私たちは、企業の商品を購入したり、サービスを利用したりすることで、そこで働く人たちの未来を変えることができます。
働く人に十分な賃金を払い、休暇を確保し、安全な職場をつくり、人の負担を減らす企業の商品やサービスが選ばれれば、そうした企業により多くの売上が集まります。その結果、働く人を大切にする経営を続けやすくなります。
反対に、低賃金や長時間労働、安全上の問題を改善しない企業の商品やサービスが売れ続ければ、そうした働かせ方のままでも事業を続けることができます。
だからこの企業審査では、「私たちがお金を使うなら、どの企業を選ぶことが、そこで働く人にとってより良い社会につながるのか」という視点から企業を評価します。
なぜ企業を審査するのか?――このサイトの目的と、利用するメリット
今回審査するサントリーグローバルイノベーションセンター株式会社は、総合66点、シビックランクCです。
サントリーグローバルイノベーションセンター株式会社の特に強い点は、サントリーグループの基盤研究会社として、おいしさ・健康・サステナビリティを横断し、2026年7月時点で論文119本、学会発表161件、外部連携148件という研究活動を持ちながら、CIP自動化、連続式調合、水使用量削減、特茶の機能性素材、地下水可視化サービス「Water Scape」など研究成果を商品・サービス・生産技術へつなげていることです。そのため、この企業の研究・技術が使われれば、人の健康や楽しさを高めながら、工場作業や水利用の負担を減らす技術が広がる可能性があります。
一方で、改善点として法人単体の平均給与・賃金中央値、年間休日・有休、女性管理職比率、労災件数・実験室事故、BCP訓練結果、サイバー復旧時間などの公開が不足しています。サントリー国内グループ全体では良好な労働・安全データが確認できるものの、SIC単体の実績を切り分けて評価できない項目が多くあります。
この記事では、サントリーグローバルイノベーションセンター株式会社の強みと課題をさらに詳しく企業審査していきます。
サントリーグローバルイノベーションセンター株式会社の企業審査結果
| 評価軸 | 得点 |
|---|---|
| Safety | 30/50 |
| Innovation | 21/25 |
| Protection | 15/25 |
| 総合点 | 66/100 |
| シビックランク | C |
主な強み
・2013年創業のサントリーグループ基盤研究会社
・京都・けいはんなと東京・お台場の東西2拠点
・論文119本、学会発表161件、受賞14件、外部連携148件
・博士号取得者率25%
・健康先取り、美味追求、サステナビリティの3領域を横断
・特茶のケルセチン配糖体など機能性研究を商品へ実装
・連続式調合、CIP自動化、省エネルギー蒸気利用、水使用量削減技術を研究
・地下水可視化サービス「Water Scape」を社会実装
・液中3D描画「Lidris」、腸音AI解析「腸note」など新規技術を展開
・2026年に微生物3D培養プラットフォーム「Floatony」を共同開発
・サントリーグループ国内労働安全データの対象会社に含まれ、2025年LTIR0.13
・サントリーグループ国内平均残業18.7時間の対象会社に含まれる
・ISO14001認証範囲に研究・開発業務として含まれる
・ワールドリサーチセンターはCASBEE Sランク
主な課題
・法人単体の平均給与、賃金中央値、ベースアップ率が非公表
・法人単体の年間休日、有休取得日数・取得率が非公表
・法人単体の女性管理職比率、男女賃金差、離職率が非公表
・Gビズインフォでは厚生年金・健康保険の被保険者数3人、第三者サイトでは従業員8人とされる一方、公式の従業員数は非公表で、人員構成を外部から把握しにくい
・会社単体の労災件数、実験室事故、化学物質事故、度数率、強度率が非公表
・研究倫理審査、臨床研究倫理、バイオセーフティ等の会社単体運用実績の公開が限定的
・自動化技術の導入後に、現場の作業時間・残業・事故がどれだけ減ったかの定量公開が不足
・会社単体のBCP訓練、非常電源、研究データ復旧時間が非公表
