私たちは、企業の商品を購入したり、サービスを利用したりすることで、そこで働く人たちの未来を変えることができます。
働く人に十分な賃金を払い、休暇を確保し、安全な職場をつくり、人の負担を減らす企業の商品やサービスが選ばれれば、そうした企業により多くの売上が集まります。その結果、働く人を大切にする経営を続けやすくなります。
反対に、低賃金や長時間労働、安全上の問題を改善しない企業の商品やサービスが売れ続ければ、そうした働かせ方のままでも事業を続けることができます。
だからこの企業審査では、「私たちがお金を使うなら、どの企業を選ぶことが、そこで働く人にとってより良い社会につながるのか」という視点から企業を評価します。
なぜ企業を審査するのか?――このサイトの目的と、利用するメリット
今回審査するサントリー食品インターナショナル株式会社(現・サントリービバレッジ&フード株式会社)は、総合87点、シビックランクAです。
サントリー食品インターナショナル株式会社の特に強い点は、提出会社の平均年間給与が約1,171万円と高く、男性育休取得率105.7%、有休取得16.7日、国内グループの休業災害度数率0.13・死亡0という人への還元と安全実績を持ちながら、国内10工場すべてでISO9001・FSSC22000を取得し、原料調達・生産・物流・営業までBCPを整備していることです。そのため、この企業の商品を購入したりサービスを利用したりすれば、高い待遇、食品安全、災害時の供給継続を同時に重視する飲料産業につながる可能性が高まります。
一方で、改善点として男女賃金差が全労働者73.0%、正規雇用73.1%にとどまること、女性管理職比率が10.1%であること、2025年に「サントリー なっちゃん りんご 250ml紙パック」で自主回収が発生したこと、サイバー対策の復旧時間・重大インシデント件数などの定量公開が不足していることが残ります。
この記事では、サントリー食品インターナショナル株式会社の強みと課題をさらに詳しく企業審査していきます。
サントリー食品インターナショナル株式会社の企業審査結果
| 評価軸 | 得点 |
|---|---|
| Safety | 42/50 |
| Innovation | 22/25 |
| Protection | 23/25 |
| 総合点 | 87/100 |
| シビックランク | A |
主な強み
・2025年の提出会社平均年間給与は11,708,279円
・2026年4月の大卒初任給は月30万1,000円、修士了31万7,800円
・2025年の年間有給休暇取得日数16.7日
・国内グループの月間平均残業18.7時間
・男性育休取得率105.7%、女性100%
・女性管理職比率10.1%まで上昇
・2025年の休業災害度数率0.13、死亡災害0
・人権方針、社内・社外法律事務所の内部通報窓口、報復禁止を整備
・国内10工場すべてでISO9001・FSSC22000を取得
・AI・IoTを活用したスマートファクトリーを展開
・2025年の国内PETボトルでサステナブル素材比率62%
・原材料調達・生産・物流・営業を含むBCPを策定
・安否確認訓練を年2回実施
・災害時に飲料を無償提供できる緊急時飲料提供自販機を全国で展開
・2026年に人的資本情報開示のISO30414認証を取得
主な課題
・2025年の男女賃金差は全労働者73.0%、正規雇用73.1%
・女性管理職比率10.1%で、意思決定層の男女差が残る
・2025年の平均残業18.7時間は良好だが、10時間以下の水準には届かない
・国内グループの休業災害強度率は2024年0.001から2025年0.005へ上昇
・2025年11月に「なっちゃん りんご 250ml紙パック」を自主回収
・自主回収の原因は製造委託先の充填設備に残った微量酵母
・自動化導入前後の作業時間・事故・配置人数の改善量を会社全体で十分に開示していない
・サイバー防御はグループ方針を持つが、MFA・EDR適用率、検知・封じ込め・復旧時間等のKPIが非公表
・主要商品の拠点別RTOや代替生産可能率が非公表
事業内容と人間への貢献
サントリー食品インターナショナル株式会社は、サントリーグループの飲料・食品事業を担う中核会社です。2009年にサントリーの飲料・食品事業承継会社として設立され、2011年にサントリー食品インターナショナル株式会社へ商号変更しました。
