評価対象:日本国内で販売されるevian PET 500ml
評価日:2026年9月30日
構成改訂:2026年10月1日
評価方式:商品審査100点制・第1版
商品を買うことは、私たちの未来を買うことでもあります。低賃金や長時間労働、危険な職場を改善しない企業の商品が売れ続ければ、そのやり方でも事業が成立する市場が残ります。反対に、賃金、安全、労働時間、働く人への利益分配、重労働を減らす技術に力を入れる企業の商品が選ばれれば、そうした企業のやり方へ売上と需要が集まりやすくなります。
evian 500mlの総合得点は64.77点、表示65点、シビックランクCです。評価を押し上げているのは、フランスで採水・製造を担うSAEMEに従業員へ利益を分配する制度があり、日本側では伊藤忠商事83点・A、伊藤園77点・Bという比較的高得点の企業が輸入権と販売を担っていることです。評価を押し下げているのは、フレンチアルプスの特定水源と主要ボトリング拠点への集中、過去の廃棄委託先管理、日本への実輸入会社で労働・BCP情報を外部から確認しにくいことです。
SAEMEでは2025年に1,502万8,665ユーロを従業員向けの利益参加として計上しました。さらに2026年にはGrand evian工場で、生産性目標の達成状況に応じて最大300ユーロを支給する生産性ボーナス協定が結ばれ、生産派遣社員も対象に含まれています。[9][11] 何を「働く人へ返しているのか」が金額と制度で確認できる点は、evianの商品評価で重要な強みです。
一方、2021年にフランスで製造された50clの一部では、設備部品の劣化によるプラスチック片混入リスクから廃棄が決まりましたが、廃棄委託先を経て一部が市場へ戻り、2022年に回収が必要になりました。行政への連絡にも遅れが確認されています。[7][8] 工場内で止める品質管理だけでなく、工場の外へ出た後の委託先管理まで商品評価に含める必要があります。
この記事では、evian 500mlが社会に与えている影響と、商品を購入するメリット・デメリットが一目でわかる商品審査を解説します。
evian 500mlの商品審査結果
evian 500mlは総合64.77点、表示65点、シビックランクCです。
関連企業80点分では49.77点を獲得しました。日本の独占輸入権を持つ伊藤忠商事は83点・Aで、高い給与水準、残業時間、有給休暇取得率、BCPなどが商品評価を押し上げています。日本の独占販売を担う伊藤園も77点・Bで、物流効率化や供給体制が強みです。
採水・製造・充填を担うSAEMEは58点・Dです。2025年の従業員向け利益参加1,502万8,665ユーロ、2026年の最大300ユーロの生産性ボーナス、品質異常時に生産を止める対応は評価できます。一方、廃棄委託先を経て商品が再流通した過去の事例、工場単体の労働指標の公開、水源と主要製造拠点の集中が弱点です。
日本への実輸入を担う伊藤園・伊藤忠ミネラルウォーターズは22点・Fです。現在確認できる低得点理由の中心は、会社単体の給与、残業、有休、労災、BCP訓練、代替物流などを外部から比較できる公開情報が限られていることです。確認された問題による低評価と、公開情報不足による低評価は分けて判断しています。
| 評価項目 | 得点 |
|---|---|
| Safety | 23.29/40 |
| Innovation | 13.42/20 |
| Protection | 13.05/20 |
| 商品自体 | 15.00/20 |
| 総合 | 64.77/100 |
| 表示得点 | 65点 |
| シビックランク | C |
Safetyの得点理由|23.29/40点
Safetyでは、関連企業で働く人の賃金、労働時間、休暇、労災、人権、利益分配などを中心に評価しました。
伊藤忠商事は42/50です。平均年間給与約1,991万円、月平均残業約10時間、有給休暇取得率71%、自己都合退職率1.7%を確認しており、高い給与水準だけでなく、労働時間と休暇の実績も評価を押し上げています。[17]
SAEMEは29/50です。2025年には1,502万8,665ユーロを従業員向けの利益参加として計上し、2026年にはGrand evian工場で生産性目標の達成状況に応じて最大300ユーロを支給する生産性ボーナスを導入しました。[9][11] 生産部門だけでなく、保全、Supply Chain、品質、水資源、物流などが対象となり、生産派遣社員も対象です。2025年の男女平等指数は95/100、賃金格差項目は40/40でした。[12]