・会社単体のMFA・EDR適用率、重大サイバー事故件数、RTO・RPOが非公表
事業内容と人間への貢献
サントリーグローバルイノベーションセンター株式会社は、2013年に創業したサントリーグループの基盤技術研究会社です。資本金は1億円、本社は東京都港区台場2丁目3番3号、代表取締役社長は竹本晋氏です。[出典1・2]
主要研究拠点は、京都府相楽郡精華町のサントリー ワールド リサーチセンターと、東京都港区台場のサントリーワールドヘッドクォーターズです。京都では基盤研究、お台場では生活者・市場視点に近い研究や事業開発を進めています。[出典2・3]
基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | サントリーグローバルイノベーションセンター株式会社 |
| 英文名 | Suntory Global Innovation Center Limited |
| 創業 | 2013年 |
| 本社 | 東京都港区台場2丁目3番3号 |
| 代表者 | 代表取締役社長 竹本 晋 |
| 資本金 | 1億円 |
| 法人番号 | 5010401104880 |
| 主な事業 | サントリーグループ全体の価値向上・事業成長のための研究・技術開発 |
| 主な拠点 | 東京・お台場、京都・けいはんな |
| 主な研究領域 | 健康科学、嗜好科学、天然物化学、植物科学、微生物科学、水科学、データサイエンス、プロセス開発 |
従業員数について
公式企業概要では従業員数を公開していません。Gビズインフォでは厚生年金・健康保険適用事業所の被保険者数3人、Yahoo!しごとカタログ等の第三者情報では8人とされています。[出典4・5]
一方、公式サイトでは博士号取得者率25%、外部連携148件、多数の研究員インタビューを掲載しており、研究活動の実態を単純に3人または8人だけで表すことは適切ではありません。出向者やグループ各社との兼務を含む可能性があるため、本審査では3人・8人を総研究人員として扱わず、「法人単体の人員構成が公開情報から確認しにくい」こと自体を透明性上の課題として評価します。
事業による人間への貢献
研究成果は、サントリーの商品そのものだけでなく、人の健康、工場の省力化、水資源保全、新規サービスへ広がっています。
健康分野では、ケルセチン配糖体の機能を研究し、長期のヒト試験と審査を経て「伊右衛門 特茶」へ実装した実績があります。[出典6]
生産技術では、連続式調合システム、CIP自動化、低温・非加熱殺菌、省エネルギー蒸気利用、水使用量削減技術などを研究対象としています。[出典7]
水科学では、地下水の状態や利用可能量を可視化する「Water Scape」が自治体・企業の持続可能な用水確保へ活用されるサービスへ発展しています。[出典7・8]
研究会社のため、消費者がSICの商品を直接購入するケースは限られます。しかし、サントリーの商品やサービスを利用することは、グループの基盤研究へ資金と需要を間接的に支えることにつながります。
Safety|30/50
Safetyでは、研究者・技術者の賃金、労働時間、雇用、公平性、福利厚生、人権、実験・研究安全、研究成果の安全性を評価します。
サントリーグループとしての制度・安全実績は強い一方、SIC法人単体へ切り分けたデータが少ないため、グループ数値をそのまま満点評価には使いません。
賃金・利益の還元|6/10
サントリーグループの2026年新卒採用では、大卒月給30万1,000円、修士了31万7,800円、博士卒39万2,000円です。家族手当、住宅手当、賞与年2回なども示されています。研究開発部門の採用も同じサントリー採用サイトで行われています。[出典9]
研究職で博士号取得者率25%という高度専門人材を抱える点も確認できます。[出典3]
一方、SIC法人単体の平均給与、中央値、賞与実績、ベースアップ率は公表されていません。
グループの採用待遇は高水準ですが、法人単体の還元結果を検証できないため6/10点です。
SIC単体の平均給与・中央値、博士・修士等の職位別賃金、ベースアップ率を公開し、高い水準を複数年確認できれば8~10点を検討できます。