2026年3月の株主総会で定款変更が承認され、2026年4月1日付で商号を「サントリービバレッジ&フード株式会社」に変更しています。法人としては同一であり、この記事では指定された旧社名を基準に、現社名で公開されている最新情報まで含めて評価します。[出典1・2]
2025年12月期の連結売上収益は1兆7,154億円、連結従業員数は22,700人です。提出会社単体の従業員数は534人、平均年齢40.1歳、平均勤続15.0年、平均年間給与11,708,279円です。[出典2・3]
基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 旧社名 | サントリー食品インターナショナル株式会社 |
| 現社名 | サントリービバレッジ&フード株式会社 |
| 商号変更 | 2026年4月1日 |
| 設立 | 2009年1月23日 |
| 本社 | 東京都港区芝浦三丁目1番1号 |
| 代表者 | 代表取締役社長 木村 穣介 |
| 資本金 | 1,683億84百万円 |
| 連結従業員 | 22,700人(2025年末) |
| 提出会社従業員 | 534人(2025年末) |
| 連結売上収益 | 1兆7,154億円(2025年) |
| 主な事業 | 国内・海外の飲料・食品事業 |
| 主なブランド | サントリー天然水、BOSS、伊右衛門、GREEN DA・KA・RA、特茶ほか |
主な事業内容
日本では「サントリー天然水」「BOSS」「サントリー緑茶 伊右衛門」などを展開し、スーパー、コンビニ、自動販売機などを通じて飲料を販売しています。全国で30万台以上の自動販売機販売網を持ちます。[出典4]
国内の清涼飲料製造は主にサントリープロダクツが担い、関東甲信越、東海、関西、中国地方などに工場を配置しています。海外でもアジア、オセアニア、欧州、米州へ事業を展開しています。[出典2・4]
事業による人間への貢献
飲料は日常的な水分補給に加え、災害時の生活維持にも必要な商品です。
サントリー食品インターナショナルは、無糖茶、水、コーヒー、スポーツ飲料、機能性表示食品など幅広い飲料を供給し、研究開発、食品安全、物流、販売の仕組みを通じて、多くの生活者が安全に飲料を利用できる基盤を提供しています。
さらに、緊急時飲料提供自販機では、停電時でも自販機内の商品を取り出し、無料で提供できる仕組みを整えています。2021年末時点で約2.5万台が全国に設置されており、災害時の地域支援にもつながります。[出典16]
Safety|42/50
Safetyでは、賃金、休暇、雇用の公平性、福利厚生、人権、労働安全、商品安全を評価します。
サントリー食品インターナショナルは、給与、休暇、育休、人権救済、労働安全、食品安全のほぼすべてで高水準です。一方、男女賃金差と2025年の商品自主回収が満点を阻みました。
賃金・利益の還元|8/10
2025年の提出会社平均年間給与は11,708,279円です。平均年齢40.1歳、平均勤続15.0年を踏まえても、高い給与水準です。[出典2]
サントリーグループの2026年4月実績では、大卒初任給30万1,000円、修士了31万7,800円です。[出典5]
また2026年からは、全社員の賞与制度の業績評価指標へサステナビリティ項目を導入しています。環境・社会課題への取組みを賞与評価へつなげる仕組みです。[出典19]
高い給与水準と賞与制度を評価して8/10点です。
一方、会社単体の給与中央値、全社員のベースアップ率、実質賃金の改善率を継続的に比較できる形では十分に公開していません。これらを毎年公開し、物価上昇率を上回る賃金改善を複数年確認できれば10/10点を検討できます。
労働時間・休息|8/10
2025年の年間有給休暇取得日数は16.7日です。国内グループの月間平均残業時間は18.7時間で、2024年19.9時間から改善しました。[出典6]
採用情報では年間休日121日、初年度有給休暇13日、勤続に応じ最高24日、リフレッシュ休暇、ボランティア休暇などがあります。[出典5]
残業20時間を下回り、有休を平均16日以上取得できているため8/10点です。