一方、SAEMEでは工場単体の平均残業時間、労災度数率、休業災害件数などを外部から比較できる情報が限られています。日本への実輸入を担う伊藤園・伊藤忠ミネラルウォーターズもSafety6/50で、会社単体の給与、残業、有休、労災などの公開情報の少なさが得点に影響しています。[21]
このため、働く人への利益分配という具体的な強みはあるものの、サプライチェーン全体で同じ水準の労働情報を確認できる状態には至っておらず、Safetyは23.29/40点となりました。
Innovationの得点理由|13.42/20点
Innovationでは、技術や業務改善が人の作業時間、身体的負担、危険、品質、物流をどう変えたかを評価しました。
DAN’ISは22/25で、関連企業の中では高いInnovation得点です。ただしevian 500mlへの関与はIT・デジタル支援が中心で、採水や充填のように商品へ直接関与する役割ではないため、商品総合点への影響は限定的です。[22]
商品との関係がより直接的な企業では、伊藤園が21/25です。パレット化、中継輸送、共同輸送、鉄道・フェリーへのモーダルシフトを進め、物流委託先の作業時間2万時間以上、乗務員労働時間400時間以上の削減を目標としています。[18] 重い飲料を運ぶ商品では、物流の効率化が単なるコスト削減ではなく、荷役や運転に使う人の時間を減らすことにつながります。
SAEMEは15/25で、IWS、TPM、予防保全、故障原因分析、SMED、ライン条件の標準化などを進めています。設備停止や不良を減らす仕組みは確認できますが、それによって残業が何時間減ったのか、重量物作業がどの程度減ったのか、労災がどの程度減少したのかまで結び付けた公開実績は弱い状態です。[20]
日本への実輸入会社はInnovation6/25で、荷役、自動化、在庫管理などに関する会社単体の実績を確認しにくいことが得点を押し下げています。役割別に加重した結果、Innovationは13.42/20点です。
Protectionの得点理由|13.05/20点
Protectionでは、災害、設備停止、サイバー攻撃、物流停止などが起きた場合に、商品をどこまで継続・復旧できるかを評価しました。
伊藤忠商事と伊藤園はともに22/25です。伊藤忠商事では東京本社が機能しない場合の大阪本社への代替、備蓄、BCP訓練、サイバー対策などを確認しています。[17] 伊藤園も全国の生産・物流基盤、共同輸送、鉄道・フェリーへのモーダルシフト、災害対応自動販売機などを持ち、販売側の供給力は比較的高く評価できます。[18]
SAEMEは14/25です。17井戸を監視し、異常が確認された井戸を切り離す運用が行われています。洪水警戒時の即日招集制度やOT・サイバー担当体制も確認できます。[7][8][10][13]
最大の弱点は、evianの商品価値そのものがフレンチアルプスの特定水源へ結び付いていることです。同じブランドの商品を別地域の水へ簡単に切り替えられないため、水源や主要ボトリング拠点が長期間停止すると代替性が低くなります。日本側で物流を工夫できても、フランス側の供給源そのものが止まれば補えない部分があります。
主要設備停止時の復旧目標時間、日本向け安全在庫日数、港湾停止時の代替航路などを一続きで確認できる情報も限られており、Protectionは13.05/20点です。
商品自体の得点理由|15/20点
商品自体は、安全性・健康4/5、品質・人への貢献4/5、使いやすさ4/5、価格・継続性3/5です。
安全性・健康は4/5です。Evian工場では17井戸を監視し、採水から製品まで約300回/日の品質確認を行っています。[7][8] 異常時に生産分をブロックし、必要に応じて廃棄する運用も確認できます。一方、過去には廃棄予定品が委託先を経て市場へ戻った事例があり、品質管理を工場外の委託先までつなぐ必要があります。
品質・人への貢献は4/5です。硬度304mg/L、pH7.2で、100ml当たりカルシウム8.0mg、マグネシウム2.6mgという明確なミネラル構成を持ちます。[1][2] 日本で一般的な軟水とは異なる硬水を選びたい人に、特徴の明確な選択肢を提供しています。