労働時間・休息|4/10
2025年のサントリー国内グループ月間平均残業は18.7時間です。この集計対象にはサントリーグローバルイノベーションセンター勤務者が明記されています。[出典10]
転職会議の投稿者集計では、SICの残業20時間/月、有給消化率100%と表示されています。ただし口コミ件数は12件で、会社公式統計ではありません。[出典11、情報ランクB]
サントリー採用情報では年間休日121日、年次有給休暇、リフレッシュ休暇等が示されていますが、これがSICの全勤務者へ同一条件で適用されるかを法人単体情報として確認できません。[出典9]
そのため4/10点です。SIC単体で年間休日121日以上、平均残業15時間以下、有休平均15日以上または取得率80%以上を公開できれば6~8点を検討できます。
雇用の安定・待遇の公平性|2/5
サントリーグループではDEI推進、女性管理職比率、育休、キャリア支援などを進めています。
しかし、SIC単体の正規・非正規比率、女性比率、女性管理職比率、男女賃金差、離職率、平均勤続年数は公表されていません。
公的・第三者データでも人員数の表示に差があり、法人としての雇用構造を外部から把握しにくい状態です。
公開情報が不足しているため2/5点です。
福利厚生・育児・介護|4/5
サントリー採用制度では、社会保険、住宅・家族手当、共済会、法人会員施設、育児・介護休職、シッター費用補助、短時間・時差・フレックス勤務、不妊治療支援など幅広い制度があります。[出典9]
国内グループの健康指標では、健康診断受診率100%、ストレスチェック受検率95.5%で、集計対象にはSICが含まれます。[出典10]
一方、SIC単体の男性育休取得率、介護休業取得実績は公開されていません。
制度とグループ健康管理を評価して4/5点です。
人権・ハラスメント・労使関係|4/5
サントリーグループは人権方針、コンプライアンス窓口、外部通報窓口、通報者への報復禁止などを整備しています。
2025年のグループホットライン通報件数は382件で、相談・通報を受け付ける仕組みそのものは実際に運用されています。[出典10]
一方、SIC単体の通報件数、ハラスメント認定件数、是正件数、労働組合加入状況は公表されていません。
グループの救済制度は評価しますが、単体実績が見えないため4/5点です。
労働安全・健康|6/10
サントリー国内グループの2025年休業災害度数率は0.13、休業災害強度率は0.005です。集計対象にはSICが明示されています。労働安全衛生教育は927人が受講しています。[出典10]
サントリー ワールド リサーチセンターには安全性科学センターも入居し、研究開発全体で安全・安心を重視しています。また研究所の「私たちの誓い」では、すべての探究・創造の大前提に安全・安心を置くと明記しています。[出典12・13]
一方、SIC単体の実験室事故、薬品曝露、バイオセーフティ事故、休業労災件数、度数率、強度率は公開されていません。
グループの低い事故率を評価して6/10点ですが、単体結果がないため8点以上にはしません。
商品・サービスの安全|4/5
SICは製造会社ではなく、研究成果を商品・サービスへつなぐ会社です。そのため、ここでは研究成果が人へ提供されるまでの安全性検証を評価します。
健康研究では介入的・観察的臨床研究、in vitro、in silicoなど複数の方法を用いています。特茶のケルセチン配糖体では、200人規模・12週間のヒト試験を行い、トクホとして長期の審査を経て商品化しています。[出典6・14]
ワールドリサーチセンターにはサントリーホールディングス安全性科学センターも入居しています。[出典12]
一方、SIC単体の研究倫理委員会の構成、審査件数、重大な研究安全インシデント、臨床研究の不適合件数などは公開情報が不足しています。
安全性を重視する研究体制を評価し4/5点です。
従業員・元従業員の口コミ
転職会議では12件の口コミがあり、投稿者集計は残業20時間/月、有給消化率100%です。[出典11]
