2026年– date –
-
シビックドライブ
シビックヒーローズ 第十七話 端末を手に取れ!
次は人間を壊す 壊された整備工場の前で、レオの配信は始まった。 割られた窓。 倒された照明。 踏み潰された録音機材。 そして、壁に塗りつけられた言葉。 次は人間を壊す。 レオは、その文字がはっきり映る位置へ端末を向けた。 「見えるか?... -
シビックドライブ
シビックヒーローズ 第十六話 ギャングの襲撃
送れなかった言葉 助手席に座っていた青年は、端末の下書き画面を何度も開いていた。 この街で、撮影や活動に使わない方がいい場所を伝えられる。 昨夜、そこまで書いた。 だが、送れなかった。 送信を押した瞬間、自分が裏切り者になるような気... -
シビックドライブ
シビックヒーローズ 第十八話 暴力より怖い力
誰にも言えないこと ジェイデンからの返答が届いた時、ライアンは倉庫の裏にある非常階段へ座っていた。 名前は出さなくていい。 会う必要もない。 まずは、自分が怖いことと、必要な条件だけを書け。 安全が確認できるまで、こちらから姿を見せろ... -
シビックドライブ
シビックヒーローズ 第十五話 銃でも消せない道
名前のない声 追加資金が反映された翌日、街のGVSには、名前のない声が増え始めていた。 タイラーの曲とキーランの映像に続いて、別の投稿が公開された。 薬を買っていた夜のことを話す声。 銃を持った友人と縁を切れずにいる声。 兄が薬を売って... -
シビックドライブ
シビックヒーローズ 第十四話 現実と夢の交差
寄付の続きを見せろ 「これが、最初の七十二時間で集まった数字です」 マヤの声が、静かな会議室に響いた。 正面の大型画面には、タイラーたちの動画が止まっている。顔の映らない街角。暗いシャッター。加工されたマリクの声。それを囲むように、ノア... -
シビックドライブ
シビックヒーローズ 第十三話 俺の話も歌にしてくれ
最初の作品 タイラーが曲を完成させたのは、空が白み始める少し前だった。 古びたアパートの一室で、安いスピーカーから低いビートが流れている。 マリクは床に座り、膝を立てたまま黙っていた。キーランは端末に映像を並べ、タイラーの声が入る箇所... -
シビックドライブ
シビックヒーローズ 第十二話 ヒーローでも神でもない
お前、何を始めたつもりだ? タイラーたちが通りの隅で曲作りを始めてから、二時間ほどが過ぎていた。 マリクは、最初に薬を売った夜の話を少しずつ語った。父親が家から消え、母親の稼ぎだけでは家賃も足りず、学校の帰りに声をかけられたこと。最初... -
シビックドライブ
シビックヒーローズ 第十一話 静かに燃え始める熱狂
最初のルーム 通りの角にいた若者たちは、レオとジェイデンが近づいても逃げなかった。 逃げるどころか、ほとんどがスマートフォンを取り出した。 レオの顔を知っている。コールドウェルから五千万ドルを引き出した公開対談も、二百億ドルを掲げたシ... -
シビックドライブ
シビックヒーローズ 第十話 ヒーローはただ立っていろ
街へ戻る シビックヒーローズが二百億ドルを目標に掲げる動画は、ノアの加入を決めたその日の夜に撮影された。 撮影場所は、ジェイデンの古いアパートの一室だった。壁紙は剥がれ、照明は暗く、マヤが用意した資料だけが大型モニターに映っている。 ... -
シビックドライブ
シビックヒーローズ 第九話 まがい物のシビックドライブ
二百億ドル ノア・ミラーが暮らしているのは、ジェイデンのアパートから車で十分ほど離れた、古い集合住宅だった。 外壁には補修の跡が残り、階段の照明は二階から上が切れている。入口の脇には、動かなくなった自動販売機と、誰かが置き去りにした子...