使いやすさは4/5です。500mlは持ち運びやすく、日本国内で入手しやすい容量です。賞味期間は30か月で、日常利用だけでなく一定期間の保管にも対応します。[1]
価格・継続性は3/5です。希望小売価格は170円・税別で、2023年には145円から170円へ17.2%値上げされました。[6] フランスの特定水源で製造し、日本まで輸送する商品のため、為替、海上輸送、現地のエネルギー費や人件費の影響を受けやすく、国内複数水源の商品より価格と供給の柔軟性は低くなります。
良いニュース・最近の前向きな動き
evianの最近の動きでは、従業員への利益分配、異常時の停止対応、500mlの価格維持、再生PET利用などが確認できます。ここでは、企業の普段の評価とニュースをつなげて見ます。
| 時期 | ニュース | 関連企業 | シビックランク・点数 | 主な強み | 主な弱み | ニュースの意味 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2026年6月 | Grand evian工場で生産性ボーナス協定 | SAEME | D・58点 | 従業員への利益分配、品質管理 | 委託先管理、労働指標の公開 | 条件達成時に最大300ユーロを従業員へ支給 |
| 2026年9月 | 750ml値上げの一方、500mlは170円税別を維持 | 伊藤園 | B・77点 | 物流改善、供給体制 | 営業現場負荷、サイバー面 | 対象500mlでは追加値上げを回避 |
| 2024年 | 17井戸のうち1井戸で異常を検知し停止・行政報告 | SAEME | D・58点 | 異常時停止、井戸監視 | 水源集中、委託先管理 | 異常井戸を切り離す運用を確認 |
| 2024年4月 | フランス市場のボトル本体を100%rPETへ移行 | SAEME・Danone | D・58点/C・69点 | 容器改善、資源循環 | 日本向け比率の見えにくさ | 再生材利用を拡大 |
2026年6月|最大300ユーロの生産性ボーナスを導入
関連企業はSAEMEで、現在のシビックランクはD・58点です。主な強みは従業員への利益分配と品質異常時の停止対応、主な弱みは委託先管理と工場単体の労働指標の公開です。
2026年6月23日、Grand evian工場で生産性ボーナス協定が結ばれました。生産性改善目標920万ユーロなどの条件達成に応じて、対象者へ最大300ユーロを支給し、生産派遣社員も対象に含まれます。[9]
SAEMEは2025年にも1,502万8,665ユーロを従業員向けの利益参加として計上しています。[11] 2025年は利益参加として会社の成果を従業員へ分配し、2026年は生産性目標を達成した場合に追加のボーナスを支給する仕組みを設けたことになります。
1,502万8,665ユーロの利益参加と、最大300ユーロの生産性ボーナスという形で金額と条件を確認できる点を評価します。
2026年9月|500mlは価格据え置き
関連企業は伊藤園で、現在のシビックランクはB・77点です。主な強みは物流効率化と供給体制、主な弱みは営業現場の負荷とサイバー面の課題です。
2026年9月1日から750mlの希望小売価格は215円から235円へ上がりましたが、500mlは170円税別を維持しました。[5]
500mlは2023年に145円から170円へ値上げされているため、長期的には価格負担が増えています。[6] ただし2026年の価格改定では500mlが追加値上げの対象から外れ、直近の負担増は回避されました。
価格維持は継続購入のしやすさという商品自体の評価で重要です。
2024年|異常が出た井戸を切り離して行政へ報告
関連企業はSAEMEで、現在のシビックランクはD・58点です。主な強みは従業員への利益分配と異常時の停止対応、主な弱みは委託先管理と水源・製造拠点の集中です。
SAEMEは2024年、17井戸のうち1井戸で異常を検知した際、その井戸を切り離して行政へ報告しました。[7][8]
evianは特定水源に依存する商品なので、水源異常を検知した後に対象井戸だけを外して供給を続けられることはProtection上の強みです。異常の検知だけでなく、実際に切り離す運用が確認できた点を評価します。
2024年4月|フランス市場のボトル本体を100%rPETへ