研究環境については、研究施設やカフェテリアの充実、研究テーマへ取り組みやすい環境を評価する投稿があります。一方、研究成果の量と質を求められるため、頭を使う疲労感を挙げる投稿もあります。
また、けいはんなの研究拠点について交通アクセスが不便という指摘もあります。
口コミは件数が少なく、部署・雇用形態・時期による違いが大きいため、グループ公式データと照合して補助的に扱います。
SNS・匿名掲示板の確認結果
社名と「残業」「退職」「研究」「パワハラ」「事故」「研究所」などを組み合わせて確認しました。
今回、転職会議より具体的で、現社員・元社員であることや勤務時期を確認でき、採点を変更できるSNS・匿名掲示板投稿は使用していません。
Innovation|21/25
InnovationはSICの最も強い評価軸です。
研究成果を論文で終わらせず、商品、健康機能、生産技術、水資源サービス、新規事業までつなげています。
作業負担・危険の削減|8/10
プロセス開発では、連続式調合システム、CIP(定置洗浄)自動化、低温・非加熱殺菌、成分安定化、省エネルギー蒸気利用、水使用量削減などを研究対象としています。[出典7]
CIP自動化は、設備洗浄を人が分解・手洗いする負担や薬品接触を減らし、生産工程の安全性と効率を高める方向に働きます。
またデータサイエンスではAI・統計を使ったヘルスケア、センサーデータ解析なども行っています。
人が担う作業を技術へ移す研究を明確に行っているため8/10点です。
一方、導入後に現場作業時間、残業、薬品曝露、労災件数が何%減ったかという定量的な成果は十分に公開されていません。
商品・サービスの改善|5/5
ケルセチン配糖体の研究は「伊右衛門 特茶」へ実装され、研究成果が一般消費者へ届いています。[出典6]
「Water Scape」は地下水の状態と利用可能量を可視化し、自治体や企業の持続可能な用水確保を支援するサービスへ発展しました。[出典7・8]
2026年には、液中3D培養プラットフォーム「Floatony」、乾燥耐性ホップのメカニズム、青みを帯びたバラの分子育種など新しい研究成果を発表しています。[出典15・16]
研究を商品・サービス・社会課題へつなげているため5/5点です。
改善成果の人間への還元|3/5
SICの技術は、工場の自動化、健康機能、水資源保全など、人への利益につながる方向性を持っています。
国内グループの残業は2025年18.7時間で、SIC勤務者もこの集計対象です。[出典10]
しかし、SICが開発した個別技術によって「工場の作業時間が何時間減った」「休息が何日増えた」「労災が何件減った」「賃金へいくら還元された」といった効果を継続的に数値化していません。
研究成果の方向性は評価し3/5点です。
研究開発・現場改善の継続|5/5
2025年12月・2026年7月時点の公式集計では、論文119本、受賞14件、学会発表161件、外部連携148件、博士号取得者率25%です。[出典3]
2026年にもFloatony、乾燥耐性ホップ、植物の遺伝子水平伝播、青色バラ、水文学など複数分野で研究発表を継続しています。
京都・東京の2拠点とグローバル研究ネットワーク、大学等との外部連携を使いながら研究を続けているため5/5点です。
自動化・AI導入後の雇用状況
SIC自身がAI・データサイエンスを研究へ活用し、グループの生産自動化技術も開発しています。
一方、AI・自動化を理由とするSICの大規模な希望退職・一斉解雇を示す公開情報は今回確認していません。
ただし、法人単体の従業員数、職種別人員、配置転換、再教育人数が公開されていないため、自動化後の雇用変化を定量的には評価できません。
Protection|15/25
Protectionでは、災害・停電・研究設備停止・データ消失・サイバー攻撃が起きても研究機能を維持し、研究成果を社会へ届け続けられるかを評価します。
東西2拠点とグループのリスク管理は強みですが、SIC単体の研究継続計画と復旧時間が不足しています。
災害への備え・訓練|3/5
サントリーグループでは、大規模地震等に備えた安否確認システムを運用し、年2回の安否確認訓練、防災訓練、徒歩帰宅訓練などを実施しています。[出典17]