全社平均残業10時間以下、有休取得率90%以上または平均18日以上を継続し、部門別・職種別の残業分布も公開できれば10/10点を検討できます。
雇用の安定・待遇の公平性|4/5
2025年のSBF籍正社員の離職率は1.8%、新卒入社者5年在籍率は88.8%です。平均勤続年数は16.3年で、長期雇用の安定性は高いと評価できます。[出典6]
女性管理職比率は2023年8.7%、2024年9.2%、2025年10.1%へ上昇しています。
一方、2025年の男女賃金差は全労働者73.0%、正規雇用73.1%です。有価証券報告書では同一労働の賃金体系に差異はないと説明していますが、平均年齢・在籍年数・職位構成の違いを含め、結果として差が残っています。[出典2]
安定雇用と改善傾向を評価し4/5点です。
女性管理職比率20%以上、正規雇用の男女賃金差90%以上、同一等級・職種での男女差も公開できれば5/5点を検討できます。
福利厚生・育児・介護|5/5
2025年の育児休業等取得率は男性105.7%、女性100%です。男性は73人、女性は32人が育児休職を取得しています。[出典6]
有給休暇、育児休職、介護休職、ボランティア休暇、住宅支援など、仕事と生活を両立する制度も幅広く整えています。[出典5]
制度だけでなく男性の取得実績が非常に高いため5/5点です。
人権・ハラスメント・労使関係|5/5
2024年に「サントリービバレッジ&フードグループ人権方針」を策定し、人権デュー・ディリジェンスを進めています。[出典7]
国内には社内のコンプライアンス窓口に加えて、社外法律事務所の通報窓口があります。海外を含むグローバル・ホットライン、取引先向けビジネスパートナーコンプライアンス・ホットラインも設けています。[出典7・8]
通報者への報復や不利益取扱いを禁止し、調査後には通報者へのフォローアップも行います。
有価証券報告書では、同社に籍を置く従業員1,881人がTHE SUNTORY UN!ONに所属しているとしています。[出典2]
方針、救済窓口、外部窓口、報復禁止、労組まで確認できるため5/5点です。
労働安全・健康|8/10
生産現場では安全衛生委員会を中心に、設備・作業のリスク評価を行っています。協力会社も含め「労災ゼロ」を目標にしています。[出典9]
2025年の国内グループ休業災害度数率は0.13で、2024年0.14から改善しました。死亡災害は2023~2025年の3年間0です。2025年の度数率は第三者保証の対象です。[出典10]
一方、休業災害強度率は2024年0.001から2025年0.005へ上昇しました。また、会社単体の事故件数や事故類型まで毎年一覧化しているわけではありません。
低い度数率、死亡0、第三者保証を高く評価して8/10点です。
会社単体の事故件数・類型・強度率を詳細公開し、強度率0に近い水準を複数年継続できれば10/10点を検討できます。
商品・サービスの安全|4/5
国内10工場はすべてISO9001とFSSC22000を取得しています。製造ラインでは自動検査装置と人の目を併用し、工場のカード認証、カメラ、センサー、フードディフェンスも導入しています。[出典11・12]
一方、2025年11月、「サントリー なっちゃん りんご 250ml紙パック」の一部商品で容器膨張と香味変化が確認され、自主回収を実施しました。原因は製造委託先の充填設備に微量の酵母が残り、一部商品へ混入したためと説明されています。健康被害の可能性はないと確認されています。[出典17]
高度な品質管理を評価しますが、実際に自主回収が発生したため4/5点です。
重大回収0を複数年継続し、再発防止効果まで第三者検証できれば5/5点を検討できます。
従業員・元従業員の口コミ
OpenWorkでは、2024年11月のマーケティング職・在籍5~10年・女性の投稿で「出産後も復職し働き続ける方が多い。」という評価が確認できます。[出典18、情報ランクB]
また2025年6月の企画職・在籍10~15年・男性の投稿では、「やってみなはれ」の文化と保守的な側面が混在するという趣旨の評価があります。
匿名口コミは部署・時期・回答者によって差があるため、公式の有休16.7日、残業18.7時間、育休実績と照合して参考情報として扱います。
SNS・匿名掲示板の確認結果