関連企業はSAEMEがD・58点、DanoneがC・69点です。SAEMEは利益分配と品質停止対応が強みで、委託先管理と水源集中が弱点です。DanoneはInnovation19/25が比較的高く、Safety33/50、Protection17/25には改善余地があります。[19][20]
evianはフランス市場で販売するプラスチックボトルについて、2024年4月からボトル本体を100%再生PETへ移行したと公表しています。キャップとラベルは対象外です。[15]
容器本体の再生材利用を進めた点は前向きです。日本向け通常500mlについても、現在の再生PET比率を継続的に明示すれば、購入者がフランス市場との違いを比較しやすくなります。
悪いニュース・問題事例
購入前に確認しておきたい問題は、工場内の品質だけではありません。evianでは、廃棄委託先まで含む管理、日本での回収、輸入商品としての価格変動が具体的な弱点として確認できます。
| 時期 | ニュース | 関連企業 | シビックランク・点数 | 主な強み | 主な弱み | ニュースの意味 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2021~2022年 | 廃棄予定50clの一部が委託先経由で再流通し回収 | SAEME | D・58点 | 利益分配、品質停止対応 | 委託先管理、報告対応 | 工場外での廃棄管理の弱さが表面化 |
| 2021年 | 日本で330mlの一部を香味不良により自主回収 | 伊藤園・伊藤忠ミネラルウォーターズ、伊藤園 | F・22点/B・77点 | 日本での供給、販売網 | 実輸入会社の情報公開 | 国内で回収対応が必要になった事例 |
| 2023年6月 | 500mlを145円から170円へ値上げ | 伊藤園 | B・77点 | 物流改善、販売網 | 輸入コストの影響 | 価格継続性の弱さを確認 |
2021~2022年|廃棄予定品が市場へ戻った
関連企業はSAEMEで、現在のシビックランクはD・58点です。主な強みは従業員への利益分配と品質異常時の停止対応、主な弱みは委託先管理と報告対応です。
2021年にフランスで製造された50clの一部では、プリフォーム搬送工程に関係する設備部品の劣化によって、プラスチック片が混入する可能性が生じました。SAEMEは対象品を廃棄対象にしました。[7][8]
問題はその後です。廃棄委託先を経て一部商品が南フランスの小売へ戻り、2022年に回収が必要になりました。行政への連絡にも数週間かかっています。[7][8]
工場内部では「販売しない」という判断ができていました。しかし、安全管理は廃棄を決めた時点で終わりません。委託先へ渡した後に、対象ロットが実際に破砕・廃棄されたかまで確認できなければ、今回のように市場へ戻る余地が残ります。
2021年|日本で330mlを自主回収
関連企業は伊藤園・伊藤忠ミネラルウォーターズがF・22点、伊藤園がB・77点です。実輸入会社は日本への供給を担っていますが、会社単体の労働・BCP情報を外部から比較しにくいことが弱点です。伊藤園は物流改善と供給体制が強みです。
日本では2021年、PETエビアン330mlの一部で香味不良が確認され、関西地域へ出荷された約2万8,200本が自主回収されました。[16]
対象ロット、本数、地域を公表して回収した点は、問題発生後の対応として確認できます。一方、日本への実輸入を担う伊藤園・伊藤忠ミネラルウォーターズは22点・Fで、回収時だけでなく平時の労働環境、BCP、在庫、代替物流なども外部から比較できるようにする余地があります。[21]
2023年|500mlは17.2%値上げ
関連企業は伊藤園で、現在のシビックランクはB・77点です。主な強みは物流改善と供給体制、主な弱みは営業現場の負荷とサイバー面の課題です。
500mlは2023年6月に145円から170円へ25円、17.2%値上げされました。[6]
伊藤園は、輸入物流費、採水地でのエネルギー費、人件費、資材費などの上昇を理由に挙げています。evianはフランスの特定水源で作ることが商品価値なので、価格を下げるために国内水源へ置き換える方法は取りにくく、為替、海上輸送、現地コストの影響を受けやすい構造です。
2026年には500mlの価格が据え置かれましたが、2023年の値上げ実績は、輸入商品として価格継続性に弱さがあることを示しています。
この商品を買うことで支えるもの