SICは国内グループの一社としてこのリスク管理体制の対象となります。
一方、ワールドリサーチセンター固有の非常用電源、薬品保管、実験設備停止、培養・試料保存、避難訓練結果などは公開されていません。
グループ体制を評価して3/5点です。
生産・物流・調達の代替|4/5
京都・けいはんなの研究拠点と東京・お台場の2拠点を持ち、異なる役割で研究・事業開発を行っています。さらに世界の研究所や大学・外部機関と連携しています。[出典3]
外部連携件数は148件です。
一つの研究者・機関・拠点だけへ依存しない研究ネットワークは強みです。
一方、特定の分析装置、試料、研究データが失われた場合に別拠点で何%代替できるかは非公表です。そのため4/5点です。
サイバー防衛・情報保護|3/5
サントリーグループは情報セキュリティを重要リスクとして管理し、グループ共通方針を運用しています。
研究会社では、未公開技術、特許候補、共同研究データ、臨床・ヘルスケアデータなど機密性の高い情報を扱うため、通常の事務会社以上にサイバー防御が重要です。
一方、SIC単体のMFA・EDR適用率、研究ネットワーク分離、標的型メール訓練、第三者攻撃演習、重大漏えい件数は公開されていません。
グループ方針は評価しますが、単体検証ができないため3/5点です。
供給継続・復旧能力|3/5
研究機能は京都と東京へ分散し、外部研究機関との連携も多いため、研究活動を一拠点だけに依存していません。
一方、研究データのバックアップ方式、RTO・RPO、停電時の冷凍・冷蔵試料維持、重要分析機器の代替、研究テーマ別の復旧優先順位は公開されていません。
公開情報がない点は課題です。採点上も減点対象です。
危機時の市民への対応|2/5
SICの水科学研究やWater Scapeは、水不足や持続可能な水利用という社会課題への対応力を高めます。
森林水文学、地下水流動、水質分析などの知見は、長期的な水資源保全に役立ちます。[出典8]
一方、地震・豪雨・渇水等の危機発生時に、SICが自治体へ緊急技術支援を行う協定や出動実績は今回確認できません。
研究の社会的意義は大きいものの、危機時の直接対応実績が不足しているため2/5点です。
良いニュース・最近の前向きな動き
2026年は、微生物、植物、水、フードテックで研究成果の発表が続いています。
2026年7月 微生物3D培養プラットフォーム「Floatony」を開発(Innovation)
東京科学大学との共同研究で、液体中に微生物の三次元構造を形成・維持できる新しい培養プラットフォーム「Floatony」を開発しました。[出典15]
腸内細菌叢やバイオフィルムの空間構造を再現する新しいin vitroモデルとして応用が期待されています。
2026年8月 乾燥に強いホップのメカニズムを解明(Innovation・Protection)
気候変動による高温・乾燥はホップ生産のリスクです。SICは乾燥耐性に関わるメカニズムを研究し、国際園芸学会議で成果を発表しました。[出典16]
将来の原料安定調達へつながる基礎研究として評価できます。
2026年9月 近畿経済産業局がフードテック技術を紹介(Innovation)
近畿経済産業局の「INVEST JAPAN, INVEST KANSAI」で、SICのLidris、腸note、Water Scapeが関西フードテックの技術・サービスとして紹介されました。[出典18]
企業内部の研究成果を外部事業・地域産業との連携へ広げる動きです。
2026年10月 植物・森林水文研究を相次いで発表(Innovation)
植物が他の植物から得た遺伝子を取り込む仕組みや、森林施業・森林火災が河川流量へ与える影響など、食品分野を越えて生態・水資源に関わる研究を継続しています。[出典3]
悪いニュース・問題となった動き
今回の調査では、SICを名指しした近年の死亡労災、重大な研究不正、行政処分、大規模情報漏えいは確認していません。
一方、研究会社として重要な情報公開には課題があります。
2026年現在 法人単体の賃金・休暇・男女公平性が非公表(Safety)