X、5ちゃんねる、爆サイ等について、社名と「残業」「退職」「パワハラ」「事故」「工場」「営業」などを組み合わせて確認しました。
今回、現社員・元社員であること、勤務時期、職種まで確認でき、OpenWork以上に採点を変更できる具体的な投稿本文は使用していません。
Innovation|22/25
Innovationでは、製造・物流・販売の自動化、人の負担削減、商品改善、研究開発の継続性を評価します。
AI・IoTによるスマートファクトリー、商品開発、ボトルtoボトル技術などが強く、Innovationは22/25点です。
作業負担・危険の削減|8/10
天然水北アルプス信濃の森工場では、AIを活用したIoT基盤で生産設備、調達、製造、品質管理、出荷データを統合しています。[出典13]
設備状態をデータで把握することで、異常対応や品質確認を迅速化し、人が現場を巡回して確認する作業を減らす方向へつながります。また、3密回避など従業員の安全性向上にも活用しています。
自販機事業ではキャッシュレスアプリ「ジハンピ」を全国展開し、販売・決済オペレーションのデジタル化も進めています。[出典20]
具体的な自動化・デジタル化を評価して8/10点です。
一方、導入前後の作業時間、必要人数、重量物作業、労災件数を会社全体で比較する定量KPIは不足しています。
商品・サービスの改善|5/5
「サントリー天然水」「BOSS」「伊右衛門」「GREEN DA・KA・RA」などの主力ブランドを継続改良し、無糖飲料、低糖飲料、健康飲料、機能性表示食品などを開発しています。[出典4・20]
PETボトルではボトルtoボトル水平リサイクルを国内飲料業界で早期に実用化し、2025年には国内清涼飲料のPETボトル重量の62%をサステナブル素材へ切り替えています。[出典20・21]
2025年9月時点では100%リサイクルPETボトルの累計販売本数が200億本を突破しました。[出典22]
商品価値と資源循環を同時に改善しているため5/5点です。
改善成果の人間への還元|4/5
デジタル化や設備改善を進めながら、国内グループの平均残業は2024年19.9時間から2025年18.7時間へ減少しました。有休取得は16.7日です。[出典6]
スマートファクトリーでは従業員の安全性や働き方の変革を目的の一つとして明示しています。[出典13]
ただし、個々の自動化プロジェクトが残業や事故を何時間・何件減らしたかという因果関係は十分に公開されていません。
働き方の結果が一定水準にあることを評価して4/5点です。自動化前後の作業時間、残業、労災、教育時間を設備別に開示できれば5/5点を検討できます。
研究開発・現場改善の継続|5/5
商品開発センターを持ち、飲料の中味、容器、品質、健康機能、デジタル技術を継続的に研究しています。
2026年も、ボトルtoボトル水平リサイクルを東急百貨店・東急と拡大し、2028年にタイへFtoPダイレクトリサイクル技術を導入する計画を発表しています。[出典23・24]
製造、資源循環、商品開発を継続的に更新しているため5/5点です。
自動化・AI導入後の雇用状況
2025年の連結従業員数は22,700人で、2024年22,446人から増加しています。提出会社単体も504人から534人へ増えました。[出典2]
AI・IoTや自動化を進めていますが、大規模な希望退職や一斉解雇を自動化の結果として行ったという公開情報は今回確認していません。
一方、自動化後の配置転換、再教育人数、職種別人員の変化は十分に公開されていません。
Protection|23/25
Protectionでは、災害、原料不足、物流停止、システム障害が起きても飲料供給を継続できるかを評価します。
BCP、工場分散、情報セキュリティ、災害時飲料提供の仕組みが非常に強く、Protectionは23/25点です。
災害への備え・訓練|5/5
原材料調達、生産、物流、営業まで事業継続計画を策定しています。[出典14]
日本国内では安否確認システムを運用し、年2回の安否確認訓練、大規模地震を想定した防災訓練、徒歩帰宅訓練などを実施しています。
災害対策本部の設置手順、情報システム復旧、生産機能復旧、救援物資手配、地域社会支援まで明文化しています。
計画だけでなく定期訓練を確認できるため5/5点です。
