「労働時間・休息」を8/10点と評価しています。業種は異なりますが、残業と有休を同時に結果で示す点が参考になります。[参考企業出典20]

死亡・重大災害0と低い度数率を単体公開してほしい|労働安全・健康 0→4/10

現在の「労働安全・健康」は0/10点です。産業保健スタッフは確認できますが、オギノ単体の死亡・休業労災、度数率、強度率、事故類型が公表されていません。[出典10]

正社員、パート、アルバイト、派遣を含む安全対象を明確にし、死亡災害、休業災害件数、度数率、強度率、切創、転倒、腰痛、熱中症などを毎年公開してほしいです。

死亡・重大災害0、休業災害度数率1未満、強度率低水準を複数年確認できれば0→4点、+4点を想定します。この改善だけでも総合58→62点となり、Cランクです。

事故の頻度と重大度が下がれば、働く本人だけでなく、欠員を補う同僚や家族の負担も減ります。

参考企業はTOPPAN株式会社です。Google Drive上の現行審査は73点・シビックランクBで、2025年単体の死亡0、休業災害度数率0.043、強度率0.000を公開し、「労働安全・健康」を8/10点と評価しています。事故対策の制度だけでなく結果を法人単体で示す点が参考になります。[参考企業出典21]

女性管理職・男女賃金差を改善してほしい|雇用の安定・待遇の公平性 3→4/5

現在の「雇用の安定・待遇の公平性」は3/5点です。女性新卒採用は53.6%ですが、女性管理職5.7%、正社員男女賃金比73.6%です。[出典2]

管理職候補の育成、部門間異動、育児後の昇格支援を進め、女性管理職15%以上、正社員男女賃金比90%以上を複数年維持し、同一職種・等級での差も公開してほしいです。

条件を満たせば3→4点、+1点を想定します。この改善単独では総合58→59点でDのままですが、労働時間の+2点と組み合わせれば61点・Cになります。

参考企業は株式会社ミツウロコグループホールディングスです。Google Drive上の現行審査は84点・シビックランクAで、女性管理職比率47.4%、正規雇用男女賃金比率91.5%を確認し、「雇用の安定・待遇の公平性」を4/5点と評価しています。業種・職種構成は異なりますが、管理職登用と正規雇用の賃金差を同時に改善した結果が参考になります。[参考企業出典22]

次のランクへ上がるための具体例

改善行動現在の問題・現在点達成条件改善後加点
残業と有休を改善労働時間・休息6/10、残業22.3時間、有休8.3日残業15時間以下、有休80%以上または15日以上、月60時間超0%8/10+2
労災結果を公開・改善労働安全0/10、法人単体KPI非公表死亡・重大災害0、度数率1未満、強度率低水準を複数年公開4/10+4
男女格差を改善公平性3/5、女性管理職5.7%、正社員賃金比73.6%女性管理職15%以上、正社員男女賃金比90%以上4/5+1

最短の例では、物流・自動発注の成果を残業削減へ返し、「労働時間・休息」を6→8点へ上げれば、58点+2点=60点となりシビックランクCです。

別のルートでは、法人単体の労災KPIを公開し、死亡・重大災害0と低い度数率を実証できれば0→4点で62点・Cになります。

つまり、オギノが次のランクへ上がるためには、すでに進めている物流・店舗DXの成果を「配送効率」だけで終わらせず、社員の残業・有休・安全という人側の結果へつなげ、その数値を法人単体で公開することが最も重要です。

出典一覧

1.株式会社オギノ「会社概要」2026年確認【情報ランクA】

2.株式会社オギノ「女性活躍推進法に基づく数値公表」2026年5月更新【情報ランクA】

3.株式会社オギノ採用情報「初任給&休日日数UPのお知らせ」2026年5月2日【情報ランクA】

4.マイナビ2027「株式会社オギノ 働き方データ」2026年9月確認【情報ランクA】

5.株式会社オギノ「採用情報」2026年確認【情報ランクA】

6.マイナビ2028「株式会社オギノ 会社概要」2026年9月確認【情報ランクA】

7.転職会議「株式会社オギノの評判・社員口コミ」2026年確認【情報ランクB】

8.Indeed「株式会社オギノの社員クチコミ・評判」2026年4月24日更新【情報ランクB】

9.株式会社オギノ「カスタマーハラスメントに対する基本方針」2025年5月【情報ランクA】

10.株式会社オギノ採用情報「仕事紹介」2026年確認【情報ランクA】

11.独立行政法人農畜産業振興機構「小売業畜産プロセスセンターの動向」2024年【情報ランクS】

12.株式会社オギノ「食の安心安全」2026年確認【情報ランクA】

13.株式会社オギノ「プライバシーポリシー」2026年確認【情報ランクA】

14.富士宮市「災害時応援協定」/株式会社オギノ「災害時における物資供給協定」【情報ランクS・A】

15.甲斐市「災害協定等一覧」2026年3月更新【情報ランクS】

16.株式会社オギノ「ひと涼みアワード2025で最優秀賞受賞」2025年6月10日【情報ランクA】

17.台湾衛生福利部食品薬物管理署「日本消費者庁によるオギノ国母店焼き鳥等の回収情報」2026年3月17日【情報ランクS】

18.株式会社オギノ公式回答「有給休暇について」2026年6月22日【情報ランクA】

19.消費者庁「食品表示リコール情報及び違反情報サイト」【情報ランクS】

20.Google Drive「レンゴー株式会社を企業審査|シビックランクA・84点/100点」現行版【参考企業】

21.Google Drive「TOPPAN株式会社を企業審査|73点/100点・シビックランクB」現行版【参考企業】

22.Google Drive「株式会社ミツウロコグループホールディングスを企業審査|シビックランクA・84点/100点」現行版【参考企業】

シビックランクの基準

シビックランク総合点
S90~100点
A80~89点
B70~79点
C60~69点
D50~59点
E40~49点
F20~39点
G0~19点

株式会社オギノは58点のため、今回のシビックランクはDです。

情報ランクの基準

情報ランク基準
S公的機関、裁判所、規制当局、独立した第三者機関による調査・監査・検証・認証など、内容そのものに独立した裏づけがある情報
A企業公式資料、採用情報、公式声明・SNS、氏名・役職・立場を確認できる記名取材や公表発言など、発信主体を確認できる公表情報
B従業員・元従業員の口コミ、一般SNS、匿名掲示板など、発信者の身元や対象企業との関係を独立に確認しにくい情報

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