グループ採用制度や国内グループ平均残業は公開されていますが、SIC単体の平均給与、有休、女性管理職、男女賃金差、離職率を確認できません。
公開情報がない点は課題です。採点上も減点対象です。
2026年現在 実験室事故・労災結果を単体開示していない(Safety)
国内グループのLTIR0.13は確認できますが、SIC単体の実験室事故、薬品曝露、バイオ関連事故、休業災害件数は公表されていません。
研究会社では、研究成果だけでなく研究を生む現場が安全かどうかも重要です。
2026年現在 研究継続のRTO・RPOが非公表(Protection)
東西2拠点は強みですが、地震や停電で研究設備・試料・データが失われた場合の復旧時間、バックアップ方法、代替設備を確認できません。
2026年現在 サイバー対策の単体KPIが非公表(Protection)
共同研究・未公開技術・ヘルスケアデータを扱う会社として、サイバー防御は重要です。
グループポリシーに加え、SIC単体の重大漏えい0件、MFA・EDR、復旧訓練、検知・封じ込め時間まで公開できることが望まれます。
総合評価と、これから改善してほしいこと
現在66点・シビックランクCです。次のBランクは70点からなので、あと4点です。
SICはInnovationだけを見れば高評価企業です。研究成果の量、多様性、外部連携、商品・サービスへの実装はいずれも強い水準にあります。
次のランクへ上がる鍵は、研究成果をさらに増やすことではなく、「研究を生む人がどのように働いているか」「研究施設がどれだけ安全か」を会社単体の数字で公開することです。
SIC単体の労働時間・休暇を公開する|労働時間・休息 4→6/10
現在、国内グループ平均残業18.7時間にはSIC勤務者が含まれていますが、SICだけの残業・有休・休日数は分かりません。
SIC単体で年間休日121日以上、平均残業15時間以下、有休平均15日以上または取得率80%以上を毎年公開できれば4→6/10点を検討できます。
現在4/10点
改善後6/10点
加点+2点
総合66→68点
ランクCのままです。
参考企業はイオン九州株式会社です。当サイトの現行審査では総合73点・Bで、月平均残業7.9時間、有休取得率82.1%、年間休日125日を確認し、「労働時間・休息」を8/10点と評価しています。
研究所の労災・実験室安全KPIを公開する|労働安全・健康 6→8/10
現在、サントリー国内グループ全体のLTIR0.13は確認できます。
SIC単体で死亡0、休業労災件数、度数率・強度率、薬品曝露、バイオ・実験室事故件数を毎年公開し、低水準を継続できれば6→8/10点を検討できます。
現在6/10点
改善後8/10点
加点+2点
総合68→70点
ランクC→B
となります。
参考企業は東洋製罐株式会社です。当サイトの現行審査では総合79点・Bで、死亡労災0、度数率0.16、強度率0を公開していることを評価し、「労働安全・健康」を8/10点としています。
研究データのサイバー復旧力を公開する|サイバー防衛・情報保護 3→4/5
研究会社では未公開技術や共同研究データの漏えい・消失が研究継続へ直結します。
MFA・EDR適用率、研究ネットワーク分離、年1回以上の第三者攻撃演習、バックアップ復元試験、重大漏えい0、検知・封じ込め・復旧時間を公開できれば3→4/5点を検討できます。
現在3/5点
改善後4/5点
加点+1点
総合66→67点
単独ではBへ届きませんが、研究継続力の透明性を大きく改善できます。
参考企業はサントリー食品インターナショナル株式会社の現行審査です。当サイトでは総合87点・A、Protection23/25、サイバー防衛4/5と評価しており、グループBCP・情報システム復旧体制を具体的に確認しています。
次のランクへ上がるための具体例
現在66点・Cで、Bは70点からです。
第一に、SIC単体で年間休日121日以上、平均残業15時間以下、有休15日以上または80%以上を公開し、「労働時間・休息」を4→6点へ上げます。+2点です。