生産・物流・調達の代替|5/5
国内では複数地域に10工場を配置し、天然水、茶、コーヒー、炭酸等を生産しています。[出典12]
BCPは工場だけでなく原材料調達・物流・営業まで対象とし、本部機能とインフラ分散も進めています。[出典14]
地域をまたいだ工場網と物流網を持つため、一拠点の停止で全供給が止まりにくい構造です。
分散構造とBCPを評価して5/5点です。
サイバー防衛・情報保護|4/5
サントリーグループでは情報セキュリティリスクを最重要リスクの一つと位置づけ、グローバルセキュリティポリシーと情報セキュリティ基本方針を整備しています。[出典15]
また、BCPの災害対策本部では「情報システム復旧」を重要機能として明示しています。[出典14]
一方、サントリービバレッジ&フード単体のMFA適用率、EDR適用率、標的型メール訓練結果、第三者攻撃演習、検知・封じ込め・復旧時間、重大サイバー事故件数などは十分に公開されていません。
高度なガバナンスは評価し4/5点です。技術的KPIと復旧結果を継続公開できれば5/5点を検討できます。
供給継続・復旧能力|4/5
10工場による分散生産、複数地域の物流網、原料調達・物流・営業まで含むBCPは、飲料供給を継続するうえで強い仕組みです。
大規模災害時には生産機能復旧、得意先支援、地域社会支援まで対策チームで対応します。[出典14]
一方、主要ブランドごとの代替生産率、工場停止からの目標復旧時間RTO、原材料の安全在庫日数、実際の復旧訓練時間は公開されていません。
供給体制は強いものの、復旧速度の定量検証が不足するため4/5点です。
危機時の市民への対応|5/5
災害や停電時でも自販機の商品を無料提供できる「緊急時飲料提供自動販売機」を展開しています。2021年末時点で約2.5万台が全国に設置されています。[出典16]
東日本大震災時にも利用実績があり、BCPでも救援物資の手配と地域社会支援を対策本部の役割として明示しています。[出典14・16]
事業そのものを災害時の市民支援へ転用できる仕組みが具体的であるため5/5点です。
良いニュース・最近の前向きな動き
最近の前向きな動きでは、人的資本開示、資源循環、賞与制度とサステナビリティの連動が進んでいます。
2026年1月 ISO30414認証を取得(Safety)
サントリーホールディングスとサントリー食品インターナショナルは2026年1月、人的資本情報開示の国際ガイドラインISO30414認証を取得しました。国内酒類・飲料業界では初とされています。[出典25]
賃金、ダイバーシティ、組織風土など人に関する情報を国際標準で整理・開示する方向性は、本企業審査と相性の良い動きです。
2026年 賞与評価へサステナビリティ項目を導入(Safety・Innovation)
2026年から全社員の賞与制度の業績評価指標へサステナビリティ項目を導入しました。[出典19]
環境や社会課題への改善を、会社の理念だけでなく社員の評価・報酬へ接続する仕組みです。
2026年4月以降 ボトルtoボトル水平リサイクルを拡大(Innovation)
東急百貨店や東急と協働し、商業施設で回収した使用済みPETボトルを新たな飲料ボトルへ戻す水平リサイクルを開始しました。[出典23]
2025年の国内PETボトルではサステナブル素材比率62%まで進んでおり、主力事業で資源循環を拡大しています。[出典20・21]
2026年8月 FtoPダイレクトリサイクル技術をタイへ展開(Innovation)
2028年からタイでFtoPダイレクトリサイクル技術を活用した100%リサイクルPETボトル製造を開始する計画を発表しました。[出典24]
日本で培ったボトルtoボトル技術を海外へ広げる動きです。
悪いニュース・問題となった動き
重大な死亡災害や大規模サイバー事故は今回確認していません。一方、商品安全と男女公平性には具体的な課題があります。
2025年11月 「なっちゃん りんご 250ml紙パック」を自主回収(Safety)
一部商品で容器膨張と香味変化が発生し、対象ロットを自主回収しました。[出典17]
製造委託先の充填設備に残存した微量の酵母が原因と考えられています。健康被害の可能性はないとしていますが、FSSC22000等の高度な品質管理を持つ企業でも、委託製造を含むバリューチェーン管理に改善余地があることを示しました。