evian 500mlを買うことで需要が向かう先には、従業員へ実際に金銭を分配する制度、異常が出た商品や水源を止める品質管理、日本側で物流負担を減らす取り組みがあります。商品を選ぶ意味を、具体的な制度と行動に置き換えると次の3点が大きな強みです。
従業員への利益分配
SAEMEでは、2023年に約1,160万ユーロ、2024年に約1,270万ユーロ、2025年に1,502万8,665ユーロの従業員向け利益参加が確認できます。[11]
さらに2026年には、生産性目標の達成状況に応じて最大300ユーロを支給する生産性ボーナスを導入し、生産派遣社員も対象にしています。[9]
evianの製造事業では、会社の成果の一部を従業員へ金銭で分配する制度が継続して確認できます。商品が売れることで維持される製造事業の中に、こうした利益分配の仕組みが組み込まれていることがSafety上の強みです。
異常が出た商品を販売から外す品質管理
Evian工場では17井戸を監視し、採水から製品まで約300回/日の品質確認を行っています。[7][8]
2024年には一時的な品質アラートが出た生産分をブロックし、再検査後も約50パレットを予防的に廃棄しました。異常井戸を切り離して行政へ報告した事例も確認できます。[7][8]
検査を実施していることに加え、異常を見つけた後に販売対象から外す行動が確認できる点を評価します。過去の委託先再流通問題があるため、今後はこの管理を工場の外までつなぐことが必要です。
日本側では高得点企業が輸入権と販売を担う
伊藤忠商事は83点・Aで日本の独占輸入権と国際調達、伊藤園は77点・Bで日本の独占販売と販売網を担います。
伊藤忠商事では平均年間給与約1,991万円、月平均残業約10時間、有給休暇取得率71%などを確認しています。[17]
伊藤園ではパレット化、中継輸送、共同輸送、鉄道・フェリーへのモーダルシフトなどを進めています。[18] 飲料は重量があるため、物流工程の作業時間と運転時間を減らす取り組みは、人の負担を減らすInnovationとして商品評価へ反映しています。
この商品・関連企業に改善してほしいこと
evianが次のBランクへ上がるには5.23点必要です。最も比重が大きい役割は採水・製造・充填30%であり、SAEMEの労働実績、委託先管理、復旧力の改善は商品総合点へ大きく影響します。日本への実輸入会社の情報公開も、現在の低得点を改善する余地が大きい部分です。
廃棄委託を最後まで追跡する
最優先は、廃棄対象となった商品が実際に破砕・廃棄されたことまで確認できる管理です。
2021~2022年の50cl事例では、工場内で廃棄対象と判断した後、委託先を経た一部商品が市場へ戻りました。[7][8]
委託先への引き渡し記録だけでなく、破砕・廃棄完了証明、ロット照合、再流通防止まで一続きで確認できる仕組みが必要です。製造現場で高い頻度の品質検査を行っていても、その後の廃棄工程で管理が切れれば、安全管理全体の弱点になります。
水源・工場停止時の復旧時間を数字で公開する
Evian工場には17井戸があり、異常が出た1井戸を切り離した運用実績があります。洪水警戒時の即日招集制度やOT・サイバー担当体制も確認できます。[7][8][10][13]
一方、主要ボトリング設備が長時間停止した場合の復旧目標、停電時の継続時間、港湾停止時の代替航路、日本国内の安全在庫日数などを一続きで確認できる公開情報は限られています。
特定水源でしか作れない商品だからこそ、「主要設備が停止した場合に何時間で復旧するのか」「日本側の在庫で何日供給できるのか」を数字で公開できれば、Protectionをより具体的に評価できます。
日本の実輸入会社は労働・BCP情報を公開する
伊藤園・伊藤忠ミネラルウォーターズは22点・Fです。日本への実輸入という重要な役割を担っていますが、会社単体の平均給与、残業、有休、労災、BCP訓練、代替物流、安全在庫、サイバー復旧などを確認できる情報が限られています。[21]
現在の低得点理由の中心は、これらの実績を外部から比較できないことです。給与、労働時間、労災、供給停止訓練、代替ルート、安全在庫などを数字で公開すれば、SafetyとProtectionの再評価が可能になります。
商品基本情報
evian 500mlは、フランス産ナチュラルミネラルウォーターです。日本では170円税別の希望小売価格で販売され、硬度304mg/Lという特徴を持ちます。[1][2]