第二に、死亡0、休業労災、度数率・強度率、実験室事故を単体公開し、低い事故率を維持して「労働安全・健康」を6→8点へ上げます。+2点です。
66点+2点+2点=70点となり、シビックランクBです。
つまり、サントリーグローバルイノベーションセンターが次のランクへ上がるために最も重要なのは、研究成果を増やすことではありません。すでに高い研究力を持っているからこそ、その研究を生み出す人の休息、安全、賃金、研究所の復旧力を研究成果と同じレベルで数字にして公開することです。
出典一覧
1.サントリーホールディングス「グループ企業一覧/サントリーグローバルイノベーションセンター株式会社」【情報ランクA】
2.サントリーグローバルイノベーションセンター「企業情報」【情報ランクA】
3.サントリーグローバルイノベーションセンター公式サイト「数字で知る研究開発・体制と環境」【情報ランクA】
4.Gビズインフォ「サントリーグローバルイノベーションセンター株式会社」【情報ランクS】
5.Yahoo!しごとカタログ/doda「会社概要」【情報ランクB】
6.サントリーグローバルイノベーションセンター「特茶 開発物語」【情報ランクA】
7.サントリーグローバルイノベーションセンター「研究領域・活動内容」【情報ランクA】
8.サントリーグローバルイノベーションセンター「水科学研究所・Water Scape」【情報ランクA】
9.サントリーホールディングス「新卒採用情報・よくある質問」2026年【情報ランクA】
10.サントリーグループ「サステナビリティ データ一覧」2025年【情報ランクA・一部第三者保証】
11.転職会議「サントリーグローバルイノベーションセンターの口コミ」【情報ランクB】
12.サントリー ワールド リサーチセンター「概要」【情報ランクA】
13.サントリー ワールド リサーチセンター「私たちの誓い」【情報ランクA】
14.サントリーグローバルイノベーションセンター「多くの労力を要する人での効能評価試験」【情報ランクA】
15.東京科学大学・サントリーグローバルイノベーションセンター「Floatony開発」2026年7月15日【情報ランクA】
16.サントリーグローバルイノベーションセンター「ホップの乾燥耐性メカニズムを解明」2026年8月31日【情報ランクA】
17.サントリーグループ「リスクマネジメント/安否確認・防災訓練」【情報ランクA】
18.サントリーグローバルイノベーションセンター「INVEST JAPAN, INVEST KANSAIで技術紹介」2026年9月18日【情報ランクA】
19.サントリーグループ「ISO14001認証取得一覧」2025年末【情報ランクA】
20.サントリー ワールド リサーチセンター「施設紹介/CASBEE Sランク」【情報ランクA】
シビックランクの基準
| シビックランク | 点数 |
|---|---|
| S | 90~100点 |
| A | 80~89点 |
| B | 70~79点 |
| C | 60~69点 |
| D | 50~59点 |
| E | 40~49点 |
| F | 20~39点 |
| G | 0~19点 |
サントリーグローバルイノベーションセンター株式会社は66点のため、今回のシビックランクはCです。
情報ランクの基準
| 情報ランク | 基準 |
|---|---|
| S | 公的機関、裁判所、規制当局、独立した第三者機関の調査・監査・検証・認証など、内容そのものに独立した裏づけがある情報 |
| A | 企業公式資料、採用情報、公式声明・SNS、氏名・役職・立場を確認できる記名取材や公表発言など、発信主体を確認できる公表情報 |
| B | 従業員・元従業員の口コミ、一般SNS、匿名掲示板など、発信者の身元や対象企業との関係を独立に確認しにくい情報 |
情報ランクは企業そのものの良し悪しではなく、個々の情報の出どころと検証状態を示します。Sは第三者による裏づけがある情報として最も強く扱います。AとBは情報の性質が異なり、働き方の実態確認ではBが有用な場合もあります。口コミは時期・職種・拠点・件数を確認し、公式・公的情報と照合して使用します。