2025年 男女賃金差73.0%(Safety)
全労働者の男女賃金差は73.0%、正規雇用は73.1%です。[出典2]
女性管理職比率は10.1%へ改善しているものの、男女の職位・勤続構成の差が賃金結果へ表れています。
2025年 休業災害強度率が0.005へ上昇(Safety)
休業災害度数率は0.14から0.13へ改善し、死亡0を維持しました。一方、強度率は0.001から0.005へ上昇しました。[出典10]
安全実績は全体として高水準ですが、事故が発生した際の重さについて継続確認が必要です。
2026年現在 サイバー復旧KPIが非公表(Protection)
グループのセキュリティポリシーは整備されていますが、MFA・EDR適用率、第三者演習、平均検知時間、封じ込め時間、RTO等を会社単体で比較できません。
公開情報がない点は課題です。採点上も減点対象です。
総合評価と、これから改善してほしいこと
現在87点・シビックランクAです。次のSランクは90点からなので、あと3点必要です。
サントリー食品インターナショナルは、給与、休暇、育休、人権、安全、食品安全、DX、BCP、災害支援の多くで高水準にあります。
Sランクへ上がるためには、新しい制度を数多く追加するより、現在残る「男女の結果差」「商品回収」「サイバー実績の見えにくさ」を解消することが重要です。
女性管理職と男女賃金差を改善する|雇用の安定・待遇の公平性 4→5/5
現在の女性管理職比率は10.1%、正規雇用の男女賃金差は73.1%です。[出典2・6]
女性管理職比率20%以上、正規雇用の男女賃金差90%以上を達成し、同一等級・職種別でも不合理な差がないことを公開できれば4→5/5点を検討できます。
現在4/5点
改善後5/5点
加点+1点
総合87→88点
ランクAのままです。
参考企業はヨネックス株式会社です。当サイトの現行審査では女性管理職比率31.2%を確認しています。総合60点・Cですが、女性登用という個別指標ではサントリー食品インターナショナルより高い水準です。
商品回収を抑え品質実績を証明する|商品・サービスの安全 4→5/5
国内10工場のFSSC22000とISO9001は非常に強い仕組みです。
一方、2025年に製造委託先由来の酵母混入で自主回収が発生しました。
委託工場も含めた衛生監査を強化し、重大な品質回収0件を3年以上継続し、再発防止監査の結果を公開できれば4→5/5点を検討できます。
現在4/5点
改善後5/5点
加点+1点
総合88→89点
ランクAのままです。
参考企業は株式会社クラウン・パッケージです。当サイトの現行審査では7事業所でFSSC22000を取得し、重大回収を確認していないことから「商品・サービスの安全」5/5点としています。
サイバー復旧力を定量公開する|サイバー防衛・情報保護 4→5/5
現在はグローバルセキュリティポリシー、情報セキュリティ基本方針、BCP上の情報システム復旧体制を確認できます。
ここにMFA・EDRの適用率、年1回以上の第三者攻撃演習、バックアップ復元試験、重大インシデント件数、検知・封じ込め・復旧時間を追加公開し、重大漏えい0を複数年継続できれば4→5/5点を検討できます。
現在4/5点
改善後5/5点
加点+1点
総合89→90点
ランクA→S
となります。
参考企業は伊藤忠商事株式会社です。当サイトの現行企業審査では、ITCCERTによる常時監視、年2回の標的型メール訓練、年1回以上の第三者サイバー攻撃演習、重大漏えい0を確認し、「サイバー防衛・情報保護」を5/5点と評価しています。
次のランクへ上がるための具体例
現在87点・Aで、Sは90点からです。
第一に、女性管理職20%以上・正規雇用の男女賃金差90%以上を達成し、「雇用の安定・待遇の公平性」を4→5点へ上げます。+1点です。
第二に、委託製造を含め重大商品回収0件を3年以上継続し、「商品・サービスの安全」を4→5点へ上げます。+1点です。
第三に、MFA・EDR適用率、第三者攻撃演習、復旧時間を公開し、重大情報漏えい0を継続して「サイバー防衛・情報保護」を4→5点へ上げます。+1点です。
87点+1点+1点+1点=90点となり、シビックランクSです。