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 商品名 | evian/エビアン PET 500ml |
| 評価地域 | 日本 |
| 種類 | ナチュラルミネラルウォーター |
| 原材料 | 水(鉱泉水) |
| 容量 | 500ml |
| 容器 | PETボトル |
| 希望小売価格 | 170円・税別 |
| 賞味期間 | 30か月 |
| JANコード | 3068320111360 |
| エネルギー | 0kcal/100ml |
| ナトリウム | 0.7mg/100ml |
| カルシウム | 8.0mg/100ml |
| マグネシウム | 2.6mg/100ml |
| 硬度 | 304mg/L |
| pH | 7.2 |
| 採水・製造 | SAEME |
| 日本での実輸入 | 伊藤園・伊藤忠ミネラルウォーターズ株式会社 |
| 日本の独占販売権 | 株式会社伊藤園 |
| 日本の独占輸入権 | 伊藤忠商事株式会社 |
500ml換算ではカルシウム約40mg、マグネシウム約13mgです。2026年はボトリング開始から200周年で、日本でも限定デザインボトルが展開されています。[4][14]
希望小売価格は500mlで170円・税別です。2026年9月の価格改定では750mlが値上げされましたが、500mlは据え置かれました。[5] 一方、500ml自体も2023年には145円から170円へ値上げされているため、価格を見る場合は直近の据え置きと中期的な値上がりの両方を確認する必要があります。[6]
商品そのものの特徴
evian 500mlの特徴は、フレンチアルプスの特定水源に由来する硬水を500mlのPETボトルで持ち運べることです。同じ水という商品でも、国内の一般的な軟水とは成分構成、供給経路、価格変動要因が異なります。
硬度304mg/Lの硬水
evianは硬度304mg/L、pH7.2で、100ml当たりカルシウム8.0mg、マグネシウム2.6mgを含みます。[1][2]
500mlではカルシウム約40mg、マグネシウム約13mgです。水源由来のミネラル構成が明確で、日本で一般的な軟水とは異なる硬水を選びたい人に分かりやすい商品特性があります。
フレンチアルプスに降った雨や雪が地層を通り、約15年かけて自然にろ過されると説明されています。[2] この水源由来の性質が商品価値であるため、別地域の水へ切り替えて同じevianとして量産する方式には向きません。
500mlの携帯性と30か月の賞味期間
500mlは一度に持ち運びやすい容量で、賞味期間は30か月です。[1]
大容量ボトルより携帯しやすく、外出先で飲み切る用途に合わせやすい一方、容量当たりの価格では大容量商品より割高になる場合があります。購入時には、硬水という商品特性を重視するのか、単位価格を重視するのかで選び方が変わります。
商品価値と供給リスクが同じ水源に結び付く
evianの特徴とProtection上の弱点は同じ場所から生まれています。フレンチアルプスの特定水源だからこそ、硬度やミネラル構成、ブランドの由来が成立します。
同時に、その水源と主要ボトリング拠点が長期間停止した場合、国内の別水源へ切り替えて同じ商品を作ることは難しくなります。品質を守るための「変えにくさ」が、供給面では代替性の低さになります。
そのためevianの商品評価では、水源の品質管理、井戸の切り離し、工場の復旧、国際物流、日本側の在庫まで一続きで見る必要があります。
関連企業と役割
evian 500mlは、フランスでの採水・製造から日本での輸入・販売、デジタル接点まで複数の企業によって支えられています。表では関連会社・シビックランク・役割を一覧化し、その下で「なぜその点数なのか」を短く説明します。
| 関連会社 | シビックランク | 役割 |
|---|---|---|
| 伊藤忠商事株式会社 | A・83点 | 日本の独占輸入権・国際調達 |
| 株式会社伊藤園 | B・77点 | 日本の独占販売・販売網 |
| Danone S.A. | C・69点 | ブランド親会社・グループ方針 |
| SAEME | D・58点 | 採水・製造・充填・品質管理 |
| DAN’IS | E・48点 | IT・デジタル支援 |
| MOKOM 01 | F・30点 | 公式サイト開発・統合 |
| The Working Assembly | F・25点 | 公式サイトデザイン |