つまり、サントリー食品インターナショナルがSランクへ上がるために必要なのは、すでに強い給与・育休・食品安全・BCPをさらに増やすことより、残っている男女格差を縮小し、商品事故を再発させず、サイバー対策の実効性を数字で証明することです。
出典一覧
1.サントリービバレッジ&フード「企業概要」【情報ランクA】
2.サントリー食品インターナショナル「2025年12月期 有価証券報告書」【情報ランクS】
3.サントリービバレッジ&フード「企業概要・連結従業員数・売上収益」【情報ランクA】
4.サントリービバレッジ&フード「事業内容」【情報ランクA】
5.サントリーホールディングス「採用情報 よくある質問」2026年【情報ランクA】
6.サントリービバレッジ&フード「サステナビリティ データ一覧」2025年【情報ランクA】
7.サントリービバレッジ&フード「人権の尊重」【情報ランクA】
8.サントリービバレッジ&フード「コンプライアンス」【情報ランクA】
9.サントリービバレッジ&フード「労働安全衛生」【情報ランクA】
10.サントリーグループ「サステナビリティ データ一覧/労働安全」2025年【情報ランクA・一部第三者保証】
11.サントリービバレッジ&フード「品質への取り組み」【情報ランクA】
12.サントリービバレッジ&フード「製造/ISO9001・FSSC22000」【情報ランクA】
13.サントリービバレッジ&フード「スマートファクトリー」【情報ランクA】
14.サントリービバレッジ&フード「リスクマネジメント/BCP」【情報ランクA】
15.サントリー「継続的なセキュリティ対策強化」【情報ランクA】
16.サントリー「緊急時飲料提供自動販売機」【情報ランクA】
17.サントリービバレッジ&フード「商品の自主回収に関するお詫びとお知らせ」2025年11月13日【情報ランクA】
18.OpenWork「サントリー食品インターナショナル 社員クチコミ」【情報ランクB】
19.サントリー「賞与制度の業績評価指標にサステナビリティ項目を導入」2026年1月15日【情報ランクA】
20.サントリー食品インターナショナル「2026年 国内事業活動方針」【情報ランクA】
21.サントリービバレッジ&フード「資源循環/PETボトルサステナ素材比率」【情報ランクA】
22.サントリー食品インターナショナル「100%リサイクルPETボトル累計200億本」2025年9月29日【情報ランクA】
23.サントリービバレッジ&フード「東急百貨店・東急とのボトルtoボトル水平リサイクル」2026年4月【情報ランクA】
24.サントリーホールディングス/サントリービバレッジ&フード「FtoPダイレクトリサイクル技術をタイへ導入」2026年8月19日【情報ランクA】
25.サントリー「ISO30414認証取得」2026年1月30日【情報ランクA】
シビックランクの基準
| シビックランク | 点数 |
|---|---|
| S | 90~100点 |
| A | 80~89点 |
| B | 70~79点 |
| C | 60~69点 |
| D | 50~59点 |
| E | 40~49点 |
| F | 20~39点 |
| G | 0~19点 |
サントリー食品インターナショナル株式会社(現・サントリービバレッジ&フード株式会社)は87点のため、今回のシビックランクはAです。
情報ランクの基準
| 情報ランク | 基準 |
|---|---|
| S | 公的機関、裁判所、規制当局、独立した第三者機関の調査・監査・検証・認証など、内容そのものに独立した裏づけがある情報 |
| A | 企業公式資料、採用情報、公式声明・SNS、氏名・役職・立場を確認できる記名取材や公表発言など、発信主体を確認できる公表情報 |
| B | 従業員・元従業員の口コミ、一般SNS、匿名掲示板など、発信者の身元や対象企業との関係を独立に確認しにくい情報 |
情報ランクは企業そのものの良し悪しではなく、個々の情報の出どころと検証状態を示します。Sは第三者による裏づけがある情報として最も強く扱います。AとBは情報の性質が異なり、働き方の実態確認ではBが有用な場合もあります。口コミは時期・職種・拠点・件数を確認し、公式・公的情報と照合して使用します。