| 伊藤園・伊藤忠ミネラルウォーターズ株式会社 | F・22点 | 日本への実輸入・供給 |
伊藤忠商事株式会社|A・83点
日本を代表する総合商社の一つで、evianでは日本の独占輸入権と国際調達を担います。高い給与水準、月平均残業約10時間、有給休暇取得率71%、BCPとサイバー対策を高く評価しています。一方、男女賃金差や食品輸入に関する過去の違反事例などが満点を妨げています。
企業審査を読む:https://tousikyousomirai.com/?p=3009
株式会社伊藤園|B・77点
日本でevianの独占販売を担い、営業・販売網・物流を通じて商品を消費者へ届ける会社です。物流のパレット化、中継輸送、共同輸送、鉄道・フェリーへのモーダルシフト、災害対応などを評価しています。一方、営業現場の身体的・時間的負荷やサイバー面の課題が残っています。
企業審査を読む:https://tousikyousomirai.com/?p=2968
Danone S.A.|C・69点
フランスを本拠とする食品・飲料グループの親会社で、evianブランド全体の方針を担います。生活賃金認証、医療・栄養分野への貢献、世界規模の供給網や研究開発を評価しています。一方、労働時間の現在値が十分に見えないこと、近年の重大労災履歴や2026年の乳児用ミルク回収が得点を押し下げています。
企業審査を読む:https://tousikyousomirai.com/?p=3005
SAEME|D・58点
フランスでevianの採水、製造、充填、品質管理を直接担う会社で、商品との関係が最も深い企業の一つです。2025年の従業員向け利益参加1,502万8,665ユーロ、2026年の最大300ユーロの生産性ボーナス、品質異常時の停止対応を評価しています。一方、工場単体の残業・労災指標の公開不足、廃棄委託先管理の問題、水源と主要製造拠点の集中が弱点です。
DAN’IS|E・48点
DanoneグループのIT・デジタル機能を支える組織で、evianを含む事業の情報システムやデジタル基盤に関わります。IT、AI、サイバー基盤は比較的強く評価できますが、DAN’IS単体の労働時間、賃金、復旧時間などのKPIが十分に公開されていないためE・48点です。
企業審査を読む:https://tousikyousomirai.com/?p=3124
MOKOM 01|F・30点
evian公式サイトの開発・統合に関わるデジタル企業です。顧客業務の自動化や柔軟な勤務制度などを評価していますが、会社単体の賃金、実労働時間、BCP、復旧実績などの公開が少なく、F・30点となっています。
企業審査を読む:https://tousikyousomirai.com/?p=3118
The Working Assembly|F・25点
ブランド戦略、デザイン、デジタル制作を手掛け、evianでは公式サイトなどのデザイン面に関わります。福利厚生やAIを使った制作効率化などは具体的ですが、実労働時間、安全衛生、BCP、サイバー復旧などの実績開示が弱く、F・25点です。
企業審査を読む:https://tousikyousomirai.com/?p=3115
伊藤園・伊藤忠ミネラルウォーターズ株式会社|F・22点
日本へのevianの実輸入・供給を担う会社です。日本で商品を実際に輸入し、過去の自主回収対応なども確認できます。一方、会社単体の給与、残業、有休、労災、BCP、代替物流、安全在庫などを比較できる公開情報が少ないことが低得点の中心です。
出典一覧
1.株式会社伊藤園「エビアン PET 500ml」商品情報
https://www.itoen.jp/products/41370/
2.evian日本公式「エビアンとミネラル」
https://www.evian.com/jp/what-is-mineral-water/water-quality/
3.evian公式「Water Reports」
https://www.evian.com/en_us/water-quality-reports/
4.株式会社伊藤園「『エビアン』ブランドの価値を表現した限定デザインボトルを2026年5月25日より順次販売開始!」2026年5月21日
https://www.itoen.co.jp/news/article/87061/
5.株式会社伊藤園「エビアン製品の価格改定に関するお知らせ」2026年5月28日
https://www.itoen.co.jp/news/article/87397/
6.株式会社伊藤園「製品の価格改定に関するお知らせ」2023年3月20日
https://www.itoen.co.jp/news/article/49359/
7.フランス上院「CE Eaux en bouteille : compte rendu de la semaine du 10 février 2025」
https://www.senat.fr/compte-rendu-commissions/20250210/ce_eaux.html
8.フランス上院「Eaux minérales naturelles : préserver la pureté」2025年最終報告
https://www.senat.fr/rap/r24-628-1/r24-628-1.html
9.MaitreData/DILA「Accord d’établissement grand evian instituant une prime de productivité」2026年6月23日
https://www.maitredata.com/app/accords-entreprise/societe-anonyme-des-eaux-minerales-d-evian/397561
10.MaitreData/DILA「Avenant numéro 1 à l’accord sur les astreintes de week-end et jours fériés」2026年5月27日
https://www.maitredata.com/app/accords-entreprise/societe-anonyme-des-eaux-minerales-d-evian/395491
11.SAEME 2025年決算情報
https://entreprises.lefigaro.fr/societe-anonyme-des-eaux-minerales-d-evian-saeme-74/entreprise-797080850
12.Pappers「SAEME」企業情報・Egapro
https://www.pappers.fr/entreprise/saeme-societe-anonyme-des-eaux-minerales-d-evian-797080850
13.Danone Careers「Operation Technologies Infrastructure & Cybersecurity Manager」2026年9月
https://careers.danone.com/ca/en/jobs/cdi-operation-technologies-infrastructure-cybersecurity-manager-m-f-25417-fr-fr.html
14.Danone「evian 200 years」2026年4月2日
https://www.danone.com/newsroom/press-releases/evian-200-years.html
15.evian France「Emballage et recyclage」
https://www.evian.com/fr/nos-engagements/emballage-et-recyclage/
16.株式会社伊藤園「PETエビアン330mlの一部製品回収についてのお詫びとお知らせ」
https://www.itoen.co.jp/info/59097/
17.当サイト企業審査「伊藤忠商事株式会社」総合83点・A
18.当サイト企業審査「株式会社伊藤園」総合77点・B
19.当サイト企業審査「Danone S.A.」総合69点・C
20.当サイト企業審査「Société Anonyme des Eaux Minérales d’Évian(SAEME)」総合58点・D
21.当サイト企業審査「伊藤園・伊藤忠ミネラルウォーターズ株式会社」総合22点・F
22.当サイト企業審査「DAN’IS(Danone Information Systems)」総合48点・E
23.当サイト企業審査「The Working Assembly」総合25点・F
24.当サイト企業審査「MOKOM 01 digital GmbH & Co. KG」総合30点・F
